Motor Fan's YEAR 2016

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NGKのターボエンジン用スパークプラグは大チップを実現したのがポイント【人とくるまのテクノロジー展】

ダウンサイジング過給エンジンが増えています。その目的は環境性能(省燃費)とはいえ、やはり小排気量から大きな力を発生させるターボエンジンはエンジン各部に負担をかけるようです。

5月25日〜27日にパシフィコ横浜にて開催された人とくるまのテクノロジー展2016横浜(主催:自動車技術会)のNGKブースでは、そうしたダウンサイジング系ターボエンジンに合わせた専用スパークプラグのプロトタイプが展示されていました。

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そのポイントは、スパークプラグの先端でL字型に曲がっている接地電極に大きめの貴金属チップが取り付けられている点にあります。

これまでも接地電極にチップを溶接して着火性を向上させるというタイプはありましたが、ターボエンジンの過酷な燃焼室ではチップの脱落も心配されるため中々普及していなかったといいます。

また、チップ自体の消耗も増えるため、サイズを大きくする必要があります。そうしてチップサイズが大きくなると、また脱落しやすくなるという悪循環だったのです。

NGKがプロトタイプを展示したターボエンジン用スパークプラグでは、接地電極のチップ径を1.0mmとNAエンジン用に対して太くしているのが特徴。それでいて、ファイバーレーザー溶接によりしっかりと溶接されているため、ターボエンジンにも対応できるようになったというわけです。

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(撮影・文 山本晋也)

水素社会の推進とCO2削減に効果的な住友化学の分離システム【人とくるまのテクノロジー展】

CO2(二酸化炭素)の削減が叫ばれる昨今ですが、それとは別に水素製造や天然ガスの精製時にもCO2を分離することが必要です。

住友化学が「人とくるまのテクノロジー展2016横浜」で展示した「CO2分離膜」は、製造や採掘時の圧力を利用することで、低エネルギーで原料ガスからCO2を分離できる選択透過膜。

まだ開発中ということですが、2017年には実用化を目指すという、すぐそこにあるテクノロジーです。

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天然ガスの精製だけでなく、プラントにおける排出ガスからのCO2分離とCCS(二酸化炭素の回収・貯留)を組み合わせることで、CO2の排出量低減につながるといいます。もちろん、水素ステーションでの使用など、水素社会に向けたローコストなソリューションとしての提案も考えられるということです。

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(撮影・文 山本晋也)

エネルギー回生を前提としたヴァレオの電動スーパーチャージャー【人とくるまのテクノロジー展】

自動車技術会が主催する自動車テクノロジーの展示会・企画会議「人とくるまのテクノロジー展 2016 横浜」が開催されました。世界中のサプライヤーや自動車技術の関連企業550社以上が集った会場には、近未来のトレンドを示す様々なアイデアやパーツが展示されていたのです。

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その中で、注目したいトレンドのひとつが「電動スーパーチャージャー」です。

ターボエンジンと組み合わせることで、より低回転域から過給を立ち上げることも可能となり、またレイアウトの自由度が高いことも次世代エンジンの過給装置として有望視されています。

グローバルに展開する大手サプライヤーのヴァレオが展示していた電動スーパーチャージャー『e4Boost』のポイントは、ベルト駆動式スタータージェネレーターと組み合わせたソリューションとしてアピールしている点。

単純に電動スーパーチャージャーを使うだけでは、エンジンによって発電した電気を消費する機器になってしまいますが、減速エネルギー回生システムとセットにすることで、回生によって充電したバッテリーで電動スーパーチャージャーを動かすというエネルギー効率に優れた過給装置になり得るといいます。

とくに48V電装系に対応した電動スーパーチャージャーとスタータージェネレーターのコンビネーションは、近未来のトレンドとして推している存在。また、従来の電装系にマッチする12vの電動スーパーチャージャーとスタータージェネレーターも展示、カーメーカーの選択肢を広げていたのも印象的です。

(撮影・文 山本晋也)

ホンダの電動カブは市販の期待も!?【人とくるまのテクノロジー展16】

2015年の東京モーターショーに世界初公開された電動カブ「EV-Cub Concept」が「人とくるまのテクノロジー展2016」にも出展されました。

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カブといえば、1958年に発売された初代スーパーカブ以来、日本だけでなく世界中で愛されていますから、時代に合わせたEV化はぜひ期待したいところ。

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「EV-Cub Concept」は、参考出品のコンセプトカーということで詳細は明らかにされていませんが、家庭のAC100Vで気軽に充電でき、バッテリーも脱着可能。

盗難対策なのかあるいは蓄電池としても想定しているのか分かりませんが、電動アシスト付自転車が人気を集めているいま、発売されればコンシューマ向けとして話題を集めそうです。

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担当者にお話を伺うと、この電動カブ「EV-Cub Concept」は、新聞配達などの商用ニーズではなく、一般ユーザーを想定。さらに、ホンダの仕事外活動から発展したものではなく、市販化も見据えている模様です。

(文/写真 塚田勝弘)

自動運転を見据えたデンソーの2系統電動パワステとは?【人とくるまのテクノロジー展16】

デンソーが「人とくるまのテクノロジー展」で展示していた2系統EPS(EPS=電動パワーステアリング)は、電子回路もモーター巻線も文字どおり2系統持っていて、たとえば自動運転の際に何らかのトラブルが起きても1系統生きていることで、パワーアシストが失われることなくステアリング操作が可能というもの。

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じつは、すでにトヨタ・アルファード/ヴェルファイアなどに搭載され、2015年から量産化しています。

自動運転車両でなくても万一、EPSに問題があり「重ステ」になると、たいていの人はパニックになるはずで、速度域が高かったり、交差点だったりすると重大な事故に直面する可能性があります。

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自動運転のシーンでは、従来の1系統EPSだとステアリング操作ができず「自動運転停止」となってしまい、しかも手動運転に切り替えできたとしても「重ステ」状態ですから先述した状況に陥るかもしれません。

2系統ならハーフアシストで自動運転が継続できるほか、アシスト力50%のハーフアシスト状態で手動運転に切り替えることができます。たとえ異常があっても一定期間機能が失われない、「フェイルオペレーション」が用意されているわけです。

私も体験してみましたが、アシストがゼロになると急に重くなり、ハーフアシストでもアリ、ナシには大きな差があります。自動運転というとセンシングの面などに注目が集まりがちですが、すでに採用されている技術の底上げも不可欠なのが分かります。

(文/写真 塚田勝弘)

ヘッドマウントディスプレイで現実映像とCGを融合した3D映像を表示【人とくるまのテクノロジー展】

キヤノンは、5月25日(水)〜27日(金)に パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」でヘッドマウントディスプレイ「MREAL Display MD-10」を出展。

現実映像とCGを融合した3D映像をアピールしました。

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この「MREAL Display MD-10」は、同社のMR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL(エムリアル)」の新製品として、5月25日より新発売されています。

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同社では「MREAL」を、自動車メーカーをはじめとする製造業での設計・製造部門で、デザインや設計データを実物大の3D映像で確認し、試作回数やコストの削減を可能にする業務支援ツールとして自動車業界にも拡販したい考えのようです。

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「MREAL Display MD-10」の特長は次の2点です。

1.広画角・高精細により使用用途が拡大

水平方向で約60°、垂直方向で約40°の広画角を実現し、解像度も現実映像で約1700×1060、CG部分で1920×1200と大幅に向上。自動車の外観や内装のデザインを近距離から確認でき、ねじのような細かい部品をCGにはめ込むことで作業性を確認できるなど、実寸大で臨場感のある3D映像を通した検証が可能になる。

2.新たなソフトウエア(別売り)により「手を使った検証」の利便性が向上

「MREAL」は、組み立てやメンテナンスの検証時にCG映像の中に自分の手を映し出し、作業性や操作性を確認可能。この検証に新たなソフトウエアを使用することで、手の輪郭をより滑らかに表示することができ、手とCGの位置関係をより自然な感覚で把握できる。

(山内 博・画像:キャノン)

島津製作所が燃料電池内部を探る「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」を展示【人とくるまのテクノロジー展】

島津製作所は、5月25日(水)〜27日(金)に パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」で、固体高分子形燃料電池(PEFC)内の酸素濃度をリアルタイムで測定できる「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」を出展し、目に見えない燃料電池内部を探るハイテクをアピールしました。

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固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料電池自動車を始めとする自動車分野などへの応用が期待されるほか、家庭にも普及しつつある家庭用燃料電池「エネファーム」にも搭載されています。

島津製作所の「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」は、PEFC内ガス拡散層(GDL)の深さ方向の酸素濃度をリアルタイムで直接モニタする世界初(同社調べ)の装置ということです。

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燃料電池内部の酸素濃度を測定することで、発電効率を高める部材の設計および選定や気体流路の最適化への寄与が期待できます。

同社では「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」を5月23日から新発売しており、今後自動車メーカーおよび部品メーカーに拡販したいとしています。

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「FC-3Dモニタ FCM-3D-Oxy」の特長は次の3点です。

1.ガス拡散層内部5箇所の酸素濃度をモニタ可能

直径50μmの微細なプローブをPEFC内部に直接挿入し、GDL内の任意の位置・深さごとの酸素濃度をモニタできます。最大で5箇所までの同時測定が可能です。プローブの先端位置を自動で算出する機能も搭載。

2.高速なデータ処理による酸素濃度のリアルタイム把握

深さ方向に測定できる本製品用のソフトウェアを新開発。5箇所同時測定時でもリアルタイムで酸素濃度とプローブの先端位置を記録することができる。

3.設置面積1m×1mで導入しやすい一体型ユニット

従来製品は暗室で使用する必要がありましたが、本製品は、制御部と本体部を一体化して設置面積1m×1mの単一ユニットに収納。暗室が不要で、研究開発現場への導入が容易。

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(山内 博・画像:島津製作所)

カルソニックカンセイが今までにない楽しさをアピール【人とくるまのテクノロジー展2016】

カルソニックカンセイは、5月25日(水)〜27日(金)に パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」で、「Human-Max コックピット」を出展し、今までにない楽しさをアピールしました。

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この「Human-Max コックピット」は人の能力・気分を最大限に引き出し、新しい楽しさを提供するというコンセプト出品のコックピットです。

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「Human-Max コックピット」の特長は次の3点です。

 【高揚感と解放感を両立】

クルマを操る気分を高揚させるドライビング空間と、自動運転モードでのの自由で解放的な空間価値とを両立させたコックピットデザインを実現

【目の拡張】

鳥瞰表示により全周囲のリスクをドタイバーが瞬時に理解可能。遠方虚像の採用で距離感が得られ前方視界とのマッチングが容易

【手の拡張】

画面内に手が現れて直観的に操作可能な次世代インタフェース。前方から視線をそらさずスマホライクな操作感を安全に実現

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同社は人とクルマのテクノロジー展において、「Green & Comfort」という二つのテーマに基づいて展示を展開し、ほかにも同社が誇る製品・技術を展示しました。

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(山内 博・画像:カルソニックカンセイ)

HKSの電動スーパーチャージャーが初お目見え【人とくるまのテクノロジー展】

2016年5月25日〜27日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2016横浜」。自動車技術会が主催の展示会・企画会議です。

自動車メーカーのブースではトヨタがプリウスのカットモデルを、ホンダがクラリティ フューエルセルのカットモデルを展示するなど、”スポーツよりもエコ”といったトレンドを感じさせます。

そうしたなか、チューニングパーツメーカーの雄といえるHKSがブースを設け、開発中のニューアイテムを展示していました。

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HKSといえば、ターボチャージャーやスーパーチャージャーといった過給パーツを独自に開発してしまうことでも知られていますが、今回の人とくるまのテクノロジー展においてプロトタイプを展示したのは「電動スーパーチャージャー」。

従来の遠心式スーパーチャージャーがクランク出力からベルトを介してチャージャーを駆動していたのに対して、この電動スーパーチャージャーは、文字通り電気モーターによる過給装置です。

ポイントは、多くのクルマが使っている12V電装系で動くこと。自動車メーカーの考える電動スーパーチャージャーは、欧州を中心に広まりつつある48V電装系を前提としたものや、ハイブリッドカーの電気系を利用する三桁ボルトの電動スーパーチャージャーが多いのですが、HKSのそれは後付けも考慮した12V仕様となっているのです。

現時点では単体で駆動することを確認したレベルのプロトタイプで、車載しての実証はこれからという電動スーパーチャージャー。新型車への搭載を考えたアピールはもちろん、HKSらしいチューニングパーツとしての展開も期待できるニューアイテムといえそうです。

(写真・文 山本晋也)

あの新型NSXが日本先行上陸! ただしギアだけ?【人とくるまのテクノロジー展】

日本は自動車大国といわれるほど大きな産業となっていますが、クルマを作るためには、トヨタやホンダといった自動車メーカーだけではできません。

サプライヤーと呼ばれる多くの部品メーカーや、計測機器や工作機械を作る会社があってこその自動車産業です。

そうしたさまざまな企業が一堂に会する大イベントが「人とくるまのテクノロジー展」。毎年、5月にパシフィコ横浜において、公益法人 自動車技術会が主催する展示会・企画会議です(6月にはポートメッセなごやでも開催予定)。

各社が技術をアピールする場だけに、その出展物は先行開発品も少なくありません。

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500社以上が出展した、2016年の人とくるまのテクノロジー展2016横浜。

そのなかに、北米でユーザーに届き始めたというホンダのフラッグシップ・スーパースポーツ「NSX」の部品を見ることができるブースがありました。

そのパーツが飾られているのは、二輪用サスペンションなどで知名度の高いショーワのブースです。

そこにあったのは「スーパースポーツカー用ハイポイドギヤ」。

スーパースポーツカーの強力なパワーユニットの力を受け止め、トランスミッションの中で駆動の向きを変える重要なパーツです。

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展示品で目を引くのは、そのキラキラと輝く歯面。これは展示用に磨いたものではなく、日本初となる  特殊バレル研磨による歯面鏡化 によるもので、こうすることで大トルクにも耐えることができるのだといいます。

そして、気になるのは、どんな『スーパースポーツカー』 に、このハイポイドギヤが使われているのかということですが、その答えは同社が配布した製品リリースの中にありました。

この凝ったギヤを使っているのは、前述のようにアキュラ(ホンダ)NSXだったのです。

(写真・文 山本晋也)

タイヤの「す」を全数チェックする非破壊検査技術【人とくるまのテクノロジー展】

パシフィコ横浜に500社を超える自動車関連企業の展示会「人とくるまのテクノロジー展 2016 横浜」。その会場で目を引いたのは、生産設備や検査装置で自動車産業を支える八光オートメーションのブースです。

そこでは、タイヤが横向きに回っていました。

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マイクロ波や超音波を使った非破壊検査装置も開発・製造している同社、この展示はタイヤ製造時にゴム部分に異物が混入したことで起きる、まるで「す」のような隙間を見つけるシステムのアピールだったのです。

しかも、TOYOタイヤ(東洋ゴム工業)が製造現場で使用することが決まっているという検査システム。会場ではゆっくりと検査していましたが、実際には製造されたタイヤを全数チェックできるほどスピーディな非破壊検査が可能といいます。

こうした具体例からもわかるように、自動車関連製品の品質向上には、検査機器の進化も重要な役割を果たしているというわけです。

(撮影・文 山本晋也)

三菱重工の3.5リッターエンジン用タービン、その正体は?【人とくるまのテクノロジー展2016】

自動車メーカーと、そのクルマ作りを支える多くのサプライヤーが一堂に会する展示会・企画会議が「人とくるまのテクノロジー展」です。

2016年は横浜(5月)と名古屋(6月)というスケジュールで開催される予定で、5月25日〜27日にパシフィコ横浜で開かれた会場には、538社もの出展社が集まったということです。

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会場を埋め尽くした各社ブースの中で、国産ターボチャージャーの雄といえる三菱重工のブースには、軽自動車サイズから3.8リッターV6ツインターボエンジンへ対応するものまで、大小様々なターボチャージャーが展示されていました。

その中でも特に注目されるのは3.5リッターガソリンツインターボエンジン用に使われているというTD04ターボチャージャーです。どのメーカーの、どのクルマに採用されているかは非公表ということですが、展示パネルに描かれているイラストを見れば一目瞭然。

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このイラストが示すのは、ホンダが北米で生産をはじめた新型NSXに違いありません。

まだまだ日本上陸まで時間はかかりそうなNSXですが、そのエンジンに使われているターボチャージャーを先行して見ることのできる、貴重な機会となったといえそうです。

(撮影・文 山本晋也)

走行距離500km超! 日産のリチウムイオン電池がお披露目【人とくるまのテクノロジー展】

2016年5月25日〜27日にかけてパシフィコ横浜にて開催されている自動車関連の展示会・企画会議「人とくるまのテクノロジー展2016 横浜」において、まさに地元企業といえる日産自動車が、話題のバッテリーを公開しています。

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電気自動車の航続可能距離は、バッテリーの電力量に大きく左右されます。空力やマネージメントなどにより電費を改善することも重要ですが、満充電時の総電力量が大きいほど航続距離が伸びるというのは大原則です。

すでに2015年秋のマイナーチェンジによって、30kWh(それまでは24kWh)のリチウムイオン電池を載せた新グレードを設定している日産の電気自動車「リーフ」ですが、人とくるまのテクノロジー展にて公開された次世代バッテリーの総電力量は60kWhと倍増。

パッケージ状態の展示を見る限り、総電力量は倍増しても、十分に既存のプラットフォームに載せることが可能と思えるものでした。

バッテリーを増やすと車重が重くなってしまうという電費のネガティブ要素が出てくるため、単純に総電力量だけで航続可能距離を試算することはできませんが、30kWhでの航続可能距離(JC08モード)が280kmというリーフ、その総電力量が60kWhともなれば満充電からのスタートで500kmを超えるドライブも不可能ではなくなるかもしれません。

(撮影・文 山本晋也)