Motor Fan's YEAR 2016

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GT300チャンピオンVivaC 86 MC。最終戦優勝の瞬間、ピットは号泣!【SUPER GT2016】

2016年度のSUPER GT、GT300クラスでチャンピオンとなったVivaC 86 MC。

J SportsでSUPER GTの解説をするカーデザイナーの由良拓也氏が敬意をもって「アルミとリベット、パテで出来たクルマ」というほど、独自でなおかつ低予算で開発、改良を重ねてきたこのマシンは、ドライバーでエンジニアの土屋武士さんいわく「町工場の意地と魂のかたまり」。

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マザーシャーシ1年目で実戦開発をして、2年目の今年でチャンピオンを獲るという目標を掲げたチームは、1年目の昨年にすでにSUGO戦で優勝という快挙を遂げていましたが、土屋武士さんは「まさか本当に目標どおりチャンピオンになるとは思わなかった」とパルクフェルメのインタビューでも答えているほど、今から思えば順調過ぎる今年の成績。

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そして松井孝允選手の目覚しい成長も今年のトピックといえるでしょう。全日本F3選手権Nクラスに自費でスポット参戦し富士の2戦でポールtoウィンを決めたことは成長に大きく影響していることだと思います。今年の予選ではQ2のほとんどを松井選手が担当し、SUGOとタイではポールポジションを獲得。タイでは今季初優勝をポールtoウィンで飾っています。

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タイでの優勝でランキングトップに返り咲いたVivaC 86 MC。最終第8戦のもてぎでも磐石な体制かと思いきや、ライバルとのポイント差は僅差。特にポールポジションのプリウスが優勝した場合は4位以内でチェッカーをくぐらないとチャンピオンがないという状況で楽観はできません。

250kmという短いレース距離のために、多くのチームがタイヤ無交換作戦を実行するという予想を立てた土屋武士さんは、チームもタイヤ無交換でレースを進めるためにグリッド上でタイヤの内圧を下げるというギャンブルに出ます。

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そのために序盤はタイヤの内圧が上がりきらずに6〜7位という苦しいポジションでのレース展開となってしまいます。土屋選手がパルクフェルメのインタビューで語っていた「いろいろやってたから」というのは、この内圧の上がらないタイヤでできるだけペースを落とさずに走るという、とんでもない荒業をやっていたということなのです。

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そして14周目になるとドライバー交代の準備を終えた松井選手がピットロードに現れます。

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緊迫した打ち合わせがチームスタッフと土屋春雄監督の間で、ギリギリまで交わされます。

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そしてピットイン。タイヤ交換は行われず、給油とドライバー交代のみ。その時間はなんと20秒切り!

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走行を終えた土屋選手はヘルメットも取らずにモニターを食い入るように見入っています。

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アウトラップでLEON AMG GT3を仕留めた松井選手はペースアップの猛プッシュ。同じくタイヤ無交換でコースに戻ったPURIUSを猛追します。

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そして34周目、ついにPURIUSをとらえた松井選手。

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34周目のV字コーナーでPURIUSを抜き去りトップに躍り出ます。

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あとは無事にトップでチェッカーをくぐることだけを願うピット。

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いよいよファイナルラップ。この1周が第8戦、そして今年のシーズンとしてのファイナルラップ。これで全てが決まることを思えば、チームにとって一番長い周になっていることでしょう。

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そしてゴールの瞬間!万感の思いが駆け巡ったのか、土屋選手は目頭を押さえて涙を流します。

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父である春雄監督が土屋選手を抱き寄せ、ともに涙を流すという感動シーン。

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やっとピットウォールを出た土屋選手はスタッフらとも抱き合い、チャンピオンの喜びをかみ締めて行きます。

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レースクイーンの皆さんも喜びの「イチバン」!

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シーズンチャンピオンを最終戦優勝という最高のカタチで決めたVivaC 86 MCとVivaC team TSUCHIYA。土屋エンジニアリングとしては1998年のJGTC GT300チャンピオン以来、土屋武士選手にとっては初のチャンピオン獲得となります。

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そして土屋武士さんはSUPER GTのメインドライバーとしてのラストランを優勝、チャンピオンで締めくくったことになります。

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来期は若手起用でよりパワーアップを目指すVivaC team TSUCHIYA。チャンピオンをバネに、いっそうの飛躍を期待します。

(写真・文:松永和浩)

大混戦のGT300。最終戦を制したVivaC 86 MCがチャンピオンに!【SUPER GT2016】

Audi R8 LMSが初優勝を果たした第3戦から一夜明けた翌日の11月13日、ツインリンクもてぎで予選・決勝を開催したSUPER GT最終戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL」。

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予選トップは31号車TOYOTA PRIUS apr GT。コースレコードでの予選トップとなりますが、ドライ路面かつ路面温度が低い朝一番の予選とあって、12番手までが昨年のコースレコードよりも速いタイムを出すというハイスピードな予選となりました。

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チャンピオン争いで25号車VivaC 86 MCを追う立場の筆頭と目されていた3号車B-MAX NDDP GT-Rは予選14番手と振るわず、チャンピオンからは遠いところからのスタートとなってしまいます。

チャンピオン争いのかかるライバルたち。ランキングトップのVivaC 86 MCの前にいるのは、ポールポジションを取ったことで12ポイント差まで近づいた31号車TOYOTA PRIUS apr GT。もしPURIUSが優勝した場合、VivaC 86 MCは4位までに入っていないとチャンピオンにはなりません。VivaC 86 MCの前はPURIUS以外全てFIA GT3車両。前日の第3戦も見てもGT3車両が圧倒的に有利に見えるのは否めません。

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白バイ先導のパレードランから始まりフォーメーションラップの後、13時37分に最終戦の火蓋が切って落とされました。

ポールポジションからスタートしたPURIUSは好調にスタート。予選3番手までは順位をそのままにオープニングラップを周回します。しかし予選順位4番手以降は大きく順位が変動。4番手だった9号車GULF NAC PORSCHE 911が5番手だった4号車グッドスマイル 初音ミク AMGに、予選6番手だった25号車VivaC 86 MCが7番手だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORTにそれぞれ抜かれてしまいます。スタート直後に第1コーナーが迫るためにイン側の偶数グリッド有利という「もてぎセオリー」が発揮された中段のスタート風景。

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ここまで順位を落としてしまったVivaC 86 MCにチャンピオンの目はあるのでしょうか?

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トップを走るPURIUSに対抗するためか、15周目という早い段階でピットインしタイヤを交換する65号車LEON CVSTOS AMG-GT。しかし同じタイミングで入ってきたVivaC 86 MCはタイヤ無交換でピットタイム19秒7! LEONの背後にぴったりと張り付きながらピットアウト。

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そしてアウトラップの第3コーナーで、タイヤ無交換を敢行したVivaC 86 MCは新品タイヤでまだ温まっていないLEONをイン側から刺し抜き去っていきます。これで実質の2位浮上。

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その翌周にはPURIUSもピットイン。実質トップをキープするためにPURIUSもタイヤ無交換を敢行するというギリギリの戦いとなりました。

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しかしPURIUSがピットアウトした瞬間、その背後で最終コーナーを立ち上がるVivaC。ペースは明らかにVivaCの方が速い。PURIUSのタイヤ無交換は失敗だったようです…

ペースを上げたいPURIUSにVivaCはドンドンと差を詰めていき、34周目のV字コーナーでVivaCはPURIUSの前に出た!

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そこからはVivaC松井孝允劇場。背後のPURIUSはタイヤが苦しく、ついていくのが精一杯。2〜3秒差のポジションにとどまっています。

しかし、ラスト4周からVivaCもタイヤが苦しくなってきたようで、PURIUSが背後から迫ってきました。ここからが松井選手の腕の見せ所。お互いに苦しいタイヤを駆使しながらのトップ2台のバトル。しかしPURIUSをギリギリで寄せ付けないVivaCのドライブに松井選手の大いなる成長を見た気がします。

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そしてチェッカーフラッグをGT300で最初に通過したVivaC 86 MC。優勝でチャンピオンという、王道を極めたカタチでキメてくれました。

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マザーシャーシ初勝利を昨年のSUGOで達成。そして今年はマザーシャーシ初のチャンピオンという快挙を飾ったVivaC 86 MCとVivaC Team TSUCHIYA。

そしてこのレースが土屋武士選手のSUPER GTラストランともなります(第3ドライバー登録はするとのことですが)。

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3位には4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが開幕戦岡山以来の表彰台となりました。

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今年の激戦ぶりを象徴するような最終戦。ここまで劇的なチャンピオン争いは、近年まれにみる戦いだったと思います。

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来シーズンも熱い戦いを期待します。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

第3戦の代換レース、GT300クラスはAudiが初勝利!【SUPER GT2016】

11月12日にツインリンクもてぎ予選、決勝の両方を開催した2016 AUTOBACS SUPER GT Round3。熊本地震の復興支援大会と位置づけられたこのレースは、4月14日から頻発した熊本地震により開催できなくなった第3戦の代換としてこの日に開催されたもの。

本来はSUPER GT最終戦の日程に第3戦を開催させるということで12日、13日ともに予選と250kmの決勝レースという過酷なスケジュールとなりました。

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この第3戦のポールポジションは11号車 GAINER TANAX AMG GT3。日ごろSUPER GTでなじみのあるノックダウン方式ではなくドライバー1人による一発勝負。一発勝負ならではの駆け引き一切なしな走りは普段とは違った凄みを感じさせるものでした。

そんな一発勝負の予選でポールポジションを得たビヨン・ビルドハイム選手のGAINER TANAX AMG GT3は雨は上がったものの、朝一の冷えた空気で路面が乾かないウェットの残る路面でたった一台だけの1分54秒台はお見事。

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そのGAINER TANAX AMG GT3、ビルドハイム選手が好スタートで2位の21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS以下をグイグイと引き離していきます。SLS時代はもてぎ最強といわれたメルセデス、AMG GT3になってもそれは健在なのか?という印象を与えます。

このオープニングラップでは次々と順位が変わっていきます。予選3番手だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが4番手の31号車TOYOTA PRIUS apr GTにかわされ4位に落ち、7番手だった25号車VivaC 86 MCが6位に、そして12番手だった2号車シンティアム アップル ロータスが大きくジャンプアップして10位となります。

このまま順調にレースが進んでいくかのように見えた2周目、ファーストアンダーブリッジで7号車Studie BMW M6と5号車マッハ車検 MC86が接触。マッハ車検 MC86はコース上で停止してしまいます。そのすぐ後、今度はセカンドアンダーブリッジで55号車ARTA BMW M6 GT3がフロント部分を失うほどの大クラッシュ!これをうけてセイフティーカーが導入されることになってしまいました。

今回のセーフティーカー導入では、通常の導入時にあるのようなクラスごと順位順の整列は行われません。理由としてはまだGT500がGT300を追い抜いておらず、車両が順位の通りに走行していたから、だということです。

セカンドアンダーブリッジの飛び散った飛散物の処理に時間がかかり、ほぼ4周となったセーフティーカーラン。再スタートは7周終了時点。この再スタート時でもGAINER TANAX AMG GT3はHitotsuyama Audi R8 LMSを引き離していきます。

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そしてHitotsuyama Audi R8 LMSにはの31号車TOYOTA PRIUS apr GTがにじり寄るという展開。その背後のSUBARU BRZ R&D SPORTには0号車 GAINER TANAX GT-Rが迫るなど、またしても順位変動の予感。

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16周目には早くもピットインをするチームが出始めます。24周目にGAINER TANAX AMG GT3がピットインでタイヤ無交換。25周目にはHitotsuyama Audi R8 LMSが入ります。こちらもタイヤ無交換。ただしピット作業はHitotsuyama Audi R8 LMSのほうが早かったようで、なんとGAINER TANAX AMG GT3の前でコース復帰!これで順位が入れ替わります。

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ともにダンロップタイヤを履くGAINER TANAX AMG GT3とHitotsuyama Audi R8 LMS。ピット作業でのちょっとした差が順位の変動を生んだようです。

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GAINER TANAX AMG GT3にとってタイヤ無交換作戦は失敗に終わった感が否めず、後続の88号車マネパ ランボルギーニ GT3にも2位の座を明け渡して3位に後退。

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そのすぐあとには33号車Excellence Porscheにも抜かれてしまうなど、勝負権を失ってしまうのです。

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この時点で1位のHitotsuyama Audi R8 LMSと2位のマネパ ランボルギーニ GT3はタイヤ無交換。3位に浮上してきたExcellence Porscheはタイヤ交換しての安定感から上位陣にチャージをかけ、ファイナルラップの1コーナーでマネパ ランボルギーニ GT3を抜いて2位へ。

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しかし、Hitotsuyama Audi R8 LMSは強かった。Excellence Porscheはファイナルラップ中に追いつくことができず、ファーストチェッカーはHitotsuyama Audi R8 LMSがうけることになりました。

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Hitotsuyama Audi R8 LMSというよりもAudiがSUPER GTで優勝したのは、このレースが初めて。技、力、運の全てが揃った初優勝といえるでしょう。

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この優勝でHitotsuyama Audi R8 LMSはポイントランキングで2位の3号車B-MAX NDDP GT-Rと同点に躍り出ます。

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ランキングトップのVivaC 86 MCは7位。ポイントを再び積んだとはいえ、今回優勝したHitotsuyama Audi R8 LMSや同点のB-MAX NDDP GT-Rとの点差は9ポイント。これでシリーズチャンピオンの行方が全くわからなくなりました。

チャンピオン決定は翌日の最終戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL」に持ち越されることとなりました。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

ドッグファイト!第5戦富士GT300はBMW vs アウディの超接近バトルが展開【SUPER GT 2016】

8月7日、 富士スピードウェイでSUPER GT第5戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 300km RACE」の決勝が行なわれました。

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午後2時35分に静岡県警の白バイとパトロールカーがGTマシンを従えパレードランが行われ、2時42分に33,500人という大観衆が見守る中、ローリングによる決勝レースがスタート。

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ポールポジションからスタートの55番 ARTA BMW M6 GT3が絶好調のスタートを見せホールショットを決めますが、2番手スタートの21番 Hitotsuyama Audi R8 LMSもガッツリと後を追いかけます。

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3番手スタートだった51番 JMS LMcorsa 488 GT3は2周目以降じりじりと後退し、4周目で61 番SUBARU BRZ R&D SPORTが前へ。3番手に上ります。

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5周目からARTA BMW M6 GT3、Hitotsuyama Audi R8 LMSの激しいバトルが延々と続き、Hitotsuyama Audi R8 LMSはTGRコーナー(第1コーナー)で何度も抜きにかかりますが、そこを踏ん張るARTA BMW M6 GT3。Hitotsuyama Audi R8 LMSはなかなか前へ出られません。

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そのバトルに、いよいよSUBARU BRZ R&D SPORTが追いついてきて、いよいよ三つ巴のバトルか?という矢先の16周目にセーフティーカーが導入され、上位3台のバトルに水が差されることになりました。あわせて、この3台とそれ以降に開いた大きなアドヴァンテージも帳消しに。

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21周目でレースが再開されると、ARTA BMW M6 GT3、Hitotsuyama Audi R8 LMSの2台は群を抜いての速さを見せます。好調なリスタートのARTA BMW M6 GT3に逃さず食いつくHitotsuyama Audi R8 LMS。遅れてSUBARU BRZ R&D SPORTが後を追います。

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29周目でHitotsuyama Audi R8 LMSがピットイン。先にピットを終わらせてARTA BMW M6 GT3がピットに入っている間にトップに立ってしまおうという作戦か?

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ここで30周目にARTA BMW M6 GT3がピットイン。ピットタイム36秒6という速さで作業を終えるとコースへ復帰。見事にHitotsuyama Audi R8 LMSの前でのアウトラップに成功します。

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ピット作戦でARTA BMW M6 GT3にわずかに及ばなかったHitotsuyama Audi R8 LMS。しかし終盤にARTA BMW M6 GT3がペースを落としつつあったことでギャップがどんどん詰まって行き、残り5周で2秒を切るほどに接近します。

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しかしHitotsuyama Audi R8 LMSの接近に最後の力を振り絞って抗うARTA BMW M6 GT3。並びかかけられても見事にかわしてトップを死守!

ラストラップの最終コーナー、リチャード・ライアンのHitotsuyama Audi R8 LMSは小林のARTA BMW M6 GT3のスリップストリームにガッツリと入り込むと、最後の最後で勝負を仕掛け並びかけます。しかし追い抜くよりも早くコントロールラインがやってきて、先にラインを踏んだのはARTA BMW M6 GT3。

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0.106秒差でARTA BMW M6 GT3が優勝を果たしました。

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2位はHitotsuyama Audi R8 LMS。アウデとしてはSUPER GT参戦以来の最上位でのフィニッシュとなります。

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3位はSUBARU BRZ R&D SPORT。SUGOに続いての連続表彰台。

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4位はマネパ ランボルギーニ GT3。

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5位にはグッドスマイル 初音ミク AMG。初音ミクとしては今期最上位。1戦毎に順位を上げてきていますので、鈴鹿戦では台風の目になるかもしれません。

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前戦SUGOでは表彰台に一台もいなかったGT3勢。ここ富士では2台が表彰台に上り、SUBARUとUPGARAGE以外のポイント獲得はGT3勢ということで、GT3勢復活の狼煙が上がったかのように見えました。

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次戦はボーナスポイントのつく鈴鹿での1000kmレース。ARTAはかなり重いウェイトを積んでの参戦になります。まだまだシリーズの行方がわからないSUPER GTのGT300クラス。

次戦の鈴鹿はよりいっそう面白い展開になりそうです。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

【SUPER GT2016】大混戦のGT300。86、ランボを抑えて勝ったのはプリウス!

7月23〜24日にスポーツランドSUGOで開催された「2016 AUTOBACS SUPER GT Round4 SUGO GT 300km RACE」。GT300クラスもめまぐるしく順位が入れ替わる激しい戦いが展開されました。

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7月24日の朝のフリー走行までウェットコンディションでしたが、ウォームアップ走行では完全にドライ路面。グリッドに並ぶときには全車スリックタイヤを装着しています。

そして決勝。ポールポジションの25番 VivaC 86 MC 土屋武士選手がホールショットを獲りますが、2番手には予選3位だった61番 SUBARU BRZ R&D SPORT 山内英輝選手が素晴らしいスタートを決め、 31番 TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨宏紀選手を抜き去り第2コーナー立ち上がりでは2位に浮上します。

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トップで先行するVivaC 86 MCとSUBARU BRZ R&D SPORTの差は徐々に開いていきます。そして3番手を走行する31番 TOYOTA PRIUS apr GTの背後には11番GAINER TANAX AMG GT3 ビヨン・ビルドハイム選手が迫ります。

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順風満帆に見えたVivaC 86 MCですが、GT300の25周目の最終コーナーで5番マッハ車検 MC86 山下潤一郎選手がクラッシュ。セーフティーカーの導入となり、VivaC 86 MCが築き上げた8秒のアドヴァンテージが振り出しに戻ってしまいます。

今年からセーフティーカー導入時のピットインが制限されていますが、タイミング的には各チームとも通常のピットインをするタイミングではなかったために混乱は免れました。

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レースが再開されたのが30周目、ピットオープンは29周目となり、まず4位まで順位を下げてしまった31番 TOYOTA PRIUS apr GTと7位だった7位の4番 グッドスマイル 初音ミク AMGが早めのピットイン。PRIUSは中山雄一選手に、初音ミクは谷口信輝選手にチェンジ。

そして30周目にはSUBARU BRZ R&D SPORTがピットイン。続いて31周目にトップだったVivaC 86 MCが入ります。BRZは井口卓人選手に、VivaC 86 MCは松井孝允にチェンジ。

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このピットインでVivaC 86 MCは左側のタイヤのみを交換で作業時間を短縮。しかしそれ以上に勝負に出たのが88番マネパ ランボルギーニ GT3で、織戸学選手にチェンジする際、タイヤ無交換作戦に出ます。これが功を奏してか、全車が規定のピットインを終わらせる頃にはトップに立っていたのです。

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2番手には18番 UPGARAGE BANDOH 86 山田真之亮選手がきますが、マネパランボルギーニとの差は7秒以上。そのUPGARAGEに噛み付いたのがVivaC 86 MC。

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その後も31番PRIUSに抜かれ、徐々に順位を落としていきます。

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そしてタイヤの消耗で若干ペースの鈍ったマネパランボルギーニにVivaC 86 MCとPRIUSが迫り、3台が絡んだトップ争いを展開。しかしタイヤが消耗したからといっても、そこは織戸学選手。そうやすやすとはトップを譲りません。

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マネパランボルギーニの織戸選手とVivaC 86 MCの松井選手のデッドヒートにGT500マシンが絡んできたちょっとした瞬間、62周目のハイポイントでPRIUSの中山選手がVivaC 86 MCに勝負をかけ2位に浮上。

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そして63周目でマネパランボルギーニも抜き去りトップに躍り出ます。

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そして激しい攻防の末、VivaC 86 MCの松井選手はマネパランボルギーニを攻略し、再び2位に浮上。マネパランボルギーニはこのあたりでタイヤが尽きてしまったのか、その後もずるずると順位を落としていきます。

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VivaC 86 MCが2位に浮上したその背後には、3位に上がってきたSUBARU BRZ R&D SPORTとGAINER TANAX AMG GT3が激しい追い上げを見せて迫ります。

このまま2位争いにもつれ込むのか?という、71周目の最終コーナーで8番手まで落ちていた UPGARAGE BANDOH 86が最終コーナーでクラッシュ!激しくスポンジバリアを蹴散らし、修復のために赤旗が掲示され、その段階でレースが終了となります。

悲喜こもごものレース終了となったが、これもSUGOの魔物の仕業なのでしょうか。

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優勝は31番 TOYOTA PRIUS apr GT 、2位にVivaC 86 MC、3位にSUBARU BRZ R&D SPORTとなり、JAF GT勢が表彰台を独占するカタチとなりました。

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ここまでノーポイントだった31番 TOYOTA PRIUS apr GTが20ポイント獲得で一気にドライバーポイントランキング3位に浮上。

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2位となったVivaC 86 MCはドライバーポイントランキング首位となり、チャンピオン争いも面白くなってきています。

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次戦は8月6〜7日の富士スピードウェイ「2016 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 300km RACE」。真夏の300kmはドラマの多いレースとなるでしょう。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

【SUPER GT2016】500も300もGT-R!GT300はドラマチックなGT-R NISMO GT3の復活劇。

5月3日に決勝が行われたSUPER GT第2戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 500km RACE」。

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入場者数は5万人を超える大盛況の中、午後2時頃の決勝スタートとなります。

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GT300のポールポジションはゼッケン55のARTA BMW M6 GT3。コースレコードとなる1分35秒707という驚愕のタイムでの堂々のポールポジション。

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続く2番手は前戦岡山でポールポジションを獲得したゼッケン25のVivaC 86 MC。0.2秒差という僅差で惜しくも2番手スタート。そして今年からボディーが新型となったゼッケン31のTOYOTA PRIUS apr GTが3番手からのスタート。

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今回の第2戦富士では500kmという長丁場のために、ドライバーチェンジを伴うピットイン義務が2回となり、また1回のスティントが300kmや250kmのレースよりも長くなってくるために、他のレースと作戦の立て方が違ってくるところも見どころとなっています。

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序盤にレースをリードしたのはARTA BMW M6 GT3。しかし、スタート直後のコカコーラコーナまでにはゼッケン7のStudie BMW M6とTOYOTA PRIUS apr GTがVivaC 86 MCをパス、Studie BMW M6は3番手に浮上。

2周目のコントロールラインは55、31、7の順で通過しますが、その周のTGRコーナー(第1コーナー)から2コーナーまでにStudie BMW M6がTOYOTA PRIUS apr GTをパス!コカコーラーコーナーをARTA、StudieのBMW M6 GT3が1,2で通過します。

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磐石に見えたBMW M6 GT3体制でしたが、10周に満たないうちにStudie BMW M6がペースダウン。14周目でイレギュラーのピットイン。

原因はパワステトラブル。修復してレースに復帰しますが、上位争いには参加できないポジションとなってしまいました。

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Studie BMW M6が抜けたのち、TOYOTA PRIUS apr GTと、徐々に追い上げてきたゼッケン3のB-MAX NDDP GT-Rが2位争いを展開。そのおかげもあってARTA BMW M6 GT3が2位とのアドバンテージを6秒以上に広げて29周目でピットイン。

ただ、パワーで押すARTA BMW M6 GT3は燃費がかなり悪いのか、給油に思いのほか時間がかかり1分6秒以上のピットストップ。

TOYOTA PRIUS apr GTはピットワークでARTA BMW M6 GT3の前に出ますが、アウトラップでオーバーラン、その周で再び緊急のピットイン。

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そしてB-MAX NDDP GT-Rはピットタイム52秒ほどと、ARTA BMW M6 GT3より14秒早く、というよりもARTA BMW M6 GT3の遅いピットタイムが尾を引いて、B-MAX NDDP GT-Rが前へ出ます。

徐々に差を開こうとするB-MAX NDDP GT-Rに、パワーで追いつこうとするARTA BMW M6 GT3。この2台の攻防の最中に壮絶なドラマが起こります。

GT500クラスで72週目、GT300クラスでは68周目に、GT500クラス ゼッケン100のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTがトヨペット100Rコーナーでバースト!剥がれたタイヤがボディカウルの後ろ半分を吹き飛ばすという壮絶さ。

砕けたパーツはヨペット100RコーナーからヘアピンのADVANコーナーにまで撒き散らされることになり、その除去のためにセーフティーカー(SC)が導入されたのです。

B-MAX NDDP GT-Rがトップ、ARTA BMW M6 GT3が2番手のオーダーは変わりませんが、SC導入のおかげでその後ろにはゼッケン88のマネパ ランボルギーニ GT3、ゼッケン51 のJMS LMcorsa 488 GT3、ゼッケン18の UPGARAGE BANDOH 86、そしてVivaC 86 MCまでが同一周回の隊列を組むことになってしまいます。

GT300の70周目にレースが再開されると、タイミング的には2度目のピットイン。SCがピットインすると、それに続くかのように各車ピットイン。その混雑を避けるかのようにB-MAX NDDP GT-Rは73周目にピットインし、タイムロスを最小に留めます。その間に暫定トップはVivaC 86 MC。

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B-MAX NDDP GT-Rに約1分のアドバンテージを持ってVivaC 86 MCも77周目に最後のピットイン。

ここでチームは奇策に出ます。なんとタイヤ無交換でピット時間を短縮!ギリギリ1位でピットアウトか?と思われた直前をB-MAX NDDP GT-Rが通過。5秒以上の差で2位でピットアウト。

しかし2位も安定ではありません。その背後には怪物の加速力を持ったARTA BMW M6 GT3が迫ってきます。しかしいかにストレートが早いARTA BMW M6 GT3でも、そう易々とはVivaC 86 MCは抜かせてくれません。

コーナーは若干VivaC 86 MCの方が有利な様子ですが、松井選手のVivaC 86 MCがARTA BMW M6 GT3のスリップストリーム作戦を絶妙にかわす逃げを見せ、ストレートで抜かれるのを阻止。コカコーラコーナーからは最終コーナーまではVivaC 86 MC有利の展開で粘ります。

しかし、89周でタイヤが尽きたか、コカコーラコーナーでARTA BMW M6 GT3に先行を許してしまいます。

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そしてチェッカー!B-MAX NDDP GT-Rが波乱の500kmレースを制して見事優勝!GT500クラスもゼッケン1のMOTUL AUTECH GT-Rが優勝。今季初のGT-R2クラス制覇です。

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ARTA BMW M6 GT3は3.7秒及ばずの2位。そして3位はVivaC 86 MCが入りました。

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4位にはゼッケン18のUPGARAGE BANDOH 86、5位には昨年のチャンピオンマシンであるゼッケン0のGAINER TANAX GT-R、6位には初戦岡山からいい位置につけるゼッケン51のJMS LMcorsa 488 GT3が入りました。

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そして、もう一つのトピックは2013年の開幕戦以来3年ぶりのポイントゲットとなったDIJON RACINGのゼッケン48 DIJON Racing GT-R。

入賞の顔ぶれも開幕戦とは全く変わったSUPER GTはやはり今年も大波乱の様相です。次戦は地震の影響でオートポリス戦が延期となったため、7月23〜24日のスポーツランドSUGOとなります。

魔物が棲むと云われるSUGOではどんなレースが観られるのでしょうか。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

【SUPER GT2016】開幕戦岡山のZFベストメカニック賞は「VivaC team TSUCHIYA」

SUPER GT開幕の岡山戦でポールポジションを奪ったVivaC 86 MC。

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予選Q1ではトップタイムを61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝選手に譲ったものの、Q2では土屋武士選手が1分25秒586というコースレコードでポールポジションをゲットしました。

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予選Q2では実に7台が過去のコースレコードを破るという熾烈な争いの中でのポールポジション。喜びもひとしおだといえるでしょう。

しかし、このポールポジションはもっと深い意味を持ってチームにはとらえられていたようです。

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3月20日のSUPER GT岡山公式テストで、VivaC 86 MCはクラッシュ。マシンにかなりのダメージを負い、大方の予想ではその翌週の富士テストはおろか、修復は開幕戦にも間に合わないのではないかと思われていたのです。

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しかし、チームはほぼ毎日の徹夜作業で富士テストの最終日までにマシンを復旧させ、富士テストではセッティングのヒントを見つけるまでに至っていたのです。

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そんな状況からのポールポジション。このタイムを叩き出した土屋武士選手の喜びを噛みしめた表情も納得できます。

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そのマシンを修復し復旧させたメカニックの方々への努力の成果がポールポジションに結びついたとして、岡山戦でのZF AWARDベストメカニック賞はVivaC team TSUCHIYAに贈られました。

SUPER GTではメカニックの力も大きく、レースのすべてに影響します。そのメカニックの方々に贈られるのがZF AWARDベストメカニック賞。

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これを受賞することは、チームの総合力を評価されたといっても過言ではありません。

(写真・文:松永和浩)

【SUPER GT2016】開幕戦岡山、GT300はAMG GT3が1,2フィニッシュ!

いよいよ開幕となったSUPER GT。4月9,10日の岡山国際サーキットで開催された「2016 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」からスタートした。

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今年初めてのポールポジションをゲットしたのはVivaC team TSUCHIYAのマザーシャーシマシン、25号車VivaC 86 MC。

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3月20日の岡山公式テストでクラッシュしながら、翌週の富士テストの2日目に修復がギリギリ間に合うというミラクルを見せ、ここ岡山の開幕戦でクラッシュをリベンジするかのようなポールポジションは見事!

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しかし、そこに続く予選2位は65号車LEON CVSTOS AMG-GT、3位は7号車Studie BMW M6とFIA-GT3勢が続きます。その後にはJAF-GTの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。

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今年のGT300クラス、特にFIA-GT3では新型車のデビューラッシュ。

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前述のメルセデスAMG GT3が4台、BMW M6 GT3が2台、Audi R8-LMSが2台、Porsche 911 GT3 Rが2台、Lamborghini HURACAN GT3が4台、そしてFerrari 488 GT3と、エントリーの半数以上である15台が新型車となっています。

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4月10日、白バイ先導によるパレードランの後、14時45分に決勝レースがスタート。ポールポジションからスタートしたVivaC 86 MCがトップのままオープニングラップを通過。2位以下もほぼ動きの無いまま6周目近くまで非常に近い接近戦を繰り広げます。

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16周あたりでまず中盤グループに異変が起こります。4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが55号車ARTA M6を抜き去り7位に順位を上げます。その後徐々に順位を上げていきSUBARU BRZ R&D SPORTも抜き去ります。

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トップ集団は熾烈な争いの中、LEON CVSTOS AMG-GTの黒澤治樹選手はVivaC 86 MCの土屋武士選手を抜ききることが出来ず31周目に、VivaC 86 MCより先にピットイン、ドライバーを蒲生尚弥選手に交替。その翌周にはVivaC 86 MCもピットイン、ドライバーは松井孝允選手にチェンジ。

給油時間の短さが功を奏してピットアウト時にはLEON CVSTOS AMG-GTの前に出ることができ、実質的な順位に変更の無いままアウトラップを走ります。

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しかし、そのアウトラップでLEON CVSTOS AMG-GTが急接近。蒲生選手のLEON CVSTOS AMG-GTはVivaC 86 MCを抜き去りトップに躍り出ます。

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その頃、ピットインのタイミングと谷口信輝選手の速さが見事にマッチングしたグッドスマイル 初音ミク AMGが気付けば3位に浮上。LEON CVSTOS AMG-GTに抜かれたVivaC 86 MCに容赦なく噛み付きます。そして43周目にグッドスマイル 初音ミク AMGは2位のポジション!

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そしてその後ろにはStudie BMW M6が迫り、ペースの上がらないVivaC 86 MCを抜き3位に浮上。

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猛追するグッドスマイル 初音ミク AMGを引き離す勢いで差を詰めさせないミスの無い走りに終始したLEON CVSTOS AMG-GTの蒲生選手。

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LEON CVSTOS AMG-GTは新型車メルセデスAMG GT3にとっても、そしてチームであるLEON RACINGにとっても初優勝という二つの意味を持つチェッカーフラッグを受けたのです。

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2位にはグッドスマイル 初音ミク AMG、3位はStudie BMW M6となり、ヨコハマタイヤが表彰台を独占。またベスト5はFIA-GT3の新型車両が独占するという、GT300新時代を予感させる結果となりました。

次戦はゴールデンウィークの5月3、4日、富士スピードウェイで開催されます。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

【SUPER GT2016】開幕戦岡山、GT300はAMG GT3が1,2フィニッシュ!

いよいよ開幕となったSUPER GT。4月9,10日の岡山国際サーキットで開催された「2016 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」からスタートした。

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今年初めてのポールポジションをゲットしたのはVivaC team TSUCHIYAのマザーシャーシマシン、25号車VivaC 86 MC。

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3月20日の岡山公式テストでクラッシュしながら、翌週の富士テストの2日目に修復がギリギリ間に合うというミラクルを見せ、ここ岡山の開幕戦でクラッシュをリベンジするかのようなポールポジションは見事!

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しかし、そこに続く予選2位は65号車LEON CVSTOS AMG-GT、3位は7号車Studie BMW M6とFIA-GT3勢が続きます。その後にはJAF-GTの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。

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今年のGT300クラス、特にFIA-GT3では新型車のデビューラッシュ。

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前述のメルセデスAMG GT3が4台、BMW M6 GT3が2台、Audi R8-LMSが2台、Porsche 911 GT3 Rが2台、Lamborghini HURACAN GT3が4台、そしてFerrari 488 GT3と、エントリーの半数以上である15台が新型車となっています。

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4月10日、白バイ先導によるパレードランの後、14時45分に決勝レースがスタート。ポールポジションからスタートしたVivaC 86 MCがトップのままオープニングラップを通過。2位以下もほぼ動きの無いまま6周目近くまで非常に近い接近戦を繰り広げます。

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16周あたりでまず中盤グループに異変が起こります。4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが55号車ARTA M6を抜き去り7位に順位を上げます。その後徐々に順位を上げていきSUBARU BRZ R&D SPORTも抜き去ります。

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トップ集団は熾烈な争いの中、LEON CVSTOS AMG-GTの黒澤治樹選手はVivaC 86 MCの土屋武士選手を抜ききることが出来ず31周目に、VivaC 86 MCより先にピットイン、ドライバーを蒲生尚弥選手に交替。その翌周にはVivaC 86 MCもピットイン、ドライバーは松井孝允選手にチェンジ。

給油時間の短さが功を奏してピットアウト時にはLEON CVSTOS AMG-GTの前に出ることができ、実質的な順位に変更の無いままアウトラップを走ります。

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しかし、そのアウトラップでLEON CVSTOS AMG-GTが急接近。蒲生選手のLEON CVSTOS AMG-GTはVivaC 86 MCを抜き去りトップに躍り出ます。

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その頃、ピットインのタイミングと谷口信輝選手の速さが見事にマッチングしたグッドスマイル 初音ミク AMGが気付けば3位に浮上。LEON CVSTOS AMG-GTに抜かれたVivaC 86 MCに容赦なく噛み付きます。そして43周目にグッドスマイル 初音ミク AMGは2位のポジション!

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そしてその後ろにはStudie BMW M6が迫り、ペースの上がらないVivaC 86 MCを抜き3位に浮上。

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猛追するグッドスマイル 初音ミク AMGを引き離す勢いで差を詰めさせないミスの無い走りに終始したLEON CVSTOS AMG-GTの蒲生選手。

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LEON CVSTOS AMG-GTは新型車メルセデスAMG GT3にとっても、そしてチームであるLEON RACINGにとっても初優勝という二つの意味を持つチェッカーフラッグを受けたのです。

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2位にはグッドスマイル 初音ミク AMG、3位はStudie BMW M6となり、ヨコハマタイヤが表彰台を独占。またベスト5はFIA-GT3の新型車両が独占するという、GT300新時代を予感させる結果となりました。

次戦はゴールデンウィークの5月3、4日、富士スピードウェイで開催されます。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)