Motor Fan's YEAR 2016

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ホンダの最新テストコースで先進安全システムを体感。軽自動車への展開も約束!

2016年4月、ホンダは栃木県さくらに新テストコースを開設しました。

ハイウェイや市街地を模したテストコースは、「ホンダセンシング」と呼ぶ先進安全システムの開発に使われているという最新のITテストコースです。

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今回、メディア向けに開催された「ホンダセンシングワークショップ」では、その最新テストコースを初公開。

さらに、「衝突軽減ブレーキ」「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」を体感するとともに、自動運転まで見据えて開発を進めるエンジニアとのミーティングも行なうというプログラムでした。

残念ならが天候不良によりホンダセンシングの体感プログラムは途中で中止され、ホンダの市販車が積む安全装備への理解は消化不良ぎみでしたが、ミーティングの時間が延びたことで、ホンダの考える先進安全システムへのロードマップへの理解が進むワークショップとなりました。

他社同様、ホンダも近い将来、「トラフィックジャムアシスト」という名前で、渋滞時に限った操舵と加減速を機械がコントロールする自動運転を実現しようとしています。

そうしたフルタイムではない自動運転のフェイズにおいては、ドライバーの意思を読み取ることや、ドライバーの操作によって機械から人間へ運転権をスムースに移すことが重要とされています。

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たしかに、道路上の白線とドライバーが意図しないステアリング操作を認識する「路外逸脱抑制機能」の体験において、そうしたドライバーの操作を優先(オーバーライド)する制御の絶妙さは体感できることができました。

わざとステアリングをズラしておくと機械が車線を維持するようステアリングを動かすのですが、その際にちょっとでもドライバーが意思を入れた動きを見せると、すぐさまドライバーに操作を任せてくれるのです。

こうしたオーバーライドに関する味付けの部分は、安全とドライバーの意思をバランスさせる上で非常に難しい項目ですが、2002年に車線維持支援システムを市販車(アコード)に搭載したホンダの経験が、絶妙なバランスを実現しているようです。

2016年7月の時点では、ミリ波レーダーと単眼カメラを利用したホンダセンシングの搭載車種は限られています。具体的にはジェイド、ヴェゼル、ステップワゴン、オデッセイ、アコード、レジェンド、クラリティといったラインナップにしか搭載されていません。

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つまり、フィットや軽自動車は、衝突軽減ブレーキを採用していても、それは赤外線レーダーによる低速域に限定されたもので、ホンダセンシングという名前で展開している高性能な先進安全システムとは異なるものなのです。

しかし、この秋にも登場予定のフリードにはじまり、小型車・軽自動車へも、より高性能なホンダセンシングの採用は拡大するといいます。

先進安全システムが交通事故を減らすものであれば、量販モデルに採用することこそ事故低減効果が期待できるというもの。具体的なスケジュールについてはシークレットということですが、その効果を考えれば、メーカーとしての装備拡大と、ユーザーの積極的な選択を期待したいと感じたワークショップとなりました。

(山本晋也)

ホンダ、2015年4月‐3月期の世界・海外生産が過去最高に!

ホンダが、2015年度(15年4月〜16年3月)及び今年3月の世界生産・海外生産が過去最高を記録したと発表しました。

2015年度の海外生産台数は397.1万台(前期比+10.9%)、世界生産台数は473.2万台(同+6.4%)で、それぞれ4期連続増。

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さらに、今年3月の海外生産台数は37.5万台(前年同月比+11.7%)で13ヶ月連続増、世界生産台数は45.5万台(同+14.2%)で10ヶ月連続増となっています。

2015年度の同社の海外生産比率は約84%。

北米での生産台数は191.9万台(前期比+6.0%)、欧州は11.5万台(同+0.1%)、アジアが176.7万台(+17.2%)、うち中国が105.7万台(+26.3%)、その他が17万台(+13.7%)となっており、特に中国での生産台数増が顕著になっています。

これは3月についても+47.1%増と同傾向。

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一方、2015年度の国内販売台数は70.3万台(前期比-10.7%)で2期連続減。

登録車の販売台数は38.3万台(前期比-5.8%)、軽自動車については軽自動車税の増税の影響で32万台(同-16.0%)と販売減が続いています。

ちなみに登録車の内訳では「フィット」が11.2万台、「VEZEL」が6.9万台、軽自動車では「N-BOX」が17.3万台、「N-WGN」が8.4万台となっています。

このようにホンダの場合、国内市場での販売台数減を北米や中国市場でリカバーしている状況といえそうです。

Avanti Yasunori

ホンダ・ヴェゼルが2年連続で「SUVナンバーワン」に輝く

今年の2月末に「Honda SENSING」の標準装備グレード設定の採用や「RS」を設定するなど、2015年4月以来のマイナーチェンジを受けたホンダ・ヴェゼル。

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2013年12月の発売以来、日本の道路事情にマッチするボディサイズやハイブリッドも用意することで、着実に台数を積み上げ、2014年度にSUVナンバーワンの座に輝くと、2年連続で2015年度もSUVの新車販売台数で1位になっています。

その魅力は、スポーティなスタイリングやフィット譲りの居住性や積載性の高さ、そしてハイブリッドに代表される燃費の良さなどでしょう。

販売台数の推移は、2013年度が2万1348台、2014年度が10万479台、2015年度が6万9018台で、累計販売台数は19万845台。一昨年よりも昨年は大きく落ち込んでいます。

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じつは今年4月に入ってからもフィットとともにリコールの届け出をしていますが、度重なるリコールがなければもっと台数を伸ばせたのではないでしょうか。また、ヴェゼルに限らず消費税増税や軽自動車税増税などによる国内市場の冷え込みという要因もあったはず。

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2016年度は、プリウスと同じプラットフォームを使うトヨタC-HRも登場予定とアナウンスされていますからさらにSUV市場の競争激化は間違いないでしょう。

(塚田勝弘)