Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

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モトチャンプ

ストリートからワインディング・サーキットまで。DIXCELからS660用のブレーキパッド&ディスクが登場!

S660用のブレーキパッド&ローターがDIXCELより登場しました。

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S660は、純正が前後ともソリッドローターのため、サーキット走行を重ねるユーザーは交換の頻度が増えているそうで、リリースの希望がディクセルに多数寄せられていたそうです。

ブレーキパッドでは、ストリート向けのM type、EC type(リアのみ)から、ワインディング&サーキット用でオールラウンドパフォーマンスパッドであるZ typeがラインアップ。

ブレーキローターでは、耐食性(防錆)を高めたススタンダードタイプのPD typeから、レースカーで数々の耐久マシンでもパフォーマンスを証明しているFP type、FS typeが用意されています。

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DIXCEL S660用ブレーキパーツ ブレーキパッド
年式 15/04〜
型式 JW5
前後 F R
品番 331 446 335 112
EC 6000
ES 6000
M 16000 16000
Z 22000 20000

DIXCEL S660用ブレーキパーツ ブレーキローター
年式 15/04〜
型式 JW5
前後 F R
品番 331 5115 335 5102
PD 16000 15000
SD 20000 19000
FP 24000 23000
FS 28000 27000

(ドレナビ編集部)

「ペダルの踏み間違い事故」が激減する!? 町工場から画期的なアイテムが登場!

最近耳にする機会が増えている高齢者による歩行者等への加害事故。

人は年齢を重ねるごとに老化が進み、反射神経や視力の衰えからくる対応能力の低下から、誰しもが常に危険と隣り合わせの状態にあります。

中でも「ペダルの踏み間違い」による事故は、年間6,000件を超える規模で発生しており、その多くがコンビニやショッピングセンターなどの駐車場内での発進・後退時に起きているそうです。

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MT車の場合、運転時に常にギアの選択や、頻繁なペダル操作が必要だけに、脳が活性化される傾向にありますが、AT車が主流の現在では運転が「安楽化」しており、その副作用として「うっかり」や「ボンヤリ」による事故が増える傾向にあるようです。

「ペダルの踏み間違い」による事故は、実は「踏み換え忘れ」により発生しているといいます。運転時にパニック状態に陥ると、アクセルからブレーキへの踏み換え操作が省かれ、ブレーキを強く踏んだつもりが、実際にはアクセルを強く踏み続けることになってしまうようです。

当然クルマは急加速しますが、ドライバーは意図しない加速が発生したと勘違いし、その恐怖から、さらにアクセルペダル(ブレーキのつもり)を踏み続けることに……

そこで重要になってくるのが、こうした操作ミスの未然防止。現状のAT車に何らかの工夫を施す必要性が高まっていることから、最近では低コストで後付けが可能な画期的な発明品が登場しています。

その一つがナンキ工業が開発した「STOPペダル」。

例えペダルを踏み間違えたとても、前進、後退のどちらの場合でもクルマが止まる仕組みで、同社ではこの開発品を100台ほど生産し、希望者に無料提供していくそうです。

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また、熊本県の町工場、ナルセ機材からはアクセルとブレーキを一体化した「ワンペダル」と称する発明品が登場しています。

ペダルの踏み換え操作を不要にしたもので、操作方法は至って簡単。

ぺダルを踏めばブレーキが作動、足を横にずらせばアクセルが作動し、アクセルONの状態でブレーキを踏めばアクセルが解除される仕組みになっています。

ペダルを踏む操作をブレーキに限定することで、踏み間違える可能性を排除したという訳です。

最近では20代のドライバーでもペダルの踏み間違い事故が多発しているそうで、もはやこうした対策の必要性は高齢者だけに留まらない状況。

究極の対策としてAI(人工知能)を使った「自動運転車」が研究される一方で、こうした身近で即効性が期待できる打開策が、自動車メーカー側から一刻も早く提案されることを望まずにはいられません。

Avanti Yasunori

【関連記事】

安倍首相、高齢ドライバーによる加害事故多発で対策指示!
http://clicccar.com/2016/11/17/417457/

高齢者の踏み間違い事故への救世主となるか?「ワンペダルフィーリング」
http://clicccar.com/2016/11/14/416892/

【関連リンク】

ナルセ機材有限会社「ワンペダル」
http://www.onepedal.co.jp/

ボッシュのバイク用ABSがカワサキとスズキの2車種に採用

自動車部品大手のボッシュは、同社の新型二輪車用アンチロックブレーキシステム「ABS10」が、カワサキVersys-X 300 ABSに量産車として初搭載され、続いて2018年モデルのスズキGSX-S125 ABSにも搭載される予定と発表しました。

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二輪車用アンチロックブレーキシステム(ABS)については、欧州連合(EC)が125cc以上の二輪車に搭載を義務付け、日本国内でも125cc以上の二輪車にABSの搭載が法制化されました。その他にも、米国、オーストラリア、ブラジル、インド、台湾で二輪車のABS搭載義務化が進行しています。今回のカワサキ・スズキ2メーカーのABS搭載は、これらの法制化に対応したものと見られます。

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二輪車用のABSは、1987年にBMWが「K100」で初めて搭載し、その後、1994年にボッシュが二輪車用ABSとなる「ABS2L1」を開発しました。

二輪車用ABSが難しいのは、ABSを搭載するスペースを確保することが困難であること、作動するときの「ガクガク」としたブレーキショックが二輪車では転倒につながってしまうことの2点です。

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ボッシュは、これらの二輪車用ABSの課題に対して改善を続け、1994年の「ABS2L1」では4.5kgだったABSの重量も、2011年の「ABS9」では0.7kgに軽量化されました。そして、今回の新型「ABS10」では重量が0.45kgになり、「ABS9」と比較して約30%の軽量化と、約45%の小型化が達成されています。

二輪車用ABSは元来特定の大型バイクのみに採用されていました。一方、50ccの原付バイクから大型バイクまでフルラインで車種を揃えている日本の大手二輪車メーカーでは、小型バイクに搭載しにくいABSに対して消極的な姿勢をとらざるを得ないという事情もありました。

ボッシュでは、世界の二輪車生産の90%を占める中国、インド、東南アジア諸国などのアジア地域でABSの普及を進め、インドネシアとタイだけでも、年間約2万1,000人にのぼる二輪車事故の死亡者数を減少させたい、としています。

そこで気になるのが、日本の二輪車メーカーのABSに対する取り組みです。当然ボッシュはABSのパテントを保有しており、ボッシュのパテントを回避したABSを日本の二輪車メーカーが開発するには、相当の困難が予想されます。

今後、日本の二輪車メーカーがABS搭載の義務化の流れを受けて、カワサキ・スズキの2社に続いて、ボッシュのABSを導入することになるのか、自社開発のABS搭載を目指すことになるのかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:ボッシュ)

独ランクセスの「テペックス」を使用したオールプラスチック製ブレーキペダルが全米プラスチック技術者協会で受賞

ドイツの特殊化学品大手・ランクセス(LANXESS)は、同社の「テペックス(TEPEXいずれも登録商標)」を使用したオールプラスチック製のブレーキペダルが、全米プラスチック技術者協会(SPE)主催の「Automotive Award(オートモーティブ・アワード)」・「ボディー内装」部門で最優秀賞を受賞したと発表しました。

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このブレーキペダルは、ランクセスとボーグ・エラストメタル社(BOGE Elastmetall)が共同開発し、「ポルシェ パナメーラNF」と「ベントレー コンチネンタルGT」に採用されています。

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両社が共同開発したオールプラスチック製ブレーキペダルの特徴は、①スチール製と比べて重さが約半分、②多軸配向された連続繊維構造で曲げ強度とねじれ強度を向上、③量産に適した高い生産性、の3点です。

これらの特徴を実現するためにブレーキペダルの断面を内側層、外側層の2つの層に分けて、「テベックス」インサートシートの使い方を工夫しています。

まず、ブレーキペダルの骨格を形成する内側層では、積み重ねられる「テベックス」インサートシートの繊維配向を+45°/-45°方向に配列して、ブレーキペダルのねじれ強度を向上させる機能を発揮しています。

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次の内側層の上に形成される外側層では、積み重ねられる「テベックス」インサートシートの繊維配向を同じ方向に揃えて、ブレーキペダルの張力や曲げ強度を向上させるようになっています。

このように「テベック」繊維を積層して構成されたブレーキペダルの量産性を向上させるために、成形工程では最短のサイクル時間で成形できるワンショットハイブリッド成形工程を採用しています。

この工程では、ブレーキペダルの形に形成された「テペックス」インサートシートを、60%のガラス短繊維で強化されたランクセスのポリアミド6繊維である「デュレタンBKV 60 H2.0(DurethanBKV 60 H2.0、いずれも登録商標)」を素材として射出成形されています。

このようにして製造されたオールプラスチック製ブレーキペダルは、表面の透明なプラスチック層を通して透視できる連続ガラス繊維の完璧で規則的なパターンが外観の特徴となっています。

オールプラスチック製ブレーキペダルは、今のところ高価格の高級車に採用されはじめたばかりですが、スチール製の約半分という軽量化の効果を考えると、今後大衆車にも採用が広がることが予想されます。

(山内 博・画像:ランクセス)

ホイールを汚す粉塵が発生しない!摩擦を使わない「MR流体ブレーキ」を曙ブレーキ工業が開発

曙ブレーキ工業は、現状のブレーキと作動原理が異なる新発想の、摩擦を使わない「MRブレーキ」を東北大学流体科学研究所と共同で開発しました。

摩擦を使わないブレーキでは磨耗粉が発生しないので、アルミホイールの磨耗粉による汚れも無くなります。

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この「MRブレーキ」は、車体側に固定された円盤とハブ側の円盤とを交互に対向して配置し、両方の円盤の間にMR流体を充填し、内部に磁場を発生させる電磁石を配置した構造になっています。

MR流体とは、磁気に反応して流体から半固体に特性が変化する流体のことで、1960年台から研究が続けられてきました。MR流体に磁場が働くと、MR流体中に分散された粒径が数ミクロンの鉄粉が磁界方向に整列して、流体中に鎖状粒子クラスターが形成され、流体が半固体化します。

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「MRブレーキ」では、車体側とハブ側の両円盤の間に充填されたMR流体に、電磁石から磁界を働かせると、両円盤の間に鎖状粒子クラスターが発生します。このときハブ側の円盤は回転し続けるので、鎖状粒子クラスターがせん断力を受けて崩壊し、隣のクラスターとつながり、また崩壊されるという現象が繰り返されて、ハブ側の円盤に抵抗力が生まれます。この抵抗力がブレーキ力となって、タイヤの回転を止めることになるのです。

「MRブレーキ」のメリットは、①摩擦を使わないので、磨耗粉が発生しない、②MR流体は数ミリセカンド(1,000分の1秒)の短時間で反応し、ごく短時間でブレーキ力を発生できる、③電磁石による磁界の発生パターンを電子的に制御して、好みのブレーキ・フィーリングに調整できるという点が挙げられます。

曙ブレーキ工業では「MRブレーキ」を超小型モビリティ用のブレーキとして研究開発を開始し、2015年3月に試作品を完成しました。今後は2020年に実用化することを目指して、台上試験と実走試験による改良を重ねる、としています。

(山内 博・画像:曙ブレーキ工業)