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【中古車相場をデータで振り返る2016年・Vol.2】オデッセイをはじめホンダの現行型ミニバンは揃って値落ち!

2016年、国産車ミニバンのジャンルでは、プロパイロットという先進安全技術を搭載した日産セレナと、ミニマムサイズのミニバン・ホンダフリードが登場しました。

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フルモデルチェンジによる影響は先代セレナの中古車相場に大きな影響を与えていて、今回データを取った車種の中では、年始の206万から182万円と、最も大きな24万円という値落ち幅を記録しました。一方のフリードも120万から104万円と16万円と大きく値落ちして、割安感が高まっています。

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新型フリードの登場はライバル車であるトヨタシエンタにも影響を与えているようで、こちらも218万から202万円と先代フリードと同じ16万円値落ちしています。とはいえ、まだ平均価格は200万円台をキープしていますので、人気の高さが伺えます。

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新型セレナが登場した2Lクラスはというと、トヨタヴォクシーが268万から258万円、ホンダステップワゴンが277万から267万円と揃って10万円の値落ち。これからさらにセレナの影響が出る可能性が高いです。

そして、LLサイズミニバンでは明暗がハッキリと分かれています。7月にマイナーチェンジしたエスティマは155万から143万円の12万円値落ちしていますが、アルファードは406万から408万円と2万円の値上がりを記録し、アルファード/ヴェルファイアの人気に衰えがないことがわかります。一方、ライバル車の日産エルグランドも268万から263万円と3万円の値落ちに留まっており、横ばいといえる動きです。

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そんな中でホンダオデッセイだけが292万から271万円と、クラス唯一の21万円という大幅な値落ちを記録し割安感一気に高まっています。さらに、ホンダのミニバンではジェイドが253万から232万円とオデッセイ同様21万円の値落ち幅を記録。ホンダの現行型ミニバンは揃って値落ちとなっています。

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最新の平均価格だけで見れば、ステップワゴンとオデッセイの差はわずか4万円。年式やコンディションなどの差はありますが、同じ予算でどちらも狙えるという選択の幅が広がっているのはユーザーにとってメリットは大きいと言えます。

(萩原文博)

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新型オデッセイの北米モデルが2017年の北米国際自動車ショーで初公開

かつて日本にもカナダ工場から輸入されていたラグレイト。北米ではオデッセイの車名としてベストセラーとなっています。

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ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターがミシガン州デトロイトで開催される2017年北米国際自動車ショー(プレスデー:2017年1月9日〜10日、一般公開日:1月14日〜22日)において、新型「ODYSSEY(オデッセイ)」を世界初公開すると発表しました。ワールドプレミアに先駆けてスケッチが1枚公開されています。

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北米仕様のオデッセイは、6年連続でミニバンの販売台数第1位を獲得。今回発表される新型オデッセイは北米モデルの5代目にあたり、洗練された新しいエクステリアデザイン、パワートレイン、ファミリーユーザーに対応するパッケージや先進の安全運転支援システムを装備するなど、上質な走りと使い勝手を兼ね備えたモデルとなっているそうです。

2017 Honda Odyssey

ラグレイトの名で日本に再上陸する可能性は非常に低いですが、北米版オデッセイ(ラグレイト)やトヨタ・シエナなどの並行輸入車を好んでいる人から注目を集めそう。なお、実車の写真は現行モデルになります。

(塚田勝弘)

上質な乗り味が魅力のオデッセイ・ハイブリッド。 気になる実燃費は?

2月にマイナーチェンジを実施したホンダ・オデッセイ。発売から1カ月で9000台超という受注を集めたそうですが、そのうち7割強がハイブリッドモデルとのこと。

いままでハイブリッドがなかったのが不思議なくらいですが、それだけ待望の追加設定といえるのでしょう。

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JC08モード燃費は、クラストップ(7/8人乗り、1.8L以上のクラス、全高1600mm以上のミニバン)の26.0km/L。

日本自動車販売協会連合会の「新車乗用車販売台数月別ランキング」では、2016年2月に20位、翌3月は22位と圏外から30以内に顔を出しています。

ハイブリッド仕様と純ガソリン仕様の価格差は、装備など違いで単純比較はできないものの、ベースグレードで単純比較すると75万円超、装備を考慮すると実質約55万円の差といえそうです。

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そうなると、ガソリン代だけ元を取るのはかなり走らなければなりませんが、ハイブリッドモデルを購入する「理由」は単なる燃費だけでなく、静粛性の高さや静かさからくる上質感などを挙げる人も多いはず。

実際に試乗してみると、オデッセイ・ハイブリッドの乗り味は音・振動面、乗り心地など動的質感の高さは想像以上の出来映えでした。

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一般道から山岳路、高速道路まで約280km走行する機会がありましたが、路面状況を問わず1列目から3列目までショックを抑制したフラットライドは最近のミニバンの中でも上々といえるもの。

乗り心地の良さは、車格が下になるヴォクシー/ノア/エスクァイアはもちろん、基本設計の古いエスティマ・ハイブリッドなどを超えて、アルファード/ヴェルファイアに匹敵するかそれ以上かもしれません。

Printまた、バッテリー残量によりますが、街中であればEV走行中心でまかなえることが多く、エンジンの出番となると力強い加速も可能。ノーマルでも重い3列ミニバンですが、高速道路の巡航でも「かったるさ」はあまり感じさせませんでした。

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フットワークに関しては、70〜100kgほど重いハイブリッドらしく軽快とまではいえませんが、背の高いミニバン(といっても1700mm以下ですが)にありがちな重心の高さを感じさせず、ワンディングなどでもロールが大きくて運転がしにくいということもありません。

ほかにも、純ガソリン仕様と変わらない乗降性や居住性も魅力で、左右一体式のサードシートの床下格納など、シートアレンジを含めた使い勝手もガソリン車と同等。

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実燃費は約16.5km/Lで、JC08モード燃費からするともう少し伸びて欲しい気もしますが、エコランに徹したわけでもなく、渋滞にもたびたび遭遇したことを考えると上出来といえそうです。

(文/写真 塚田勝弘)