Motor Fan's YEAR 2016

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キャデラックのフラッグシップ「CT6」は、情熱がハイテクを覆した力作

2016年9月から日本で発売される予定のキャデラックCT6。一足早く日本上陸を果たし、メディア向けに公開されました。

ゼネラルモーターズのプレミアムブランドであるキャデラックのフラッグシップモデルであり、また新世代キャデラックのスタートともなるハイテクサルーンといえるCT6。

ライバルは、メルセデスSクラスやBMW 7シリーズといったフルサイズ・プレステージセダンになります。

アルミ鋳造材を巧みに用いたボディにより、ライバルよりも軽量に仕上げ、ドライバーズカーとしてのパフォーマンス面でのアドバンテージを狙っているのも特徴です。

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日本での発表会において、キャデラックのチーフ・マーケティング・オフィサーであり、かつてBMWでもらつ腕をふるったウヴァ・エリングハウス氏は、

「ドイツ人である私としても、キャデラックはドイツ車でないことがアドバンテージになります。日本市場においてはキャデラックはニッチな存在かもしれません。しかし、それが世代交代の進むラグジュアリーカー・マーケットにおいて購入層にアピールするのです」

といった内容のプレゼンテーションを行ないました。

いかにもキャデラックらしい先進的なスタイリングは、同ブランドが120億円を投資した新世代ラインナップのスタートといいますが、テクノロジー以上にアメリカ人の持つ楽観的なマインドや情熱、そしてアメリカンドリームといったパッションを表現しているといいます。

また、34個ものスピーカーを配した専用設計の「Boseプレミアム・サラウンド・サウンドシステム」を標準装備しているのもセールスポイントとなっています。

日本向けのCT6は、シリンダー休止機構を備えた3.6リッターV6エンジンに8速ATを組み合わせたAWD(四輪駆動)というモノグレード設定。AWDとしたことにより「降雪地域での安心感も、お客様に提供できると考えます」とゼネラルモーターズ・ジャパンの石井澄人 社長はアピールしていました。

●キャデラックCT6 セダン プラチナム
全長:5190mm
全幅:1885mm
全高:1495mm
ホイールベース:3110mm
車両重量:1920kg
乗車定員:5名
エンジン形式:V型6気筒DOHC
総排気量:3649cc
最高出力:250kW(340PS)/6900rpm
最大トルク:386Nm(39.4kg-m)/5300rpm
変速装置:8速AT
駆動方式:AWD(全輪駆動)
タイヤサイズ:245/40R20 95W
メーカー希望小売価格:998万円(消費税8%込)(写真・文 山本晋也)

キャデラックATS-Vは軽量ボディに470馬力のV6ターボを積み、価格は990万円から

キャデラックATSといえば、2.0リッター4気筒のダウンサイジングターボに8速ATを組み合わせたプレミアムなドライバーズカーとして認知度を高めているモデルで、セダンとクーペを日本仕様にラインナップしています。

そのATSセダンに、470馬力を発生するハイパフォーマンスなV6ツインターボエンジンを搭載したのが「ATS-V」。

2016年1月より日本でも販売開始されている、そのスーパースポーツセダンがさっそうと駆け抜ける画像がアメリカより届きました。

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詳細なインプレッションは、輸入車専門メディアなどで、しっかりと認められたモータージャーナリストがレポートすることになっているようですが、キャデラックATS-Vは、『エントリー・ハイパフォーマンス・スポーツセダン』セグメントにおいてライバルを凌駕するというアピールする自信作。そのハイレベルなフィニッシュは、画像からもしっかりと伝わってくることでしょう。

アメリカンドリームの象徴であり、プレミアムブランドであるキャデラック。そのスーパースポーツとして位置づけられる「Vシリーズ」として、初めてV6ツインターボを搭載したこともATS-Vのニュースです。

そのエンジンには、軽量なチタンアルミナイド製の羽根によりレスポンスに優れたターボチャージャーをツインで装着されています。キャデラックVシリーズ初というV6ツインターボは、全体として素早く、求めるパワーを発生させるエンジンに仕上がっていることが期待されるのです。

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サーキット走行を考慮した潤滑系も持つというエンジンですが、もちろんシャシーもサーキットで鍛えられた最新テクノロジーによって引き締められているということです。

ZF製の電動パワステユニットはシステム剛性を高めたもの。また、ブレーキはブレンボ製のキャリパー(フロント6ポット、リア4ポット)が備わります。

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キャデラックATS-VはスペックA(990万円)とカーボン製エアロとなるスペックB(1090万円)の2グレード構成。左ハンドル仕様だけのラインナップとなっています。

●キャデラックATS-V 主要スペック
全長:4700mm
全幅:1835mm
全高:1415mm
ホイールベース:2775mm
車両重量:1750kg
乗車定員:5名
エンジン形式:V型6気筒ツインターボ
総排気量:3564cc
最高出力:346kW(470PS)/5800rpm
最大トルク:603Nm(61.5kg-m)/3500-5000rpm
変速装置:8速AT
タイヤサイズ:前235/35ZR18 後275/35ZR18

(山本晋也)

V8スーパーチャージャー搭載、キャデラックCTS-Vの洗練されたパフォーマンスに惚れ惚れ

日本では2016年1月に発表されたキャデラックCTS-V。

6.2リッターV8スーパーチャージャーエンジンの最高出力は477kW(649PS)で、8速ATを介して後輪を駆動するスーパースポーツ系サルーンです。

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そのキャデラックCTS-Vがアメリカの地を駆け抜ける画像が届きました。

日本での価格はスタンダードモデルといえるスペックAが1330万円、カーボン製エアロパーツやレカロシートを備えたスペックBが1470万円。

同クラスのジャーマン系V8ハイパフォーマンスセダンと比べ、パワーでもコストパフォーマンスでも優位に立つアメリカンスポーツサルーンの走りは果たして写真にも映し出されているのでしょうか?

キャデラック「Vシリーズ」は、同ブランドのラグジュアリー性にレーシング譲りのパフォーマンスをプラスしたスーパースポーツセダンを目指したもので、外観はベースモデル同様ですが、中身は別物というスペシャルモデルです。

そして、最新のCTS-Vでは外観もかなり異なっています。

ハイパワーエンジンをしっかりクーリングするために開口部を広げたフロント周りはもちろん、ワイドタイヤを収めるフェンダーや空力性能を高めるリアスポイラーなど、その違いは全身に及んでいます。

エンジンルームの熱気を放出するエアベントを備えたボンネットはカーボンファイバー製。スペックBでは、フードベントやフロントスプリッター、リアスポイラーにディフューザーがカーボンファイバー製となっています。

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中身も別物です。ストラットタワー周辺にはじまり各部にブレース類を追加することで標準モデルとなるCTSに対して20%もの剛性アップを果たしているといいます。

シャシーではキャデラックの特徴といえる磁性流体を使った可変減衰力ダンパー『マグネティックライドコントロール』の制御はもちろん、サスペンション剛性を全面的に向上させ、サーキット走行にも対応したパフォーマンスが与えられているというのもセールスポイント。ブレーキはブレンボ製キャリパーを採用、フロント6ポット、リア4ポットとなっています。

低重心にも寄与する伝統的なV8・OHVエンジンですが、直噴化や気筒休止システムなど最新テクノロジーによるユニットとなっているのも特徴のひとつ。

トランスミッションは各ギアのステップ比を小さくとった8速AT『8L90』型となり、パドルシフトの操作による素早いギアチェンジが可能となっているのも技術的なアピールポイントとなっています。

たとえば、0-60mph(約96km/h)加速が3.7秒というミドルサイズの4ドアサルーンとは思えないほどの俊足ぶりを発揮するのです。

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●キャデラックCTS-V 主要スペック(日本仕様)
全長:5040mm
全幅:1870mm
全高:1465mm
ホイールベース:2910mm
車両重量:1910kg
乗車定員:5名
エンジン形式:V型8気筒OHVスーパーチャージド
総排気量:6156cc
最高出力477kW(649PS)/6400rpm
最大トルク:850Nm(87.2kg-m)/3600rpm
変速装置:8速AT
駆動方式:FR
タイヤサイズ:F 265/35ZR19 R 295/30ZR19
ハンドル位置:左

(山本晋也)

キャデラックCT6は全長5mで1.7t以下の「ライトウェイト」フルサイズサルーン

アメリカンドリーム、北米における成功の象徴といえるブランドがゼネラル・モーターズの「キャデラック」。そのフラッグシップともいえるプレミアムラグジュアリーモデル『CT6』が彼の地で走る写真の数々が届きました。

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遠からず日本にも上陸することが期待されているキャデラックCT6は、全長5.2mに迫るフルサイズのラグジュアリーサルーン。

「アメ車の大型セダン」と聞けば、運動性能や燃費においてネガティブなイメージを受けるかもしれませんが、それは今は昔の話です。

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アルミをはじめ11種類もの素材により構成されるボディは、ハンドリングにつながるボディ剛性、衝突安全性を高めるボディ強度、そして燃費など走り全般を向上させる軽量化を、いずれも高次元で実現しているというのがポイント。

常に最新のテクノロジーを提案するキャデラックらしい、世界でもっとも先端をいくハイブリッドボディといえそうです。

そのアドバンテージについて、キャデラックでは『BMW7シリーズ並のサイズと居住性で、5シリーズよりも軽くしている』とアピールしているほどです。

実際、2.0リッター4気筒ターボを搭載する最軽量グレードでは車両重量1659kgと、ボディサイズから想像できないほど軽く仕上がっているのです。

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用意されるエンジンは2.0リッター4気筒ターボ(198kW)、3.6リッターV6(250kW)、3.0リッターV6ツインターボ(298kW)の3種類で、それぞれ8速ATが組み合わせられます。また、駆動方式は2.0リッターが後輪駆動となっているほかは四輪駆動を基本としています。

四輪駆動のトルク配分は可変タイプの「アクティブ・オンデマンド・オールホイールドライブ」となっていますが、シャシー面でも「アクティブ・リアステア」、「マグネティックライドシステム」の搭載など先進的なものとなっています。

日本上陸は確実とウワサされるキャデラックCT6。世界最新テクノロジー満載のプレミアムサルーンとして、導入時期や価格が気になる一台といえそうです。

●キャデラックCT6 主要スペック(北米仕様)
全長:5182mm
全幅:1879mm
全高:1472mm
ホイールベース:3106mm
車両重量:1853kg
乗車定員:5名
エンジン形式:3.0リッターV型6気筒ツインターボ
最高出力:298kW(400HP)
最大トルク:543Nm
変速装置:8速AT
駆動方式:AWD(全輪駆動)

(山本晋也)

10速AT搭載のシボレー・カマロZL1は「走る・曲がる・止まる」で最高レベルを自負する2+2クーペ

シボレー・カマロに、スーパーチャージャーで過給された6.2リッターV8スモールブロックエンジン(最高出力477kW、最大トルク868Nm)を積む新グレード「ZL1」が追加されました。

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シボレー・ブランドを展開するゼネラル・モーターズのバイスプレジデント、マーク・ロイス氏はカマロZL1について、次のようにアピールします。

『2+2クーペとして信じられないほどのパフォーマンスを、走る・曲がる・止まるというすべての面で提供するニューモデル。しかも日常的に乗って楽しむことができる』

そのためにパワートレインはもちろん、シャシーも十分に吟味された内容になっているといいます。

たとえばタイヤは20インチ(前285/35ZR20 後305/30ZR20)のグッドイヤー・イーグルF1を履いていますし、フロントのブレーキはブレンボのモノブロック6ポットキャリパーに390mmの2ピースディスクを組み合わせています。

なにより、注目なのはスーパーチャージャーを組み合わせた6.2リッターV8「LT4」エンジンに、10速ATが組み合わせられていることでしょう。

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燃費重視の多段ATでは変速比幅を10近くまで広げるのがトレンドですが、カマロが搭載する10速ATの変速比幅は7.39とギア数からすると非常にタイトで、かなりクロスしたギアレシオになっているのが特徴。

つまり、シボレーとして初採用となる10速ATは、素早いギアチェンジなど走りのパフォーマンスに貢献するデバイスとして、スポーツカーらしい小気味のいいシフトアップ&ダウンを期待できるというわけです。

北米におけるカマロZL1の発売時期は2016年内。そして、新開発の10速ATは2018年末までにゼネラル・モーターズの8車種に続々と搭載される予定ということです。

(山本晋也)