Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

駐車場での踏み間違い事故が7割、後退時事故が4割減ったとするトヨタの安全支援技術とは?

後を絶たないブレーキとアクセルの踏み間違い事故。その一部は高齢ドライバーの免許返上という社会問題にまで発展していますから、無関心ではいられないという方も多いのではないでしょうか。

さて、2016年12月26日、トヨタが駐車場での踏み間違い事故が7割、後退時事故が4割減ったという調査報告を発表しました。

20161226_01_02_jp

今回公表されたのは、駐車場内での衝突事故に限ったもので、被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー(ICS/Intelligent Clearance Sonar)」が搭載されている3車種(アルファード、ヴェルファイア、プリウス)について、2015年1月から2016年6月までの18カ月の間に駐車場で発生した事故を調査したそうです。

該当する車種、約6万台分を契約している保険会社による約2500件の事故データを調査した結果、踏み間違い(ブレーキとアクセルの踏み間違い)事故件数はじつに約7割減少し、後退時事故件数についても約4割減少という結果を得ることができたとのこと。

なお、約6万3000台うち「ICS」搭載車は、42%にあたる約2万6000台になっています。「ICS」は踏み間違いなどによる急発進時に、クリアランスソナーで障害物を認識して衝突被害の軽減に寄与する技術です。

20141120_02_06

2015年発売のアルファード、ヴェルファイア、そしてプリウスからは、センサーの増設と検出距離の延伸により、検出範囲を拡大するとともに制御ソフトを改良。

従来のペダル踏み間違いによる衝突被害の軽減だけでなく、駐車場内の低速での移動や車庫入れなど、ペダル誤操作がない場合にも隣接車両や障害物との衝突回避や被害軽減を支援することも可能になりました。

20161226_01_01

こうした調査結果を見ると、踏み間違い防止などの安全装備をユーザーに選択させるのではなく、車両価格が上がることになっても義務化する必要があると感じさせます。

(塚田勝弘)

スバル「アイサイト」搭載モデルが累計販売100万台を突破

富士重工業が12月14日、先進運転支援システム「アイサイト」搭載モデルの世界累計販売台数が、2008年5月から8年7か月で100万台に到達したと発表しました。

SUBARU

「アイサイト」はステレオカメラのみで自動車、歩行者、二輪車を検知することで、プリクラッシュブレーキや、全車速追従機能付クルーズコントロールなどを実現した世界初のシステム。

現在、同システム搭載車は日本をはじめ、豪州、北米、欧州、中国の各市場で販売されており、米国のIIHS(道路安全保険協会)による2017年安全評価の前面衝突予防性能試験で最高評価となる「Superior」を獲得。

SUBARU

国土交通省とNASVAが実施する予防安全性能アセスメントでも最高評価となるJNCAP「予防安全性能評価ASV++」に選定されています。

さらに、欧州のユーロNCAPにおける2016年安全性能総合評価で最高評価のファイブスターを獲得するなど、第三者機関から高い評価を獲得。

同社は今後もオールラウンドセーフティの考えに基づき、0次安全、走行安全、予防安全、衝突安全の各技術を進化させ、「安心と愉しさ」を追求し続けるとしています。

Avanti Yasunori・画像:SUBARU)

【関連記事】

富士重工業が2020年に新プラットフォームを全車種展開!
http://clicccar.com/2016/12/13/425655/

決定!カーオブザイヤー「インプレッサ」から始まる「スバルのフルモデルチェンジ」
http://clicccar.com/2016/12/11/425146/

日本カー・オブ・ザ・イヤー、スバルインプレッサスポーツ/G4に決定!
http://clicccar.com/2016/12/09/424871/

スバルが中国市場への「アイサイト」初導入を発表!
http://clicccar.com/2016/11/16/417125/

スバル「アイサイト」効果で追突事故が84%も減った⁉︎
http://clicccar.com/2016/01/26/351215/

国交省、日本初の対歩行者自動ブレーキの評価を公表。最高得点はマツダ アクセラ

国土交通省は12月1日、日本初となる11車種の対歩行者自動ブレーキの評価を公表しました。評価試験での最高得点はマツダ アクセラが獲得しました。

aku2

今回、同省が公表した対歩行者自動ブレーキ評価は、平成7年から行っている自動車アセスメントの一環として今年度の平成28年から新たに加えられたもので、国産乗用車11車種の対歩行者自動ブレーキ評価を実施しました。

aku1

公表された対歩行者自動ブレーキ評価の結果を得点順(25点満点)に並べると次の通り。

1.マツダ アクセラ:24.5
2.スバル フォレスター:23.5
3.スバル インプレッサ:22.9
4.スバル レヴォーグ/WRX:22.5
5.トヨタ プリウス:22.1
6.スバル レガシィ:22.0
6.レクサス RX:22.0
8.レクサス GS/GS F:21.9
9.トヨタ クラウンアスリート/ロイヤル/マジェスタ:21.3
10.スズキ イグニス:20.3

今回の評価は、歩く速度で車の前方を横断する人形に対して、車を10km/h〜60km/hの速度で複数回直進させ、横断する人形を検知して停車するまでの距離をメインに、衝突の回避・減速量に応じて点数を計算しました。

aku3

今回、同省が対歩行者自動ブレーキ評価を公表したのは、日本国内の交通事故実態では、①死者数の約37%を歩行者が占めて最多となっていること、②交通事故死者数が減少しているなかで、歩行者の死者数減少幅が小さいこと、を重視したものと見られます。

公表された評価は、一般ユーザーが車種を選択する際に大きな指針となるもので、今後評価対象の車種をどこまで広げるか、特に輸入車を評価の対象に加えるかに注目が集まっています。

なお、対歩行者自動自動ブレーキが検知する対象は、あくまでも歩く速度で横断する人形であり、歩行者が急に飛び出すようなケースは評価対象になっていないので、現状では自動ブレーキを過信することはできません。

(山内 博・画像:国土交通省)

「Toyota Safety Sense P」と「Lexus Safety System +」が予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得

主に中型車以上、あるいはビッグマイナー/フルモデルチェンジを受けた新モデルに搭載されている「Toyota Safety Sense P」とレクサス版である「Lexus Safety System +」が、国交省と自動車事故対策機構による「2016年度JNCAP 予防安全性能評価」において、最高ランクの「ASV++」を獲得しました。

20141126_tss_04_s

「ASV」はAdvanced Safety Vehicleの略で、2016年度から始まった「ASV++」は、新設された最高ランク。

従来の性能評価(前方車両に対する衝突回避を支援する自動ブレーキ、車線はみ出し警報、後方視界情報の評価)に加えて、昼間の歩行者に対する衝突回避を支援する自動ブレーキの評価を追加。高得点を取得した車両が獲得できるトップランクとなります。

20161201_02_02_s

最近ニュースで取り上げられることの多い高齢ドライバーなどによる自動車事故では、こうした対歩行者の衝突被害回避・軽減ブレーキが備わっていれば、事故を防ぐか被害を軽減したケースもあったかもしれません。

トヨタによると、日本での交通事故死亡者(事故発生から24時間以内の死亡者)のうち、約37%(出展:警察庁 平成27年中の交通死亡事故の発生状況および道路交通違反取締り状況について)が歩行者に対する事故を占めるそう。

20161201_02_03_s同社では、歩行者の交通死亡事故等を未然に防止するため、車両だけでなく歩行者も含む衝突回避支援機能を搭載したパッケージ「Toyota Safety Sense P」、「Lexus Safety System +」を2015年から普及を目指した価格設定で導入。

現在国内では、トヨタ、レクサスの9車種に搭載。今後も順次搭載車種を増やしていくとしています。

(塚田勝弘)

ダイハツ・タントがマイナーチェンジ、ステレオカメラの衝突被害軽減ブレーキを新搭載!

軽自動車に背高&スライドドアのブームを巻き起こし、現在は3代目へと進化しているダイハツ・タントが、ステレオカメラを使った先進安全装備の新搭載など魅力的なマイナーチェンジを果たしました。

tanto_20161130020

今回のマイナーチェンジでのポイントは、先進安全装備を「スマートアシストIII」に進化させたことにあります。

これまでの「スマートアシスト」は赤外線センサーを使ったもの、「スマートアシストII」は赤外線センサーと単眼カメラを用いたプリクラッシュセーフティシステムでしたが、新しい「スマートアシストIII」では、左右間隔80mmの世界最小ステレオカメラを使ったシステムとなっています。

tanto_20161130015

これにより、衝突被害軽減ブレーキの作動速度域の拡大を実現しています。合わせてソナーセンサーを使った左右後方の障害物検知システムやオートハイビームなど、より安全性能を高めました。それでいて、お値段据え置きというのはユーザーに嬉しいところ。

タント/タントカスタムのメーカー希望小売価格は122万400円〜187万3800円となっています。

daihatsu_sa3

(山本晋也)

新世代メルセデスにレーダーセーフティパッケージを無償提供。交通事故ゼロを目指す

ここ数年、クルマ選びでは燃費に次いで「安全性」が重視されています。 とくに事故を未然に防ぐためのシステムは各メーカーがこぞって取り入れ、高級車だけでなく軽自動車に至るまで広く普及しています。

その効果は非常に有効で、スバルのアイサイトの場合、車両同士の追突事故で約8割、対歩行者事故で約5割、トータルで約6割も人身事故件数が減っています。

メルセデス・ベンツは、1939年に衝突安全性の研究に着手してから、1959年には世界に先駆けて衝突試験を実施し、1969年には路上での事故調査をスタート。しかも、これまで培ってきた数々の技術は無償で公開されています。すべては「事故なき運転」の実現のためだと明言しています。

mb-safty

さて、最近のメルセデス・ベンツの特徴として、2013年から「Aクラス」をはじめとしたコンパクトカーを「新世代メルセデス」として続々と投入されていることが挙げられます。

現在では「Aクラス」「Bクラス」「CLA」「CLAシューティングブレーク」「GLA」と、全5種類を展開するまでラインナップは広がっています。

00

今回、これら新世代メルセデスの安全性を高めるため、同社が用意する安全装備「レーダーセーフティパッケージ」を無料で提供するキャンペーンが実施中です。

無料で装着される「レーダーセーフティパッケージ」は、カメラとレーダーで車両の周囲を検知し、必要に応じて運転をサポートするもの。

レーダーセーフティ

車線変更時に死角に入り込んだクルマの存在を知らせるブラインドスポットアシストや、前車との車間を保ちつつ追従するディスタントパイロット・ディストロニック、車線逸脱を警告するレーンキーピングアシストのほか、万が一の衝突を回避・軽減するプレセーフなど、第一線の実力を誇る機能が一式揃っています。

通常は19万9000円のオプションとして用意されているのですが、2016年10月1日〜12月 28日の期間中にwebサイトにて応募の上、対象となる新車を成約・登録した場合に無料で提供されます。

なお、このキャンペーンは来年以降も継続して実施する予定とのことです。

(今 総一郎)

ダイハツの「スマートアシスト」搭載車が累計販売100万台を達成

「スマアシ」こと、ダイハツの衝突回避支援システム「スマートアシスト」搭載車が2016年7月末時点で100万台を達成したそうです。

boon_160412028

2012年12月に発売された「ムーヴ」から採用された衝突回避支援システム「スマートアシスト」は、2015年4月に「スマートアシストⅡ」に進化。単眼カメラと近距離用のレーザーレーダー(赤外線)を使って先行車などとの距離を測定するシステムで、軽自動車やコンパクトカーに搭載されています。

「スマートアシストⅡ」は、対車両の衝突回避支援ブレーキ(約4km/h以上50km/h以下で作動し、前方20m以内にある車両を検知して作動、速度差約30km/h以内)をはじめ、衝突警告機能(対車両、対歩行者)、車線逸脱警報機能(約60km/h以上で走行、警告のみ)、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能からなる安全装備。

boon_160412040

現在、ダイハツの軽乗用車ではムーヴ、タント、ミライース、ウェイク、キャスト、軽商用車ではハイゼット キャディー、小型乗用車ではブーンの合計7車種に同装備が採用されていて、同装備採用車両での搭載比率は7割を超えています。

move_20160621001cast_20160620023スマートアシストⅡは30km/hから50km/hまで作動速度が引き上げられていますし、価格は4〜5万円程度という設定ですから、保険の特約のつもりでぜひ装着したいものです。

(塚田勝弘)

コンチネンタルが「Toyota Safety Sense C」開発で「技術開発賞」を受賞。その意義とは?

ドイツの自動車部品大手のコンチネンタルは、トヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」の開発への貢献で、トヨタから技術開発賞を受賞したと発表しました。

img_2016_05_20_toyota_award_uv-data

トヨタ衝突回避支援パッケージにはプリクラッシュセーフティ(PCS)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)といった、ドライバーをサポートする機能が含まれており、パッケージ化することで、衝突回避の支援、車線逸脱による衝突事故の回避支援、夜間走行時の安全性向上、といった交通事故予防における3つの主要な分野に対応しています。

yimg_2015_08_27_toyota_safety_sense_en-data

トヨタの「2016グローバル仕入先総会」で行われた授賞式で技術開発賞を授与された、コンチネンタル・コーポレーションの取締役会会長のエルマー・デゲンハート(Dr. Elmar Degenhart)氏は

「大切なお客様からこのような賞を頂戴しましたことは、非常に名誉なことであり、安全性の向上を目指す、これまでの努力が認められたものと思っています。145年の歴史をもつドイツ系テクノロジーカンパニーとして、高品質と安全なモビリティを追及されるお客様を、今後もサポートしてまいります。」

と受賞の喜びを語りました。

コンチネンタルが受賞したトヨタの技術開発賞は、最新技術によりトヨタの商品力向上に大きな成果をあげた仕入先に贈られるもので、受賞の対象となった統合センサーモジュールMFLは、カメラとレーザーレーダーを単体のコンパクトユニットに統合したものです。

img_2015_08_27_toyota_safety_sense_en-data

このセンサーモジュールは車両前方の障害物を検知し、衝突の危険がある場合にはドライバーにブザーとディスプレイ表示で警告します。

万が一、衝突が避けられないとクルマが判断した場合には、自動ブレーキで衝突回避、または衝突被害軽減をサポートします。このPCSに加え、MFLは車線逸脱による事故に備えるLDAの他、AHBといったToyota Safety Sense Cの機能実現に貢献しています。

コンチネンタルは、このセンサーモジュールをトヨタが世界で販売しいる10車種以上に供給しています。

最近、自動車業界では系列やグループの枠から外れた取引が広がっており、従来ではトヨタ系の自動車部品会社との取引がほとんどを占めていたトヨタに、コントネンタルが今回のセンサーモジュールの納入で成果を挙げたことが注目されます。

今後ますます系列やグループの枠を越えた自動車部品のサプライチェーンが形成されることが予想されます。

(山内 博・画像:コンチネタル・コーポレーション)

JAFの調査で判明した「自動ブレーキ」に対する誤解とは?

近年、軽自動車も含めて装備が進む「自動ブレーキ」。

ニュースやCMで頻繁に登場することもあり、「ぶつからないクルマ」とともに、衝突回避に向けた技術として認識が高まっています。

JAF

JAFが全国のドライバー35,614名を対象にしたオンライン調査でも97.3%がその存在を「知っている」と回答したそうです。

しかし、その中の約半数のドライバーが「ぶつからないよう、勝手にブレーキをかけてくれる装置」と誤解しているとして警鐘を鳴らしています。

JAF

「自動ブレーキ」は、正しくは「衝突被害軽減ブレーキ」。その名が示すとおり、ドライバーに警告音で危険を知らせることで減速を促し、それでも反応が無い場合に強制的にブレーキングして衝突を回避、または衝突被害を最小限に軽減する装置。

ドライバーの認知ミスを補完する装置に過ぎず、将来に向けて研究が進みつつある「自動運転車」が装備しているような物とは本質的に異なります。

JAF_05

もっとも、遠方まで障害物を検知できる「ミリ波レーダー」や「カメラ」などのセンサーと「クルーズコントロール」の組み合せにより、前走車との車間距離を常に一定に保ちながら全車速で追従走行できる車種も存在します。

「自動ブレーキ」と言ってもその性能は様々であり、特に軽自動車ではコストの関係で比較的安価な「レーザーセンサー(赤外線)」を使っているケースがほとんど。

軽自動車にも遠方まで検知できる「ステレオカメラ」装着モデルが登場していますが、中には「レーザーセンサー」を「レーザーレーダー」と謳っているケースも見受けられ、消費者としてはあらかじめその性能をよく理解しておく必要があります。

JAF_06

また「自動ブレーキ」が機能する速度域についても、30km/h以下、もしくは50km/h以下と、動作速度域が限定されているシステムもあります。さらに、天候や道路状況によってもシステムが十分に作動しない場合もあります。

システムは日々進化を続けていますが、ドライバーは決して過信せず、安全運転を心がけることが重要です。

Avanti Yasunori ・画像:JAF)

【関連記事】

政府が交通事故死者数削減で自動ブレーキ装備義務化を検討
http://clicccar.com/2016/03/04/358028/

史上最速で100万台を達成したアクアに「Toyota Safety Sense C」を装備した特別仕様車を設定

トヨタで最も速いペースで売れているアクアは、軽自動車をのぞき、現在の国民車といえるモデルになっています。

2011年12月の発売以来、国内新車販売台数4年度連続トップ(4月1日から翌年3月31日)となり、2016年2月末にはトヨタとして史上最速の4年3か月で国内販売累計100万台を達成。

Aqua_05

人気の理由はもちろん燃費でしょうが、プリウスよりも手軽な価格と扱いやすいボディサイズも幅広いユーザーの獲得に貢献しているはず。「G’s」や「X-URBAN」を設定するなど選択肢も広げることでさらに拡販につながっているのもあるでしょう。

トヨタ・アクアに物足りない点は先進安全装備でしょう。「Toyota Safety Sense C」の設定はまさに待望されていると思いますが、今回の特別仕様車「S Style Black」には、「Toyota Safety Sense C」が特別装備されています。

Aqua_04同モデルは、100万台達成を記念したモデルで、人気の「S」グレードがベース。ボディカラーに特別設定色となる「ダークブルーマイカ」を含む全5色を設定。

エクステリアはアウトサイドドアハンドルとバックドアガーニッシュにメッキ加飾を施すことで大人っぽい雰囲気としています。インテリアは、運転席アームレストの追加や、インパネの助手席オーナメントに合皮を採用。

さらに、パワーウィンドウスイッチベースにピアノブラック加飾を追加し、特別設定色ブラックとのコーディネートにより質感を向上。

Aqua_02Aqua_01

そして、便利なスマートエントリーパッケージとともに待望の「Toyota Safety Sense C」が特別装備されています。

気になる価格は200万円を切る199万6037円で、10万円強の価格アップとなっていますが、装備を考えると最も「買い」といえる特別仕様車といえます。

(塚田勝弘)

トヨタ・ダイナ/トヨエース2t積系を一部改良し、プリクラッシュセーフティを2t積系トラックに初搭載

高速ツアーバスの事故などを受け、12tを超える大型バスは2014年(平成26年)11月1日以降の新型車、継続生産車は2017年(平成29年)9月1日以降、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ含む)の装着義務化が決定していて、22tを超える大型トラックもすでに2014年(平成26年)11月からの義務化がスタートしています。

20160407_01_12_s

それよりも小さいトラックでは、3.5t以上のトラックでも平成31年11月以降(新型車)、2021年(平成33)年11月以降(継続生産車)への義務化、さらにバス、トラックへの車線逸脱警報装置(LDWS)の義務づけも国土交通省より発表されていて、車両総重量により施行時期は異なりますが、新型車は2017年(平成29年)11月から、継続生産車は2019年(平成31年)11月から順次適用されます。

[nextpage title=”トヨタ・ダイナ/トヨエース2t積系に、プリクラッシュセーフティを搭載”]

4月7日、トヨタのダイナ、トヨエース2t積系が一部改良され、5月6日から発売されます。

20160407_01_02_s

その目玉は、衝突回避や衝突時の被害軽減を支援する「プリクラッシュセーフティ(歩行者検知機能付)」と、車線逸脱による衝突事故の回避を支援する「レーンディパーチャーアラート」の標準装備(標準キャブ 車両総重量5t未満の一部車型)。

20160407_01_11_s

システムは、「Toyota Safety Sense P」と同様に、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせ、異なる2つのセンサーで高い認識性能と信頼性を両立し、多面的な安全運転支援を可能としたもの。

なお、「プリクラッシュセーフティ」は、先進安全自動車(ASV/Advanced Safety Vehicle)に対する減税措置に適合し、横滑り防止装置である車両安定性制御システムの「VSC」と合わせて装備することにより、自動車取得税が取得価額から525万円控除、自動車重量税は75%(初回のみ)減税の対象になります。

そのほかの装備では、スマートエントリー(運転席・助手席アンサーバック機能付)&スタートシステムを設定(オプション)し、利便性も向上。また、TECS(メーカー完成特装車)もベース車と同様の改良が施されているほか、新仕様のスライド式ダンプや荷台フロアの強度を高めたダンプを設定するなど、ラインナップも充実しています。

20160407_01_03_s20160407_01_05_s

価格帯はカーゴが417万2727円〜508万6800円、ルートバンが427万9745円、TECS(メーカー完成特装車)が440万9345円〜546万6763円となっています。

(塚田勝弘)

この発想は便利。乗り降りしている人も確認できるアラウンドビューモニター

これは便利。アイデアが素晴らしい。

32台もの商用車を集めておこなわれた、報道向けの「小型商用車(LCV)オールラインナップ試乗会」。その会場内でボクの興味を引いたのが、新しいタイプのアラウンドビューモニター。

「アラウンドビューモニター」というのは車体の前後左右に取り付けた4つのカメラ画像を合成し、車両を真上から見下ろす俯瞰画像として画面に映す仕掛け。

バック時に車両後方を写すバックモニターの発展型で、車両周囲360度を見渡せるから安全確認がしやすく(クルマの直近にある障害物は死角となるので意外に気付きにくい)、そして駐車枠や周囲の車両との位置関係が理解しやすく車庫入れをサポートしてくれる機能です。

今やいろんな自動車メーカーに、それこそ高額なクルマだけでなく軽自動車にまで広まりつつあるけれど、最初に実用化したのは日産なんですね。

20160317Nissan LCV AloundView_11

そんなアラウンドビューモニター。ボクも知らなかったんだけど、派生モデルともいえる通常と違うタイプもあったんです。その違いをもっとも表している画面がこれ。

20160317Nissan LCV AloundView_09

普通のアラウンドビューモニターとの違いが分かります?

そう、乗り降りしている人が確認できるんです。

普通のアラウンドビューモニターの側面用カメラはドアミラーについているので、地面付近の障害物は映るけれど乗り降りしている人がいても足元しか映らない。

しかしこのモニターは、ルーフにカメラがついていて乗り降りしている人やドアの周りの様子が一目瞭然というわけなのでした。

このシステムは普通の乗用車ではなく、NV350キャラバンベースの送迎車や福祉車両、幼稚園バス、そして救急車用に考えられたもの(オプション設定)。運転席から乗り降りの様子がしっかりと確認できることで、利便性、そして安全性を高めようというアイデアなのです。

また、狭い場所では前方モニターも大活躍。クルマは真後ろだけでなく車両直前も死角であり、実はギリギリまで寄せるのは難しいけど、モニターがあれば距離感がつかみやすいから簡単確実に車両を寄せることができるのです。

送迎車などの購入を考えているみなさん、この機能を用意しているのはキャラバンだけ。「あのライバル」にはありませんから、よく検討しましょう!

(工藤貴宏)

新型アウディA4が誇るドライバー支援機能の実力は?

新型アウディA4に搭載されている最先端の安全、ドライバーサポート機能は、数多くあります。

全車速域対応のアダプティブクルーズコントロール(ACC)には、0-65km/hの範囲で先行車両に追従し、アクセルとブレーキだけでなく、車線から逸脱しそうになるとステアリングの操作にも介入する「トラフィックジャムアシスト機能」も用意されています。

201600223Audi A4_027

こちらは主に高速道路などでの渋滞時などにドライバーをサポートする機能ですが、バイパスや国道など白線などの走行区分線がはっきり肉眼でも見えるような場所であれば、ステアリングのアシストを含めて作動するもの。

追従する精度はなかなか高い印象ですが、もちろん手放し運転で追従するものではなく、あくまでドライバーエイドとして成り立っている機能。

しかし、フォルクワーゲン・パサートでも同じような傾向がありましたが、白線には比較的高い精度で反応する一方、黄線には反応しないケースも散見されました。

Traffic jam assistant

なお、ACCの再発進時は、0km/hになっても3秒以内に先行車両が動き出せば自動的に再発進する機能も備わっていて、部分自動運転を感じさせる機能ともいえますが、道路状況などによって作動状況にバラツキがあるなど、従来のACC、車線維持機能の延長線上にあるのは間違いありません。

Audi_A4_02Audi_A4_03

ACCやレーンキープ系の機能は、ステアリングコラム左側にあるレバーを使って操作しますが、ACCとレーンキープそれぞれ1本ずつレバーが割り振られているほか、ACCはレバー1本で速度設定(上下)、車間距離設定、セットのオン/オフ、設定速度の復帰/加速などをするため、慣れが必要で初めてだと戸惑います。

しかも、ステアリングのリムとスポークの間からのぞくような位置にあり、視認しにくいのも気になるところ。こうしたドライバー支援機能などが増えるほど、その操作性と見せ方の「両立」は難しくなるのは確かですが、アウディに限らず見た目もよくて使いやすい! というのは、まだ出てきてないような気がします。

Audi A4

さて、そのほかにも車両や歩行者との衝突を避ける「アウディプレゼンスシティ」は、85km/h以下でフルブレーキまで作動するほか、これを補助する「プレセンスフロント」により約250km/hまで場合によってはフルブレーキまでかける機能が加わっています。

Audi_A4_01

さらに、レーダーセンサーの情報を元に、交差点での右折時に対向車に衝突する危険を察知すると警告や自動ブレーキを作動させる(約2km/h〜10km/hの範囲)など、世界最先端の装備も用意(同機能は、欧州での発売が早かったボルボが世界初を謳っています)。

201600223Audi A4_005

Rear cross traffic assist

そのほかにも、後方からの衝突に備えて前席シートベルトを締め上げ、ウインドウなどを閉じるシステムの「アウディプレゼンスリヤ」や、「パークアシスト」が有効になっている際に、バックで駐車スペースから出る際に接近車両があると、警告サイン、警告音、ブレーキペダルの振動という順で警告する「リヤクロストラフィックアシスト」を設定。さらに、駐車時に自動ステアリングで駐車をサポートする「パークアシスト」などもオプション設定されています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

【関連記事】

■アウディに期待する先進性は新型A4にも備わっている?
http://clicccar.com/?p=363515

■新型アウディA4がステアリング操作への介入で自動運転に近づく!?
http://clicccar.com/2016/02/16/353288/

■大きくなった新型アウディA4の広さ、使い勝手は?
http://clicccar.com/?p=363594

■新型アウディA4は前輪駆動とクワトロのどちらを選ぶ?
http://clicccar.com/?p=363609

国交省、世界初の「ドライバー異常時対応システム」のガイドラインを策定

国土交通省は、ドライバーが急病になったときに自動車を自動で停止させる「ドライバー異常時対応システム」のガイドラインを策定し、3月29日に世界に先駆けて公表しました。

0001a

ガイドラインの対象となるのは、「二輪車を除くすべての自動車」としています。

ガイドラインでは、ドライバー異常の検知方法として

1.システムによる「異常自動検知型」
2.「ドライバー押しボタン型」
3.「同乗者押しボタン型」

の3タイプを提示しています。

0001b

またガイドラインでは、運転者へシステムが作動したことを警報するプロセスを設けて、減速開始前に運転者に一定時間警報を発生させることを求めています。

その理由は検知方法の1.では誤作動が、3.では悪戯等が懸念されるからです。運転者に異常がない場合は、警報に応じて運転者が作動を解除します。

そしてガイドラインでは、自動車の減速度を制御し、後続車の追突や立ち席の乗客に考慮した緩やかな減速をすることを求めています。

さらにガイドラインでは、「同乗者への報知」 「他の交通への報知」を提示しています。

最近、新聞紙上では「大阪梅田での暴走事故」「バス運転手の急病」などドライバーの急病による事故の報道が目に付きます。

今回のガイドライン策定によって「ドライバー異常時対応システム」の開発が進むことが期待されます。

(山内 博・画像:国土交通省)

日産・ティアナに安全装備充実の新グレードを設定!!

日産自動車は、同社が販売するセダンの「ティアナ」に新たなグレード「XVナビAVMパッケージ」と「XLナビAVMパッケージ」を設定し、4月4日(月)から販売をスタートしました。

L33-150210-02-1200x614

新たに追加されたグレードの目玉は安全装備の充実。

車両を俯瞰しているような映像を映し出し、駐車などでの周囲の確認にひと役買う「アラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)」をはじめ、「LDW(車線逸脱警報)」「BSW(後側方車両検知警報)」さらには長距離移動に便利な「クルーズコントロール」がセットになったメーカーオプションナビが標準装備となっています。

価格は以下の通りです。

「XLナビAVMパッケージ」:321万3000円
「XVナビAVMパッケージ」:351万3240円

(今 総一郎)

日産スカイラインが全車に「エマージェンシーブレーキ」を標準装備

日産スカイラインが一部改良を受け、改良後モデルが4月18日から発売されます。目玉は、「エマージェンシーブレーキ」をはじめとした、最新の安全装備である「全方位運転支援システム」の標準装備化。

160328-02-01-1200x800

前方への備えとしては、まず目玉の「エマージェンシーブレーキ」は、衝突の危険があるとシステムが判断すると、メーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促し、万一ドライバーが安全に減速できなかった場合に緊急ブレーキを作動させて衝突を回避。または、衝突時の被害や傷害を軽減させる装備です。

作動条件は、約5km/h以上で前方の車両に作動し、停止車両に対しては、約70km/h以上では作動しません。また、約60km/h以下で衝突回避が可能(能力がある)とされています。

160328-02-03-source

さらに、自車から見えない2台前を走る車両の状況を検知し、自車の減速が必要と判断した場合にディスプレイとブザーによる警報でドライバーに注意を促す「PFCW(前方衝突予測警告)」、高速道路などでの長距離ドライブ時にドライバーの疲労を低減する「インテリジェントクルーズコントロール」などを搭載。

160328-02-04-source

側方の安全支援については、死角になりやすい斜め後方にいる車両を検知し、インジケーターでドライバーに知らせる「BSW(後側方車両検知警報)」、後側方に車両がいるときにレーンチェンジを開始すると、インジケーターとブザーで警報を発するとともに、接触を回避するよう車両を元のレーンに戻す操作を支援する「BSI(後側方衝突防止支援システム)」を用意。

160328-02-05-source

そして、後方については、バックで駐車場を出る際など、接近する車両を検知してインジケーターやディスプレイの表示とともに、音でもドライバーに注意喚起し、さらに後退している最中に車両が接近した場合に衝突を回避するよう運転操作を支援する「BCI(後退時衝突防止支援システム)」が搭載されています。

ほかにも、車両の周囲が表示されるだけでなく、周辺の移動物を検知しドライバーに注意を喚起する「MOD(移動物検知)機能付きアラウンドビューモニター」も搭載されています。

価格は3.5Lエンジン(ハイブリッド)の「350GT HYBRID」が492万6960円、「350GT FOUR HYBRID」が520万7760円、2.0Lターボの「200GT-t」が413万3600円です。

(塚田勝弘)

豊田合成、トラック向け脇見、居眠り警報ハンドルを開発~後付けで事故防止に貢献

豊田合成は、ドライバーの危険動作(脇見、居眠り)を検知し、警報するトラック向けの後付けシステムを開発しました。

1199a

このシステムは、従来のハンドルにカメラを組み込んだ「カメラ付きハンドル」(図中①)と、専用アプリを搭載した「スマートフォン」(図中③)で構成されています。

1199b

ハンドルのカメラで撮影した画像をスマートフォンに送信して解析(図中②)し、一定時間の脇見、居眠り(眼が閉じている状態)を検知した場合に、警報を鳴らしドライバーに注意を促すようになっています。

また、スマートフォンの通信機能を使って、位置情報システムやドライブデータの解析などに活用することができます。

同社がこのシステムを後付けとして開発したのは、トラックは乗用車と比較して使用年数が長く、新車に装備する方法では普及するのに長期間を要するという理由からです。

同社は既に2014年からグループ会社のTGロジスティクスのトラック15台に本システムを搭載し、累計走行距離約10万km以上の実証試験を行い、一定の効果があることを確認しました。今後は、一般のトラック事業者への販売を検討するということです。

先日、広島県の山陽自動車道で起きたトンネル火災事故では、渋滞の列にトラックが追突した模様で、この種の脇見・居眠り監視システムが発達することが臨まれます。

(山内 博・画像:豊田合成)

日産「スカイライン」、自動ブレーキを全グレードに標準装備で死角なし!?

日産自動車株式会社は、同社が販売するセダン「スカイライン」の全グレードに自動ブレーキを標準装備しました。

0410504_01-20160328160311

今回の一部仕様向上で自動ブレーキが標準装備されるグレードは、「350GT ハイブリッド」「350GT FOUR」「200GT-t」の3モデル。

システムが衝突の危険があると判断すると、メーター内の表示とブザーで衝突回避操作を促し、それでも安全に減速できなかった場合には緊急ブレーキをかけて衝突の被害を回避または軽減するというもの。

さらに、自車の2台前を走るクルマの状況を検知して減速を知らせる「PFCW(前方衝突予測警告)」や、高速道路などの走行時にドライバーの疲労を軽減させる「インテリジェントクルーズコントロール」も搭載。

0410504_08

また、後側方にいる車両を検知してドライバーへ知らせるとともに、車線変更時には接触を防ぐように元のレーンへと戻す操作を支援する「BSI(後側方衝突防止支援システム)」のほか、後退時に接近してきた車両を検知して注意を促す「BCI(後退時衝突防止支援システム)」を採用。

0410504_09 0410504_10

駐車時に車両周囲の状況を俯瞰で確かめられる「アラウンドビューモニター」は移動物を検知し、ドライバーへ必要に応じて警告する機能も付いています。

販売は4月18日から開始されます。

(今 総一郎)