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【中古車相場をデータで振り返る2016年・Vol.3】前代未聞!昨年登場したプリウスが1年で22万円もの値落ち

国産車の5ドアハッチバック&ステーションワゴンのカテゴリーで大きく値落ちしたクルマはトヨタプリウス、レクサスCT、日産リーフ、ホンダシャトル。

そうです。EV、ハイブリッド車もしくはハイブリッド車をラインナップしている車種です。

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最も大幅な値落ちを記録したのが193万から151万円と42万円も値落ちした日産リーフです。リーフは2015年12月に大容量バッテリーを搭載し、航続走行距離が延びたモデルが登場。これが大幅値落ちの一つの要因と考えられます。

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そしてトヨタプリウスが、278万から256万円と22万円の値落ち。2015年に登場し、値落ちしやすいタイミングとはいえ、これまでは考えられないような値落ち幅を記録しています。

そしてレクサスCTが258万から240万円で18万円、ホンダシャトルが223万から207万円と16万円値落ちしています。

その他のモデルでは、マイナーチェンジしたマツダアクセラスポーツが195万から191万円と4万円の値落ちしているものの、フルモデルチェンジを行ったスバルインプレッサ・スポーツは169万から170万円で1万円の値上がり。カローラフィールダーは160万から159万円で1万円の値落ちと小幅な動きにとどまっています。

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その一方で、ハイブリッド車を追加したトヨタオーリスが162万から170万円と8万円の値上がりを記録しました。そしてSTIスポーツという新グレードを追加したスバルレヴォーグが271万から274万円と3万円値上がりしています。

オーリスの値上がりはハイブリッド車を追加して以降始まっているので、市場に高年式車が出回ったものによるものと考えられます。

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新車、中古車問わず不動の人気車だったプリウス。現行モデルが登場してわずか1年で、22万円という値落ち幅を記録するのは従来では見られなかった現象で、正直驚きが隠せません。値落ち傾向は現在も進行中で、一体どこまで下がるのか気になるところです。

アクアに続いて、プリウスも大幅値落ちを記録しているというのはハイブリッド車人気が落ち始めたということかもしれません。

(萩原文博)

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【中古車相場をデータで振り返る2016年】

Vol.1 現行型国産コンパクトカーはアクアとフィットが大きくダウン!
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Vol.2 オデッセイをはじめホンダの現行型ミニバンは揃って値落ち!
http://clicccar.com/2016/12/27/428956/

新型スズキ・スイフトのライバルはヴィッツ・ハイブリッド!?

2016年12月26日に発表、2017年1月4日から発売される新型スイフト。

スズキの2016年は、軽自動車をのぞく登録車で念願の国内販売10万台を達成するなど、イグニス、バレーノと続けて新しい小型車を投入した新車効果を享受した年でもありました。

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2017年以降も小型車で10万台規模をキープさせ、さらに伸ばすために欠かせないのが新型スイフト。

新しいプラットフォームの採用やマイルドハイブリッドの設定をはじめ、スズキ初となる単眼カメラとレーザーレーダーを採用した「デュアルセンサーブレーキサポート」を採用。

こちらは、フロントスクリーン上部に配置される2つのセンサーがキモですが、フロントグリルにアダプティブクルーズコントロール用のミリ波レーダーも用意されるため、計3つのセンサーが搭載されていることになります。

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2017年「初売り」の目玉として年末に発表された新型スイフト。最近ではヒットモデルのハスラーも年末発表、年明け発売を仕掛けています。

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全長3840×全幅1695×全高1500mmという新型スイフトは、ボディサイズが比較的近いトヨタ・ヴィッツ(全長3885×全幅1695×全高1500mm)と競合しそう。

そのヴィッツは2017年1月中にもマイナーチェンジを敢行するという噂もあり、しかもついにヴィッツ・ハイブリッドを設定するのが濃厚というスクープ情報もすでに出回っています。

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ヴィッツ・ハイブリッドはアクアと同じ1.5L+モーターになるのは間違いないでしょうからアクアから想像すると37.0km/L前後には少なくてもなりそう。一方、今回(まずは?)はマイルドハイブリッドのみとなる新型スイフトは、1.2Lエンジンとモーターの組み合わせでカタログ燃費は27.4km/L。約10km/Lの差が出ると予想できます。

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プレス発表会では、すでにソリオに搭載されているストロングハイブリッド仕様について質問もありました。鈴木俊宏社長は「ソリオで様子を見ながら検討していきたい」と回答したこともあり、今後投入の可能性も高そうです。ソリオのストロングハイブリッド仕様からも分かるように、シングルクラッチのAGS(オートギヤシフト)を前提としたHVシステムであり、AGSというのがどう評価されるかも検討のメニューに入っているかもしれません。

たとえ、ストロングハイブリッドが追加されてもソリオのストロングハイブリッドは32.0km/Lですから、ソリオよりも軽いスイフトとはいえ、燃費の面ではヴィッツ・ハイブリッドには及ばないでしょう。

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ただし、ヴィッツ・ハイブリッドの価格はアクアから想像しても180万円を切るとは考えにくく、今回のスイフト・マイルドハイブリッドは162万円台からですから、イニシャルコストもシビアなクラスだけに、スイフト・マイルドハイブリッドのニーズもかなり高そう。そこでの「初売り」でライバルに対抗する思惑が透けて見えます。

ほかにもスタイリングや質感を高めたインパネ、そして走り。さらに、対歩行者を含む被害衝突軽減ブレーキなど安全面の装備(と、ヴィッツには設定のない標準グレードのマニュアルミッション設定)が新型スイフトと魅力といえそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

トヨタの新型パワートレイン発表で見えてくる、今後の車載電池の動向

トヨタは、2021年までの今後5年間に導入する新型パワートレインを発表しました。

今回の発表には、エンジン・トランスミッションと並ぶハイブリッドシステムの重要な構成要素である車載電池に関する発表も含まれており、今後5年間のトヨタの車載電池に対する基本的な考え方が明らかになりました。

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今回の発表の要旨は、

①新型バッテリーの小型化でリアシート下への配置が可能になった
②2021年まではハイブリッド車にはリチウム電池とニッケル水素電池を併用する
③新型プリウスPHVにはリチウム電池を搭載する

という3点です。

まず、①の新型バッテリーの小型化については、従来リアトランクの底に配置されていた車載電池をリアシート下へ移動させることが可能になり、荷室容量の増加が期待できます。

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次に②の、リチウム電池とニッケル水素電池の併用については、従来からのトヨタの基本方針を踏襲したかたちです。

トヨタではハイブリッド車の車載電池について、ニッケル水素電池は古い、枯れた技術ではなく、まだまだ進歩する余地があり、今後も活用していくと説明しており、今回のリチウム電池とニッケル水素電池の併用も、その考え方に基づくものです。

公表された両方の電池の写真を見ると、リチウム電池の方がニッケル水素電池より一回り小さな印象で、リチウム電池の容量4,0Ahでニッケル水素電池の容量が6.5Ahとなっている発表資料のデータからも納得できます。トヨタでは、車載電池の搭載スペース、充放電能力によってリチウム電池とニッケル水素電池を選択しているものと見られます。

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われわれユーザーが車種を選択する際には、自分の希望する車種・モデルがリチウム電池を搭載しているのか、ニッケル水素電池なのかが気になるところです。

③の新型プリウスPHVにリチウム電池を搭載する点については、車載電池の容量を大きくして、EV走行距離・速度粋を拡大することを重視して、リチウム電池搭載を決定したものと考えられます。

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今回の発表でトヨタの車載電池の方針が明らかになり、今後ハイブリッド車・PHV車の電動走行が拡大するにつれて、トヨタもリチウム電池を重視する方向に転換して行くと予想されます。

ハイブリッド・PHVを重視するトヨタの車載電池に対する姿勢の動向に注目が集まっています。

(山内 博・画像:トヨタ)

疑似10速モードを持つ、新型レクサスLC500hの心臓部・マルチステージハイブリッド

トヨタの新世代アーキテクチャ「TNGA」。そのパワートレイン・シリーズについての発表会場には、間もなく発表となるレクサスLC500hに搭載される『マルチステージハイブリッド』のコアとなる、縦置きハイブリッドユニットのカットモデルが展示されていました。

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基本的な構造は従来の縦置きハイブリッド(クラウンなど)と同様で、エンジン側にジェネレーター、その隣に動力分割機構、そして駆動モーターを置いたレイアウトとなっています。

マルチステージたるゆえんは、その先(後ろ側)に2個のプラネタリギヤを置いていることです。このプラネタリギヤはワイドレンジの4速ATとして活用されています。

これまでも2段リダクションギヤ付きの縦置きハイブリッド(GS450hなど)はありましたが、それはモーターだけを減速するもので、エンジン出力についてはそのまま使っていました。

新しいマルチステージハイブリッドでは、エンジンと駆動モーターのミックスした出力を変速する仕組みとなっているのが違いです。

さらに、4速AT相当の多段変速機構に加えて、ジェネレーターとモーターによる電気式CVT機構の部分でも変速感を出すことにより、ドライバーにとっては10速ATに感じるような模擬変速制御も用意しているのもユニークな点。

ハイブリッドといっても、スポーツドライビングの楽しさを忘れていません。

また、トルクの太いモーターを4速ATにより減速することで発進駆動力を高めるなど、パフォーマンスにも優位性を示すということです。V6・3.5リッターと組み合わされたマルチステージハイブリッドのスタートダッシュは、V8・5.0リッターエンジンを超えるレベルに仕上がっているとのことで、今から期待が高まります。

(山本晋也)

トヨタが新型2.5L 直列4気筒直噴エンジンと8速/10速ATを開発!! CO2排出量を15%以上削減へ

豊田章男社長の直轄であり、トヨタグループ総力を挙げてのEV参入で話題を集めているトヨタ。しかし、2040年時点でも何らかの形で内燃機関を使った車両は80%近く残るという分析もあります。

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EVやFCVなどの電動化車両へのシフトは徐々に進んでいくのは間違いないにしても、従来からのガソリン、ディーゼルエンジン、トランスミッションの進化はまだまだ伸ばす必要があり、マツダが「HCCI(予混合圧縮着火)」の開発を推進しているのもその一例といえます。

今回、トヨタから発表された2.5L 直列4気筒の新型直噴エンジンは、エンジンの実力を最大限引き出すために「TNGA」により基本骨格を一から見直したものだそうで、構造と構成を刷新することにより、高い走行性能と環境性能を両立させた「Dynamic Force Engine」と命名。今後もさらに進化させていくとしています。

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同エンジンは、高速燃焼技術、可変制御システムの採用のほか、排気・冷却・機械作動時などの様々なエネルギーロスを少なくして熱効率を向上させるとともに、高出力を両立するとしています。

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新開発の2.5Lガソリン車用エンジン、ハイブリッド用エンジンは、それぞれ世界トップレベルの熱効率40%、41%を達成しています。同時に、緻密な制御による高レスポンス化と全速度域での高トルク化など、多くの新技術の採用により全面的に見直し、大幅に進化させたそうです。

また、新しい8速AT(FF用)、10速AT(FR用)も、エネルギーロスを最小限にし、伝達効率を高めるためにギヤやクラッチなどに様々な対策が施されています。

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ギヤは、歯面の摩擦係数を低くする新たな加工が施され、ギヤが噛み合う時のエネルギー伝達ロスを削減。機構内の摩擦材形状が最適化されたクラッチは、回転時のクラッチの損失トルクを約50%低減(従来型6速AT比)するなど世界トップレベルの伝達効率を達成。

ほかにも、小型軽量化により車両燃費を向上させるとともに、低重心化により直進およびコーナリングの走行安定性向上に寄与するそうです。

また、ギヤをワイド化するとともに、高性能・小型トルクコンバーターを新開発し、ロックアップ領域を拡大。アクセル操作に素早く、滑らかに反応するようになり、走りの質が高められています。

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10速ATの「Direct Shift-10AT」は、8速から10速に段数をアップさせてトータルのギヤ数を増やしながら、低・中速域を中心に、各段の使用領域(段数)を最適化するクロスギヤが採用されています。これにより、FRプレミアム車にふさわしいスムースかつ世界最速レベルのクイックな変速が生み出すダイナミックな走りを実現。

もちろん、FR向けハイブリッドも進化しています。4代目プリウスに採用された小型、軽量、低損失化技術を継承し、2.5Lエンジン用ハイブリッドシステムを一新するとともに、FR用の高性能「マルチステージTHSⅡ」を新開発。

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この2.5LのTHSⅡは、小型・軽量・低損失化技術と、TNGAによる新型エンジンの高い燃焼効率と高出力との相乗効果により、優れた動力性能、低燃費を高次元で追求したとしています。

具体的には、ハイブリッド車の走りのイメージを一新する高い発進加速性能とダイレクト感あふれる走りを実現。高速走行時のシステム効率の向上に加えて、高車速域でもエンジン間欠運転を可能にすることで高速燃費を向上しているそうです。

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プラグインハイブリッドシステムは、従来のモーター走行に加えて、これまで発電機として使用していたモーターを走行用としても使用する「デュアルモードドライブシステム」を搭載。欧州車などでも採用されている技術ですが、これにより力強いEVモード走行を実現。

各国の排ガス規制に対応すべく環境性能を高めるのは必須になっています。しかし、そこには従来よりも力強い走りも必要で、新パワートレーンを搭載させた車両を2021年には、トヨタの車両販売台数の60%以上に拡大(日本、米国、欧州、中国が対象)。CO2排出量は15%以上削減するとしていますから、新生トヨタに注目が集まります。

2021年までの5年間でエンジンは、今回開発した2.5Lガソリンエンジンを含め、9機種(17バリエーション)、トランスミッションは多段化AT、新機構の無断変速機(CVT)など4機種(10バリエーション)、ハイブリッドシステムは6機種(10バリエーション)の投入予定とされています。

(塚田勝弘)

新型ホンダ・フリードの使い勝手をチェック。2列目、3列目シートの広さ、快適性は?

全長4265×全幅1695×全高1710mmという新型ホンダ・フリードは、先代よりも全長が50mm伸び、ライバルのトヨタ・シエンタよりも30mm長くなっています。

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最小回転半径は、先代と同値の5.2mに抑えて取り回しに配慮。先代フリードで駐車場がなんとかギリギリに収まっていたというケースをのぞき、コンパクトミニバンとしての機動性は確保されているといえそう。

全長を伸ばした恩恵は、1列目と3列目間の前後席距離間が90mm延長されたことと、2列目の120mmロングスライドに現れています。

とくにガソリン仕様であれば前席下に足がすっぽりと入りますから、フロアが高く、座面が低いという欠点を抱えつつも足を伸ばすことで2列目の快適な乗車姿勢を取ることができます。

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ハイブリッドもフロアの高さそのものはガソリン車と同じですが、前席下にIPU(インテリジェント・パワーユニット)が鎮座するため、ガソリン仕様ならすっぽりと足の甲まで入ったのに対し、ハイブリッドはつま先がかろうじて入る程度。

こうなると、身長171cmの私の場合、高めの床に低い位置に配置された2列目の設計が気になってきます。

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さらに、3列目は先代と同じヒール段差(フロアからヒップポイントまでの高さ)とのことで、2列目よりもさらに膝を抱える姿勢に「近く」なりますが、短時間であれば許容範囲。

実際に3列目に座って首都高速でも乗り心地を試しましたが、快適性と静粛性の面から言ってもやはり街中中心のエマージェンシーシートとして割り切りたいところ。3列目はあくまで非常用で、後席を最後端にスライドさせてリラックスして座る、という使い方なら十分な広さを実感できます。

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サードシートが不要な場合はもちろん、ほとんど使わないかも、というのであればフリード+をチョイスする手もあるでしょう。

大きな荷物やボードで上下に仕切られた荷室は用途を満たせば使いやすい一方で、大開口を実現するためテールゲートは大きく重めに感じられますので、この点もチェックしておきたいところです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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新型ホンダ・フリードの走りは「街乗り重視」のセッティング!?

新型ホンダ・フリード(フリード+)のカタログの表紙には「意外にスポーティ。」、「ハイブリッドで、4WDも!?」などのコピーがズラリと並んでいます。

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新型フリードのハイライトのひとつは、ハイブリッドにも4WDが設定された点でしょう。

4WDの25.2km/Lという燃費は、コンパクトミニバンでハイブリッドの4WDを望んでいた人にとっては待望の新型といえそう。電子制御式リアルタイム4WDを謳うハイブリッドの4WDは、電制で瞬時に前後輪のトルク配分を行い、旋回性と安定性を両立するとしています。

「意外にスポーティ」かどうかは人によって感じ方が異なるでしょう。個人的にまず美点に思えたのは、ガソリンもハイブリッドの出だしがスムーズで、前席は減衰の収束もよく、とくに乗り心地も良好。

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131ps/6600rpm、155Nm/4600rpmを発揮するガソリン、110ps/6000rpm、134Nm/5000rpmの1.5Lエンジンに22kW/160Nmのモーターを組み合わせるハイブリッドを用意する新型フリード。

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両仕様ともに先代よりも加速性能も変速フィールも大きく向上していて、リヤの追従性や直進安定性、直進ブレーキスタビリティを大きく改善させたというホンダの主張を十分に感じ取ることができます。

コーナーが続く首都高速でもボディの動きは比較的フラットに保たれていて、短めの全長に高めの全高というディメンションの割にロールの制御も好ましく感じます。

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一方で課題に感じられるのは、かなり軽めのパワステのセッティング。こちらは希薄な接地感にもつながっている印象を受けます。街中でも高速道路でももう少し手応えのある操舵感が欲しいところ。

ステアリング関連では、レシオのクイック化(10%)、ロックtoロックは従来の3.33から2.9回転に減らしているそうで、取り回しのしやすさは向上しているでしょうが、ライバルのシエンタの方がパワステと接地感の手応えがあります。

もう少しダイレクト感のある電動パワステのセッティング、そして後席の乗り心地も前席に近づけば走りの完成度が高まりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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燃費性能32.0km/L!スズキ ソリオに新システムハイブリッド搭載車が登場

スズキが新開発した独自構造のハイブリッドシステムを搭載した、 「ソリオ」「ソリオ バンディット」が発表されました。

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従来からマイルドハイブリッドを採用していたソリオ、ソリオ バンディットですが、新しく開発したハイブリッドシステムは、コンパクトな駆動用モーター(MGU=Motor Generator Unit)と、軽量で伝達効率に有利なトランスミッションである5速オートギヤシフト(AGS)を組み合わせたスズキ独自のパラレル方式ハイブリッドとなっています。

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「標準モード」と「エコモード」の2つの走行モードを設定し、発進・加速時などのキビキビとした走りと、EV走行の頻度を高めて燃費を優先した走りを使い分けることができるのも特徴です。

また、新ハイブリッド仕様車はエコをイメージしたブルー基調の専用エクステリアとインテリアを採用しています。JC08モード燃費は32.0km/Lとライバルと、マイルドハイブリッド車の27.8km/Lを上回るのはもちろん、ライバルも圧倒。もちろんエコカー減税の免税対象です。

メーカー希望小売価格は、ソリオが191万7000円〜206万2800円、ソリオ バンディットは204万6600円となっています。先進安全装備「デュアルカメラブレーキサポート」も全車で選ぶことができます。

●ソリオハイブリッドSZ主要スペック
車両型式:DAA-MA46S
全長:3710mm
全幅:1625mm
全高:1745mm
ホイールベース:2480mm
車両重量:990kg
乗車定員:5名
エンジン型式:K12C
エンジン形式:直列4気筒
総排気量:1242cc
最高出力:67kW(91PS)/6000rpm
最大トルク:118Nm(12.0kg-m)/4400rpm
変速装置:5速AMT
モーター型式:PB05A
モーター形式:交流同期電動機
最高出力:10kW(13.6PS)/3185-8000rpm
最大トルク:30Nm(3.1kg-m)/1000-3185rpm
燃料消費率:32.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:165/6515
メーカー希望小売価格(税込):2,062,800円

※ハイブリッドシステムの画像は2015年東京モーターショーで撮影したものです。

(山本晋也)

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【東京モーターショー15】発売直前? スズキ・ソリオハイブリッドはEV走行可能な本格派
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新型ホンダ・フリードを買うならハイブリッドかガソリン仕様、どちらがベスト?

待望のフルモデルチェンジを受けたホンダ・フリード。発売前の「先行予約」も含めた発売1カ月での受注台数は2万7000台。10月単体での登録では9153台となっています。

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ライバルであるトヨタ・シエンタが先代から大胆なデザイン変更を受けたのに対し、フリードは新しさを感じさせながらもひと目でフリードと分かるもので、デザイン面ではキープコンセプトに写ります。こうした戦略がどう出るかはこれからの販売台数で答えが出るでしょう。

フリードには、1.5L直噴DOHCのNAエンジン車、1.5LアトキンソンサイクルのDOHCエンジンを積むハイブリッドの「i-DCD」があります。ハイブリッドにも4WDが設定されたことで選択肢が広がったのも朗報。

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ガソリン仕様とハイブリッド車は、同じ名称のグレードで見ると単純に40万円の差がありますが、同じグレード同士の比較でもハイブリッドの方が装備は充実しています。

たとえば、「G ホンダ・センシング」で比べると、ハイブリッドはLEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライト、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETCが標準装備で、ガソリンはオプション。ほかにもハイブリッド専用エクステリアで先進感が強調されているのもハイブリッドの特徴です。

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さらに、ハイブリッドはエコカー減税が「免税」になり、税制面の差も見逃せません。装備差と税制面を考慮すると40万円の差が少なくても25万円程度にはなりそう。

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燃費だけで元を取るのは難しいかもしれませんが、ハイブリッドの利点である滑らかな走りや静粛性の高さも魅力に感じる人も多そうです。

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ただし、ハイブリッド仕様はタウンユースが中心で、毎日の通勤などある程度距離も乗る人こそお得感が強まるのも事実。サンデードライバーで近所に出かける程度であればガソリン仕様で十分といえます。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

【公道試乗】税込価格2370万円のホンダNSXはエブリデイスーパーカーなのか?

ホンダブランドの中で最も高価なプライスタグを掲げている新型NSXを、ついに動かすことができました。

日本ではホンダ・ブランドで売られているNSXは、北米などではACURA(アキュラ)ブランドで販売され、生産はアメリカ・オハイオにある専用工場で生み出されるれっきとしたアメリカ車。ホンダブランドですが、輸入車ということになります。

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そのお値段は車両本体価格(税込)で2370万円。現時点では113万4000円〜のカーボンセラミックローター装着車のオーダーが先行している状況で、実際の車両価格は2500万円を超える高価格車なのです。

しかも、専用工場での生産能力は一日8台と限られたもので、そこから世界中にデリバリーされています。日本への割当は初年度100台程度で、すでに2年待ちという状況。販売店も限られ、試乗車が用意されることもないでしょう。まさに貴重な機会となりました。

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さて、フロントに2つのモーター、リヤに3.5リッターV6ツインターボとワンモーターという構成のパワートレインを持つNSX、そのシステム最高出力は581馬力と発表されていますが、いつでもそれだけのパワーを出すわけではありません。

ダイナミックモードと呼ばれる機能で選択できる4つのドライブモードの中で、もっともハードな「トラック」モードを選んで、なおかつブレーキペダルを踏んだまま、アクセルペダルを踏み込む「ローンチモード」にして初めて581馬力を発生することになるのです。

つまり実質的に公道でフルパワーを発揮するという機会はないといえます。それではスーパースポーツらしいカタログスペックは飾りなのかといえば、そうとは言えないのがNSXの魅力です。

そもそもNSXのハイブリッドシステムはハイパワーを第一義としているものではないからです。フロントのツインモーターユニットは駆動力の上乗せにも使われますが、左右のトルクベクタリング(駆動力移動)によるハンドリングの向上がメインの役割。そして、そのハンドリング性能は低速域でも味わえるのがNSXの魅力というわけです。

そのフロントモーターは、左右合わせて74馬力ものポテンシャルがあり、エンジンを使わずにフロントだけでEV走行することも可能。ダイナミックモードで「クワイエット」と呼ばれるモードを選ぶと、積極的にEV走行をしてくれるので、早朝深夜の住宅街などでも気を遣わうことなく、出入りできるようになっています。

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そして、このEV走行時にはエンジンが停止しているので、スーパースポーツの緊張感から解放されるのもNSXの特徴。とくにファーストタッチの段階で、このEV的スムースさに触れるとスーパースポーツへ対峙する緊張感が和らぎます。

思えば初代NSXでは「エブリデイスーパーカー」といったコンセプトもありました。ドライブテクニックの要求度、耐久性、取り回し性などでハードルを下げ、毎日乗れるスーパーカーというキャラクターを世界に新提案したのです。そのスピリットは、新型NSXにもしっかり受け継がれているのでした。

とくに高張力鋼板を3次元熱間曲げ焼き入れすることで生み出された細いAピラーは視界を広くし、そのボディサイズを感じさせない市街地での取り回しの良さを実感させます。

フルパフォーマンスを発揮できないようなシチュエーションでも我慢がないどころか、走りを楽しもうという気になるスーパーカーなのです。

乗りやすいといっても、特別さがスポイルされているわけではありません。フロントのトルクベクタリングにより鍛えられたシャシーは低速域からシャープで、遊びのないハンドリングを味わうことができます。切り増すことなく、ピシッと思い通りに曲がっていく様は、速度域にかかわらず特別なクルマであることを実感させるのです。

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さらに、ナビ画面の車両設定・メーター表示を見ていくと「スピードリミッター機能」という項目が用意されているのに気付きます。これは、場所を問わずに180km/hのスピードリミッターをオフにできるというもので、位置情報に影響されることなく、クローズドコースであればそのポテンシャルを引き出せることが期待できる機能。

そこまでのスピードを出す当てがなくとも、リミッター機能をオフにするだけで特別なスーパーカーに乗っているという気分が味わえます。

ちなみに、NSXの最高速度は308km/h。その領域でもフロントのツインモーターはベクタリングを行なうことで、ハンドリングの精度を上げてくれるということです。

●ホンダNSX 主要スペック
車両型式:CAA-NC1
全長:4490mm
全幅:1940mm
全高:1215mm
ホイールベース:2630mm
車両重量:1780kg
乗車定員:2名
エンジン形式:V型6気筒ツインターボ
総排気量:3492cc
システム最高出力:427kW(581PS)
システム最大トルク:646Nm(65.9kg-m)
変速装置:9速DCT
燃料消費率:12.4km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:前245/35ZR19 後305/30ZR20
メーカー希望小売価格(税込):2370万円

(写真と文 山本晋也)

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受賞なるか?トヨタ「C-HR」が欧州COTYにエントリー!

世界的にSUVモデルが人気を博すなか、トヨタ自動車が11月10日に国内でWebによる先行受注を開始した新型クロスオーバー「C-HR」。

TOYOTA_C-HR

欧州ではトヨタモーターヨーロッパが、TMMTのトルコ工場で生産を開始しており、欧州の各国をはじめ、北米、カナダ、台湾、南アなどに輸出される計画になっています。

ちなみに「C-HR」は、TNGA採用車が海外で生産される初のモデル。

HV用のエンジンはイギリスで生産され、海外向けに設定されている1.2L用M/T(マニュアル・トランスミッション)はポーランドで生産するなど、生産工場が欧州の各地に広がっているのも特色のひとつ。

TOYOTA_C-HR

国内向け「C-HR」についてはトヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される予定で、11月10日時点の受注台数が9,000台を超えるなど、生産計画の6,000台/月を大きく上回っており、来年には13,000台/月ペースに引き上げる計画になっている模様。

車体のスリーサイズは全長4,360mm、全幅1,795mm、全高1,550mmと堂々としており、ホイールベースは2,640mmとなっています。

TOYOTA_C-HR

グレードは4種類で、1.8LのFFハイブリッドモデル(G/S)にはプリウス用、1.2Lの4WDターボモデル(G-T/S-T)にはオーリス120T用のエンジンをそれぞれ搭載。

TOYOTA_C-HR

その個性的なルックスから、国内をはじめ、欧州でも発売前から評判が良いようで、欧州7ヶ国の自動車雑誌が主催するヨーロッパ・カーオブザイヤーにもエントリーするなど、各方面から注目が集まっています。

Euro_COTY

開発陣がこだわりをもって仕上げた海外向け1.2Lモデルのミッション(6MT)は、オーリス用のMTを流用しながらも、レバー、ケーブル、シンクロコーン、ディテント機構が見直されており、そのシフトフィールは試乗会で高評価を得ているそうです。

TOYOTA_C-HR

欧州COTYでは、11月28日に38モデルの中から、受賞対象車7台が発表される予定で、その中に「C-HR」が食い込めるかが注目されており、来年3月のジュネーブショーで大賞受賞車が発表される予定。

1993年に日産マイクラ(マーチ)が日本車で初受賞して以来、トヨタ ヤリス(ヴィッツ)や2代目プリウス、日産リーフ(EV初)が受賞していることから、「C-HR」についても受賞に向けて期待がかかります。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、EURO COTY、TANNIS TEST)

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トヨタ「C-HR」
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ヨーロッパ・カーオブザイヤー
http://www.caroftheyear.org/

TANNIS TEST
http://www.tannistest.com/

ホンダ・フリードはハイブリッドよりガソリン車の方が速い!?

発売1か月で2万7000台ものオーダーを集めたというホンダのコンパクトミニバン「フリード」に、横浜みなとみらいの街中で試乗することができました。

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初期受注では、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った先進安全技術「ホンダセンシング」の装着率が82%を超えているというのも注目ですが、それだけ安全・安心を求めているユーザーが選んでいるということでしょう。

実際、運転してみても市街地走行であっても、リヤタイヤがどっしりと落ち着いた印象があり、車高の高いミニバンにありがちな不安は感じません。それでいて、ハンドル操作への反応がダルというわけではなく、むしろリニアに向きを変え始めるという印象。

1.5リッターのハイブリッドとガソリン直噴のパワーユニットを積むことから同社のコンパクトカー「フィット」派生のミニバンと思われているフリードですが、今回のフルモデルチェンジでは実質的に専用設計といえるプラットフォームを与えられているのです。その成果は、安心感のあるシャシー性能につながっているといえるでしょう。

ところで、ハイブリッドとガソリンエンジンが設定されるクルマでは、モーターによるひと押しがある分だけハイブリッドのほうがパフォーマンスに有利という印象もありますが、意外にもフリードについてはガソリン車のほうが速いのだとか。

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環境負荷も抑えるレアアースフリーのネオジム磁石を世界で初めて使ったハイブリッドパワートレインは、ファイナルギヤだけでなく7速DCTの変速比もフリード専用に仕立てるほど力の入ったものですが、その変更は燃費と加速性能をバランスさせるというのが大きな狙い。

そのため、1.5リッターエンジンは、ヴェゼルハイブリッドなどが使う直噴タイプではなく、効率重視のアトキンソンサイクル(ポート噴射)仕様となっています。

一方、ガソリン車に与えられたi-VTECガソリン直噴エンジンは、最高出力131馬力もあるパフォーマンス重視のキャラクター。

実際、アクセルを踏んでみてもグッと出ていく印象が強いものとなっています。また最高出力発生回転が6600rpmという、いまどきのエンジンとしては高回転寄りなキャラクターも、CVTならではの伸びやかな加速とも相性がいいのかもしれません。

その辺りの印象について開発者に理由を訊くと、「ガソリン仕様のほうがハイブリッドよりも少しだけ加速は鋭いのは事実です。社内測定による0-100km/h加速ではコンマ数秒ほどガソリン車が速くなっています」と言います。

とはいえ、パワートレインの性格差だけではなく「車重が違う(ハイブリッドのほうが60kgほど重い)のが一番効いているかもしれません」と物理的な違いが大きいことも、エンジニア氏は教えてくれたのでした。

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●ホンダ・フリード ハイブリッドB(FWD)
車両型式:DAA-GB7
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1400kg
乗車定員:6名
エンジン型式:LEB
エンジン形式:直列4気筒DOHC(アトキンソンサイクル)
総排気量:1496cc
最高出力:81kW(110PS)/6000rpm
最大トルク:134Nm(13.7kg-m)/5000rpm
変速装置:7速DCT
モーター型式:H1
モーター形式:交流同期発電機
モーター最高出力:22kW(29.5PS)/1313-2000rpm
最大トルク:160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm
燃料消費率:27.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):227万6000円

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●ホンダ・フリードB(FWD)
車両型式:DBA-GB5
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1340kg
乗車定員:6名
エンジン型式:L15B
エンジン形式:直列4気筒ガソリン直噴
総排気量:1496cc
最高出力:96kW(131PS)/6600rpm
最大トルク:155Nm(15.8kg-m)/4600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:19.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):190万円

(写真:門真 俊 文:山本晋也)

トヨタ、ポーランドでハイブリッド用部品の現地生産を開始。EUでのハイブリッド車の生産体制を強化

トヨタは、欧州のトランスミッションおよびエンジン生産拠点であるポーランドのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ポーランド(Toyota Motor Manufacturing Poland Sp.zo.o:TMMP)で、2018年からハイブリッド用トランスアクスルの生産を開始すると発表しました。

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ハイブリッド用トランスアクスルは駆動系最重要部品で、トヨタが欧州で生産しているハイブリッド車には、日本で生産したハイブリッド用トランスアクスルを輸出していますが、2018年からはTMMPでの生産に移管することになります。

当面TMMPでは、欧州で販売するオーリス・ハイブリッドとオーリス・ツーリング・スポーツ・ハイブリッドに搭載するトランスアクスルを生産しますが、今年末には欧州で販売開始される新型クロスオーバー「C-HR」のハイブリッド車にも、TMMP製トランスアクスルが搭載される予定。

2015年8月にハイブリッド車世界累計販売が800万台に達し、1000万台超えも目前になっており、今回のTMMPでのハイブリッド用トランスアクスル生産開始で、ハイブリッド車の普及、世界標準化への体制を強化する構えです。

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TMMPは2003年に開所以来、トヨタの駆動系部品のマザー工場である衣浦工場からの技術移転を受けて生産技術を磨いてきました。TMMPのあるポーランドは欧州の中央に位置し、欧州全域へ製品を供給するのに有利なポジションにあります。

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一方、欧州のエコカー市場では、最大手のVWがディーゼル不正問題で電気自動車(EV)へエコカーの軸足を移行させざるを得ない状況で、ハイブリッド車が弱いといわれている欧州エコカー市場の今後の動向が注目されます。

(山内 博・画像:トヨタ)

ホンダ フリード/フリード+が好調。発売1ヵ月で販売計画の4倍以上を受注

9月16日に発売された新型ミニバン「ホンダ・フリード」の販売が、1ヵ月で累計受注台数2.7万台と、好調に推移しています。

HONDA_FREED

販売計画である6,000台/月の4倍超を受注しており、「フリード」(3列シート/6〜7人乗り)は子育て層、「フリード+」(2列シート/5人乗り)は独身や子離れ層の顧客が多くを占めているそうです。

HONDA_FREED

同社によると、好評点として以下を挙げています。

・先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」
・エクステリアデザイン
・多彩なシートアレンジと広い室内空間
・車中泊が可能なフラット空間、超低床下収納
・力強い走りと低燃費を両立したパワートレイン

2代目となったフリードシリーズでは、兄弟車の「フリードスパイク」が「フリード+」に改名され、HV用の駆動モーターには大同特殊鋼と共同開発したレアアースを使わない世界初のネオジム磁石が採用されています。

ガソリンモデルには1.5L直4エンジン(131ps/15.8kgm)を搭載。ハイブリッドモデルには1.5L直4エンジン(110ps/13.7kgm)に駆動用モーター(29.5ps/16.3kgm)が組合わせられます。

販売台数の構成比は、フリードが36%、同HVが38%、フリード+が11%、同HVが15%と、いずれもハイブリッドモデルがガソリンモデルを上回っており、全体ではハイブリッドモデルが半数を超えている状況となっています。

HONDA_FREED

グレード別で見ると、ガソリンモデルでは「G Honda SENSING」(70%超)、ハイブリッドモデルでは「HYBRID G Honda SENSING」(50%-60%超)がそれぞれ売れているようです。

メーカーオプションでは「Honda SENSING」の装着率が80%を超えています。

気になる燃費は、ガソリンモデルが19.0km/L(4WDは17.6km/L)、ハイブリッドモデルが26.6-27.2km/L(4WDは25.2km/L)となっており、ハイブリッドモデルの燃費がトヨタ シエンタと同一であることから、ホンダが同車をライバル視していることが読みとれます。

HONDA_FREED

車両価格はフリードが188万円〜(HVは225.6万円〜)、フリード+が190万円〜(HVは227.6万円〜)となっており、4WD仕様はさらに22〜23万円高の設定。

新型は内外装のデザインも洗練されており、販売が好調なのも頷けます。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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ホンダ フリード/フリード+
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規格化が進む48Vマイルドハイブリッド向け双方向降圧/昇圧コントローラICが販売開始

米国のアナログICメーカー リニアテクノロジーは、48V/12V の自動車用デュアル・バッテリ・システムに対応できる双方向降圧/昇圧コントローラIC「LTC3871」の販売を開始したと発表しました。

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現状の12V自動車電源システムでは、最近の電気装備の増加で、供給可能な電力量の限界である3KWに近づいており、より大電力を供給できる電源システムが要望されています。

一方、欧州の自動車メーカー・部品メーカーでは、48Vマイルド・ハイブリッドの規格化が進み、日本勢が先行する200Vストロング・ハイブリッドに対抗する動きがあります。

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今回のリニアテクノロジー社による新IC「LTC3871」は、このような最近の自動車電源システムの動向をにらんで、利用可能な電力を増やす自動車用 48V/12V電源に対応した双方向同期整流式降圧/昇圧 DC/DC コントローラを実現するものです。

新ICは、48V/12Vシステム向けに提案されている新規格 LV148 に対応して、既存の12V システムに48Vバスを補助的に組み合わせて、最大10KWの電力を供給する能力があり、48V電源システムには、48Vマイルド・ハイブリッド向けにベルト駆動スタータジェネレータ(BSG) またはモーター機能付きジェネレータ (ISG)、48V リチウムイオン・バッテリ、双方向 DC/DC コンバータが用意されています。

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新IC「LTC3871」の耐圧限度は100V/30V で、3つの温度グレードが設定されており、高温車載グレードは-40℃〜150℃の動作温度範囲が保証されています。

リニアテクノロジー社の新IC担当副社長である Don Paulus 氏によると、

「自動車の電気システ ムの一部を48Vで駆動することは、利用可能なエネルギーを増やすと同時にワイヤーハーネスの軽量化や損失低減を行う上で中心的な役割を果たすでしょう。このようにしてエネルギー容量を増やすことにより、新しい技術への道 が開けるので、性能を落とすことなく、より安全で、より効率的な車を実現することができます」

と新ICのメリットを説明しています。

欧州勢の48Vマイルド・ハイブリッド車登場が近づく中で、日本勢が優勢の200Vストロング・ハイブリッド・システムがどう進化してゆくのか、すでにマイルド・ハイブリッド車を販売しているスズキが欧州の新規格にどう対応するのかが、今後注目される点になります。

(山内 博・画像:リニアテクノロジー)

トヨタが「C-HR」の受注開始!パリでも市販モデル公開へ

トヨタ自動車の欧州法人・トヨタモーターヨーロッパが、9月29日に開幕(一般公開は10月1日-16日)するパリモーターショー16で、新型SUVトヨタ「C-HR」の市販モデルを公開すると発表しました。

TOYOTA_C-HR

今年の3月にスイスで開催されたジュネーブモーターショー16では、同車の外観が公開されましたが、今回のショーでは、インテリアやパワートレインを含めてその全貌が公開されます。

諸情報によれば、スリーサイズは全長4,350mm×全幅1,795mm×全高1,555mmで、競合車となりそうなホンダ「ヴェゼル」より若干大き目のスペック。

1.2Lターボ(最高出力116ps/最大トルク18.9kgm)が2グレード、現行プリウスと同システムを搭載したHVが2グレードと、計4グレードが用意されている模様。(海外向けにはNA仕様の2.0L 150ps/19.7kgmエンジン搭載モデルもあり)

気になる燃費(JC08モード)と車両価格は、ターボ車が15.2km/Lで220万円前後、HVが30km/Lで280万円前後との予想。

TOYOTA_C-HR TOYOTA_C-HR

ボディカラーは4色(ホワイトパール、ブラックマイカ、イエロー、ブルーメタ)、インテリアには3色(ブラウン、ブルー、ブラック)が用意されているようで、国内向けにはルーフ部を塗り分けた2トーン仕様はラインナップされていないようです。

また、LEDヘッドランプ(オプション)には、レクサスのSUV「RX」にも装備された「流れるウインカー」を設定。

TOYOTA_C-HR

モデリスタ/TRDバージョンはもちろん、後にはG’sバージョンも登場するようなので、こちらも楽しみ。

同車は9月初旬から国内でも受注を開始しており、12月14日とされる正式発売に向けて着々と生産が進んでいるようです。

また、発売が延期された新型「プリウスPHV」についても、ほぼ同時期に発売になるようで、こちらも今回のショーに出展予定。

TOYOTA_PRIUS_PHV

「C-HR」は今年5月のニュルブルクリンク24H耐久レースで、そのドライビング性能の高さが証明されているだけに、国内発売に向けて期待が高まります。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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トヨタ C-HR
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パリーモーターショー16
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「ちょうどいいミニバン」新型ホンダ フリードが発売へ!

ホンダがフルモデルチェンジを予定している「ちょうどいい」サイズのコンパクトミニバン「FREED(フリード)」。

HONDA_FREED

同社は6月24日に次期モデルに関する情報を一部公開、既に先行受注を開始しており、9月16日(金)とされる正式発売を前に、かなり好調に受注が推移している模様。

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公開されたフロントマスクは「フィット」や「ステップ ワゴン」に近くなっており、全長4,265mm(+50mm)×全幅1,695mm(±0)×全高1,715mm(±0)と、従来同様、小回りが利くサイズを踏襲。

HONDA_FREED

コンパクトなボディに3列シートを装備しており、新型では1列目と3列目のシート間距離を90mm拡大、2列目シートの前後スライド量を+120mm増すなど、室内の居住性をさらに向上させています。

ガソリン/ハイブリッドの両仕様を用意、前者は1.5L直噴 i-VTECエンジン(132ps/15.8kgm)とCVTの組み合わせ、後者は1.5Lアトキンソンサイクルi-VTECエンジン(110ps/13.7kgm)+モーター(29.5ps/16.3kgm)に7速DCTを組合わせた「Sport HYBRID i-DCD」仕様となっている模様。

HONDA_FREED

なかでも注目は、ハイブリッドモデルに搭載されている駆動用モーターにおいて、脱レアアース化を実現している点。

通常、モーターに使われるネオジム磁石はエンジンルームなど高温下での性能維持のため、ジスプロシウムやテルビウムといったレアアースの添加が不可欠となっています。

このレアアースが中国への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスクを伴うため、ホンダは大同特殊鋼と共同で高耐熱性と高磁力を兼ね備えたレアアースを使わないネオジム磁石を世界で初めて実用化、 新型「フリード」に搭載。

また、ミリ波レーダーと単眼カメラを融合した精度の高い検知機能で安全運転を支援する「Honda SENSING」を新たに搭載。

HONDA_FREED+

さらに、ハイブリッド車にも4WDモデルをラインナップするなど、バリエーションを充実させています。

車両価格はガソリンモデル(FF)が188万円から、ハイブリッドモデル(FF)が225.6万円から(4WDモデルは各22〜23万円高)となる模様。

6人乗りと7人乗り(FFモデルのみ)が用意されており、2列シート仕様で5人乗りの兄弟車、フリード スパイクについては車名が「フリード+(プラス)」に改められるそうです。

同車の恰好のライバルとなりそうなトヨタ「シエンタ ハイブリッド(27.2km/L)」に対して、新型ホンダ「フリード ハイブリッド」が燃費でどこまで迫るのかが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!
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【関連リンク】

新型ホンダ フリード http://www.honda.co.jp/FREED/new/

2016年8月の登録車セールスランキング、トップ10中トヨタ車が7台

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年8月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されました。

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●2016年8月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 17,503台
2位 トヨタ アクア 11,220台
3位 トヨタ シエンタ 9,518台
4位 ホンダ フィット 7,034台
5位 トヨタ パッソ 6,476台
6位 トヨタ ヴォクシー 6,412台
7位 トヨタ カローラ 5,944台
8位 日産 ノート 5,606台
9位 トヨタ ヴィッツ 5,204台
10位 ホンダ ヴェゼル 5,066台

プリウス、アクア、シエンタのトップ3は盤石の体制。トップ10全体でも前月に続き、トヨタは7車種をランクインさせています。

8月にフルモデルチェンジした日産セレナは、その新車効果が現れるまで若干の時間を要すると予想されているだけに、トップ10の顔ぶれが変わるのは、ちょっと先になりそうです。

ランキングで気になるのは、ここ数か月にわたり前年同月比を10〜20%ほど下回っているアクアの今後。アフォーダブルな価格のコンパクトハイブリッドカーは、ふたたびトップを奪い返すような輝きを見せるのでしょうか。

また、コンパクトミニバンのホンダ・フリードは9月16日のフルモデルチェンジに向けて、ティザーサイトを展開しています。その初速は9月のランキングに大いに影響を与えそうです。

(山本晋也)

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トヨタ系ハイブリッドだけが「5桁」販売。〜2016年7月の登録車セールスランキング
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進化した最新G’sスタイル ─ トヨタ「ヴォクシー/ノア G’s」 画像ギャラリー
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グレード選びはどうする?ヴォクシー/ノアのエアロ仕様にも追加されたハイブリッド車
http://clicccar.com/2016/08/16/392893/

発売直前!新型・ホンダ フリードをチェック
http://clicccar.com/2016/08/20/393558/

プリウスPHV発売延期の原因?噂のパーツをトヨタが公開!

先頃、新型「プリウスPHV」の国内発売時期を当初予定の今秋から、今冬に延期すると発表したトヨタ自動車。

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9月に受注開始、10月26日頃に発売されると予想されていましたが、発売延期の理由について「より良いクルマを着実にお届けするため」として、その後も具体的な理由は明らかにしていません。

一部では、新採用したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製バックドアの量産品質が安定しないことが発売延期の理由との噂も流れています。

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そうしたなか、同社は袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催した「プリウスPHV」の国内試乗会の様子を公開しました。

TOYOTA_PRIUS_PHV TOYOTA_PRIUS_PHV

公開情報の中で最も注目されるのは、同車の発売延期の理由と噂される、軽量化目的で採用した樹脂製バックドアの構造がわかる画像。

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バックドアインナー(内板)の複雑極まる構造やCFRP特有のカーボン柄が窺えます。

これほどまでに大きな一枚物の樹脂パネルを成形するには、成型機の規模はもちろんのこと、製品形状を安定させるための成形条件設定の難しさが伝わってきます。

以前にトヨタ自動車の元町工場で「86GRMN」のCFRP製フードインナーの生産工程を視察した際にも感じましたが、大量生産に向いている構造とは言い難いのも事実。

TOYOTA_PRIUS_PHV

トヨタ自動車では今冬の「プリウスPHV」国内発売に向けて、CFRP製バックドアの安定生産に心血を注いでいる様子が目に浮かぶようですが、是非とも車体の軽量化実現に向けた果敢なチャレンジを成功させて欲しいものです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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11.6インチ大型ディスプレイ搭載の新型プリウスPHV、日本で初公開!
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【メカニズム編】
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【インテリア編】
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【エクステリア編】
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レクサス・CTに特別仕様車「Cool Touring Style」登場!

トヨタ自動車が8月25日、レクサスCTに特別仕様車「Cool Touring Style」を設定、全国のレクサス店を通じて発売したと発表しました。

Lexus_CT200h

特別仕様車は、CT200h 「バージョンC」(390.9万円)をベースに、LEDヘッドランプとLEDフォグランプを標準設定。

ボディ外板色には全10色を設定、ボディカラーとのコントラストが際立つブラックルーフをオプション選択可能としています。

17インチアルミホイールには専用ハイグロス塗装を採用。

Lexus_CT200h

また、フロントのスピンドルグリルのロアモールがメッキ仕様に改められています。

Lexus_CT200h

シートは本革風の手触りを実現したL tex(エルテックス)素材と、ファブリック素材の2トーン仕様にグレードアップ。

Lexus_CT200h

クールかつ走りのイメージを強調した特別仕様車「Cool Touring Style」の車両価格は400万円(税込み)となっています。

Lexus_CT200h

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

グレード選びはどうする?ヴォクシー/ノアのエアロ仕様にも追加されたハイブリッド車

トヨタ・ヴォクシー/ノアのエアロ仕様に追加されたハイブリッド車は、重量によるエミッションへの影響を軽量化によりクリアすることで実現されています。

20160701Toyota Voxy HV029

なお、最新のヴォクシー/ノアには、プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームをセットにした「Toyota Safety Sense C」を設定しているほか、小さな擦り傷程度なら自己修復可能なクリア塗装の「セルフリストアリングコート」が全ボディカラーに採用されています。

さて、ヴォクシー「ZS」、ノア「Si」として設定されたエアロ仕様のハイブリッドモデル。

20160701Toyota Voxy HV03020160701Toyota Voxy HV033

外観は、ガソリン車のエアロ仕様と同様に、専用エアロバンパー(フロント大型バンパー、フロントフェンダー、リヤ大型バンパー、大型サイドマッドガード)による迫力あるデザインが魅力で、軽量化に寄与している専用の16インチ鍛造アルミホイールを装着。全長4710×全幅1730×全高1825mmと3ナンバーサイズに突入しています。

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1.8Lエンジンにモーターを組み合わせるハイブリッドシステムにより、標準ボディの5ナンバー系と同じ23.8km/Lというクラストップの燃費を実現。ただし、ガソリンタンクは標準ボディのハイブリッド車やガソリン車よりも5L減となっていますので、航続距離では差が出ています。

車両重量は、軽量化により同じハイブリッド車(標準ボディ)から同じか10kg増に抑制し、ガソリン車のエアロボディと比べても20kg増(ヴォクシーZS同士の比較)に抑えるなど、苦慮した結果の商品化であることをうかがわせます。

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室内の装備では、本革巻き3本スポークステアリング、ハイブリッド専用オプティトロンメーター、消臭機能付シート表皮などが標準装備されていますが、クルーズコントロールや快適温熱シートなどは「V」グレードのみに標準装備となっていますので、快適性重視なら「V」を選びたいところです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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ヴォクシー/ノアのエアロ仕様にハイブリッドを追加できた理由とは?

2016年1月、ヴォクシー/ノア、エスクァイアに「Toyota Safety Sense C」を設定したのをはじめ、ヴォクシー/ノアのエアロ仕様に待望のハイブリッド仕様が設定されました。

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登場から少し時間が経っていますが、プレミオ・アリオン、エスティマのマイナーチェンジによるプレス向け試乗会で、ヴォクシー・ハイブリッドのエアロ仕様に乗る機会があったのでご報告します。

あれば売れるのは分かりきっているのに、ヴォクシー/ノアのハイブリッドにエアロ仕様(3ナンバーサイズ)がなかったのはなぜでしょうか?

最も大きかったのが「重量」。

排気ガスの規制(エミッション)をクリアするのが難しく、現行ヴォクシー/ノアが登場した際、ノーマル仕様にハイブリッドを積むだけでも困難だったとのこと。

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今年1月の一部改良において、鍛造アルミホイールの採用やタンク容量の見直しなど細かな改良を積み重ねることでエアロ仕様のハイブリッド車ヴォクシー「ZS」、ノア「Si」の追加が可能になったそうです。

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先述した鍛造アルミホイールの採用をはじめ、ガソリン車(205/60R16)よりもタイヤ径を小さく(205/55R16)することでタイヤ&ホイールで約12kg減量、ガソリンタンクも約5kg軽量化。トータルで20kg近いダイエットを成功させています。

なお、タンク容量はガソリン車と標準ボディのハイブリッドが55Lで、エアロ系ハイブリッドが50L。

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エアロ系をハイブリッド化することでガソリン車の同グレードに対して、20〜30kgほど重くなっています。

それでもスポーティかつ存在感のある見た目と燃費、ハイブリッドならではの魅力を備えたヴォクシー「ZS」、ノア「Si」が両モデルの人気を加速させる武器になっているのは間違いないでしょう。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

7月も新型プリウスが国内市場を牽引、特別仕様車も登場!

自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が発表した、7月の軽自動車を含む国内の新車総販売台数は41.6万台(前年同月比-2.2%減)で、3ヶ月連続の前年割れとなっています。

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内訳は登録車が28.2万台(同-0.2%減)、軽自動車が13.4万台(同-6.3%減)となっており、軽自動車は2015年1月から1年半以上に渡って前年割れが続いている状況。

2016.07

ただ登録車については、前年割れしたとはいえ、基本的には2014年4月の消費税増税後の販売低迷から抜け出しており、中でも新型「プリウス」は昨年12月に発売以降、8ヶ月連続で月平均2万台以上を販売するなど、現在も首位の座を維持しています。

そうしたなか、トヨタ自動車は8月8日、好調が続くプリウスに早くも特別仕様車を設定しました。

TOYOTA_PRIUS

標準グレード「S」をベースに、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」や、カラーヘッドアップディスプレイ、LEDフロントフォグランプなどを特別装備し、安全装備を充実させています。

これにより、プリウスの首位独走態勢はさらに続くと予想され、登録車販売の牽引役として、今後もライバルをリードすることになりそうです。

Avanti Yasunori

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7月の登録車販売、トヨタ系ハイブリッドだけが「5桁」販売
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トヨタが異例の新型プリウスPHV「国内」発売延期を表明!
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2016年6月の登録車販売ランキングはプリウスの圧勝
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5月国内新車販売、登録車は6.6%増も軽自動車14.3%減!
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トヨタ自動車の4月生産、地震の影響で国内生産18.8%減!
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新型プリウスPHVに何が起きた? トヨタが異例の「国内」発売延期を表明!

トヨタ自動車が8月3日、「プリウスPHV」の国内発売時期を当初予定していた今秋から今冬に延期するという、異例の発表を行いました。

TOYOTA_PRIUS_PHV

これまでは9月に受注開始、10月26日頃に発売されると予想されていましたが、今回の発売延期に際し、同社は「より良いクルマを着実にお届けするため」との説明に留めており、具体的な理由を明らかにしていません。

産経新聞によると、国内発売延期の理由として「生産が遅れ、販売に必要な台数が確保できない見通しとなったため」としており、加えて「当初計画よりも立ち上がりの生産台数を抑えることになった」としています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

また、朝日新聞によれば、軽量化を目的に採用したCFRP(強化プラスチック)製バックドアの品質が量産段階で安定しないことによる生産遅れとの情報も有ります。

ちなみに現行プリウスは先代モデル同様、米国でワールドプレミアするなど、米国市場を強く意識したモデルとなっています。

しかしながら米国では、ZEVによる環境規制強化にともなって充電機能を持たない現行プリウスがZEVの範疇から外れたこと、PHVのライバルとも言えるテスラが比較的廉価なEV「モデル3」投入に向けて世界中で受注を開始していることなどから、トヨタとしては米国で「電動車」と認められるPHVモデルの早期投入&拡販が急務の状況。

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そうした事情から、当初の計画どおりに台数が出せなくなった場合に考えられるのが、PHVの投入を急ぎたい米国向けを優先するケース。

噂によると、国内市場には新車効果の維持を目的に、現行プリウスの装備を充実させた特別仕様車をまもなく投入する計画があるようで、PHVモデルとのバッティングを避けたいとの思いが今回の決断を後押しした可能性もあります。

TOYOTA_PRIUS_PHV

今回トヨタが発表したプリウスPHV発売延期に関する文面の表題をよく見ると「国内」と明記されていることからも、国内市場に限った対応を匂わせます。

今冬の発売となればプリウス派生のSUV「C-HR」の発売とも重なる訳ですが、ジャンル違いということで、こちらについては許容しているのかもしれません。

いずれにせよ、新型プリウスの本命モデルとも囁かれる同車の発売が待たれます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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トヨタ系ハイブリッドだけが「5桁」販売。〜2016年7月の登録車セールスランキング

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年7月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されています。

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●2016年7月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 27,988台
2位 トヨタ アクア 15,748台
3位 トヨタ シエンタ 10,944台
4位 日産 ノート 9,711台
5位 ホンダ フィット 9,592台
6位 トヨタ パッソ 8,889台
7位 トヨタ カローラ 8,679台
8位 トヨタ ヴィッツ 8,569台
9位 トヨタ ヴォクシー 7,644台
10位 ホンダ ヴェゼル 6,295台

トップ3をトヨタのハイブリッド系モデルが占めるのは、2016年度になってからの定位置といえるもので、前月は6位だった日産ノートが4位にランクアップしているほかは、フルモデルチェンジ間近の日産セレナがトップ30圏外になっているのが目立つ程度で、ほぼ変動していないといえるランキングとなりました。

とはいえ、ティザーサイトが展開されていることからわかるように、この夏から秋にかけて、前述したセレナ(8月下旬)やホンダ・フリード(9月16日)など、トップ10ランキングに入ってきそうなクルマのフルモデルチェンジが控えています。

『プロパイロット』と名付けられた自動運転技術を搭載するセレナ、新しいモーターを採用したハイブリッドを用意するフリード、こうしたモデルの登場で、この秋のランキングは大いに盛り上がりを見せそうです。

(山本晋也)

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XVハイブリッドにも「tS」が追加!「XV HYBRID tS」の先行予約開始。価格は332万6400円

スバルXVハイブリッドをベースとしたSTI(スバルテクニカインターナショナル)コンプリートカー「SUBARU XV HYBRID tS」の登場です。

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STIの手が入っているのはフットワーク、そしてXVが持つカジュアルさを強調するオレンジ色をアクセントとした専用カラーの内外装。

発売は2016年秋、予約は7月28日から始まります。メーカー希望小売価格は332万6400円(消費税込み)、ボディカラーはクリスタルホワイト・パール(3万2400円高)、クリスタルブラック・シリカ、ハイパーブルーの3色となっています。

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【SUBARU XV HYBRID tSの主要装備】※予定

■ 足回り/メカニズム
・ STI製フロントストラット&コイルスプリング
・ STI製リヤダンパー&コイルスプリング
・ STI製フレキシブルタワーバーフロント
・ STI製フレキシブルドロースティフナーフロント
・ 17インチアルミホイール(オレンジ塗装&切削光輝)

■ 視界
・ HIDロービームランプ(ブルーインナーレンズ、ブラックアイライン)
[ヘッドランプレベライザー(オート)、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー付]

■ 操作性・計器盤・警告灯
・ インパネセンターバイザー(レザー調素材巻)
・ 本革巻セレクトレバー(オレンジステッチ、ダークキャストメタリック加飾)+ピアノブラック調加飾パネル
・ シフトブーツ(オレンジステッチ)
・ 本革巻ステアリングホイール(オレンジステッチ、STIオーナメント、シルバー/ブラック加飾
+ダークキャストメタリック加飾)
・ 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン(抗アレルゲンフィルター付)(メッキリング/シルバー&ピアノブラック調&オレンジベゼル付エアコンダイアル)
・ 高剛性クランプスティフナー(左右)付電動パワーステアリング

■ シート
・ 専用シート[メイン:ウルトラスエード&本革(ブラック)/サイド:合成皮革(オレンジ)&トリコット(アイボリー)、オレンジステッチ、STIロゴ型押し、フロントシートヒーター付]
・ 可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト(オレンジステッチ)
・ リヤシートヘッドレスト(オレンジステッチ)

■ 内装
・ インパネ加飾パネル(ピアノブラック調+ダークキャストメタリック)
・ ドアトリム加飾(アイボリー、オレンジステッチ)
・ ドアアームレスト(オレンジ表皮、オレンジステッチ)
・ パワーウインドゥスイッチパネル(ダークキャストメタリック加飾、メッキ加飾付スイッチ)
・ STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)
・ フロントコンソール(ダークキャストメタリック加飾パネル、レザー調素材巻+オレンジステッチ)
・ スライド機構付コンソールリッド(オレンジステッチ)

■ 外装
・ STI製フロントスポイラー(オレンジピンストライプ)
・ STI製サイドアンダースポイラー(オレンジピンストライプ)
・ フロントフォグランプカバーデカール(STIロゴ入り)
・ ダークメッキ加飾付フロントグリル
・ ブラック電動格納式リモコンドアミラー(LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付)
・ カラードドアハンドル
・ ルーフエンドスポイラー(LEDハイマウントストップランプ内蔵、オレンジピンストライプ※)
・ STIオーナメント(フロント、リヤ)
・ tSオーナメント(リヤ)

■SUBARU XV HYBRID tS(プロトタイプ・参考値)主要スペック

車両型式:DAA-GPE
全長:4485mm
全幅:1780mm
全高:1550mm
車両重量:1530kg
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒エンジン
最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
メーカー希望小売価格(税込):332万6400円

(山本晋也)

新型ホンダ・フリードのモーターにレアアースフリー磁石を世界で初めて採用

大同特殊鋼とホンダは、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、重希土類完全フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化し(大同特殊鋼、ホンダ調べ)、今秋発表予定の新型「フリード」に採用すると発表しました。

なお、重希土類とは、希土類(レアアース)の区分の一つで、軽希土類、中希土類、重希土類の3つに分類されているうちの一種類です。

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ハイブリッド車など電動車の駆動モーターには、世界最強の磁力を持つネオジム磁石が使用されており、今後、急激な需要拡大が見込まれています。

ハイブリッド車用駆動モーター用のネオジム磁石は高温環境下で使用されるため、高い耐熱性が要求されます。その耐熱性を確保するために、従来は重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されてきました。

しかし、重希土類元素は世界的に有力鉱床が偏在し、希少金属(レアメタル)にも分類されるため、安定調達・材料コストの観点でリスクを抱えています。

重希土類元素の使用量を低減することが、ハイブリッド車駆動モーター用にネオジム磁石を使用する上で大きな課題の一つでした。

大同特殊鋼の完全子会社であるダイドー電子では、ネオジム磁石を一般的な製造工法である焼結工法とは異なる熱間加工法により、量産しています。熱間加工法は、ナノレベルの結晶粒を高度に配向させることができる技術で、一般的な焼結磁石の10分の1程度の微細な結晶粒組織を得ることで、より耐熱性が高い磁石を製造可能としています。

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今回、大同特殊鋼が熱間加工法の技術をさらに進化させるとともに、ホンダが駆動モーター開発の経験を活かして磁石形状を見直すなど、共同で開発を進めた結果、重希土類元素を全く使用せずに、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性・高磁力を実現したネオジム磁石を世界で初めて実用化しました。

さらにホンダは、この磁石に対応した新しいモーターを設計し、磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁石にかかる磁束の流れを最適化することで、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石をハイブリッド車用駆動モーターに採用することができました。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成しているということです。

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本技術の採用により、ネオジム磁石の適用を拡大しても、課題であった重希土類元素の制約が無くなり、その資源リスクを回避して調達ルートの多様化も図ることが可能になりました。

ホンダでは、今秋発表予定の新型フリードに搭載するハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド) i-DCD」に、今回の重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石を採用するとともに、順次、新型車に適用を拡大していきたい、としています。

また、大同特殊鋼では、従来、焼結ネオジム磁石の独占状態であったハイブリッド車駆動モーター用磁石市場に、熱間加工ネオジム磁石で新規参入します。

ダイドー電子本社工場(岐阜県中津川市)が、経済産業省の補助金を受け建設した新製造ラインで、来月から量産、出荷を開始し、重希土類完全フリーを維持しながら、さらなる高特性化に向けた磁石の開発も引き続き推進します。

磁石の原料となる磁粉は、カナダ・オンタリオ州トロント のマグネクエンチ社(Magnequench International, Inc.)から調達しており、マグネクエンチ社と原料磁粉の開発を続けるということです。

(山内 博・画像:ホンダ)

ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!

ハイブリッド車(HV、PHV)をはじめとする電動車では、駆動用モーターに使用する磁石の脱レアアース(希土類)が大きな課題とされています。

駆動用モーターの「ネオジム磁石」は、エンジンルームなど高温下での性能維持のため、ジスプロシウムやテルビウムといったレアアースの添加が不可欠の状況。

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ただ、レアアースは中国への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスク面から、使用量を減らすことが喫緊の課題となっています。

そうしたなか、ホンダと大同特殊鋼が7月12日、HV用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、レアアースを使わないネオジム磁石を共同開発、世界で初めて実用化したと発表しました。

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大同特殊鋼の子会社であるダイドー電子が、ネオジム磁石の製造工法として採用している「熱間加工法」(ナノレベルの結晶粒を配向させる技術)をさらに進化させた上で、ホンダが磁石形状やローター形状を工夫することにより、磁束の流れを最適化。

一般的なネオジム磁石は、比較的大きな磁石粉末を金型に充てん後、高温下で焼結するのに対し、開発品では磁石結晶の粒径を1/10まで微細化、加熱した金型から押出す工法を採用。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成、生産コストの低減も併せて実現したとしています。

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ホンダは今秋発表予定の新型HVミニバン「フリード」にこの技術を適用しており、順次、新型車への拡大を目指す模様。

また、磁石の原料となる磁粉についても、カナダのマグネクエンチ社とさらなる高特性化に向けた開発を行うそうです。

トヨタも電動車用モーターの「脱レアアース」を進めており、要(かなめ)となる駆動用モーターの生産リスク解消に、ホンダが一足先に目処を付けたことになります。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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ハイブリッド車に貢献する世界初の大電流動作可能な高耐圧GaNパワー半導体を豊田合成が開発

豊田合成は、青色LEDの主要材料であり、高い電圧にも耐えられるなどの優れた物理特性を有する窒化ガリウム(GaN)を用いて、20Aを超える大電流動作が可能な1.2kV級パワー半導体デバイス チップを世界で初めて開発したと発表しました。

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開発した技術は、大電力を扱うハイブリッド車などの電力制御装置や太陽光発電などの電力変換装置の回路に使うことができ、機器の小型化・高効率化に大きく貢献できます。

パワー半導体デバイスとは、電力用の整流ダイオード、スイッチング用トランジスタなどの半導体素子の総称です。

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同社は、1986年から行っている青色LEDの結晶成長技術を活用して、2010年からGaNを用いたパワー半導体向けデバイス技術の研究開発に着手。

これまでにGaN基板上に耐圧1.2kV級の低損失MOSFET(パワーデバイスなどに用いられるトランジスタの一種)を作製し、動作実証を行ってきました。

このたび、素子を並列動作させる配線技術を確立し、1.5mm角のチップサイズで縦型GaNトランジスタとして世界で初めて20Aを超える電流を流すことに成功しました(豊田合成調べ)。

同社では、今後2018〜20年頃の実用化を目指し、開発を進めています。

(山内 博・画像:豊田合成)

ホンダが新型フリード ハイブリッドに採用する「重希土類フリー」ネオジム磁石の利点とは?

2016年秋にホンダがフルモデルチェンジを予定している新型フリード ハイブリッド。

技術面で注目を集めているのが、重希土類完全フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化する点です。

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「重希土類=レアアース」とされることが多いですが、あくまで希土類(レアアース)の区分のひとつであり、レアアース17元素は軽希土類、中希土類、重希土類の3つに分類されるそうです。

ホンダが大同特殊鋼とともに、重希土類フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を開発したのは、ハイブリッド車など電動車の駆動モーターに使用されているネオジム磁石は、今後、急激な需要拡大が見込まれているから。

ハイブリッド車用駆動モーターにおいて、ネオジム磁石は高温環境下で使用されるため、高い耐熱性が要求されます。耐熱性を確保するために、従来は重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されていました。

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レアアースというと、「中国にしかないのでは?」と誤解している方も多いと思いますが、重希土類元素は世界的に有力鉱床が偏在しているそうです。しかし、生産量の約97%が中国算ということで、価格の変動はもちろん、地政学的なリスクを抱えているという面もあります。

ホンダも重希土類完全フリーの熱間加工ネオジム磁石を開発した背景として、重希土類は希少金属(レアメタル)にも分類されるため、安定調達、材料コストの観点でリスクを抱えていると認めており、重希土類元素の使用量を低減することが、ハイブリッド車駆動モーター用にネオジム磁石を使用する上で、大きな課題のひとつでした。

新型フリード ハイブリッド向けに生産を受け持つのは、大同特殊鋼の完全子会社であるダイドー電子。ネオジム磁石を一般的な製造工法である焼結工法とは異なる熱間加工法によって量産するそうです。

なお、熱間加工法とは、ナノレベルの結晶粒を高度に配向させることができる技術で、一般的な焼結磁石の10分の1程度の微細な結晶粒組織を得ることで、より耐熱性が高い磁石が製造可能。

今回、大同特殊鋼が熱間加工法の技術をさらに進化させるとともに、ホンダによる駆動モーター開発の経験を活かし、磁石形状を見直すなどして共同で開発を推進。

そして、重希土類元素をまったく使用せずに、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性、高磁力を実現したネオジム磁石を世界で初めて実用化することができたそうです。

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さらに、ホンダはこの磁石に対応した新しいモーターを設計。

磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁石にかかる磁束の流れを最適化することで、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石をハイブリッド車用駆動モーターに採用が可能に。

気になる性能面ですが、トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成しているそうです。また、同技術の利点は、ネオジム磁石の適用拡大に際して課題であった重希土類元素の制約から脱却したことで、先述したように資源リスクを回避、調達ルートの多様化も図ることが可能になった点です。

今後の重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石の採用は、今秋発表予定の新型フリードに搭載するハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド) i-DCD」を皮切りとして、順次、新型車に適用を拡大していくとのこと。

多くの台数そして車種に採用されれば、コスト削減が実現し、さらにハイブリッドが身近な存在になるかもしれません。

(塚田勝弘)

トヨタの「スポーツ・ハイブリッド」戦略は次期86/BRZにも展開される?

日本では「ハイブリッド車」が主流を占めるなか、欧州では「小排気量ターボ車」が普及。さらに近年では環境規制強化に伴い、低燃費車のトレンドが「PHV」に移行しつつあります。

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ただ、燃費性能のみを追求すると、どうしてもクルマ本来の「走る楽しさ」が二の次になりがちです。

そこで、小排気量ターボエンジンに日本のメーカーが得意とするハイブリッド技術を合体させれば、スポーティなハイブリッド車が実現する可能性が出てきます。

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そうしたおり、英自動車メディアが、次期「トヨタ スープラ」にターボ仕様のガソリンエンジンとモーターをドッキングした、いわゆる「スポーツ・ハイブリッド」モデルが存在すると報じて話題になっています。

さらに巷では、2.0Lクラスの出力を持つ1.5Lターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、次期トヨタ86/BRZに搭載する計画がトヨタとスバル間で進みつつあるとの噂も。

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確かにハイブリッド車の普及拡大にともない、走る楽しさを備えたスペシャリティ感のある「スポーツ・ハイブリッド」の需要が出てきても不思議ではありません。

次期スープラに加え、次期86/BRZの開発動向についても注目されます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、SUBARU)

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2016年6月の登録車販売ランキングはプリウスの圧勝、月販2.8万台超

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年6月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されました。

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2016年になってからトップ独走中のトヨタ・プリウスが6月もトップ。さらに上半期でも14万2562台と、前年同期比199.7%の倍増。新型へのフルモデルチェンジ効果を発揮しています。

トップ10の顔ぶれは前月と同様、トヨタ6台、日産2台、ホンダ2台の内訳となっています。

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●2016年6月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 28,785台
2位 トヨタ アクア 15,041台
3位 トヨタ シエンタ 10,954台
4位 ホンダ フィット 9,936台
5位 トヨタ パッソ 8,278台
6位 日産 ノート 7,956台
7位 トヨタ カローラ 7,489台
8位 トヨタ ヴォクシー 7,278台
9位 ホンダ ヴェゼル 7,184台
10位 日産 セレナ 6,600台

トップ3をトヨタが独占しているのは、4月から3か月連続。その3台だけが5桁のセールスとなっているのも、トヨタ系ハイブリッドの浸透ぶりを実感させられます。

日産の2モデルは、いずれもモデルライフ後半で、セレナなどはフルモデルチェンジ直前といえるタイミングですが、トップ10入りしているのは販売力といえるのかもしれません。

トップ10圏外では、トヨタ・ヴェルファイア(3,695台)に肉薄するホンダ・オデッセイ(3,474台)や、ハイブリッドを追加した効果で前年同月比274.2%と売れ行きを伸ばすトヨタ・オーリス(2,484台)などの動向が気になるところといえそうです。

(山本晋也)

トヨタのハイブリッドSUV「C-HR」のインテリア画像が公開!

トヨタの新世代設計思想「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基くクロスオーバーモデル『C-HR』の新画像が発表されています。

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注目は、ついに公開されたインテリア。そのコンセプトワードは、「センシュアル-テック(Sensual-Tech)」。

いかにも日本車らしいハイテクと機能性を、ファッショナブルでかつ大人の色気を感じさせるスタイルに仕上げているといいます。また、非対称デザインとすることで、コクピット感を強調しているのも特徴といえそうです。

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公開されたインテリアは、欧州仕様のリコリスブラウン。アメリカや欧州のデザイン拠点と日本のデザイン部が協力して作り上げた、インターナショナルな新提案ということです。

画像からは、電動パーキングブレーキを装備していること、EVモードを持つハイブリッドでありながらストレートタイプのシフトパターンを採用していることなども確認できます。

欧州での発売予定は2016年末、2016年9月から受注を開始するということもアナウンスされています。

(山本晋也)

日産が「e-POWER」システム搭載の新型「ノート」発売? 自動運転車も投入!

日産自動車が先頃開いた定時株主総会で、カルロス・ゴーンCEOが今年度に投入する新型車や新技術について説明しました。

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最新のハイブリッドパワートレーン「e-POWER」システムを搭載した新型コンパクトカーの国内導入を控えているとしており、航続距離の拡大と燃費向上を求めるユーザーのニーズに応え、EVの「リーフ」に匹敵する軽快な走りと、静粛性、優れた加速性能、低燃費を実現しているそうです。

各種情報によると、同車は日産が11月頃の投入を目指している「ノート」のHVモデルとみられ、発電専用のガソリンエンジンを搭載してモーターで走行するレンジエクステンダー方式を採用している模様。

この「e-POWER」システムは昨秋のフランクフルトモーターショーで同社が公開した「GRIPZコンセプト」に搭載されていたシステムで、「ノート」のビッグマイナーチェンジに合わせて市販化する計画のようです。

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さらに、単一車線での自動走行を実現する「プロパイロット」技術を他市場に先駆けて国内に投入することを発表。

これは、同社が2016年度末までに国内で販売する中核モデルの8割に搭載する既存の自動ブレーキ技術をさらに発展させたもの。

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より安全で効率的なドライビングを提供するとしており、国内に投入後、米国、欧州、中国で商品化する計画のようです。

あわせて、「e-POWER」システム、「プロパイロット」技術を搭載した新型車を株主にひと足先に公開予定で、今年後半に発表会と試乗会を企画しているそうです。

Avanti Yasunori

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トヨタのハイブリッド車向け補修用バッテリーをGSユアサ バッテリーが新発売

GSユアサグループのジーエス・ユアサ バッテリーは、トヨタの最新ハイブリッド車に搭載されているEN(European Norm:欧州規格)規格の補機用鉛蓄電池の補修用に最適な「ECO.R ENJ」(エコ.アール イー・エヌ・ジェイ)シリーズを6月下旬に新発売すると発表しました。

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GSユアサのEN規格鉛蓄電池は、通常の補機用鉛蓄電池より全高が低く、JISの安全性にも合致した「日本仕様のEN規格鉛蓄電池」です。

このGSユアサ製のEN規格鉛蓄電池は、トヨタのアルファード・ヴェルファイアのハイブリッド車、シエンタのハイブリッド車、新型プリウスに搭載されています。

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今回発売した「ECO.R ENJ 」シリーズは、トヨタ系ハイブリッド車専用の補機用鉛蓄電池として、今後見込まれる取り替え需要の増加を見据えて補修市場に投入されます。

「ECO.R ENJ 」シリーズの機種と適合車種は次の通りです。

ENJ-LN0:シエンタ HV
ENJ-LN1:プリウス(W50系)
ENJ-LN2:ノア HV、ヴォクシー HV、エスクァイア HV、アルファード HV(H30系)、ヴェルファイア HV(H30系)

製品情報:ジーエス・ユアサ バッテリー|製品情報|ECO.R ENJ

(山内 博・画像:GSユアサ)

2016年5月の登録車セールス、トップ3の顔ぶれはトヨタのハイブリッドカー

日本自動車販売協会連合会(自販連)による、2016年5月の新車乗用車販売数ランキングが発表されています。

なお、自販連が発表しているのは国産登録車のみを対象としており、軽自動車と輸入ブランドの車種は除いたランキングとなっています。

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2015年12月のデビュー以来、6か月連続でトップを守り続けているのは、トヨタ・プリウス。それに続くのは、アクアとシエンタという、同じくトヨタのハイブリッド(を設定する)車種というのも2か月連続です。

とはいえ、5月はトヨタ・パッソの新車効果による躍進が期待され、ランキングに動きが生じると予想されていました。さて、トップ10はどのような顔ぶれになっているのでしょうか。

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■2016年5月新車乗用車販売台数ランキング(自販連発表)
1位 トヨタ プリウス 21,527台
2位 トヨタ アクア 11,225台
3位 トヨタ シエンタ 9,449台
4位 ホンダ フィット 8,771台
5位 トヨタ パッソ 6,784台
6位 日産 ノート 6,256台
7位 トヨタ ヴォクシー 5,951台
8位 ホンダ ヴェゼル 5,776台
9位 トヨタ カローラ 5,690台
10位 日産 セレナ 5,333台

フルモデルチェンジしたパッソが上位に食い込んできている以外は、あまり変化のないランキングにも思えますが、そうともいえません。

新グレード「RS」を追加するなどのマイナーチェンジを施したホンダ・ヴェゼルが前月とさほど変わらないポジションにいる一方で、ビッグマイナーチェンジから変化が見られないカローラがランクダウンしています。

このことから、常にフレッシュさを高めるように商品性を磨いていなければトップ10内を維持するのは難しいという、ユーザーの目が肥えた市場であることを、トップ10の変動から感じることができた5月といえそうです。

(山本晋也)

マイナーチェンジで精悍なマスクに変身 ─ ホンダ新型アコード画像ギャラリー

ホンダのグローバルモデル「アコード」がマイナーチェンジ。フルLEDヘッドライトやLEDポジションランプに合わせて、シャープな印象となるフロントグリルにするなど、「アコード」らしいスポーティサルーンに生まれ変わっています。

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メカニズム面では、2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッド i-MMD」のエンジンやモーターを進化させることで、30.0〜31.6km/Lという1.6t前後のサルーンとは思えないほどの好燃費を実現している点に注目。

それでいて、モーターの最高出力は従来型に対して12kWも増えているといいますから、パフォーマンスの面でも『スポーツハイブリッド』というブランドにふさわしい進化を遂げたといえそうです。

さらにバッテリーも小型化することで、トランクスペースを拡大。サルーンに求められるパッケージングについても向上しているというから見逃せません。

メーカー希望小売価格は、385万円〜410万円。

ボディカラーは、ディープオーロラ・メタリックとプレミアムディープロッソの2つを新色として設定。パールホワイトオーキッド・パール、プレミアムスパークルブラック・パール、ルナシルバー・メタリックと合わせた全5色の設定となっています。

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●ホンダ・アコードハイブリッドEX 主要スペック
車両型式:DAA-CR7
全長:4945mm
全幅:1850mm
全高:1465mm
ホイールベース:2775mm
車両重量:1600kg
乗車定員:5名
原動機型式:LFA-H4
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1993cc
エンジン最高出力:107kW(145PS)/6200rpm
エンジン最大トルク:175Nm(17.8kg-m)/4000rpm
モーター形式:交流同期電動機(定格電圧700V)
モーター最高出力:135kW(184PS)/5000-6000rpm
モーター最大トルク:31.5Nm(32.1kg-m)/0-2000rpm
変速装置:電気式CVT
燃料消費率:30.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:235/45R18 94W
メーカー希望小売価格(税込):410万円

(山本晋也)

トヨタのHVモデル世界販売、年内にも1,000万台到達か?

トヨタ自動車によると、1997年以来、約19年間に渡って世界で販売してきたハイブリッド車の累計販売台数が4月末に900万台を突破したそうです。

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地域別の内訳では日本が438万台と最多で、北米が299万台、欧州が111万台、その他が53万台の状況。

現在、約90以上の国・地域でHV 33モデル、PHV 1モデルを販売しており、これまでに販売したハイブリッド車の累計販売台数は901.4万台に達しています。

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昨年7月末に800万台を突破した後、約9か月でさらに100万台上積みしており、これまでの販売推移をグラフで「見える化」してみると、3代目「プリウス」や「アクア」がハイブリッド車の普及拡大に大きく寄与していることがわかります。

北米ではガソリン安の影響で2014年以降、ハイブリッド車の販売が下降気味となっていますが、欧州では逆にジワジワと販売を伸ばしている様子が窺えます。

ちなみに車種別に見た場合の世界販売台数TOP20は以下となっています。

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米国で販売台数が多いハイブリッド車はプリウス(168万台)、カムリ(38万台)、アクア(18万台)、Lexus RX(16.7万台)、プリウスα(16万台)、ハイランダー(14.6万台)など。

また欧州ではオーリス(29.6万台)、プリウス(28.7万台)、ヤリス(23.1万台)、Lexus RX(9.8万台)などが販売を伸ばしています。

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トヨタでは地球環境の問題に対してクルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけ、持続可能な社会の実現を目指す「トヨタ環境チャレンジ2050」に基づき、2020年までに150万台/年、累計で1,500万台のハイブリッド車を販売する計画。

同社はこれまでに約6,700万トンに上るCO2排出量を抑制、約2,500万kLのガソリン消費を抑制したとしています。

今年も4月末時点で既に47万台を販売しており、今秋には新型プリウスPHVや新型プリウスの派生SUV「C-HR」を投入する見込みで、このペースで行けば年内にも1,000万台到達の可能性もありそうです。

また、今後はトヨタにおいても米国ZEV規制への対応に伴い、これまでのHVに代わってPHVの開発が活発化すると予想され、トヨタが培ってきたハイブリッド技術はFCVやEVを含めた全ての電動車の基盤となるだけに、いっそう重要性を増して行くものと予想されます。

Avanti Yasunori

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「全固体電池」の採用で安価なPHVを実現するのはトヨタ?
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2016年4月の登録車セールスはトヨタのハイブリッドが1・2・3!
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トヨタがカローラ・レビンに「PHV」を導入する理由とは?
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トヨタ、新型カローラ/レビンのPHVを2018年投入へ!
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レクサスがハイブリッド販売台数100万台を記念して納車式
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次期スズキ・スイフト向け!? フルハイブリッドシステムを披露【人とくるまのテクノロジー展16】

次期スズキ・スイフトには、バレーノ同様にターボ仕様のほか、ハイブリッドモデルがフルハイブリッド化されるのでは? という噂もあります。

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「人とくるまのテクノロジー展2016」のススキブースに展示されていたハイブリッドシステムの展示モック。

こちらは、ハイブリッドとシングルクラッチのAGS(オートギヤシフト)の組み合わせで、モーターによる発進、緩やかな加速はもちろん、さらにエンジンはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を使い、スムーズに始動させることが可能。

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さらに注目は、モーターのみで一定速走行が可能なこと。モーターによる発進と一定速走行が可能となればフルハイブリッドシステムといえるもので、もちろん、モーターによるパワーアシスト、モーターとエンジンのハイブリッド走行もできます。

気になるのがJC08モード燃費ですが、アクアの37.0km/Lにどれだけ近づけるのかがひとつの注目ポイントになりそう。

次期スイフトに搭載されるのか、ソリオにも積まれるのか分かりませんが、今年夏くらいという噂も。

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なお、スズキは記者会見やホームページなどで、燃費計測時に必要な走行抵抗値の不正問題で謝罪していますが、同問題が新しいハイブリッドシステム搭載モデルの発売延期などにつながるかは、広報もコメントできないとしています。

(文/写真 塚田勝弘)

欧州自動車部品大手が48Vマイルドハイブリッドをフォード・フォーカスに搭載

欧州の自動車部品大手のシェフラーとコンチネンタルは、第37回ウィーンモーターシンポジウム(オーストリア、2016年4月28、29日)で、48Vマイルドハイブリッドシステムによる第2世代のガソリン技術車(Gasoline Technology Car、以下GTC II)を世界で初めて公開したと発表しました。

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このGTCⅡは、2014年に公開された第1世代のガソリン技術車(GTC I)を発展させたもので、 シェフラーとコンチネンタルの共同開発による48V P2ハイブリッドアーキテクチャを採用しています。

GTC IIとGTC Iの大きな相違点は、第2世代モデルでは、電気モーターをエンジンとトランスミッションの間に配置したことで、この全体構成を両社はP2アーキテクチャと呼んでいます。

GTC IIによるフォード・フォーカスには、3気筒1リッターのターボエンジン(GTDI)と、48Vシステムとは別の12Vスタート・ストップシステムが併設されています。

NEDC(新欧州燃費基準のドライビングサイクル)においてGTCⅠと比較してGTCⅡの燃料効率は約13%向上し、標準のガソリン車と比較するとトータルで25%も燃費が向上している、ということです。

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GTC IIでは、電気モーターを駆動するエンジンとトランスミッションの間のベルトに上流側と下流側の2つのクラッチが配置されていることにより、運転状態に応じてエンジンから完全に切り離すことができ、電気モーターを独立して使用できることが特徴です。

これによりGTC IIは、低負荷かつ一定速度での電気走行およびアイドリングストップ時の電気モーターによる発進の両方が可能なシステムになっています。

最近48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した欧州勢の新型車の登場が話題にのぼっています。今回のシェフラー・コンチネンタル・欧州フォードの3社によるGTCⅡの公開は、48Vマイルドハイブリッドシステムの実現が近づいていることを示しています。

注目されるのは、従来は中型・大型乗用車に適していると言われていた48Vマイルドハイブリッドシステムをコンパクトカーのフォード・フォーカスに搭載した点です。

フォード・フォーカスは、先日世界累計販売500万台を達成したスズキ・スイフトの欧州市場での有力コンペティターであるだけに、スズキが48Vマイルドハイブリッドシステムに対して、どう対応するのかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:シェフラージャパン)

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「スイフト」の世界累計販売500万台達成で気になる「マイルド・ハイブリッド」の行方
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欧州で売れはじめたトヨタのハイブリッドカーが世界販売900万台を突破!

トヨタ(レクサス含む)のハイブリッドカーが世界累計販売900万台を達成しました。

トヨタ自動車の発表によると、1997年に日本で発売開始して以来、世界中に販売が拡大しているハイブリッドカーの販売台数が2016年4月末の段階で901.4万台になったということです。

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900万台を超えるハイブリッドカーの販売によって削減したCO2排出量は6700万トン、燃費面では2500万キロリットルのガソリンを抑制したといいます(同社試算)。

現在、グローバル販売では年間120万台ペースで売れているトヨタのハイブリッドカー。2020年までには累計販売1500万台に到達する見込みといいます。

ここ数年、北米市場では伸び悩んでいるハイブリッドカー販売ですが、2010年代に入ってから欧州での販売が伸びているというのは、ハイブリッドカーのムーブメントが世界的に拡大していることを感じさせます。

(山本晋也)

新型トヨタ「スープラ」、スポーツHVで2017年秋登場か?

トヨタ自動車は、2014年1月のデトロイトモーターショーでワールドプレミアしたコンセプトモデル「FT-1」を、東京オートサロン16や大阪オートメッセ16で公開。

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昨秋の段階では、BMWとの「スープラ」後継車の共同開発に正式なGoサインが出ていなかったようですが、今年3月にはイメージレンダリングが出回るなど、いよいよ具体的な動きが出て来たようです。

現段階における各種情報を総合すると、次期スープラのエクステリアデザインは当初の計画どおり、コンセプトモデルである「FT-1」がベースになっているようで、前後意匠についても同車のイメージを色濃く継承している模様。

スリーサイズは先代比で全長が-140mm、全幅が+50mm、全高が-45mm、ホイールベースが-70mmと、’短く、広く、低く”なるとの予想。

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デザインこそトヨタ・オリジナルですが、スポーツカーとして肝となるパワーユニットをはじめ、「Z4」の後継となる「Z5」のプラットフォームなど、BMW製を流用しているようで、生産もBMWが担当する模様。

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これによりBMWの「走り」の部分がそっくりスープラに移植され、これまでのトヨタ車には無い、かなり刺激的なモデルになりそうです。

搭載エンジンはBMW製2.0L直4ターボと3.0L直6ターボが有力のようで、前者は200psと255ps、後者は340ps程度となる見込みで、3.0Lエンジンについてはトヨタのハイブリッドシステムが搭載される見込み。

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車両価格は2.0Lモデルが400万円台前半から500万円台半ば、3.0Lモデルが800万円程度となりそう。

ワールドプレミアは来年秋の東京モーターショー、もしくは翌年1月のデトロイトモーターショーとなる公算が高いようで、発売は2018年秋との予想。

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2代目が2002年に姿を消して以来、16年を経て蘇るトヨタのスーパースポーツ、3代目「スープラ」に大きな注目が集まります。

Avanti Yasunori ・画像:TOYOTA USA)

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次期「スープラ」はスポーツHVターボで2018年に登場か?
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3代目スープラはカーボン武装の「スポーツハイブリッド」で登場?
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トヨタの次なる一手は「ダウンサイジング・ターボ+HV」か?
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トヨタのハイブリッド車が世界累計販売900万台を突破! 節約されたガソリンの量は?

当初冷ややかとされていた欧州メーカーもハイブリッドモデルを投入するなど、いまやグローバル規模で普及しているハイブリッド。

その第一歩は乗用車では、1997年12月に披露された初代プリウスですが、2016年4月末時点で累計販売台数が901万4000台(プラグインハイブリッド含む)に達したそうです。

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まさに21世紀に間に合ったエコカーの代表格ですが、充電できない従来型のハイブリッドは、2017年中頃からアメリカ・カリフォルニア州のZEV規制の対象外(プラグインハイブリッドをのぞく)となるなど、最先端の環境(規制)対策車としては終焉を迎えつつある印象もあります。

しかし、トヨタをはじめ、ホンダなどハイブリッドモデルの普及の努力により、エンドユーザーとしては価格面でも手が届きやすい「普通のクルマ」になった貢献度は大でしょう。

環境対応を経営の最重要課題のひとつと位置付けているトヨタでは「エコカーは普及してこそ環境への貢献」との考えのもと、ハイブリッドの普及に取り組んできたのはご存じのとおり。

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1997年8月、日本でコースターハイブリッドEVを発売、そして同年12月に世界初の量産ハイブリッド乗用車の初代プリウスを発売して以来、2015年7月末の800万台突破から約9か月で累計販売台数900万台を達成したことになります。

ここの1年でも、シエンタ(昨年7月発売)にハイブリッドモデルが追加されたほか、4代目となるプリウス(昨年12月発売)の販売を開始。

海外では、RAV4にハイブリッドを追加(昨年11月発売)し、中国には現地産ハイブリッドユニットを搭載したカローラハイブリッド、レビンハイブリッド(昨年10月発売)が投入されています。

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2016年4月末現在で、約90以上の国・地域でハイブリッド乗用車33モデル、プラグインハイブリッド車(PHV)1モデルを販売。

トヨタは今後もハイブリッド車についてはさらなるラインナップの拡充を図り、2020年までに年間で150万台、累計で1500万台の販売を達成するとしています。

なお、2016年4月末までに販売されたハイブリッドのCO2排出抑制効果は、車両サイズおよび動力性能が同等クラスの純ガソリン車のCO2排出量と比較すると、約6,700万tに上るとトヨタでは試算しているそうです。

また、ガソリン消費抑制量は同等クラスのガソリンエンジン車のガソリン消費量と比較し、約2,500万kLの効果があったと試算。

ハイブリッドやPHV、FCV(燃料電池車)に注力しているトヨタですが、40万台を受注したというテスラ・モデル3などに代表されるピュアEVへの対応をどうするかも気になるところです。

(塚田勝弘)

ポルシェのレースカー、919ハイブリッドのステアリングの操作方法とは?

919ハイブリッドでFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦しているポルシェ。

ドライバーがどんなドライビングをしているかは、オンボード映像を見れば何となく想像できますが、実際のところどうなのでしょうか?

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ドライバーは足元ではヒール・アンド・トウを駆使し、左足ブレーキを使うドライバーもいれば、 アクセルとブレーキを右足で踏み替えるワークスドライバーもいるそうです。

しかし最も忙しいのはF1同様にステアリングスイッチやパドルの操作。マシンをドライバーの意図する方向に向けることは、ステアリングホイールの機能の中で、ごく一部の役割でしかないそう。

複雑なレーシングカーを制御するため、前面にはじつに24ものボタン/スイッチ、裏面には6つのパドルが用意されており、これらを操作する必要があります。

なお、2016年シーズンでは操作性をさらに向上させるために、ドライバーとともにステアリングホイールのボタン/スイッチの配置が見直されています。

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「ル・マン」における最高速度は340km/hに達しますが、こうした速度域で操作するいくつかの制御機能は、ステアリングホイールに設置スペースがないためダッシュボードに移設。

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中央に配置されている大型ディスプレイは、速度、現在のギヤ、エンジンマネージメント、リチウムイオンバッテリー残量(前輪を駆動するためにどのくらいの電気エネルギーを使用できるか)などの多くの情報が表示されます。左上のコントロールボタン(DISP)は、表示された情報を選択するためのものです。

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また、ステアリングホイールは円形ではなく長方形。これは、舵角が小さくすむためかなと思われますが、ドライバーチェンジの際にスペースが必要なため。とくに、マーク・ウェバーやブレンドン・ハートレーのような長身のドライバーの場合、この形でないと長い足を迅速に収めることができないそう。

ステアリングホイールはカーボン製で、グリップハンドルは滑り止めラバーで覆われています。パワーステアリングシステムによって、比較的狭いグリップでも 容易に操作することが可能で、開口部を通してステアリング裏側の6つのパドルを指で操作。

また、中央のパドルはシフトチェンジ用で、右を引くと シフトアップ、左を引くとシフトダウン。最下部のパドルはクラッチ操作用です。最上部はブースト操作用で、このパドルかステアリングの前述ブーストボタンの好きな方を使うことができるそうです。

最もよく使われるボタンは、親指が届く上部外側に沿って配置されています。

右上のブルーボタンは常に使用し、高速走行時のマシンがほかのクラスのマシンを追い抜く際にヘッドライトを点滅させるパッシングボタン。1回押すとヘッドライトが3回点滅しますが、日中にはヘッドライトの合図に気付くことが難しくなるので、ドライバーは親指を常にここに置いているそうです。

左上のレッドボタンもバッテリーから電力を供給してブーストをかけるために頻繁に使用。ブーストを使うことにより追い抜きが可能になりますが、当然ながら1周あたりに使用できるエネルギー量が規定されていて、周回の途中でエネルギーを消費すると、終盤で使えなくなることに。

ディスプレイ左右下部にあるロータリースイッチ(TC/CONとTC R)は、トラクションコントロールのプリセット用。エンジンとハイブリッドの各設定を調節するため、上部2段のライトイエロー(TF-とTF+)とブルー(MI-とMI+)のボタンを使用。その下には、フロントとリヤ間のブレーキバランスを分配するピンクの+と-ボタン(BR)が配置されています。

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ほかにも数多くのボタン類が配されていますが、オンボード映像を見る際は、足元はもちろん、指先も非常に忙しい「仕事」をしているのをチェックするとさらに楽しめそうです。

(塚田勝弘)

「大人に似合うクルマがない…」と嘆く方へ。HVが追加されたオーリスが大人に似合う理由とは?

4月18日、トヨタ・オーリスにハイブリッドグレードが追加設定されました。

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欧州市場ではすでに販売されていたため、「え、まだラインナップされてなかったけ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は私もそのひとりです…

ハイブリッド仕様のパワーユニットは1.8リッターTHSⅡ。そう、先代プリウスと同様のシステムを採用しています。

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燃費は30.4km/L(JC08モード)で、数値こそ現行プリウスに劣りますが、オーリスが大きく上回っているポイントがあります。

それは、大人が乗って様になるクルマだというところ。

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高い静粛性と走行性能、高品質なインテリア、大人が似合うスタイル……どの点をとってもオーリスの質の高さが感じられます。

そして、とくに驚いたのが走りと乗り心地。

1.2リッター・ターボ仕様とくらべ約100kg重くなったハイブリッドグレードですが、クルマの“重さ”は気にならず、ハンドリングにも影響を与えているとは思えません。

しっかりと動きながらショックをうまく吸収するサスペンションはオーリスの大きな利点といえるでしょう。

ただ、回生ブレーキのフィールは気になります。

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どうしても慣れなかった先代プリウスのブレーキフィールとくらべ、オーリスは独特の“クセ”は、かなり自然になっていましたが、ガソリン車しか乗ったことがない多くのユーザーはその“クセ”に戸惑うでしょう。

「私たちの大きな課題は、ハイブリッド車が“普通のクルマ”となんら変わらない感覚で乗ってもらえるようにすることです」

開発担当者のトヨタ製品企画部・天野和彦さんはこのように語ってくれましたが、電気エネルギー回収時の回転抵抗を自然なフィールにすることはやはり難しいようです。

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とはいえ、大人が乗って様になるクルマとしてオーリスは大きな魅力があることは間違いありません。「大きなクルマ≠大人のクルマ」と考える人にとって、選択肢に入れるべきクルマだと断言します!

(文:テヅカ・ツヨシ/撮影:前田惠介)

上質な乗り味が魅力のオデッセイ・ハイブリッド。 気になる実燃費は?

2月にマイナーチェンジを実施したホンダ・オデッセイ。発売から1カ月で9000台超という受注を集めたそうですが、そのうち7割強がハイブリッドモデルとのこと。

いままでハイブリッドがなかったのが不思議なくらいですが、それだけ待望の追加設定といえるのでしょう。

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JC08モード燃費は、クラストップ(7/8人乗り、1.8L以上のクラス、全高1600mm以上のミニバン)の26.0km/L。

日本自動車販売協会連合会の「新車乗用車販売台数月別ランキング」では、2016年2月に20位、翌3月は22位と圏外から30以内に顔を出しています。

ハイブリッド仕様と純ガソリン仕様の価格差は、装備など違いで単純比較はできないものの、ベースグレードで単純比較すると75万円超、装備を考慮すると実質約55万円の差といえそうです。

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そうなると、ガソリン代だけ元を取るのはかなり走らなければなりませんが、ハイブリッドモデルを購入する「理由」は単なる燃費だけでなく、静粛性の高さや静かさからくる上質感などを挙げる人も多いはず。

実際に試乗してみると、オデッセイ・ハイブリッドの乗り味は音・振動面、乗り心地など動的質感の高さは想像以上の出来映えでした。

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一般道から山岳路、高速道路まで約280km走行する機会がありましたが、路面状況を問わず1列目から3列目までショックを抑制したフラットライドは最近のミニバンの中でも上々といえるもの。

乗り心地の良さは、車格が下になるヴォクシー/ノア/エスクァイアはもちろん、基本設計の古いエスティマ・ハイブリッドなどを超えて、アルファード/ヴェルファイアに匹敵するかそれ以上かもしれません。

Printまた、バッテリー残量によりますが、街中であればEV走行中心でまかなえることが多く、エンジンの出番となると力強い加速も可能。ノーマルでも重い3列ミニバンですが、高速道路の巡航でも「かったるさ」はあまり感じさせませんでした。

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フットワークに関しては、70〜100kgほど重いハイブリッドらしく軽快とまではいえませんが、背の高いミニバン(といっても1700mm以下ですが)にありがちな重心の高さを感じさせず、ワンディングなどでもロールが大きくて運転がしにくいということもありません。

ほかにも、純ガソリン仕様と変わらない乗降性や居住性も魅力で、左右一体式のサードシートの床下格納など、シートアレンジを含めた使い勝手もガソリン車と同等。

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実燃費は約16.5km/Lで、JC08モード燃費からするともう少し伸びて欲しい気もしますが、エコランに徹したわけでもなく、渋滞にもたびたび遭遇したことを考えると上出来といえそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

トヨタがカローラ・レビンに「PHV」を導入する理由とは?

先日、トヨタ自動車が中国市場に現地製の「カローラ」「レビン」のPHVを2018年に導入すると発表しました。

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中国へのPHV導入は日本メーカーでは初となるもので、現地でのエコカー市場開拓を本格化させ、中国政府による環境規制の強化にも対応する構えを示してます。

同社はこれまでHVを中心に現地生産・販売してきましたが、中国政府は最高100万円超の補助金を支給するなど、“新エネルギー車”(EV、PHV)の普及を目指しており、HVは支給の対象外となっています。

そこでトヨタとしても現地製「カローラ」「レビン」にPHVを設定することで“新エネルギー車”認定を受け、車両価格を抑えてエコカー市場の開拓を急ぐことにしたもの。

日経新聞によると、中国では政府の手厚い補助金の後押しにより、昨年の新エネルギー車販売は前年比約4倍の33万台まで急増しているそうで、なかでもPHVの勢いが鮮明になっているといいます。

TOYOTA_LEVIN

中国政府は新エネルギー車に対する補助金の支給政策を2020年まで続ける方針のようで、ホンダも2020年を目処に現地製「アコード」PHVを発売する方針とか。

中国では景気減速が続くものの、今年は昨年以上に新車販売が増える見込みで、外資系である日本勢がPHV攻勢に出ることで、“新エネルギー車”を巡る競争が本格化しそうな情勢になってきました。

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これぞBMW! X3次期型はスポーツ力アップだ

BMWのクロスオーバーSUV『X3』次期型が、擬装を少し軽くしてニュルの高速テストに登場しました。

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次期型ではこれまでのX3から大刷新、スポーツ性を大幅に改善するモデルになるようです。

次期型には新世代モジュラープラットフォーム「CLAR」(クラスタ・アーキテクチャー)を採用し、約100kgの軽量化を達成。サスペンションの改善や、車高を低く設定するほか、エクステリアではヘッドライトを薄くシャープにし、内外共にスポーツ力のアップを目指します。

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パワーユニットは「330e」または「X5 40e」から流用されるプラグインハイブリッドモデルの投入がありそうです。そのほか、1.5リットル直列3気筒エンジンや2リットル直列4気筒ターボエンジンなどもラインナップされます。

早ければ2016年内にお披露目されるようです。

(APOLLO)

ハイブリッド販売台数100万台を記念してレクサスがミラノで納車式を実施

レクサスが「RX400h」を11年前に発売して以来、グローバルでのHV累計販売台数が100万台を突破したと発表しました。

Lexus(出展 Lexus)

同社は「RX400h」の発売以降、ハイブリッドのラインナップを順次拡大。現在ではフラッグシップセダンの「LS600h」からコンパクトハッチバックの「CT200h」まで、プレミアムブランドでは最多となる10車種を展開しており、2016年3月末時点での累計販売台数は約100万600台となっています。

LexusLexus

今年1月には、次世代のハイブリッド技術である“マルチステージハイブリッドシステム”を搭載、より高い次元で加速性能と効率性を両立した最新モデルの「LC500h」をワールドプレミアしています。

[nextpage title=”100万台目のハイブリッドを納車”]

今回、伊ミラノで100万台目のハイブリッドとなる「NX300h」を購入した顧客に、欧州レクサス販売のトップであるAlain Uyttenhoven氏から直々に納車しました。

Lexus

同車を購入したAldo Pirronello氏は、

「初めてNX300hを見た時、そのデザインとハイブリッドの先進性に惹かれました。私が100万人目のオーナーになると知って驚きましたが、同時にレクサスにとって一つの大きな節目となる瞬間に立ち会えて光栄に思っています」

とコメント。

また、欧州レクサス販売のAlain Uyttenhoven氏は

「レクサスが100万台という多くのクルマをお客様に届けることができたのは、同車の“先進性”があってこそ。レクサスを代表してNX300hをお届けできることを大変光栄に思います」

としています。

これを受けて、レクサスインターナショナルの福市得雄プレジデントは

「レクサスは今後もハイブリッドシステムをコア技術と位置付け、CO2削減に貢献すると共に、運転の楽しさをお客様に提供して参ります」

とコメント。加えて

「2050年に向けた環境への取り組みを推進するにあたり、ハイブリッド車のグローバルな普及は極めて重要。世界の多くのお客様にレクサスのハイブリッドが支持されているのは、大変嬉しい」

と語っています。

Avanti Yasunori

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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【メカニズム編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する情報の中から、今回は同車の“メカニズム”について触れてみたいと思います。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

新型プリウスPHVの最大の特徴は、モーターによるEV走行距離が倍増したこと、そしてEV走行時の加速性能が向上したことの2点が挙げられます。

現行モデル比で約2倍の総電力量(8.8kwh)を誇る大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、満充電からの航続距離が60km以上と飛躍的に向上しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

これにより、日常走行ならほとんど“EV”としての利用が可能になっています。

バッテリーのサイズアップを最小限に抑えることでラゲージルーム下に収め、十分な広さを持つ荷室容量を確保。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

発進から加速、高速の巡航時に至るまで、ほとんどの場合モーターだけの走行が可能で、エンジンが止まっている時間が長いため、優れた静粛性を実現しています。

一方、EV走行時の加速性能向上に関しては、強い駆動力と加速性能を生む「デュアルモータードライブ」システムを新たに採用。

動力分割機構に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加、これまでの駆動用モーターに加えて、ジェネレーター(発電機)をモーターとして活用できるようにしたことで、あたかも“電気ターボ”のような力強い駆動力が得られます。

TOYOTA_PRIUS_PHV

また“バッテリーチャージモード”ではEV走行でバッテリーの電力を使いきった後でもエンジンで発電して充電、夜間に静かなEV走行が必要な場合などに重宝します。

TOYOTA_PRIUS_PHV

充電機能では100V 6Aの充電機能付充電ケーブルにより、家庭用100Vコンセントからの充電を可能にしており、急速充電器にも対応。約20分で80%の充電が可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

さらには駐車時、ソーラールーフパネルによる駆動用バッテリーの充電にも対応、走行時にはバッテリー消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

このように新型プリウス「PHV」では、充電に伴う煩わしさを解消するため、充電の機会を増やす工夫もなされているのです。

今回、“エクステリア”、“インテリア”、そして“メカニズム”と、3編に渡って新型プリウス「PHV」の特徴について触れてきましたが、いかがだったでしょうか。

新型は全てにおいて魅力を増しており、今秋の発売が大いに待たれます。

Avanti Yasunori

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日立オートモティブ、欧州の「48V化」に対応する「48Vリチウムイオン電池パック」を開発

日立オートモティブシステムズ(以下、日立オートモティブ)は、欧州で開発が進む「48V」化したマイルド・ハイブリッド車(マイルドHEV)向けに高出力の「48Vリチウムイオン電池パック」を開発したと発表しました。

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同社では今夏以降、自動車メーカーへサンプル製品を出荷し、2018年度の量産開始をめざす、としています。

新開発の「48Vリチウムイオン電池パック」は、BMS基板、セルに加え、リレー、ヒューズを 一体実装した、オールインワンパッケージの電池パックで、積載性に優れています。

48V化マイルドHEVでの加速アシストにおいて、充分なトルク性能が発揮できる最大出力10kW以上、最大入力13kW以上(いずれも10秒間)を実現している、ということです。

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近年、日本の自動車メーカーが先行している高電圧のストロング・ハイブリッド車に対抗して、欧州・中国では「48V」化したマイルドHEVの開発が進んでいます。

今後48Vリチウムイオン電池を用いたマイルド・HEVが、比較的安価に燃費を改善できる技術として急速に普及すると見られています。2023年のマイルドHEVの生産台数は、欧州で200万台、中国でも400万台を超えると予測され(日立調べ)、今後の市場拡大が見込まれています。

また日立オートモティブは近日開催される「2016北京モーターショー」および「人とくるまのテクノリジー展2016横浜」に新開発の「48Vリチウムイオン電池パック」を出展する予定です。

今回の日立オートモティブによる48Vリチウムイオン電池の開発は、このような動きに対応したもので、「48V」化の波が国内の自動車部品メーカーにも波及したかたちです。今後の「48V」化の動向に注目が集まります。

(山内 博・画像:日立オートモティブシステズ)

今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【メカニズム編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する情報の中から、今回は同車の“メカニズム”について触れてみたいと思います。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

新型プリウスPHVの最大の特徴は、モーターによるEV走行距離が倍増したこと、そしてEV走行時の加速性能が向上したことの2点が挙げられます。

現行モデル比で約2倍の総電力量(8.8kwh)を誇る大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、満充電からの航続距離が60km以上と飛躍的に向上しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

これにより、日常走行ならほとんど“EV”としての利用が可能になっています。

バッテリーのサイズアップを最小限に抑えることでラゲージルーム下に収め、十分な広さを持つ荷室容量を確保。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

発進から加速、高速の巡航時に至るまで、ほとんどの場合モーターだけの走行が可能で、エンジンが止まっている時間が長いため、優れた静粛性を実現しています。

一方、EV走行時の加速性能向上に関しては、強い駆動力と加速性能を生む「デュアルモータードライブ」システムを新たに採用。

動力分割機構に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加、これまでの駆動用モーターに加えて、ジェネレーター(発電機)をモーターとして活用できるようにしたことで、あたかも“電気ターボ”のような力強い駆動力が得られます。

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また“バッテリーチャージモード”ではEV走行でバッテリーの電力を使いきった後でもエンジンで発電して充電、夜間に静かなEV走行が必要な場合などに重宝します。

TOYOTA_PRIUS_PHV

充電機能では100V 6Aの充電機能付充電ケーブルにより、家庭用100Vコンセントからの充電を可能にしており、急速充電器にも対応。約20分で80%の充電が可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

さらには駐車時、ソーラールーフパネルによる駆動用バッテリーの充電にも対応、走行時にはバッテリー消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

このように新型プリウス「PHV」では、充電に伴う煩わしさを解消するため、充電の機会を増やす工夫もなされているのです。

今回、“エクステリア”、“インテリア”、そして“メカニズム”と、3編に渡って新型プリウス「PHV」の特徴について触れてきましたが、いかがだったでしょうか。

新型は全てにおいて魅力を増しており、今秋の発売が大いに待たれます。

Avanti Yasunori

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トヨタが米大学と共同でコンセプトEV「uBox」を開発!

トヨタ自動車が4月12日、米サウスカロライナ州のクレムゾン大学と共同で若者向けのEVコンセプトカー「uBox」を開発したと発表しました。

TOYOTA_USA_uBox(出展 米国トヨタ)

同大学の「Deep Orange」と呼ばれる国際自動車研究センターの大学院生が主体となってコンセプトカーを製作。市場調査に始まり、デザイン、設計、製造までの車両開発全体を2年間に渡って経験したそうです。

TOYOTA_USA_uBox(出展 米国トヨタ)

“ジェネレーションZ”と呼ばれるインターネット世代にアピールできるクルマづくりがテーマで、普段は仕事での移動手段に加えてオフィス代わりにクルマを利用、週末にはレジャーに利用する若手企業家がターゲットとか。

車体にはカーボンファイバーやアルミなどの軽量素材を使用しており、車内を低床化、サイドドアを観音開きにするなど、乗降性に配慮すると共に嵩張る荷物の出し入れや、ビジネス作業を容易にするなどの工夫がなされています。

TOYOTA_USA_uBox(出展 米国トヨタ)

インテリアは3Dプリンターで製作したパーツでカスタマイズが可能。EVならではの利点を活かし、110Vの電源ソケットを設置、電気製品も使用できます。

Clemson_Deep_Orange(出展 クレムゾン大学)

今回の学生とのコラボはトヨタにとっても、将来の若い世代がどのようなクルマの使い方をするのか参考になるとともに、学生側も自動車開発全体の流れを習得する良い機会になったようです。

こうした取組みはエンジニアの育成に繋がることから、日本の大学でもカーメーカーと共同でクルマ作りを経験できる機会があると良いかもしれません。

Avanti Yasunori

オーリス・ハイブリッドの新車装着タイヤに採用された「ADVAN dB」

トヨタ・オーリスに追加されたハイブリッドモデル。

欧州ではハイブリッドはもちろん、ディーゼルも投入されていましたが、日本での販売は苦戦している印象もあるので、日本国内で圧倒的な人気を誇るハイブリッド仕様の発売は、切り札となるか注目されます。

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そのオーリス・ハイブリッドの走り、燃費を支える新車装着(OE)タイヤとして、ヨコハマタイヤの「ADVAN dB(アドバン・デシベル)」が選定されています。装着サイズは225/45R17 91Wです。

「dB」の商品名からも分かるように「ADVAN dB」は横浜ゴムのプレミアムコンフォートタイヤで、高い静粛性が自慢。

また「ADVAN」の開発技術が惜しみなく搭載されていて、静かなだけでなく、高次元の走りと快適性を実現し、低燃費性能も追求されています。

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なお、純ガソリン仕様にも「ADVAN dB」の「ADVAN A460(アドバン・エー・ヨンロクマル)」と「YOKOHAMA S70(ヨコハマ・エスナナマル)」が納入されており、こちらも継続されます。

装着サイズは「ADVAN dB」が225/45R17 91W 、「ADVAN A460」が205/55R16 91V、「YOKOHAMA S70」が195/65R15 91Sとなっています。

(塚田勝弘)【関連記事】
トヨタ・オーリスに30km/L超を誇るハイブリッドと1.2Lターボの「120T RS Package」を追加
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細情報が判明!【インテリア編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する詳細情報、前回の“エクステリア編” に続き、今回はインテリアについて触れてみたいと思います。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)インテリアでまず目に飛び込んで来るのはインパネ中央に設置された、“テスラ車”を連想させる11.6インチの大型ディスプレイ。ナビゲーション利用時に進行方向の先まで地図が見渡せるように縦型配置となっています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)さらに、燃料電池車「MIRAI」のインパネを彷彿させる、サテンメッキ加飾を施したクラスターモールがセンター部の造形を強調。

静電式タッチパネルの採用により、スマホ感覚でフリックやピンチイン/アウト操作が可能で、ナビ画面を表示しながらオーディオやエアコンなどの機能を2画面で表示できます。

TOYOTA_PRIUS_PHV

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)また、新型プリウスPHVでは後席が2人がけになっており、シートバック側への連続性を持たせたセンターコンソールによりセパレートすることで、ゆったりとくつろげるパーソナル感とプレミアム感を演出しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)ラッゲージスペースは従来の約2倍の総エネルギー量(8.8kWh)を実現した大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しながらも、荷室床面の上昇を77mmに抑えられており、荷室側面を深く凹ませることで、ゴルフバッグ2個を積載可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)そのほか、緊急時やアウトドアに使えるAC100Vのコンセントが車内2カ所に設置されており、非常時にもパソコンなどの家電用品が使用できます。

また新型プリウスPHVでは電力消費を低減するガスインジェクション機能付電動インバーターコンプレッサーを搭載。(量産車で世界初)冬場でもエンジンを作動させずにヒートポンプだけで暖房性能が得られるようになったことで、EV走行の静かな走りをより長く楽しむことが可能になっています。

このように細部まで改良が施された新型プリウス「PHV」。次項ではいよいよ新しくなったPHVシステムについて触れてみたいと思います。

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WEC開幕戦で、LMP1デビューの小林可夢偉が2位を獲得

WEC(FIA世界耐久選手権)が開幕しました。

その最高峰クラスとして1000馬力級のマシンで競われるLMP1クラスでは、前年チャンピオンのポルシェやアウディといったフォルクスワーゲングループのマシンに、トヨタTS050ハイブリッドが挑むかたちになっています。

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今シーズンからTS050 ハイブリッドへと進化したトヨタガズーレーシング、5号車には中嶋一貴選手、6号車には小林可夢偉選手と、F1パイロットを経験した二人の日本人が参戦しています。

トヨタのマシンで久しぶりに世界選手権を戦うことになった小林可夢偉選手は、いきなり開幕戦(英シルバーストーン6時間レース)で表彰台に立ちました!

レース終了時点では、アウディの8号車がトップで、アウディ(8号車)、ポルシェ(2号車)、トヨタ(6号車)で表彰台をわけあいましたが、レース後に8号車のレギュレーション違反が発覚。小林選手はトヨタでの世界選手権復帰戦を2位で飾ることになりました。

アウディ、ポルシェがそれぞれ1台の完走に対して、トヨタは2台ともフィニッシュしたことで、マニュファクチャラーポイントでは、トヨタが33ポイントでトップ。課題は多いものの、結果として好スタートを切ったという見方もできそうです。

(山本晋也)

本州の西へ。ゴールンデンウィークに行きたい中国地方の観光スポット

ゴールデンウィークはドライブで観光名所に出掛けるなんていうのもいいですよね。

今回は中国地方のオススメ観光スポットを紹介していきます。

■砂の美術館

場所は鳥取県鳥取市です。鳥取砂丘にその美術館は建っています。水と砂だけで作成された”砂の彫刻”が展示されおり、なかなか見ることができない展示品です。北海道で開催される雪まつりに負けていないほどの完成度となっています。その幻想的な美しさには目を奪われるほど。とても繊細な部分まで丁寧に表現されているので、鳥取県に来た際にはぜひとも訪れたい場所です。

■出雲大社

場所は島根県出雲市です。日本を代表する神社でもあり、パワースポットの名所としても知られています。中でも縁結びの神様が祀られているというのもあり、良縁を求めて多くの人が連日訪れます。神楽殿にある大注連縄には、あまりの迫力さに圧巻されるほど。その重さはなんと約4トン以上にもなるそうです。

■満奇洞

場所は岡山県親見市です。岡山県の”天然記念物”に指定されています。まるで別世界にきたかのような幻想的な雰囲気の鍾乳洞。自然によって造られた石の芸術は見事な美しさです。歌人としても有名な与謝野晶子が訪れ、”奇に満ちた洞”と詠んだことがこの鍾乳洞の名前の由来となっています。

■宮島・厳島神社

場所は広島県廿日市です。日本三景の1つでもある厳島神社。”世界文化遺産”にも登録されています。海の上に堂々と建っている厳島神社、そして大鳥居。なかでも大鳥居は背景に雄大な自然があるため、まるで風景画を見ているかのような美しさです。厳島神社がある宮島は観光スポットとしてもオススメなため、自然やグルメなどを楽しむことができます。

■角島大橋

場所は山口県下関市です。下関市と離れ島を結ぶ橋ですが、なんと言っても魅力はその絶景さ。海の色はエメラレルドグリーンで輝いています。日本の海と思えないその美しさは別世界を見ているかのよう。この景色を見ながらのドライブはこの上ない最高の絶景になること間違いなしです。また、夕方になると日が落ちるというのもあり、昼間とは違った幻想的な風景を見ることができます。

中国地方は絶景スポットが多いため、日頃の疲れを自然で癒したい人にはオススメのスポットです。

(鈴木 唯)

MINI3ドア/5ドア、クラブマンにディーゼルのCooper D、Cooper SDを追加

BMW、そしてMINIのラインナップに欠かせない存在となっているディーゼル仕様車。

フォルクワーゲンのディーゼルエンジンのスキャンダルがあっても各メーカーから続々と発売されていますし、BMWに限らず車種によってはディーゼルが5割を超えるモデルも珍しくありません。

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その魅力は、軽油によるランニングコストはもちろん、トルクフルな走りはストップ&ゴーの多い日本市場にも合っているモデルが多く、ガソリン車よりもイニシャルコストが割高になっても食指を伸ばしたくなります。航続距離が長いユーザーだと、なおさら選択したくなります。

4月19日にアナウンスされたのは、MINIの3ドア、5ドア、クラブマンにディーゼルエンジンのCooper D、Cooper SDを追加するというもの。

MINI Cooper SD 5 Doorをのぞくモデルは今年5月から、MINI Cooper SD 5 Doorは9月以降の納車が予定されているそうです。

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今回追加される計6モデルのクリーンディーゼルエンジン搭載車は、MINIラインアップの中で中核モデルに位置づけられているMINI 3ドア、MINI 5ドア、そして、Cセグメントに格上げされたMINIクラブマン。

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MINIでは2014年秋にMINIクロスオーバーとMINIペースマンに、計4モデルのディーゼルモデルが設定されていましたが、今回の大幅な拡充により、MINIのディーゼル仕様は全部で10モデルになります。

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MINI3ドア、MINI5ドアのCooper Dに搭載されるのは、1.5Lの直列3気筒。

コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム、可変ジオメトリー・ターボチャージャーなどの採用により、優れたレスポンスと低回転からの分厚いトルク、低燃費を実現。

エンジンのスペックは、最高出力116ps/4000rpm、最大トルク270Nm/1750-2250rpmで、6速ATとの組み合わせにより、JC08モード燃費は23.9km/Lに到達しています。

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3ドアと5ドアのCooper SD向けの2.0L直列4気筒クリーンディーゼルエンジンにもコモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム、可変ジオメトリー・ターボチャージャー、DPF(粒子状物質除去フィルター)、NOX吸蔵還元触媒などが装備され、170ps/360Nmというアウトプットと23.8km/Lというカタログ燃費を実現。

クラブマンのCooper Dも2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボが搭載されていますが、こちらは150ps/330Nmで、燃費は22.0km/Lになっています。

クラブマンのCooper SDも同じ2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボですが、スペックは190ps/400Nmで、Cooper Dよりも40ps、70Nm上乗せされ、燃費はCooper Dを若干上回る22.7km/L。なお、クラブマンのトランスミッションは、3ドア、5ドアの6ATよりも多段化されて8ATになっています。

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価格は「MINI Cooper D 3 Door」が300万円、「MINI Cooper SD 3 Door」が364万円、「MINI Cooper D 5 Door」が318万円、「MINI Cooper SD 5 Door」が382万円、「MINI Cooper D Clubman」が364万円、「MINI Cooper SD Clubman」が404万円です。

(塚田勝弘)【関連記事】

■MINIクラブマンにMINI ONEとCooper S(4WD)を追加
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585ps/760NmのV8ツインターボを積む大迫力のSUV ─ Mercedes-AMG「GLE 63 S 4MATIC」画像ギャラリー

5.5LのV型8気筒直噴ツインターボエンジンにより、最高出力585ps/5500rpm、最大トルク760Nm/1750-5250rpmという圧倒的なパフォーマンスを誇るMercedes-AMG GLE 63 S 4MATIC。

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専用セッティングが施されている四輪駆動システムの「AMG 4MATIC」をはじめ、AMG専用に最適化されたエアサスペンション「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」、コーナリングのロールを抑え走行安定性を向上させる「ACTIVE CURVE システム」などシャーシまわりも強化されています。

外観も迫力満点。AMGデザインを象徴する「Aウィング」が採用されたフロントバンパー、クロムシルバーのダブルルーバーが目を惹くグリルなどによりスポーティなフロントマスクになっているほか、AMGスタイリング(フロントスポイラー、サイドスカート、リヤスポイラー)やAMGスポーツエグゾーストシステムなどが装備されています。

足元は21インチAMGクロススポークアルミホイール、AMGレッドブレーキキャリパー、AMG強化ブレーキシステムなどで強化。

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また、専用の本革/ナッパーレザーシート(前席・後席シートヒーター付)をはじめ、ダッシュボードやドア内張りを覆うナッパーレザーインテリアなどによりインテリアも1700万円超にふさわしい質感が表現されています。

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(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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新型アウディA4アバントは広くなったキャビン、ラゲッジが魅力で価格は547万円〜

セダンの新型アウディA4に続き、新型アウディA4アバントも発表され、4月21日から販売が開始されます。

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アウディのファンの中には、ステーションワゴンであるアバントが好きという方も多いでしょう。世界的ヒットモデルであるA4アバントは、1992年に登場したAudi 80アバントを含めて累計生産台数は220万台を超えているそうです。

今回発売された新型アウディA4アバントは、新型A4セダン仕様同様に最新のモジュラープラットフォーム「MLB evo」をベースに、ゼロから設計されたアウディの今後を担う基幹モデル。

セダンと同様、走行抵抗の削減が主要な開発テーマとして掲げられていて、軽量化に取り組むとともに、エアロダイナミクスの最適化に注力。ワゴンボディではトップクラスとなるCd値0.26(欧州仕様値)を誇ります(セダンは0.23)。

搭載される2.0L TFSI(直噴ガソリンターボチャージャー)ユニットは、従来よりも動力性能を高めつつ、アイドリングストップシステムやエネルギー回生機構を標準装備することで燃費も向上。

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とくに、セダンと同じようにミラーサイクルが採用されている2.0 TFSIと初の7速Sトロニックが組み合わされたFFモデルは、先代から燃費を33%高めています。なお、トランスミッションは全車7速Sトロニックとなっています。

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エンジンは出力が異なる2.0 TFSIエンジンを2つ用意し、お馴染みのフルタイム4WDである「quattro(クワトロ)」と組み合わされるハイパワー仕様は、最高出力252ps、最大トルク370Nm。

先代よりも41ps/20Nmアップしながら燃費も15.5km/Lと14%の改善。もうひとつの190ps/320Nmを発揮する2.0 TFSIは、アウディが「ライトサイジングエンジン」と呼ぶコンセプトによりミラーサイクルが採用されています。

FFモデルとの組み合わせにより、JC08モードで18.4km/Lを達成。

先述したように燃費は先代から33%改善され、2.0Lクラスのガソリンエンジンとしてはトップレベルの低燃費を実現しています。

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居住性では足元、頭上空間ともに先代よりも大きく余裕を増しているほか、ワゴンで気になる積載性も向上。

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荷室容量は、後席の背もたれを立てたままの5人乗りの状態で505L、後席のバックレストを前倒しすると最大1510Lまで拡大可能で、先代よりもそれぞれ15L、80L大きくなっています。

後席の背もたれは3分割式で、スクエアな荷室は使い勝手も良好で、全モデルに電動ラゲージルームカバーのほか、パーティションネット、ルーフレールを標準装備。

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価格はFFのA4 Avant 2.0 TFSIが547万円、同じくFFのA4 Avant 2.0 TFSI Sportが585万円、A4 Avant 2.0 TFSI quattroが626万円、A4 Avant 2.0 TFSI quattro Sportが653万円となっています。

(塚田勝弘)

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新型アコードをホームページで先行公開、オデッセイHV並のモーターに進化か!?

2016年5月下旬の発売が予定されているホンダ・アコードの新型モデルが、ホームページで先行公開されました。

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ハイブリッド、プラグインハイブリッドを設定する現行アコードは、日本では2013年6月の発売ですからフルモデルチェンジではなく、タイミング的にも公開された写真からもビッグマイナーチェンジと思われます。

今回のマイナーチェンジでは、ホンダ自慢のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-MMD」を、モーターの構造から製法までを進化させるそうで、上級セダンにふさわしい力強い走りとともに、静粛性も高めています。

また、同社の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」も標準装備されます。

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現行アコードは、ハイブリッドもPHVも圧倒的といえるド級の加速フィールが味わえますが、とくに「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の採用は待たれていたところでしょう。

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「i-MMD」の進化やフィーリングは新型アコードに乗ってみないと分かりませんが、最新の「i-MMD」を積むオデッセイ・ハイブリッドに乗った限りでは静粛性の高さ、そしてスムーズなフィーリングは予想以上の出来映えといえるもの。

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なお、オデッセイ・ハイブリッドでは、モーターの巻線方法や構造を見直すことにより、従来よりも約23%の小型軽量化、そして高トルク、高出力化されています。単純比較はできませんが、アコード・ハイブリッドはオデッセイ・ハイブリッドよりも250kg前後車両重量が軽いだけに、今回のアップデートはかなり期待できそうです。

公式サイト:New アコード│Honda

(塚田勝弘)

【関連サイト】

新型ホンダ・アコード先行公開ホームページ
http://www.honda.co.jp/ACCORD/new/

メルセデス・Eクラス次期型、専用シャシーで新たなる旅立ち!

2016年1月に発表されたメルセデスベンツのミドルサルーン「Eクラス」のカブリオレ次期型にCクラスと異なる、専用シャシーが採用される可能性が確実となり、そのプロトタイプを捕捉しました。

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現行モデルではCクラスのシャシーが用いられていましたが、次期型ではFR「MRA」モジュラーアーキテクチャーを採用し、完全なEクラスボディとなります。

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フロント部はセダンと同じになり、ルーフはソフトトップが採用されるほか、リアコンビランプなどもカブリオレ専用デザインの可能性が高いようです。

パワーユニットはやはりサルーンと同じラインナップで、2リットル直列4気筒及び、3リットルV型6気筒、さらにハイブリッドなどが揃います。

世界初公開は2017年3月頃が有力視されています。

(APOLLO)

4つの県を回っちゃおう!ゴールデンウィークだからこそ回れる四国のオススメ名所

大型連休でもあるゴールデンウィーク。ゴールデンウィークだからこそ、クルマを使って出掛けたいですよね。

今回は四国地方にスポットをあててみます。4つの県しかないため、それぞれの県の名所スポットを紹介。

■地中美術館

場所は香川県直島町です。建物自体は地下にあり、まさに名前の通りの美術館です。地下にありながらも自然光が当たる設計となっており、その光の具合によって作品の見えかたが変わるほど。展示されているアーティストはわずか3人。ですが、独特な館内の造りと幻想的な雰囲気が話題を呼び、今では外国人観光客も訪れるほどの美術館です。

■眉山

場所は徳島県徳島市です。どの方向から見ても眉の姿に見えるというのが山の名前の由来。眉山は登ることもでき、山頂からの景色は絶景そのもの。なかでも夜景は”日本の夜景100選”に選ばれているほどの美しさを誇っており、四国一と言われているほどです。その光景は一見の価値あり。クルマで山頂まで行けますが、ロープウェイもオススメ。2007年公開の映画”眉山-びざん-“はこの眉山から取ったものであり、徳島県内で撮影が行われました。

■道後温泉

道後温泉とは、愛媛松山市で湧く温泉のことを指します。なかでも、道後温泉本館はあの有名な夏目漱石の小説”坊ちゃん”に登場しました。日本の和を感じさせてくれる造りはとても魅力的。愛媛県を訪れた際にはぜひとも道後温泉で旅の疲れを癒したいところです。

■桂浜

場所は高知県高知市になります。浦戸湾口、龍頭岬と龍王岬の間にある海岸です。高知県を代表する景勝地でもあり、その証拠に松の緑と海岸の海と砂浜がとてもよく合う風景となっています。龍頭岬には高知県出身の偉人でもある”坂本龍馬像”があることでも有名。月の名所としても知られており、夜に訪れるのもオススメな場所です。

4つの県しかない小さな地方ですが、魅力はいっぱいあります。

(鈴木 唯)

トヨタ・オーリスに30km/L超を誇るハイブリッドと1.2Lターボの「120T RS Package」を追加

熊本地震によるサプライチェーンの影響で、全国の生産ラインを一時中断しているトヨタ自動車。

今年2月にも愛知製鋼で起きた爆発事故の影響もあり、生産の挽回が図られている最中だとは思いますが、4年連続で生産台数1000万台超を実現するのでしょうか?

aurs1604_01_s販売でも3年連続で1000万台超を目指すには、お膝元の日本での積み上げが欠かせないはずで、魅力ある商品の投入は不可欠。日本市場でトヨタの強みといえば、ハイブリッドモデルが真っ先に頭に浮かびます。

4月18日、Cセグメントモデルのオーリスにハイブリッドグレードを新設定するとともに、1.2Lターボエンジンにスポーティ仕様を追加しました。

自販連の販売ラインキングに顔を出すことのないオーリスですが、強みとなるハイブリッドモデルの追加でどこまで巻き返しを図るのか気になるところです。

aurs1604_05_sなお、オーリスハイブリッドにより、日本市場の「トヨタ」ブランドのハイブリッド車ラインアップは18車種にまで拡大されました。

オーリスハイブリッドは、1.8Lエンジンのハイブリッドシステム(リダクション機構付のTHSⅡ)が搭載され、JC08モード燃費は30.4km/Lを実現。「平成32年度燃費基準+20%」を達成し、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定取得とあわせて「エコカー減税」の対象になっています。

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ハイブリッドの「HYBRID“G Package”」の内装は白と黒を基調として、シート表皮に本革と東レ製のウルトラスエードを採用。最上級グレードにふさわしい先進的で質感が高い室内空間が自慢です。

また、メーターはハイブリッド専用の立体2眼コンビネーションメーターで、ハイブリッドシステムインジケーターが配置されます。

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一方、1.2Lターボに追加された「120T RS Package」はCVTとの組み合わせで、爽快な走りと低燃費を両立させた「120T」と、よりスポーティなデザインの「RS」を融合させた新グレード。なお、6MTとなる「RS」には、専用デザインとなる17インチアルミホイールが標準装備されています。

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ハイブリッド仕様の価格は「HYBRID」が262万473円、「HYBRID G Package」283万2545円。また、FFのみとなる1.2Lターボは、「120T」、「120T RS Package」ともに259万37円、2WDと4WDを設定する1.5Lガソリン車は178万9855円〜227万9782円。1.8Lガソリン仕様の「RS(6MT)」は246万437円でハイブリッド仕様と同価格。「180S(CVT)」は237万6000円となっています。

(塚田勝弘)

「スイフト」の世界累計販売500万台達成で気になる「マイルド・ハイブリッド」の行方

既報の通りスズキは4月11日、同社の小型乗用車「スイフト」が、4月上旬までの販売で世界累計販売500万台を達成した、と発表し、HPに特設ページを開設しています。

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(画像:スズキ)

「スイフト」は、現在世界7カ国で生産され、140以上の国と地域で販売されているスズキの世界戦略車で、スズキが軽自動車だけではないことを見せつけました。

世界累計販売500万台の内訳は、インド54%、欧州17%、日本10%、その他19%となっており、日本国内より海外での販売が大幅に多いことに注目です。

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(画像:スズキ)

スズキの世界戦略にとって「スイフト」は重要な車種となっており、「スイフト」をはじめとする今後のスズキの小型車戦略に注目が集まっています。

そこで気になるのが、スズキの「マイルド・ハイブリッド」の行方。

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(FOURIN 自動車技術調査月報 2014.2)

現在、スズキは「マイルド・ハイブリッド」を日本国内で軽自動車に搭載しており、「スイフト」には採用していません。

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(FOURIN 自動車技術調査月報 2014.2)

しかし、近年欧州では、トヨタなど日本メーカーが先行している200vのストロング・ハイブリッドに対抗して、スズキの「マイルド・ハイブリッド」類似のシステムを「48V化」したハイブリッド・システムを規格化しようという動きがあり、今年中にも「48V化」ハイブリッドを搭載した新型車がデビューするという情報が流れています。

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(FOURIN 自動車技術調査月報 2014.2)

ここで注目されるのが「スイフト」が世界累計販売の「17%」を欧州で販売しているということです。この17%という数字は日本国内の10%を大きく上回ります。

「スイフト」の重要市場である欧州で「48V化」ハイブリッドをスズキが「スイフト」に採用するのか、あるいは「48V化」ハイブリッドに対して、スズキがどういう戦略を取るのかに注目が集まっています。

(山内 博)

レクサスのハイブリッドが累計100万台達成。2015年に一番売れたのは欧州地域

レクサスのハイブリッドカー販売が、グローバル累計で100万台を達成しました。

レクサス初のハイブリッドカー「RX400h」(日本では「ハリアーハイブリッド」)の発売から11年、2016年3月に100万600台を販売したということです。

これを記念して、100万台記念の納車式がイタリア・ミラノにおいて行なわれました。

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ハイブリッドカーというと日本市場での人気が高い印象もありますが、レクサスの累計100万台の内訳を見るとップは、北米市場。

2005年〜2016年3月までの累計実績で34万5500台となっています。次いで、欧州の23万7500台、日本は22万5000台です。

2015年だけに限った販売実績では、欧州が4万629台でトップ。北米が3万8540台、日本は3万1420台となっています。

それぞれ市場規模が異なるので、単純に台数を横並びで比較できないともいえますが、世界で一番でレクサス・ハイブリッドが売れている市場が欧州という事実は、トレンドの変化という点からも注目といえそうです。

(山本晋也)

「新型プリウス」に日本仕様のEN規格鉛蓄電池を採用~JIS規格より高さが低い

GSユアサは、同社のEN規格(欧州統一規格)鉛蓄電池「LN1」が、4代目新型プリウスの補機用鉛蓄電池に採用された、と発表しました。

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EN規格鉛蓄電池は、日本で一般的なJIS規格の鉛蓄電池よりも高さが低いため、車高を低くした車両に向くという特長があり、重心を低くして走行性能を高めることを目指した4代目新型プリウスに採用されたものと考えられます。

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ただし、EN規格は欧州の寒冷な気候に合わせた規格であり、温暖化が進む日本での使用するには改良の必要があります。

今回の「LN1」は、日本の気候風土に合わせて、かつJIS規格の安全性にも合致した「日本仕様のEN規格鉛蓄電池」として同社が開発した、ということです。

また、2015年発売のシエンタHVには「LN0」、アルファード・ヴェルファイアHVには「LN2」が採用され、「日本仕様のEN規格鉛蓄電池」の採用が増えており、同社では、EN規格鉛蓄電池のラインアップを拡充する予定です。

(山内 博・画像:GSユアサ)

トヨタ「アクア」が最速!僅か4年で100万台達成

2014年12月のマイナーチェンジ以降、昨年1年間で国内トップとなる21.6万台を販売したコンパクトハイブリッドカー、トヨタ「アクア」。

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トヨタ自動車によると、今年2月に同車の国内販売累計台数が100万台に達したそうで、4年2ヶ月での達成はカローラシリーズの記録を上回るペースと言います。

アクアは2011年12月に35.4km/Lの低燃費と169万円〜の手頃な車両価格で登場。年間20万台超えのロングヒットを記録しており、マイナーチェンジで燃費が37km/Lに向上。

装備が充実して以降も車両価格は176万円〜に抑えられており、新型プリウス(243万円〜)に比べてかなりお買い得感のある設定になっています。

TOYOTA_AQUA(出展 トヨタ自動車)

昨年12月の新型プリウス登場以降は首位の座を譲ったものの、現在も月販1.3〜1.4万台ペースを維持しています。

ちなみにマイナーチェンジでは、ハイ/ロービーム一体式のLEDヘッドランプを採用しており、スポーティーさを増したフロントマスクや、縦基調のスッキリとした意匠に改められたテールランプなどが商品性の向上に大きく寄与しています。

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また車高を高めたクロスオーバー系の新グレード「X-URBAN」を設定、自分だけのアクアを選べるようになり、外板色14色、内装色7色に、「X-URBAN」専用パーツカラーオプションを組み合わせ、174通りのカラーバリエーションを実現しています。

先頃、ソニー損保が実施した新成人1,000人に対する意識調査でも購入したい車のトップにランキングされるなど、発売から4年が経過した現在でも、その人気は衰えを見せていないようです。

Avanti Yasunori

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低燃費だけじゃない!? ひと味違う魅力も持つ中古ハイブリッドカー

ハイブリッドカーを買う上で最大のメリットといえば、やはり低燃費による燃料代の節約でしょう。

しかし、ハイブリッドの魅力はそれだけに留まりません。たとえば、発進は低速域で力強いトルクを生みだすモーターが担うため、ガソリンエンジンよりもクルマの動きは滑らかで静か。またモーターを動かすための電力を貯めるバッテリーを内蔵しており、その電力はクルマに限らず様々な家電にも使用することができます。

つまり、ハイブリッドは単にお財布に優しいだけでなく、クルマの質感や実用性にさらなる幅をもたせてくれる機構でもあります。

今回は、そんなハイブリッドの魅力を存分に活用したモデルを、しかもお手頃なモデルをご紹介いたします。

■三菱・アウトランダーPHEV

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2012年に三菱が販売をスタートしたプラグインハイブリッドSUVが「アウトランダーPHEV」です。

一般的なハイブリッドカーとの違いは“外部充電機能”が備わっている点で、家庭用電源からクルマの内蔵バッテリーへ直接の給電が可能。その電力で60.2km(カタログ値)を走れます。

とはいえ、その航続距離では不安と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「アウトランダーPHEV」にはエンジンも備わっており、バッテリーが不足するとエンジンが始動して発電を開始し、バッテリーへ電力を補給します。

つまり、普通のクルマのようにガソリンさえ入れておけば走るため、電池切れを心配することもなければ、そもそも逐一充電する必要さえないのが魅力。

さらに、バッテリーに蓄えた電力で家電製品を使うこともできるため、アウトドアレジャーのお供にいかがでしょうか?

■ホンダ・CR-Z

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ハイブリッドが普及しつつあった2010年に、ハイブリッド×スポーツの異色のコラボで登場したのが「CR-Z」でした。

独特なプロポーションのボディに収まるパワートレーンは1.5L 直4+モーターのハイブリッドで、トランスミッションはCVTだけでなくハイブリッドカーでは初となる6速MTも用意。

注目は2012年9月に実施されたマイナーチェンジ後のモデル。バッテリーがリチウムイオンとなるなどパワートレーンが見直されたほか、モーターの最大アシストを瞬時に得られる「PLUS SPORTシステム」も採用。その走りにさらなる磨きが掛けられています。

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■トヨタ・クラウンハイブリッド

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「いつかはクラウン」というキャッチフレーズが生まれるほど、高級車として確かな地位を築き上げた「トヨタ・クラウン」。2008〜2012年にかけて販売された13代目「クラウン」で初めてハイブリッドモデルがラインナップに加わりました。

そのパワートレーンは3.5L V6+モーターと、小排気量エンジンの補佐としてモーターを使って燃費と動力性能を両立するというより、むしろエンジンのパワーをさらに引き立てるブーストのよう。発進時はもちろんクルージングまで幅広い領域でモーターのアシストが加わることで、高級車の静粛性を際立たせています。

(今 総一郎)