Motor Fan's YEAR 2016

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新型EV 「ルノー・カングーZ.E.」は従来型から航続距離を50%以上延長

ルノーは、「カングー」ベースの電気自動車(EV)「カングーZ.E.」の新型車で、航続距離を新欧州ドライビングサイクル(NEDC)での航続距離を170キロメートルから270キロへ、50%以上延長すると発表しました。

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新型車では、モーターとバッテリーのパッケージを改良することで航続距離を延長。車名の「Z.E.」はゼロ・エミッションの意味で、同モデルは、ルノーの仏北部モブージュ(Maubeuge)工場で生産されます。

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「カングーZ.E.」を実際に走行させた状況での実用航続距離は200キロで、ルノーによると小型バンでは最長となる見込みとのことです。同モデルは、取回しが楽な小型ボディながら大きな積載能力とEVならでは低ランニングコストで、環境問題を意識する法人顧客にとって現実的なソリューションとなるとしています。

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ルノーは昨年以来、小型商用車(LCV)事業の強化を進めており、今回の新型「カングーZ.E.」の発表もその一環と見られます。

新型「カングーZ.E.」の詳細は、来年1月13日〜22日にベルギーのブリュッセルで開催される欧州モーターショーで発表される予定です。

(山内 博・画像:ルノー)

日産/ルノーが累計35万台のEVを販売、4.5億トン超のCO2排出を抑制!

日産自動車が2010年12月にピュアEV「日産リーフ」を発売以来、今年8月までに世界で累計25万台以上のEVを販売したそうです。

NISSAN_LEAF

「リーフ」の累計走行距離は27億kmを超えており、世界で約4.5億トンのCO2排出を削減。2014年以降は「リーフ」に加えて「e-NV200」を国内と欧州を中心に導入。

NISSAN_e-NV200

同社がこれまでに世界で販売した25万台のうち、米国、日本、欧州の3地域が全体の9割を占めており、中でも米国が9.7万台と最も多く、次いで日本が6.8万台、欧州が6.1万台の割合になっているそうです。

一方、日産がアライアンスを組むルノーでも、「SM3 Z.E.」、「ZOE(ゾエ)」、「Kangoo(カングー)Z.E.」、「Twizy(トゥイジー)」の4車種のEVを販売しており、2011年10月の「KangooZ.E.」発売以降、世界で累計10万台のEVを販売。

Renault_SM3_Z.E.Renault-ZOE

ルノー・日産アライアンスとして、これまでに累計35万台を販売するなど、世界で販売されたEVの半数を占めており、中でも「日産リーフ」はグローバルで累計23万台以上を販売する業界最量販EVとなっています。

日産は昨年11月、同車の航続距離を250kmに向上させたモデルを米国と日本に導入、欧州でも今年初めに発売。

Renault_Kangoo_Z.E.Renault-Twizy

またルノーも昨年「ZOE」の航続距離を+30km延長、充電時間を10%短縮、電気制御の最適化によりモーターの効率を向上させるなど、ルノー・日産アライアンスでは今後もEVの革新を続ける考えとしています。

Renault-ZOE

さらにアライアンスは今年1月、2020年までに自動運転技術を10モデル以上に採用する計画を発表。

今後主要な量産車に手頃な価格で搭載することで、「ゼロ・エミッション」、「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けたコミットメントを確固たるものにするとしています。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN、RENAULT)

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MTから2年後に設定されたDCT搭載のルノー カングー直噴ターボの走り

直噴ターボ+6MTの登場から2年過ぎてようやく設定されたルノー カングーの6速デュアルクラッチトランスミッション「EDC」。

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1.2Lの直列4気筒DOHC直噴ターボは、最高出力115ps/4500rpm、最大トルク190Nm/1750rpmというスペックで、EDC搭載車のJC08モード燃費は14.7km/Lとなっています。

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なお、6MT仕様の最高出力、最大トルクも同値ですが、6MTの最大トルクは2000rpmで発揮されるので、トランスミッションと変速比の違い、最大トルクの回転域が6DCTである「EDC」と6MTの違いになっています。

さらに、アイドリングストップ機構の有無もEDCと6MTの異なる点で、6MTにはストップ&スタート機能が標準装備されていますが、EDCには未設定になるそうです。

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アイドリングストップの有無で、どれくらいの燃費の差になるかは分かりませんが、JC08モード燃費だとその有無で大きな差にはならずコスト(車両価格)を考慮して装備されなかったそうです。

なお、ルーテシアやキャプチャーのEDCにはアイドリングストップが用意されているのでもちろん技術面での理由ではありません。また、アイドリングストップが付く6MT仕様がPHP(輸入自動車特別取扱制度)モデルであるため、JC08モード燃費の数値がなく、EDCとMTのカタログ燃費の差も不明。

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さて、気になる1.2L直噴ターボと6EDCの走りは、看板に偽りなくトルクフルで力強い走りを堪能できます。試乗ステージの山中湖周辺にはアップダウンと多様なコーナーが連続するワインディングがあり、さらに東富士五胡道路という高速専用道があり、シーンを問わず爽快なドライブが楽しめます。

カングーに乗っていると、そのストローク感のあるゆったりした乗り味からのんびりと走りたくなりますが、高速域でも流れに乗って走るのは容易で、さらに追い抜きをかける場合でも無理なく再加速することが可能。

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デュアルクラッチトランスミッションである6DECは、2-3速、3-4速への変速時に一瞬間を感じさせるフィーリングになっていて、DCTの中でもスムーズさという点では少し物足りなさを感じさせますが、コツをつかめば気にならなくなるのではないでしょうか。

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ほかにも、カングーならではの「粘り腰」と表現したくなるコーナリングなど、走らせることが楽しいと感じさせてくれる美点はもちろんEDC仕様もそのまま。

6MTも完成度も高いだけに、直噴ターボとMTの組み合わせを推したいところ。もし、2ペダルしか選択できないなら4AT仕様ではなく、迷わず6EDC仕様をチョイスしましょう!

(文/写真 塚田勝弘)

ルノー・カングーの「直噴ターボ+6MT」発売から約2年、待望の6速DCT仕様が登場

ルノー・カングーのオーナーにとって山中湖は聖地といえる場所かもしれません。

毎年開催される「ルノー カングー ジャンボリー」は、ルノー本国のホームページでも掲載されるなど、フランスでも注目される一大イベントに育っています。

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PICA山中湖で開催されたルノー カングーのプレス向け試乗会に用意されたのは、7月21日から販売されている「ルノー カングー ゼン EDC」。

1.2L直噴ターボエンジンに6MTを組み合わせた「ゼン」は、2014年5月に発売されていました。同エンジンは、2.0L並のトルクと高い環境性能が魅力で、登場時から何度か乗る機会がありました。

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確かにトルク感のある走りと、非常に出来の良い6MTには感心させられることが多く、それまではベストバイといえるグレードでしたが、MTは支持者から熱烈を持って迎えられる反面、乗り手を選ぶのも確かで「2ペダルモデルの登場を待っていました!!」という声も聞こえてきそうです。

なお、カングーには従来から1.6Lの直列4気筒NAエンジンに4ATを組み合わせる仕様も設定されていて、2ペダルのデュアルクラッチトランスミッション「EDC」である「ルノー カングー ゼン EDC」の登場後もしばらくは併売されるそう。

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しかし、1.2L直噴ターボ搭載車がこれからのカングーの主力モデルになることは間違いなく、EDCは1グレード、4ATも1グレード、6MTは充実装備の「ゼン」と、2016年7月に追加されたベーシックな「アクティフ」の2グレードが用意されています。

なお、新たに追加された2モデル価格は、「ルノー カングー ゼン(EDC)」が259万円、「ルノー カングー アクティフ(6MT)」が235万円となっています。

(文/写真 塚田勝弘)

ルノー・カングーに「ゼン(EDC)」と「アクティフ(6MT)」の2つの仕様を設定

ルノー カングーが毎年5月に山中湖に集う「ルノー カングー ジャンボリー」は、初めの頃は100人、200人くらいだったのが、いまや4000人を超えているそうです。

フランスにあるルノー本社でも素晴らしいイベントだ! と評価されていて、ルノー本社のホームページにも「ルノー カングー ジャンボリー」が紹介されたとのこと。

カングーEDC_外観走り

ルノー カングーは、3列シートこそ設定されていませんが、個人的にはミニバンやステーションワゴンでは飽き足らない層の受け皿になっている印象で、オートキャンプなどアウトドアを楽しむ人はもちろん、室内は広く、ラゲッジに荷物もたくさん積める毎日の足として愛用されているのでしょう。

日本におけるルノーの販売台数では、Bセグメントのルーテシアが最も売れ筋となっているそうですが、ルノーの顔としてカングーの存在感は健在といえます。

カングーアクティフ6MT_内装

2016年7月21日に発売を開始する「ルノー カングー ゼン」は、2.0LのNAエンジンに匹敵する動力性能を備えた1.2L 直噴ターボエンジンに2ペダルのDCTの6速EDC(エフィシェント デュアル クラッチ)を組み合わせた仕様で、ブリリアントブラックドアミラーやボディ同色バンパー、シルバードアハンドル、可倒式助手席、レザーステアリングなどを標準装備。

ボディカラーは「ジョン アグリュム」、「ブラン ミネラル」、「マロンショコラ メタリック」、「ノワール メタル メタリック」、「ブルー エトワール メタリック」、「ブルー コスモス メタリック」の全6色を設定。価格は259万円です。

一方の「ルノー カングー アクティフ」は、仕事や遊びでカングーを使い倒すニーズに応える仕様で、装備をシンプルなものにして235万円と価格も抑えられています。エンジンはこちらも1.2L 直噴ターボで6MTとの組み合わせ。ボディカラーは「ブラウン ミネラル」、「グリ メタン」の2色を用意。

カングーアクティフ6MT_外観「ルノー カングー アクティフ(6MT)」装備は、フロントフォグランプ、ボディ同色バンパー、シルバードアハンドル、フラットワイパーブレード、スピードリミッター&クルーズコントロールなどが省かれ、エアコンもマニュアルとなっていますが、シンプルな仕様でMTというニーズも多そう。

なお、快適装備を重視する人には、同じ6MTで「ルノー カングー ゼン」も設定されています。

(塚田勝弘)

「バスクの風景」が表現された赤と緑の限定車「ルノー カングー ペイザージュ」が登場

生産100万台を突破したルノー カングー。

ルノーは特別仕様車が多い印象を受けますが、中でもカングーは群を抜いて多いような気がしますが、「ルノー カングー ジャンボリー」に代表されるイベントなど、それだけ愛好家が多く、ほかにはあまりないカングーが欲しいというニーズがあるからでしょう。

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すでに第4弾となる今回の「ルノー カングー ペイザージュ」は、フランス南西部のフランスとスペインにまたがるバスク地方の町の風景をイメージしたという2色のボディカラーが設定されています。

「ペイザージュ」は、フランス語で風景を意味するそうで、「ペイザージュ」を車名に持つカングーは、フランスの風景をテーマとするボディカラーの限定車。

第4弾のルノー カングー ペイザージュ(ベースグレードはゼン AT/6MT)の由来となるバスク地方は独自の文化を持ち、とても情熱にあふれた地方だそうです。

町には、この情熱を表す赤に彩られた木組みのバスク建築の建物が多く見られるだけでなく、豊かな自然を表す緑の建物も多いとのこと。

この赤と緑のコントラストがバスク地方の特徴的な風景となっていて、同特別仕様車は情熱の赤と豊かな自然の緑の2色をボディカラーとして用意。

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特別装備は、「ヴェール シトロン メタリック(緑)」、「ルージュ パボ M(赤) 」の特別塗装色のほか、シルバー&ブラックフロントバンパー/ブラックリヤバンパー、シルバードアミラー、プライバシーガラス(※)、カーテンエアバッグ(※)、フロントシートバックテーブル(※)、可倒式助手席(※)が用意されます(※ルノー カングー ゼンの6MT標準車は標準装備)。

販売開始は6月2日からで販売台数は2色ともに100台。AMとMTの割り当てはATが70台、6MTが30台となっています。

(塚田勝弘)

ルノー カングーを購入すると、子どもに靴を贈る「One for One」キャンペーン

4月1日から6月30日まで実施されているルノーの「カングー マリン コレクション キャンペーン」をご紹介します。

カングー外観(シートカバー付)

同キャンペーンは「New Marine」をテーマに掲げ、ルノー カングーを成約し、かつ登録したオーナーに、TOMS の人気定番シューズ「STRIPE UNIVERSITY」のデザインがイメージされたCABANA製のマリンボーダーのシートカバーと「STRIPE UNIVERSITY」シューズがプレゼントされるもの(シートカバー、シューズは、赤と青の2色から希望の色を選択できます)。

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このキャンペーンを通じて、ユーザーにシューズが1足プレゼントされると、発展途上国を中心とした子ども達に新しい靴が1足贈られる「One for One」の活動にも参加できます。

OneforOneロゴ

シートカバーフロントシート青シートカバー装着赤

「One for One」は、2006 年にアメリカ人のBlake Mycoskie(ブレイク・マイコスキー)氏が、アルゼンチンのある村で現地の子どもたちと出会い、自分の足を守るための靴を買えないという現実を知り大変ショックを受けたことからスタート。

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「裸足で生活する子どもたちを救いたい」という思いから、1足の靴が購入されるたびに靴を必要としている子どもたちに新しい1足の靴が贈られる、というシンプルな約束を果たす「One for One(ワン フォー ワン)」というビジネスモデルを軸とするファッションブランドのTOMS(トムス)が立ち上げられたそうです。

「TOMS」では現在70か国以上で、5000万足の靴を途上国に住む子どもたちに贈っているだけでなく、36 万人に視力回復支援も行われています。

(塚田勝弘)【関連記事】

■ルノー・カングーが累計生産台数100万台を達成! 100万台目は日本に出荷
http://clicccar.com/?p=365559

ルノー・カングーが累計生産台数100万台を達成! 100万台目は日本に出荷

日本におけるルノー車の人気ナンバーワンは、現在はカングーではなくルーテシアだそうですが、初代、2代目とカングーが日本にもたらしたものは小さくないはず。

日本におけるカングーの販売台数は、2015 年には1679 台を記録し、ルノーの日本における総販売台数の3分の1を占めているそうです。

カングー生産100万台

また、ルノーといえばF1をはじめとしたモータースポーツ、あるいはルノー サンクなどコンパクトカー、あるいはアルピーヌなどの名車を思い浮かべる人も多いでしょう。

カングーは、そうした既存のルノーファンやマニアだけでなく、アウトドアやオーナーが集結する「カングー・ジャンボリー」に代表されるフェスなどの相棒として「オシャレ」として捉えているオーナーも多いはずで、新規客をルノーディーラーに呼び寄せた、アイコン的な存在にも映ります。

外観

このたび、ルノーのモブージュ工場で生産されているカングーが100万台目を送り出しました。しかも日本向けとのこと。初代カングーは1998 年に製造を開始し、 2007 年にモデルチェンジを受けて現行の2代目となっています。

現在カングーは、乗用と商用モデルが生産されていて、商用には3つのボディサイズ(カングーコンパクト、カングーエクスプレス、カングーマキシ)が用意されているほか、電気自動車の「カングーZ.E」がラインアップされています。

なお、2015 年の生産割合は、商用が64%、乗用モデルが36%。全体の90%がディーゼルエンジン、7%がガソリンエンジン、そして3%が電気モーターのカングーZ.Eとなっています。

DCIM100MEDIA

今年も5月17日に「カングー・ジャンボリー」が開催されるそうですが、根強いファンはますます増えるではないでしょうか。

(塚田勝弘)