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三菱自動車・相川社長が辞任表明、益子会長は当面留任。その背景とは?

三菱自動車の相川哲郎社長が燃費データ不正操作問題の責任を取って辞任する意向を固めたそうです。

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2014年1月31日に当時の益子社長から命を受け、6月25日に現在のポストに就任した相川社長でしたが、社長就任から僅か2年弱、社内改革の道半ばにして今年6月24日の株主総会後に辞任する模様。

益子会長は当面、三菱自に残り、日産との資本業務提携に向けた調整や、ブランド再生のための計画策定、日産、三菱グループとの調整などに当たる見通し。

今回の三菱自の燃費不正を指摘後、同社の買収に動いた日産は10月頃に三菱自に出資後、同社を傘下に収め、その後、会長を含む4人の取締役を派遣する計画のようです。

相川社長は5月19日に開かれる日本自動車工業会の定時総会で自工会の副会長も辞任する予定で、後任としてホンダの八郷隆弘社長が就任、新会長には西川廣人・日産自動車副会長が就任する見通し。

相川社長は東大で船舶機械工学を専攻、三菱自動車入社後は開発畑を歩み、初代ミニカトッポ(1990年)の企画開発や初代eKワゴン(2001年)の開発プロジェクトリーダーなどを務めた人物。

MMC_Aikawa

父親の相川賢太郎氏は三菱重工で社長、会長を歴任した三菱グループの重鎮で、原動機畑一筋で地熱発電プラント開発の第一人者。

しかしながら、相川社長は今回の燃費不正の舞台となった開発畑の出身であり、経営責任が重いと判断、今後の開発部門のたて直しは事実上、日産主体で行われるものと予想されます。

Avanti Yasunori ・写真:小林和久)

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三菱自の軽自動車が消えた!? 燃費不正発覚後のekワゴン、eKスペースの中古車はどこへ?

4月20日に発表された三菱自動車の燃費問題。まだまだ真相は明らかになっていませんし、車種は拡大の様相を示しています。この問題発覚後、三菱自動車の株価は一気に下がりましたが、中古車相場はどうなっているのかをチェックしてみました。

ekワゴンメイン

今回、中古車相場をチェックしたのは燃費問題発覚のきっかけとなった三菱eKワゴン、ekスポーツ。そして共同開発した日産デイズ、デイズルークスの4車種です。

直近の1カ月の平均相場の推移と流通台数は一体どのようになっているのでしょうか。データは中古車情報サイト、カーセンサーnetのものです。

eKワゴン1カ月 eKスペース1カ月

まずは、三菱ekワゴン、ekスペースです。左のグラフeKワゴン、右がeKスペースのものです。緑の線が平均価格、オレンジの棒グラフは流通台数を示しています。

2車種ともに記者会見が行われた4月20日を境にして中古車の平均価格は下がり、流通台数は減少しているのがわかります。ekワゴンは記者会見前の時点で500台を超える中古車が流通していました。しかし記者会見後わずか一週間で半分以下の220台程度まで減少しています。そして中古車相場は90万円前後を推移していたのにも関わらず、一気に86万円まで下がりました。

軽自動車の場合、1カ月の平均価格は大きく動いても1万円程度というケースが一般的なので、これは暴落といえるでしょう。

ekスペースメイン

さらに深刻なのはeKスペースです。中古車の大需要期である3月が終了した後、4月20日までは小幅な値動きで収まっていました。しかし記者会見後一週間で平均価格は10万円も値落ちし115万円まで下がっています。

さらに流通台数は400台近くに流通していましたが、166台とこちらも半数以下になっています。三菱自動車の株価同様に問題が発覚した車種の中古車も暴落していることがわかりました。

デイズカラミ  デイズルークス

一方の日産デイズ、デイズルークスの平均価格と流通台数はどうなっているのでしょうか?

流通台数は一旦減少していましたが、すでに回復傾向となっています。そして中古車の平均価格はデイズが一旦3万円の値落ちを示したものの、すでに反発して104万円まで戻しています。

もともとデイズルークスは記者会見前からの値落ち傾向が続いており、問題発覚によって値落ちに拍車は掛かったものの、ekスペースに比べると影響は小さいと言えます。

ekワゴン デイズ相場

では、この販売店から消えた中古車はどこに行ったのでしょうか?

答えは中古車が取引されるオークション会場にありました。ekワゴン・eKスペース。そしてデイズ・デイズルークスの未使用車や中古車が大量にオークションに出展されていたのです。

しかし、この2車種をはじめ、オークションに出展される三菱車の多くは入札がなく、流れてしまっているようでした。

ここまで値落ちが進んだekワゴン、ekスペースの中古車相場は反発して値を戻す可能性はありますが、一旦傷付いたブランドの信頼回復はできるのでしょうか。

(萩原文博)