Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

オープンにするだけで楽しさが倍増するイヴォーク・コンバーチブル

ルーフをオープンにできるSUVは、日本では発売されなかった日産ムラーノ・クロスコンバーチブルくらいでしょうか。ジープ・ラングラー(アンリミテッド)も脱着が可能で、私も撮影で数回外したことがありますが、こちらは大人2人、いや3人は欲しい大仕事になります。

range_rover_evoque_015

48km/h以下であれば21秒で開閉するイヴォーク・コンバーチブルのソフトトップ。やや時間はかかる印象ですが、4シーターで全長4385×全幅1900×全高1650mmというサイズを考えると十分に実用的といえます。

range_rover_evoque_011

運転席に収まってルーフを開けると、Aピラーが近くに感じますが、SUVらしくフロアが高いため見晴らしがよく、しかもセダンなどを見下ろすような視界で周囲から丸裸になったような気恥ずかしさもありません。

さらにウェストラインが高くバスタブに潜り込んだような着座感というのもあって、屋根を開けても思いのほかプライバシーが保たれるような気がします(もちろん、そのスタイリングとSUVの4座オープンという希少性から周囲の目を惹きますが)。

range_rover_evoque_014

240ps/340Nmの2.0L直列4気筒ターボと9ATの組み合わせは、首都高速の上り坂でも力強くてスムーズで、スペックに恥じない走りを披露してくれます。

img_0252

range_rover_evoque_018

屋根を開けた状態でもサイドウインドウを上げた前席なら風の巻き込みも抑制され、開放感を味わいながらの走りは思わず笑ってしまうほど楽しいものがあります。

range_rover_evoque_00

屋根を閉めれば防音対策が施されたソフトトップにより、キャビンは十分に静か。快適な移動もこなしてくれそう。

range_rover_evoque_012

もちろん安全性にも配慮されていて、リヤクォーターパネルに展開式のロールオーバーバーを内蔵。こちらは2本のアルミ製バーが90ミリ秒で作動するもの。ほかにも、自動緊急ブレーキやレーンディパーチャーウォーニングなども設定されています。

range_rover_evoque_010range_rover_evoque_017

価格は765万円と安いとは言えない価格設定、さらに嗜好性もあって誰もが手を出せるモデルではないものの、悪路走破性も高く、「実用的で文句なく楽しいSUVは?」と聞かれると最初に名前が挙がる存在になりそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

【関連記事】

オープントップSUVのイヴォーク・コンバーチブルはどんなクルマ?
http://clicccar.com/2016/12/09/424327/

オープントップSUVのイヴォーク・コンバーチブルはどんなクルマ?

「レンジローバー」ブランドのイヴォークは、ランドローバー正規販売店に新客を呼び寄せ、新しいファンを獲得した同ブランドの立て役者です。

イヴォークの購入に至らなくても他のレンジローバー、ランドローバー車の購入に寄与した例もあるはず。さらにその成功は、他メーカーのSUV戦略やデザインにも大きな影響を与えていそう。

range_rover_evoque_04

コンセプトカーが市販化されたかのようなレンジローバー・イヴォークも日本導入から4年が経ち、すっかり街並みに溶け込んでいます。もちろん、フェイスリフトや最新の車載インフォテイメントの採用などの手も打たれていますが、目を惹くスタイリングが大きな強みだけに、ぼちぼち次の手も欲しいところ。

「ラグジュアリー・コンパクトSUV初」を謳うレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルはまさしく強烈な一手で、ルーフを開ければ圧倒的な存在感を放ちます。

range_rover_evoque_022011 Nissan Murano CrossCabriolet2011 Nissan Murano CrossCabriolet

SUVのオープンカーといえば、日産が北米向けに販売していたムラーノ・クロスコンバーチブルという変わり種もありましたが、イヴォーク・コンバーチブルを目の当たりにすると「よく市販化したし、よく日本に導入したなぁ!」と感心させられます。

range_rover_evoque_00range_rover_evoque_01

Z格納式のソフトトップは、21秒で開閉が可能。少し時間はかかりますが、48km/h以下であれば開閉できますから、安全な状況であれば信号待ちの直後など走りながらでも実用になりそう。

range_rover_evoque_03range_rover_evoque_05

4人乗りのイヴォーク・コンバーチブルは、ベースモデル同様に乗降性だけ多少我慢すれば大人4人が座れるスペース、251Lという欧州Bセグメント並の荷室が確保されています。

range_rover_evoque_06

常時4人乗車はしないでしょうが、いざという時にゲストも乗せられて、荷物もそこそこ積載できる遊び心満点のSUVオープントップモデル。SUVブームの現代だけに、人と違ったモデルをお探しなら面白いかもしれません。

(文/写真 塚田勝弘)

街中で熱い視線を浴びること間違いなし!? レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルを受注開始

日本では2012年3月に発売されたレンジローバー・イヴォークは、従来のランドローバー(レンジローバー)車のイメージを覆す大胆なエクステリアをまとい、多くの新しい顧客を獲得してきました。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_01

4年半が経過した今でも数あるSUVの中で、存在感は決して薄れてはいません。それでもデザインアイコンとして鮮度は、当然ながら年月とともに下降傾向になるでしょう。

そこで、イヴォークシリーズのカンフル剤にもなりそうなレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルが日本にも登場しました。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_04

2016年9月9日から受注を開始するイヴォーク・コンバーチブルは、世界初のラグジュアリー・コンパクトSUVのコンバーチブルを謳っています。

これまで165以上の国際的な賞を獲得しているというレンジローバー・イヴォークの定評あるデザインをはじめ、快適なオンロードでの走りや、オフロードでの高い走破性能を備えていてオールシーズンに対応。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_14

なお、レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルの追加により、イヴォークは全7モデル展開になります。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_12

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_06

外観は、ダイナミックな形状が特徴のフロントバンパーや流麗なボディラインといったイヴォークのデザインを損なうことなく、個性的なシルエットを生み出す洗練されたZ型格納式ソフトトップ・ルーフ(防音仕様)を採用。

センターコンソールに配置されているスイッチを操作することで、48km/hまでであれば走行中でも、21秒でルーフを展開、18秒でルーフを格納することが可能です。

単に、既存のクーペおよび5ドアモデルのデザインをそのまま継承したのではなく、折りたたんだルーフを収納するためのスペースを設けるために、フロントドア後部の車体やテールパイプ、スポイラーを新設計。これらは室内空間を犠牲にすることなく実現しているそうです。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_09Range Rover Evoque Convertible_2017MY_05
一方のインテリアは、「レンジローバー」ブランドにふさわしく、オックスフォードレザーなど随所に高級素材を採用。大人4名がゆったりと座れる広々したスペース、ルーフの開閉を問わない251Lのラゲッジルーム、直感的なタッチ操作が可能な10.2インチの最新インフォテインメントシステム 「InControl Touch Pro」ももちろん用意されています。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_17

ブランドのアイデンティティである走破性では、あらゆる路面状況下でドライバーがペダル操作をせずに、トラクションを最適化して車両を一定の速度(1.8km/h〜30km/h)で前進、後退させることが可能な「オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)」を標準装備。

また、コンバーチブルモデルでも安全性の確保に抜かりはありません。横転保護のためにAピラーを強化されているほか、リヤクォーターパネル内に展開式ロールオーバー・バーが装備されています。

Range Rover Evoque Convertible_2017MY_11

この横転保護システムは、万一車が横転した場合、自動的に2本のアルミ製のバーを90ミリ秒で作動させ、乗員のための安全なスペースを確保するもの。ステレオデジタルカメラを用いた自動緊急ブレーキ(AEB)やレーンデパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告)などの先進の安全技術もオプションで用意。

エンジンは240ps/340Nmの2.0L 直列4気筒ターボで、トランスミッションは9ATを搭載。グレードは「RANGE ROVER EVOQUE CONVERTIBLE HSE DYNAMIC」のみで、価格は765万円です。

(塚田勝弘)

電動ソフトトップは30km/h以下なら走行中でも開閉可能 ─「MINIコンバーチブル」画像ギャラリー

3代目にスイッチしたMINIコンバーチブルは、時速30km/hまでなら走行中でも開閉可能な電動ソフトトップが採用されています。開閉時間は約18秒ですから、急な雨や信号待ちなどでもすぐに開閉できそうです。

20160414BMW MINI Convertible_060

「半オープン」も楽しめるスライディングルーフ付で、少し屋根を放つだけで気軽に開放的なドライブが享受できるわけです。

20160414BMW MINI Convertible_058

さらに、従来はノーマルMINIの3ドア/5ドアのルーフに対応していたユニオン・ジャック模様をソフトトップ生地にも織り込むことが可能になり、MINIらしい個性の演出にも対応。

全長3835×全幅1725×全高1415mmという新型MINIコンバーチブルの外観は、お馴染みの丸型ヘッドライトをはじめ、六角形のフロントグリル、短めの前後オーバーハングなど、MINIのアイコンが散りばめられています。

20160414BMW MINI Convertible_057

さらに、万一の車両横転時に展開して乗員を保護するロールオーバー・プロテクション・システムもよりボディに溶け込むようにデザインされるなど、細部にまでこだわりが貫かれています。

ボディカラーでは、MINI専用の「カリビアン・アクア」を設定するなどしてオープンモデルらしい爽快感を表現。

20160414BMW MINI Convertible_04020160414BMW MINI Convertible_041

インテリアの眺めもMINIそのものですが、コンバーチブル専用の「レザー・チェスター モルト・ブラウン」をチョイスできるなど、信号待ちなどで車外から「見られる」こともオーナーの所有する喜びを刺激してくれそうです。

ほかにも、新しいデザインプログラムである「MINI Yours」もMINIコンバーチブルから導入され、好きな装備を1アイテムからチョイスできるだけでなく、従来のオプションとの組み合わせが可能。さらに、パッケージオプションの「MINI Yours Package」も用意されています。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

【関連記事】

新型MINIコンバーチブルの装備、居住性、積載性はどうか?
http://clicccar.com/2016/05/24/372920/

新型MINIコンバーチブルは数少ないコンパクト4シーターモデル
http://clicccar.com/2016/05/22/372908/

新型MINIコンバーチブルの爽快な走りはクセになる!?

「基本」モデルといえる3ドア/5ドアをはじめ、クラブマンやクロスオーバーなど、独身の方からディンクス、ファミリーまで、多様なニーズを多彩なボディバリエーションによって応えるMINIシリーズ。

20160414BMW MINI Convertible_005

MINI「ファミリー」と呼びたくなる充実ぶりで、あとは3列シートのミニバンを待つだけ!? と思えるほどです。そのなかで、日本はもちろん世界的にも人気なのがMINIコンバーチブルで、2016年1〜4月期に前年同期比12.0%増の5849台を販売。

日本登場時の新型MINIコンバーチブルは、1.5Lの直列3気筒ターボを積むクーパー、2.0LターボのクーパーSのほか、ジョン・クーパー・ワークスが用意されています。なお、トランスミッションは全車6ATのみです。

20160414BMW MINI Convertible_02920160414BMW MINI Convertible_033

試乗したのはクーパーとクーパーS。

前者は136ps/4400rpm、220Nm/1250-4300rpmというスペックで、アイドリング時や低速走行時を中心に、屋根を開けていると3気筒らしいやや大きめの音が聞こえてきますが、通常時はアイドリングストップが作動しますから音も振動も気にする必要は当然ながらありません。

クーパーはクーパーSよりも40kg軽く、タイヤサイズも1インチ小さい195/55R16ということもあってか、より軽快感を抱かせます。

2台を乗り比べるとトルク感も高速域のパンチ力もクーパーSのほうがもちろん上ですが、パワーフィールや乗り心地などのバランスはクーパーの方が一枚上手な印象を受けます。

それに、オープン時は「飛ばす」よりも「流す」方が楽しく感じられますから、コンバーチブルならではの醍醐味を味わうならクーパーでしょう。

20160414BMW MINI Convertible_019

一方のクーパーSは、上り坂でもグイグイと速度を乗せていく痛快な走りが魅力で、コンバーチブルでも高速道路を使って頻繁にロングドライブを楽しむなら「S」の192ps/5000rpm、280Nm/1250-4600rpmというスペックは大きな強みになるはず。

20160414BMW MINI Convertible_034

カタログ燃費もクーパーが16.7km/L、クーパーSが16.3km/Lとほとんど差がなく、走らせ方次第でリカバリーできますから、上記のような乗り方が多く、予算が許せばダイナミックな走りが美点のクーパーSを躊躇なく選択したいところです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

【関連記事】

■新型MINIコンバーチブルは数少ないコンパクト4シーターモデル
http://clicccar.com/2016/05/22/372908/

■新型MINIコンバーチブルの装備、居住性、積載性はどうか?
http://clicccar.com/?p=372920

新型MINIコンバーチブルの装備、居住性、積載性はどうか?

3代目にスイッチした新型MINIコンバーチブル。ここでは進化のポイントをご紹介します。

20160414BMW MINI Convertible_060

電動ソフトトップは、30km/h以下なら走行中に開閉が可能で、要する時間は約18秒。急な雨でも制限速度以下なら屋根を閉じることができますし、どれくらいの待ち時間になるか分かっている信号なら屋根を開け放つことも可能です。

装備では、歩行者検知機能付前車接近警告、衝突被害軽減ブレーキをはじめ、アクティブクルーズコントロール、ヘッドアップディスプレイのほか、万一の転倒時にロールオーバー・プロテクションなどの最新装備を用意。

20160414BMW MINI Convertible_040 (1)20160414BMW MINI Convertible_043

4シーターとはいっても乗車するのは2人までというケースが多いと思われますが、後席は先代よりも横方向が約30mm、足元スペースが約40mm拡大しているそう。

背もたれはやや直立気味なのは仕方ないところにしても、小柄な方なら意外と座れてしまうかもしれません。なお、身長171cmの私だと近所のファミレスや駅の送迎程度なら許容できるかなというのが正直なところ。

20160414BMW MINI Convertible_03620160414BMW MINI Convertible_03720160414BMW MINI Convertible_038

荷室容量も拡大していて、先代よりも40Lアップし、通常時は215L、オープン時は160L。また、スルーローディングシステムの開口部も拡大することで使い勝手も向上。幌を閉じた状態でも大きくトランクリッドが開くのが便利に感じます。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

【関連記事】

■新型MINIコンバーチブルは数少ないコンパクト4シーターモデル
http://clicccar.com/?p=372908

新型MINIコンバーチブルは数少ないコンパクト4シーターモデル

BMW製の現行MINIに乗っている人の中にもオリジナル・ミニに憧れている方もいると思いますが、大半はBMWというブランドへの信頼、性能を評価して最終的に選択しているのではないでしょうか?

20160414BMW MINI Convertible_051

もちろん、ほかとは違うデザインや走りなども大きな決め手になっていると思われますが、いまや基本となる3ドア、5ドアをはじめ、クラブマン、クロスオーバー、ペースマンのほか、ジョン・クーパー・ワークスなど多彩な仕様があり、多様なニーズに応えるMINIファミリーが構築されています。

新型に移行したMINIコンバーチブルは、2015年の東京モーターショーでワールドプレミアされたモデル。04年の初代、09年の2代目に続く3代目。

20160414BMW MINI Convertible_040

4シーターの小型コンバーチブルモデルはいまや貴重な存在で、フィアット500C(全長3570×全幅1625×全高1515mm)が最もコンパクト。ただし、セミオープンという屋根の開き方からするとコンバーチブルといいきっていいのか微妙なところ(車名のCにはキャンバストップやコンバーチブル、カブリオレの意味も込められていますが)。

やや大きめなところでは、VWのザ・ビートル・カブリオレ(4270×1815×1485mm)やBMW2シリーズカブリオレ(4440×1775×1415mm)くらいでしょうか。

20160414BMW MINI Convertible_032

さて、短時間なら大人がなんとか乗れてコンパクトとなると、MINIコンバーチブルが最初に頭に浮かぶわけですが、新型は全長3835×全幅1725×全高1415mmと、日本の狭い住宅街などでも取り回ししやすく、駐車しやすくなっています。

20160414BMW MINI Convertible_02720160414BMW MINI Convertible_033

デビュー時に用意されているのは、1.5Lの直列3気筒ターボを積む「MINI Cooper Convertible」、2.0Lの直列4気筒ターボを搭載する「MINI Cooper S Convertible」、同じく2.0Lの直列4気筒ターボの「MINI John Cooper Works Convertible」の3モデルで、いずれも6ATのみ。

20160414BMW MINI Convertible_04120160414BMW MINI Convertible_042

価格はクーパーが342万円、クーパーSが397万円、ジョン・クーパー・ワークスが483万円となっています。

(文/塚田勝弘・ 写真/前田惠介)