私が初めてBMW X4に乗ったのは導入後のプレス向けの試乗会で、箱根が試乗ステージでした。
BMWのSUV(X4はスポーツ・アクティビティ・クーペを意味するSACを名乗る)らしく、ボディの大きさを感じさせないフットワークを見せてくれる反面、突き上げの大きな乗り心地には少し驚かされた記憶が鮮明に残っていました。
ランフラットタイヤの採用に加えて、明らかに硬い足は、小さな子どもがいるファミリーなどには正直推奨できないかな……と。
「M Performance Automobiles(エム・パフォーマンス・オートモビル)」による「BMW X4 M40i」は、さらにハードな乗り味かもと身構えて街中から走り出すと、良好な乗り心地で驚かされます。
それは速度域を問わず、走行モードを「スポーツ」にしても損なわれない基本的なテイストになっています。
同モデルに搭載されているタイヤは、ミシュランの「スーパー・スポーツ・タイヤ」。
20インチ(F:245/40ZR20、R:275/35ZR20)という条件下では、という注釈を付けなくても十分に快適に感じるのは、ランフラットタイヤではないことが大きいはず。
さらに、電子制御ダンパー「ダイナミック・ダンピング・コントロール」を含めたサスペンションのチューニングもガチガチに固めたスポーティ路線一辺倒ではない印象で、20インチということを考えると十分に満足できる乗り味になっています。
BMW X4の最上級モデルにして最高のパフォーマンスと乗り心地を実現しているX4 M40iは、BMW M社によるスポーツモデル作りの巧みさを感じさせてくれます。
(文/写真 塚田勝弘)