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低フリクション性なボルグワーナーのタイミングチェーンがスズキ・バレーノに搭載

米国の自動車部品大手 ボルグワーナーは、スズキの「バレーノ」にサイレントタイミングチェーンを供給すると発表しました。

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ボルグワーナー製のサイレントタイミングチェーンが使用されているのは、排気量1.2LのK12C型ガソリンエンジンを搭載しているモデルで、日本では「バレーノ XS・XG」(写真はバレーノ XS)に相当するものと見られます。

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バレーノに採用されたボルグワーナーのサイレントタイミングチェーンは、同社が「逆歯式」と呼ぶ最適化されたリンクバック設計とE研磨仕上げを施したことが特徴で、バレーノが生産されているマルチ・スズキの工場があるインドで現地生産されています。

このサイレントタイミングチェーンは、タイミングドライブのアームとガイドに沿ってチェーンがスライドするようになっているため、タイミングチェーンの接触面が小さくなり、構造的に摩擦抵抗を低減するのに適しています。

このようなサイレントタイミングチェーンの基本的な構造に加えて、逆歯式リンクバック設計による最適化とE研磨仕上げを施すことで低フリクション化が向上、耐久性とエンジン効率にも好影響を及ぼし、エンジンの燃料消費量を低減する効果を期待できます。

スズキ「バレーノ」へのサイレントタイミングチェーンの供給に際して、ボルグワーナー・モールスシステムズの社長兼事業本部長であるジョー・ファドゥール(Joe Fadool)氏は「当社の先進的なサイレントタイミングチェーンをマルチ・スズキに供給できることを大変嬉しく思います。当社の低フリクション技術を生かした現地生産により、当社がリードする同製品の市場における優位性をより強固にしてまいります。」と抱負を語っています。

(山内 博・画像:ボルグワーナー、スズキ)

スズキ・バレーノに1.2Lエンジンを積む新グレード「XS」を設定、価格は154万4400円

コンパクトハッチバックでありながら広々したキャビンを確保するスズキ・バレーノに新グレードの「XS」が追加されました。

XGグレードをベースとした上級仕様で、1.2L車にも待望の上級仕様が設定されたことになります。なお、1.0L直噴ターボのラインナップは変わっていません。

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1.2LのNAエンジンを積む新グレード「XS」は、ディスチャージヘッドランプやLEDポジションランプ、フロントマルチリフレクターハロゲンフォグランプ、185/55R16タイヤ、16インチアルミホイールにより、外観をよりスタイリッシュに、質感を向上させています。

インテリアも質感を向上。フルオートエアコン、助手席シートヒーター、本革巻ステアリングホイール/ステアリングオーディオスイッチ、フロントセンターアームレスト、センターコンソールトレー/センターコンソールボックス、マルチインフォメーションディスプレイ(カラー)が用意されています。

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1.0L直噴ターボエンジン車は軽快な走りを披露する一方で、プレミアムガソリンを指定しますから、レギュラーガソリンを指定する1.2L NAエンジンの上級仕様「XS」の設定は選択肢を広げる朗報といえそうです。価格は154万4400円です。

(塚田勝弘)

スズキ・バレーノにNAエンジンの上級グレードが追加設定

インドで生産される輸入車としても話題を集めたスズキ・バレーノに、新グレード「XS」が登場します。もともと、1.0リッター直噴ターボと1.2L NA(自然吸気)エンジンを設定するバレーノですが、今回設定された新グレードはNAエンジンの上級仕様となるものです。

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ターボグレード同様に、16インチタイヤやディスチャージヘッドランプ、ウインカー内蔵ドアミラーなどを装備。インテリアでもレザーステアリング、運転席&助手席シートヒーター、フルオートエアコン、マルチインフォメーションディスプレイなどが上級感を漂わせる仕様となっています。

メーカー希望小売価格は154万4400円。ターボグレードよりお手頃な価格となっています。

●スズキ・バレーノXS主要スペック
車両型式:DBA-WB32S
全長:3995mm
全幅:1745mm
全高:1470mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:910kg
乗車定員:5名
エンジン型式:K12C
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1242cc
最高出力:67kW(91PS)/6000rpm
最大トルク:118Nm(12.0kg-m)/4400rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:24.6km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/55R16 83V
メーカー希望小売価格(税込):1,544,400円

(山本晋也)

新開発の車体と1.0L直噴ターボによる渾身作 ─ スズキ「バレーノ」画像ギャラリー

スズキの新しいコンパクトカーであるバレーノ。

1.0L直列3気筒直噴ターボ「K10C」型ブースタージェットエンジンに、Bセグメント用新開発プラットフォームを初採用するなど、全方位に渡ってスズキの技術が惜しみなく投入されています。

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主要モデルである1.0Lターボ車は、ハイオク指定となるのが商品力としては少し気になりますが、欧州市場も見据えたパワーを得るには必要なのかもしれません。

20160408Suzuki Baleno_022111ps/5500rpm、160Nm/1500-4000rpmというスペックからも分かるように1.0Lとは思えない走りと6ATによるスムーズかつ節度感のある変速フィールが魅力。

また「1部品1g削減」は開発陣1人ひとりに根付いていて、910kgという軽量化を果たしています。

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安全性の高さも自慢で、ミリ波レーダー方式の「レーダーブレーキサポート2(RBS2)」を標準装備。

前方衝突警報ブレーキは、移動している車両に対して約5〜約100km/hで作動し、ドライバーが危険に気づいて強くブレーキを踏んだ際のブレーキアシスト機能も同様に約5〜約100km/hで作動。

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自動ブレーキ機能は、静止車両に対して約5〜約30km/h、移動している車両には約5〜約100km/hで作動し、衝突の回避または被害軽減が図られます。

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ほかにも、ACC(アダプティブクルーズコントロール)を全車に標準装備するなど、141万4800円〜161万7840万円という価格帯を考えるとかなり充実しています。ボディカラーは、ファイヤーレッド、アーバンブルーメタリックなど全7色が設定されています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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■「インド製」スズキ・バレーノの質感、居住性と積載性は?
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■スズキ・バレーノはハンドリングと高速域のフラットライド感が魅力
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■インドで生産されるスズキ・バレーノ。その長所と短所とは?
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「インド製」スズキ・バレーノの質感、居住性と積載性は?

スズキの新世代グローバルコンパクトカーであるバレーノがインドに続き、日本に投入されました。

同車が生産されるインドのマネサール工場では、日本の熟練検査員が送り込まれ、徹底した品質管理がされています。

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インドでも高品質であることは必須という時代になっているそうで、実際の仕上がりは実車をチェックしていただければと思いますが、同じアジアカーであるタイ製の日産マーチ、三菱ミラージュよりも、とくに内・外装の質感などで車格、価格が上であることが実感できるはずです。

ワイドなフロントグリルが印象的なフロントマスクですが、個人的にはもう少し洗練された顔つきであれば、スポーティで流麗なサイドビュー、安定感を抱かせるリヤビューとの統一感がさらに高まる気がするのですが……。

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一方のインテリアは、ダッシュボードの上面を抑えることで、前方はもちろんサイドの視界ともに良好。1745mmとワイドな全幅の割に取り回ししやすい印象を受けます。

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ブラック基調のインパネは、メッキやピアノブラック塗装、シルバー加飾などで上質感を演出しています。ウレタンステアリングホイールになる1.2L NAの「XG」は、エアコンパネルメッキ調の加飾が省かれるなど、質感の面ではもう少しという印象。1.2L NA車にも上級仕様が欲しいところです。

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シートもブラックのみでファブリックが標準。前席、後席ともに横方向に余裕があるほか、後席は身長171cmの私でも頭上にこぶしが縦に1つくらい入る空間があります。また、膝前空間にも余裕があり、前席下に足が入る空間が残されています。

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上下に装着できるラゲッジボードを備えた荷室は、320LとBセグメントではトップクラスの容量を誇り、広くて機能的な作りとなっています。

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(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

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スズキ・バレーノはハンドリングと高速域のフラットライド感が魅力

スズキのコンパクトカーといえば、先に登場したイグニスもあり、登場が待たれる新型スイフトも控えていますから、ここに来て登録車の充実ぶりが目を惹きます。

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マイルドハイブリッドのイグニスは、全長3700×全幅1660×全高1595mmでAセグメントとBセグメントの中間といえるサイズ感ですが、同じコンパクトカーでもBセグメント用の新開発プラットフォームを使うバレーノは、全長3995×全幅1745×全高1470mmと、全長と全幅はひと回り大きく、ホイールベースもイグニスの2435mmよりも長い2520mmとなっています。

バレーノは1.0L直噴ターボも1.2L NAエンジンも走り出すと、イグニスよりも乗り心地に落ち着きが感じます。欧州車的な硬めなセッティングではありますが、多少荒れた路面でも上下方向の振動が抑制されている感じを受けます。

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乗り味で美点といえるのが、高速域のフラットライド感。直進安定性もまずまずで動力性能に余裕はありませんが、高速移動も苦にならない乗り心地といえそうです。

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また、フットワークの良さを実感させるハンドリングも良好。ターボとNAではステアリングを切り始めた時の感覚が少し異なり、ターボはやや人工的な味付けに思えましたが、パワステの制御などは同じだそうですから個体差などもあるかもしれません。

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1.0L直噴ターボには6ATが組み合わされていて変速フィールの面でもCVTよりも違和感を抱かせない美点もあり、動力性能で選ぶなら111ps/5500rpm、160Nm/1500-4000rpmの1.0L直噴ターボで決まり! と言いたいところですが、ハイオク指定なのがやや気になります。

一方の1.2L CVTはエントリーグレードといえる「XG」のみで、91ps/6000rpm、118Nm/4400rpmという動力性能も流れに乗って走る分にはもちろん不満はありません。

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1.2L NAエンジンはATではなくCVTですが、JC08モード燃費24.6km/L(直噴ターボは20.0km/L)という利点もあるだけに、エンジン選びは悩ましいどころ。

1.2Lの「XG」にも質感を高めた仕様があると選択肢が広がるだけに、設定をのぞみたいところです。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

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