Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

一式67万円!DIATONEが車載用の高級スピーカーを発売

今年で誕生後70周年を迎えた国産オーディオブランド「DIATONE」(ダイヤトーン)から車載用高級スピーカー「DS-SA1000」が登場しました。

DIATONE_DS-SA1000

おりしも同社がハイエンドカーオーディオ市場に参入後、10周年を迎えるのを機に、11月15日に発売を予定しているそうです。

同スピーカーの2ウエイセット(3.6cmツゥイーター×2、17cmウーファー×2、ハイ&ローパスフィルター)の価格は、なんと67万円(税別)。

スピーカーのコーン材(振動版)に求められるのは強度、軽さ、固有音の無さの3要素とされており、それぞれが相反する性質を持っているといいます。

同商品の場合、構造自体は従来から変わりませんが、トゥイーター(高音用)のコーンに音の解像度が高い「ボロン材」を使用しているのが特徴。

従来の「プラズマ溶射法」に代わり、新たに「新常圧焼結セラミックス製法」を採用したことで、理想的なコーン形状に成形することが可能になり、広帯域再生能力と高エネルギー密度再生能力が向上しているそうです。

一方、ウーファー(中低音用)のコーンには新たに開発した新素材「NCV」(Nano Carbon Velocity)が使われており、カップ積層型カーボンナノチューブの採用や、原料配合の最適化を図り、音の伝搬速度を向上させているとのこと。

これにより、正確かつ効率的に空気を振動させることで、微細な音楽表現が可能となり、低音量でもリアルで存在感の有るサウンドが得られるようになっている模様。

Mercedes_Benz_A180

ダイヤトーンでは発売に先立ち、同システムをメルセデス・ベンツ「Aクラス」(A180スポーツ)に組み込んで各地で試聴会を開催しており、情報によると、かなりの高評価を得ているそうです。

同車の場合、標準で「DIATONE」のオーディオシステムが採用されていることもあり、元々サウンド面では不満が少ないようですが、「百聞は一聴にしかず」ということで、読者の皆さんも機会があれば更に上を行く67万円のサウンドを経験されてみてはいかがでしょうか。

Avanti Yasunori・画像:DIATONE)

【関連リンク】

DS-SA1000(スピーカー)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/carele/car_diatone/product/ds-sa1000/index.html

DIATONE試聴用デモカー情報
http://www.mitsubishielectric.co.jp/carele/car_diatone/democar/mercedes-benz_a180sports/index.html

依然高いニーズのある1DINカーオーディオをケンウッドが新発売

1DINのカーオーディオは、クルマで手軽に音楽を楽しめるとあって幅広い層から依然として高い支持を集めているそうです。スマホを音楽プレイヤーとして活用するなど、再生機器やメディアが時代とともに変わってもレシーバーとして欠かせない存在といえそう。

KENWOOD_06

2016年10月中旬から発売されるケンウッドの1DINレシーバーは計4モデル。全モデルで高音質音声ファイルフォーマットの「FLAC」に対応し、原音に忠実な高音質での再生が可能です。

「U360BT」と「U320BT」上位2モデルはBluetoothを搭載し、スマホで普段聞いている楽曲再生がワイヤレスで可能なほか、ハンズフリー通話にも対応。さらに、スマホなどの音声認識に対応した「ボイスコントロールモード」により、スマホ内の電話帳検索や収録済みの音楽の検索、再生を音声操作で行えます。

KENWOOD_08

また、スマホやデジタルオーディオ機器などの充電が可能な1.5A出力のUSB端子を備えているほか、Android端末の急速充電にも対応。

設定メニューも豊富で、音楽を聴くシートに合わせて各スピーカーの距離とレベルを詳細に設定できる「タイムアライメント調整」機能を搭載しているほか、車内でのスピーカー特性の調整などもできます。

スマホ・アプリ連携では、Android端末用の無料アプリケーション「KENWOOD Music Play」をインストールすることで、USB接続されたスマホ内の楽曲をアーティスト、アルバムなどの項目から選択、再生が可能。

ラジオでは、ワイドFMに対応し、AM番組がノイズの少ないクリアなFM放送で楽しめます。ほかにも、インターネットラジオが楽しめるアプリにも対応。

KENWOOD_09

2017年モデルの1DINオーディオの価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は「U360BT」が1万7000円前後、「U320BT」が1万5000円前後、「U320W(ホワイト)」と「U320L(ブルー)」が1万2000円前後です。

(塚田勝弘)

ポルシェ・パナメーラにオプション設定されるカーオーディオが純正オーディオの流れを変える!?

2016年6月にワールドプレミアされた2代目となる新型ポルシェ・パナメーラ。高級サルーンに旋風を巻き起こした初代登場からすでに7年が経っているのが信じられないほど、現在も鮮度を保っているように思えます。

P16_0444_a5_rgb新型パナメーラはオーディオ面も妥協はなく、新開発されたBurmester(ブルメスター)製の「3Dハイエンドサラウンドサウンドシステム」が初採用されています。

Burmester は、ドイツのハイエンドオーディオ。同システムにはAピラーに追加された2つのスピーカーが「Auro 3Dテクノロジー」と連動することで3次元の立体的な音響パターンを生み出すというもの。

S16_0453_a5_rgb

パナメーラ全モデルにオプション設定される同システムの合計出力は1,455Wに達し、400WのD級アンプを内蔵するサブウーファーと2ウェイセンターシステムを含む合計21個の個別制御のスピーカーが装備されます。

なお、ブルメスターは初代プリメーラから採用されていて「音楽の専門家が音楽マニアのために開発した」という、純粋にハイエンドなサウンドを提供する最初のスポーツカーを謳っていました。

ディーター・ブルメスター自らがサウンドシステムのアーキテクチャー設計とファインチューニングの責任者となり、2009年以来、パナメーラシリーズに最高の音質水準を提供し、ポルシェの全シリーズに「Burmesterサウンドシステム」が装備できるようになっています。

S16_0452_a5_rgb

「Burmesterサウンドシステム」は、圧縮されていないハイレゾ音源を再生する際に劇的な音質を発揮するだけでなく、Bluetoothストリーミング、デジタルラジオ、MP3ファイルなどの圧縮データの音源を再生するときにも鮮明なサウンドを再現。

さらに、パナメーラのシステムには、音源のタイプに応じてオーディオ信号を修復する特別なアルゴリズムが初めて採用されているのもトピックスです。

制限された帯域幅、暗号化の副作用などといった音質への悪影響をシグナルエンハンスメントのアルゴリズムによって修復。

圧縮データの音源に共通するダイナミクスの限界までも修正することで、サウンドシステムのオーディオ性能が十分に発揮されるそうです。

S16_0454_a5_rgb

シグナルエンハンスメントの処理では、長時間聴いても滑らかで疲れない機能をはじめ、可変3D機能、特定のシートへのサウンドフォーカスのオプションなど、「Burmesterサウンドシステム」によるあらゆる機能が用意されています。

市販カーオーディオやナビの中にもハイレゾ音源対応モデルが登場している中、パナメーラの「3Dハイエンドサラウンドサウンドシステム」の登場が契機となり純正カーオーディオの流れを大きく変えるか注目です。

(塚田勝弘)

カーオーディオをハイレゾ対応にする車載向けICを旭化成エレクトロニクスが発売

旭化成エレクトロニクスは、車載機器向けに好適なサンプリング速度コンバーター(SRC:Sampling Rate Converter)IC「AK4136VQ」を発売すると発表しました。

AK4136_300x188

このSRC IC「AK4136VQ」の特長は、オーディオ入力/出力信号のfsi/fso:サンプリング速度が8k〜384kHzの広範囲にわたっており、ハイレゾ音源に対応可能なサンプリング速度になっている点です。

同社では、ハイレゾ音源のもつ情報量の多い「原音」をあますところなく再現する能力があり、カーオーディオシステムなどで普及の進むハイレゾリューション音源処理に最適としています。

img_sub_slide34

また、同社独自のオーディオ信号処理技術「VELVET SOUNDアーキテクチャー」を採用し、出力データの分解能は32ビットで、きめ細やかで自然な信号波形を再現できます。

4種類のデジタルフィルターを内臓しており、ユーザーの好みやシーンに合わせ4種類のサウンドカラーを選択できます。

今後、カーオーディオでもハイレゾ音源の高音質を楽しむことができるようになりそうで、その高音質に期待が高まります。

(山内 博)

クラリオンの新車載用フルデジタルサウンド「Z3」、「Z7」、「Z25W」が発売開始

2016年の東京オートサロンで発表されたクラリオンの新車載用フルデジタルサウンドシステムが4月20日に発売されました。

clarion_02

「Z3」(サウンドプロセッサー/ツィーター/コマンダー)、「Z7」(フルデジタルスピーカー2本一組)、「Z25W」(フルデジタルサブウーファー) が用意され、価格は「Z3」が12万5000円、「Z7」が8万7000円、「Z25W」が7万3000円となっています(すべて税別)。

最大の特徴は、世界で唯一、デジタル音源がそのまま再生される(Digital to Digital 再生)フルデジタル化されているもので、クラリオンとしてはフルデジタルスピーカーシステムの「Z01 DRIVE」を進化させたもの。

clarion_01

「さらなる高音質再生」をテーマに開発され、各地のカーオーディオ・プロショップを通じて販売され、順次販売店の拡充を進めるそうです。

販売エリアやカー用品量販店も含めて販路も拡大することで「究極の原音再生と圧巻のハイレスポンスサウンドを聴きたい、装着したい」というカーオーディオファンのニーズへの対応を図るとしています。

clarion_09clarion_04clarion_07

私は東京オートサロンでの視聴と、その後もスバルBRZ、VWゴルフのデモカーを取材する機会が別途ありましたが、その非常にピュアな高音質は一度聴く価値があると思います。

なお、先述したように国内初披露となった「東京オートサロン」などでのデモカー試聴では、試聴者の約9割が「音質に満足」と回答しているとのこと。

clarion_06

ほかにも、外部オーディオ機器やハイレゾ対応のスマートフォンなどとのダイレクト接続をはじめ、センターユニットの仕向け(純正、市販)、規格(1DIN、2DIN)、仕様(デジタル出力、アナログ出力)を問わず接続可能な汎用性の高さ、スマホやタブレット(アプリ)で直感的に最適な音場環境の設定が可能なサウンドチューニング機能などの特徴も見逃せません。

(塚田勝弘)

曲の特徴に合わせてイコライザーを自動調整するカーオーディオ

米国の音楽データ提供会社グレースノートは、曲の特徴に合わせてカーオーディオのイコライザーを自動調節する自動車メーカー向けのデータ駆動型テクノロジーを開発した、と発表しました。

Dynamic_EQ_1080x675

Gracenote Dynamic EQ(登録商標)は、同社の楽曲認識技術と楽曲データセットを活用して、どんな曲でも特定しその曲の特性に応じてイコライザーを自動調整する技術です。

運転中に聴くことのできる音楽はあらゆる時代のあらゆるジャンルに渡っています。しかしながら、ほとんどのドライバーは同一のオーディオ設定状態でさまざまなアーティストの曲、さまざまなジャンルの曲を聴いているのが現状です。

このため、オリジナルレコーディングのサウンドに比べて音の深さやインパクトを欠いた状態で音楽を聴いていることになります。

offset_175251-Master-1500

グレースノート自動車部門ゼネラルマネージャーのブライアン・ハミルトン氏は

「一般的な音楽ファンにとってイコライザー設定を変えることはかなり複雑な作業で、運転中前方注視の状態でそれを行うことは事実上不可能です。Gracenote Dynamic EQ は、楽曲単位の記述メタデータを活用して音楽聴取のクオリティを高める技術で、当社以外今までどこもやったことのない世界初の技術です。」

と、コメントしています。

C3258013MUST_V6_Convertible_mn-1500x900

Gracenote Dynamic EQは、例えるならグレースノートがあなたの代わりに曲に合わせてオーディオシステムをその都度調節してくれるようなものです。

TupacやBiggieを聴く時には、曲独自のヒップホップ特性を加味してベース(低音域)を上げトレブル(高音域)を下げる設定、それとは対照的にTaylor Swiftの曲を聴く時には、ボーカルを活かすミッドレンジ(中音域)を強調しくっきりキラキラしたサウンドを得る為にHigh-endを上げるなど、ポップ・ボーカルの曲の特性に合わせた全く違うEQを自動的に設定することができます。

グレースノートは数千万の曲に対し最良なエコライザー設定のDynamic EQプロファイルを作成。分類アルゴリズムを活用して曲全体を解析し、ベース、トレブル、ミッドレンジ等のレベルと周波数帯域変化等の音響プロファイルを抽出。

これらを同社が数千万曲に対しすでに付与しているジャンル、年代、ムード等の属性データと融合して楽曲にマッチする最良なDynamic EQプロファイル特定し、車載オーディオの設定を自動的に調節するようにしているのです。

この技術が普及したら、あなたのカーオディオの音がケタ違いに向上するかもしれません。

(山内 博・画像:グレースノート)