Motor Fan's YEAR 2016

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市販ナビに駐車支援機能を追加できる「カメラ機能拡張BOX」が登場

「カメラ機能拡張BOX(BSG17)」という駐車支援機能アイテムが、富士通テンから発表されました。発売は12月下旬となっています。

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このキットは、富士通テン社製のバックアイカメラ(リヤビューカメラ)に駐車支援機能を追加できるもので、ECLIPSEブランドのAVナビ「AVN」はもちろん、カメラ機能拡張BOX用汎用キットを使えば他社のカーナビでもビデオ入力があれば接続することができます。

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追加できるのは、バックアイカメラ映像の動きから、車両の進行方向を予測し描画する「進行方向予測線」、バックアイカメラ映像で後方の障害物を検知した場合に、画面表示/音で通知する「障害物検知」、見やすい高さに仮想的に視界を切り替えられる「視点切替」の3つ。「視点切替」は後退時に一端停止すると通常画面と俯瞰画面にスイッチできます。

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バックアイカメラやリヤビューカメラが普及する一方で、バック駐車での不安として「ハンドルを切る方向と進んでいる方向がわからない」、「後方の障害物に衝突しないか不安」、「バックカメラ映像では距離感が掴みづらい」といったカメラ映像そのものだけでは解決できない声が依然としてあるとのことで、バック駐車を苦手と感じているドライバーに向けてのアイテムになっています。

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価格はカメラ機能拡張BOX(BSG17)がオープンで、オプションのカメラ機能拡張BOX用汎用キット(BSGT17)が5000円(税抜き)です。

(塚田勝弘)

クルマも「ミラーレス」に!6月18日、国土交通省が解禁

「ミラーレス」といってもデジタルカメラの話ではありません。長い歴史を持つ自動車用のミラーがいよいよ無くなろうとしています。

国土交通省が6月18日、サイドミラーの代わりにカメラモニタリングシステムを備えた「ミラーレス車」を解禁しました。

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道路運送車両の保安基準などで、鏡面の面積や視認エリアなど詳細な条件が定められていたサイドミラー。

今回カメラとモニターで代用できるようになったのは、国連のWP29(自動車基準調和世界フォーラム)が、昨年11月にミラーの代用範囲拡大を決定したことが背景に有ります。

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こうした世界の動きを踏まえ、国土交通省が自動車の保安基準を改定し、自動車の全てのミラーをカメラとモニターで代用することを認めたもの。

これまでバックカメラが先行して普及するなか、日産自動車がエクストレイルなどのインナーミラーに液晶モニターを内蔵した「スマート・ルームミラー」をいち早く採用。

車両後方の様子をカメラ映像化することで、後席乗員の頭部やCピラーなどによる後方視界への影響が無くなり、暗い地下駐車場内や夜間の視認性も向上、安全性の向上に寄与しています。

今回「ミラーレス車」が解禁されたことで、これまでゼロにできなかった死角を無くすことが可能になるとともに、雨天時にドアガラスやバックウインドウガラスについた水滴の影響を受けること無く、クリアな視界を得ることができるようになります。

また、エクステリアデザインの一部となっていた外付けミラーに代わり、新たなアイデアが生まれる可能性も。

一方、ネガ要因としては、後続車の遠近感への違和感や、映像表示の微小な遅延、システムの故障などが考えられます。

また、カメラの搭載位置やレンズへの埃・水滴付着に対する設計上の工夫が必要になるのは言うまでもありません。

しかし、国交省がGoを出した背景には、これらの要件をクリアした車両の登場が近い事を意味している可能性が高く、それが国産車なのか、輸入車なのか、はたまたトラックやバスなどの商用車なのかは現時点で不明ですが、いずれにしても今後の動向が大いに注目されます。

Avanti Yasunori ・画像:Volkswagen

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この発想は便利。乗り降りしている人も確認できるアラウンドビューモニター

これは便利。アイデアが素晴らしい。

32台もの商用車を集めておこなわれた、報道向けの「小型商用車(LCV)オールラインナップ試乗会」。その会場内でボクの興味を引いたのが、新しいタイプのアラウンドビューモニター。

「アラウンドビューモニター」というのは車体の前後左右に取り付けた4つのカメラ画像を合成し、車両を真上から見下ろす俯瞰画像として画面に映す仕掛け。

バック時に車両後方を写すバックモニターの発展型で、車両周囲360度を見渡せるから安全確認がしやすく(クルマの直近にある障害物は死角となるので意外に気付きにくい)、そして駐車枠や周囲の車両との位置関係が理解しやすく車庫入れをサポートしてくれる機能です。

今やいろんな自動車メーカーに、それこそ高額なクルマだけでなく軽自動車にまで広まりつつあるけれど、最初に実用化したのは日産なんですね。

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そんなアラウンドビューモニター。ボクも知らなかったんだけど、派生モデルともいえる通常と違うタイプもあったんです。その違いをもっとも表している画面がこれ。

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普通のアラウンドビューモニターとの違いが分かります?

そう、乗り降りしている人が確認できるんです。

普通のアラウンドビューモニターの側面用カメラはドアミラーについているので、地面付近の障害物は映るけれど乗り降りしている人がいても足元しか映らない。

しかしこのモニターは、ルーフにカメラがついていて乗り降りしている人やドアの周りの様子が一目瞭然というわけなのでした。

このシステムは普通の乗用車ではなく、NV350キャラバンベースの送迎車や福祉車両、幼稚園バス、そして救急車用に考えられたもの(オプション設定)。運転席から乗り降りの様子がしっかりと確認できることで、利便性、そして安全性を高めようというアイデアなのです。

また、狭い場所では前方モニターも大活躍。クルマは真後ろだけでなく車両直前も死角であり、実はギリギリまで寄せるのは難しいけど、モニターがあれば距離感がつかみやすいから簡単確実に車両を寄せることができるのです。

送迎車などの購入を考えているみなさん、この機能を用意しているのはキャラバンだけ。「あのライバル」にはありませんから、よく検討しましょう!

(工藤貴宏)