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ブリヂストンが天然ゴムを超える構造を持つ合成ゴムを生み出すことに成功!

自動車用のタイヤといえば、ゴムやカーボン、ワイヤーなどを材料に作られていますが、その中で、もっとも比率が多いのは天然ゴムです。

その理由は、天然ゴムの持つ強さとしなやかさに、石油から作る合成ゴムではかなわないからですが、そうした常識が破られることになりそうです。

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ブリヂストンが『分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功』というニュースを発表、中央研究所のメンバーによるプレゼンテーションが行なわれました。

これまではナフサを分解するなどして生まれる「イソプレン」を原料に、触媒反応を利用して合成ゴム(ポリイソプレンゴム)を生み出していますが、その性能は天然ゴムには及ばなかったといいます。しかし、ブリヂストン中央研究所が開発したガドリニウム(Gd)触媒を使った新製法を用いると、天然ゴムに迫る分子構造が可能になるのです。

さらに分子量のばらつきについては天然ゴムを凌駕するレベル。これにより耐久性と省燃費性の両面において、天然ゴム(NR)を超える合成ゴム(IR)が実現できたのです。

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ブリヂストンが天然ゴムを超える合成ゴムについて研究しているのは、天然ゴムが農作物であり、安定供給が難しい材料であるからといいます。

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前述の通り、タイヤの材料でもっとも使われているのは天然ゴムです。しかし、農作物である以上、量と質の両面においてばらつきが生まれてしまいます。その対策として、ゴムの木の品種改良や病気を防ぐ研究なども行なっているといいますが、天然ゴムを代替できる合成ゴムも研究されてきました。

その結果が、今回発表された成果というわけです。

ところで、本質的にタイヤメーカーというのはゴムの消費者であって、合成ゴムの開発はゴムの素材メーカーが行なうものです。しかし、ブリヂストンは理想のタイヤを安定して作るために合成ゴムの製法レベルから研究しているといいます。

今回のプレゼンテーションでは、新しい合成ゴムをゴムメーカーと共同で商品化につなげたいという意思があることも発表されまた。

その天然ゴムを超える合成ゴムを使った市販タイヤ、登場するのは2020年代とアナウンスされました。

(撮影・文 山本晋也)

米・Time誌が2016年ベスト発明品に選定したグッドイヤーの球形タイヤ「Eagle-360」とは?

グッドイヤーは、同社の球形タイヤ「Eagle-360(イーグル・サンロクマル)」が米Time誌の2016年「ベスト発明品」の25品目のひとつに選定されたと発表しました。

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Time誌ベスト発明品とは、同誌の技術分野担当編集者が「世界をより良く、よりスマートに、時としてより楽しくしてくれる発明品」を毎年選出しているもの。

「Eagle-360」はグッドイヤーが 今年のジュネーブモーターショー2016で自動運転車向けの次世代コンセプトタイヤとして公開したもので、いままで見たこともないような、まん丸の球形をしている点にビックリです。

グッドイヤーでは「Eagle-360」の特徴は「機動性」・「通信接続性」・「バイオミミクリー(生態模倣性)」の3点であるとしており、それにより将来の自動運転の安全性の向上に寄与することができるとしています。

まず、第1の特徴である機動性については、球形タイヤであることから、すべての方向に移動できる多方向性を備えており、安全性が向上するだけではなく、さらに隙間のない駐車場や街中の狭い道路など狭いスペースにも対応できます。

次に、第2の特徴の通信接続性については、埋め込まれたセンサーが車両制御システム及び周りの車両に対して、路面状況や気象状況を伝達して安全性を高めています。さらに、空気圧&トレッド監視システムが備えられており、タイヤの摩耗状態を管理できます。

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そして、第3の特徴のバイオミミクリー(生物模倣性)とは、自然界からヒントを得た形状をトレッド設計に取り入れているということです。具体的には、トレッドパターンにブレインコーラル(脳サンゴ)という、見た目が脳みそのような形のサンゴを模倣したパターンを採用しています。

このパターンを採用したことで、トレッドが天然のスポンジのように作用し、路面がドライな状態ではトレッドが硬く、ウェットな状態では柔らかくなる特性を持っており、優れた運転性能を発揮するだけでなく、ハイドロプレーニング現象の防止にも寄与することができます。

このブレインコーラルを模倣したトレッドパターンは、球形ではない通常のタイヤにも応用可能なアイデアであると思われます。「Eagle-360」から生まれたアイデア・技術が近い将来の一般タイヤに取り入れられることを期待しましょう。

(山内 博・画像:グッドイヤー)

Sタイヤがついに解禁!? D1GPのタイヤ戦争が激化したワケは…【TOKYO DRIFT】

D1GPに大きな変革が訪れています。それはタイヤ規定の変更です。

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従来、D1GPでは市販ストリート用タイヤだけが使用可能でした。レース用タイヤや、いわゆるSタイヤは使用できませんでした。

ここでご存じないかたのためにSタイヤというカテゴリーを紹介しておきましょう。

法規上、公道走行は可能ながら、耐久性の問題や騒音、振動などの面から公道走行は向かないとされるスポーツタイヤが、各メーカーから発売されています。これらはセミレーシングタイヤ、セミスリックタイヤ、略して『Sタイヤ』と呼ばれてきました。サーキット走行を主な目的としているのでグリップ力は高いです。

今まで、これらのタイヤはD1GPでは禁止されてきました(ごく初期は規定がなかったので使ってもOKでした)。ところが、このSタイヤの使用が来季から解禁になりそうなのです。

というか、なし崩し的にすでに解禁されているといっていいでしょう。先日行われたD1GP第7戦では、一般的にSタイヤだといわれている銘柄の使用を認可されたチームもあったからです。

これにはいろいろな背景があります。もともとタイヤ消費量が極端に多いドリフトにとってタイヤメーカーは最も重要なスポンサーといってもいい存在です。そのタイヤメーカーとD1主催者の意向によって、一般ユーザーがふつうに使えるストリートタイヤでやろうというのがD1GPの趣旨でした。

ところが近年、中国や台湾、インドネシアなどからの輸入タイヤがD1GPにも増えてきました。しかし、『Sタイヤ』というカテゴリーは、明確なスペック上の規定はなく、日本だけの慣例的な分類です。メーカーが「Sタイヤじゃないですよ」といえば、Sタイヤじゃないわけです。

海外、とくにアジアンタイヤメーカーにとっては、そんな『Sタイヤ』とかいう風習は関係ないので、日本でいえばSタイヤに匹敵するグリップ力のタイヤを出してきちゃうわけです。

でも文句はいえない。『Sタイヤ』というのは、現代においてはある意味ガラパゴス的なカテゴリーになってきちゃったというわけですね。

近年の齋藤太吾選手が使っていたのがまさにそういうタイヤで、昨年までのアキレス、今年のワンリーともに、日本のストリートタイヤではかなわないグリップ力を発揮して、圧倒的な強さを発揮してきました。ここまでひとりの選手が(しかもこういう形で)強いというのは、競技としてはあまりいい状況ではありません。

いっぽうで、日本のタイヤ業界にも変革が訪れます。86レースにおけるタイヤ開発競争が激化するとともに、Sタイヤに匹敵するグリップ力がありそうな、でも『Sタイヤ』とは自称していないタイヤが各メーカーから出てきてしまったのです。

そしてそれらは次々とD1GPにデビューしてきました。

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2016年シリーズで2勝した村山選手は、86レースから生まれたダンロップのハイグリップタイヤ、ディレッツァβ02を見事に使いこなしたことが勝因のひとつでした。そして、昨年のチャンピオンでありながら、今季前半は齋藤選手のスピードにまったく歯が立たなかった川畑選手も、TOYOのニュータイヤR888Rを投入したことで、最終戦では齋藤選手と互角の走りを見せました。

つまり、この“SタイヤみたいだけどSタイヤとはいっていないタイヤ”は、D1GPがつまらなくなることを防いでくれているのです。

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そんな状況もあって、D1GPの主催者は、有名無実となりつつある『Sタイヤ禁止』規定を来年には廃止してしまおうと考えているようです。

ただ、これまた難しい問題が出てくる可能性があります。

国内のメーカーが高価なSタイヤを今までのストリートタイヤと同じようにD1GPに出してくれるのか? 現在D1で使うサイズにSタイヤ相当の銘柄を持っていないグッドイヤーはどうするのか? といった問題です。

海外タイヤを排除するというのは、経済も含めてグローバル化が進む現在、時代に逆行するのであまりいい手ではないでしょう。D1主催者にとっては、競技の面白さやルールの明確さを保ちつつ、スポンサーにも納得してもらわないといけないなかで、むずかしい舵取りを強いられる状況になっています。

いずれにしろタイヤ戦争は激化の一途をたどっており、そのおかげで超絶ハイスピードバトルが楽しめるようにもなっています。

10月22日にお台場で行われたD1GP最終戦では、ワンリータイヤを履く齋藤選手と、TOYOのニュータイヤR888Rを履く川畑選手が決勝で対戦した結果、川畑選手が斎藤選手をプッシュしてしまって齋藤選手が勝ちました。

いっぽう翌日に行われたエキシビションマッチの追走では、またしても齋藤選手と川畑選手が決勝で対戦した結果、齋藤選手が川畑選手をプッシュしてしまって川畑選手が勝ちました。

いずれも、以前は考えられないほどものすごいハイスピードドリフトの応酬でした。

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D1GP第7戦の模様は11月26日発売の『ビデオオプションvol.273』に収録予定。

ビデオオプションの情報は公式サイトへ。また、D1グランプリの詳しい情報は、D1公式サイトまで。

(まめ蔵・写真提供:サンプロス)

横浜ゴムがバイオマスから合成ゴムを合成する2つの技術を技術展で展示

横浜ゴムは、10月25日から28日まで北九州市で開催される「IRC 2016 Kitakyushu ゴム・エラストマー技術展」で、バイオマスから合成ゴムを合成する2つの技術を展示すると発表しました。

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バイオマスとは生物資源を総称する用語で、今回は植物から合成ゴムを合成する2つの技術を紹介しています。同技術によってタイヤ製造の石油への依存度が下がり、二酸化炭素削減に貢献することができます。

1つ目の技術は、植物繊維の主成分であるセルロースからタイヤの原料になるブタジエンを直接合成する触媒の開発です。

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この触媒は、横浜ゴムと東京工業大学との共同研究で開発されたもので、現在石油精製の副産物として生産されているブタジエンを植物由来のセルロースから合成できるようになります。

今後横浜ゴムでは、量産化に向けた触媒の設計を進め、2020年代前半には実用化することを目指しています。

2つ目の技術は、植物の細胞を操作して植物からタイヤの原料になるイソプレンを合成する技術。こちらは、横浜ゴム、国立研究開発法人理化学研究所(理研)、日本ゼオンの3者の共同研究により開発されました。

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イソプレンは自動車タイヤの原料となるポリイソプレンゴムという合成ゴムの製造原料に使用されています。現在、イソプレンはガソリン精製の過程で、ナフサ熱分解の副生成物として生産されていますが、新技術の開発で、タイヤ生産の石油依存度を低減して、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を削減できるということです。

(山内 博・画像:横浜ゴム、東工大)

ブリヂストンがAIを使う最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を海外工場へ展開

ブリヂストンは、人工知能(AI)を実装した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」を、2016年内に同社の海外乗用車用タイヤ工場のひとつ、ハンガリーのタタバーニャ工場へ展開すると発表しました。

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今回、はじめて海外へ展開される最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」は、本年5月に同社の彦根工場に初導入されたタイヤ製造装置で、国内のマザー工場で確認された新技術を海外工場へ展開したことになります。

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ハンガリー北部、首都ブタペストの東に位置するタタバーニャ工場は2008年から操業を開始し、現在800人の従業員で日産6,000本のタイヤを製造しています。現在、この工場を2017年上期中に生産能力を日産約18,000本にまで増強する計画を進めており、今回の新技術導入も増強計画の一環となります。

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また、2016年内に稼働開始予定のロシア新工場にも、「EXAMATION」システムを展開する予定で、今後日本国内で開発された新技術を海外工場へ展開する動きを加速させる模様です。

(山内 博・画像:ブリヂストン)

【関連記事】

ブリヂストンがICTとAIを搭載したタイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入
http://clicccar.com/2016/05/28/374153/

タイヤに新機能を搭載!レクサスとグッドイヤーがコラボレーション【パリモーターショー16】

10月1日に開幕したパリモーターショー16で、レクサスのコンパクトSUVの将来像を示すコンセプトカー「UX Concept」がワールドプレミアされました。

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現行モデルのレクサス「NX」よりも230mm短く、55mm広く、125mm低い、走りを予感させるクーペライクなプロポーションを採用しています。

中でも、スクエアなオーバーフェンダー内に収まる21インチのアロイホイールや、見慣れないタイヤが目を引きます。

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サイドウォール部に彫刻的なデザインが施され、オフロードでの高いグリップ性能をイメージさせると共に、アロイホイールのスポーク部との連続感を出すことで、ホイールがより大きく見えます。

このタイヤは「Goodyear」が同モデル用に専用開発したもので、「アーバン・クロスオーバー」のイメージを表現しているそうです。

走行時のタイヤ空洞共鳴音のピークを減衰(タイヤ内面にポリウレタンフォームを装着)し、ロードノイズ低減に寄与する「サウンド・コンフォート・テクノロジー」や、タイヤ内に埋め込んだセンサーにより、タイヤ内のエア圧や発熱温度などを車載コンピュータに送信する「チップ・イン・タイヤ・テクノロジー」を採用。Goodyear

また、パンク等で完全にエアが抜けた状態でも、強化したサイドウォールにより、最高で80km/hの走行が可能な「ランオンフラット・テクノロジー」を採用しています。

レクサスは昨年3月のジュネーブショーに出展したコンセプトモデル「LF-SA」にもGoodyear製の新機能を持たせたタイヤを装着していました。

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「Triple Tube(トリプルチューブ)」と称するこのタイヤでは、トレッドに3本のチューブを備えており、走行中の速度などのシチュエーションにあわせて内側/中央/外側の空気圧を自動調整し、タイヤを変形させることが可能になっています。

例えば全てのチューブの空気圧を高めれば、転がり抵抗が低減されて燃費が向上。

また雨天時には左右チューブを減圧。中央部のみが接地することで極細タイヤのようになり、ハイドロプレーニング現象を起き難くすることが可能というもの。

また一昨年のパリモーターショーに出展したトヨタ「C-HR Concept」にも、やはりGoodyear社が提案する発電するタイヤ「BH‐03」が装着されていました。

こちらは、走行中に発生する路面との摩擦熱や、駐車時に吸収した太陽熱を電力に変換したり、走行中のタイヤ変形エネルギーを利用してカーカス層に張り巡らせた圧電素子で発電、その際の電力で駆動用2次バッテリーを充電する仕組み。

このようにトヨタ自動車は今回を含め、3度に渡って新機能を持たせたコンセプトタイヤを披露しており、将来の市販車への採用を示唆している可能性が高そうです。

「発電するタイヤ」が実現した際には、自動車業界に大きなインパクトを与えそうで、今後の技術開発が期待されます。

Avanti Yasunori・画像:Lexus、Goodyear)

【関連記事】

トヨタ次期プリウスベースのコンセプトカーに「発電タイヤ」を搭載していた!
http://clicccar.com/2015/07/24/319046/

【関連リンク】

Lexus UX コンセプト
http://www.lexus-int.com/motorshow/2016-paris-motor-show/?contents=ux

Goodyear
https://corporate.goodyear.com/en-US/media/news/goodyear_presents_th.html

絶対にパンクしない!? 最強のバイク用タイヤが存在した!

「パンク」って言うと、バイクより車や自転車のほうが多いように感じるかもしれませんが、バイクのパンクって結構あるんです。

よくある例としては、走ってたら釘とかネジが刺さっていたパターン。ひどい場合は完全に空気が抜けてバーストなんてことも…。

筆者は実際に完全に空気が抜けるレベルのパンクをしたことがありますが、パンクしたままだと危なくて乗れたもんじゃありません。

しかし!海外では絶対にパンクしない最強のバイク用タイヤがあったんです!

釘が出まくった板の上を走るバイク……普通のタイヤだったらもう間違いなくパンクして空気が抜けるはず。

「あ、こいつ終わったわ」と思いきや、なんと無傷!

何度やってもパンクしないんです!

証拠に石鹸水をかけてみても、パンクしていたら穴から空気が漏れて気泡が出るはずなんですがどこからも漏れず!!

海外のショップが作ったパンクしないタイヤ「RHINOTIRE」は、普通のバイク用タイヤの裏側に特殊素材ポリマーを吹き付け、パンクによって空いた穴をポリマーが塞いでくれるという摩訶不思議な技術。

自動車用でパンクした状態でも多少の距離を走ることができる「ランフラットタイヤ」なんてものもありますが、バイク用は販売されていませんし、RHINOTIREの方が格段に優れているそう。

しかもRHINOTIREはタイヤバランスも崩さないし、ホイールのリム側に影響を出すこともないそうです。

唯一のデメリットは特殊ポリマーの吹付けが専用技術で誰もが簡単に出来るようなものではないこと。

RHINOTIREは現在バイクだけでなく車用のタイヤも制作しているそうです。

公式サイトに詳しい情報が記載されています。が、残念ながら日本での販売は不明…

絶対にパンクしないタイヤ、まさに夢のようですね…!もうタイヤに釘が刺さっていても悲しい気持ちになることがなくなるかもしれません!

新品、中古問わず施工できるようなので日本でも手軽にできたらかなりブレイクするんじゃないでしょうか?

ライダーに夢を与えてくれるテクノロジーでした!

(ライター:佐藤 快/Moto Be バイクの遊び方を提案するWEBマガジン

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ポルシェ・911/718ボクスター/718ケイマンに選ばれた「ADVAN Sport V105」の魅力

ポルシェの代名詞的存在である911をはじめ、ビッグマイナーチェンジにより4気筒の直噴ターボを搭載した新生2シーター、718 ボクスター/718 ケイマンに、ヨコハマタイヤの「ADVAN Sport V105」が新車装着されました。

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装着サイズは、911のフロントが235/40ZR19(92Y)、リヤが295/35ZR19 (100Y)。 718ボクスターのフロントが235/40ZR19(92Y)、リヤが265/40ZR19 (98Y)。718ケイマンのフロントが235/40ZR19(92Y)、リヤが265/40ZR19(98Y)となっています。

グローバル・フラッグシップタイヤという位置づけの「ADVAN Sport V105」は、横浜ゴムのハイパワー、プレミアムカー向けタイヤ。高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせているのがポイントです。

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今回、新車装着されたタイヤはポルシェ社と共同開発したもので、タイヤサイドには同社の承認を示す「N0」マークが刻印されています。

横浜ゴムとポルシェの関係は80年代後半にまで遡り、1989年に初めてポルシェ社の技術承認を取得した「YOKOHAMA A008P」が911・タイプ964に装着されたのを皮切りに、その後も数多くの車両に新車装着されています。

また、モータースポーツにおいてもポルシェ956や962Cをはじめ、多くのポルシェ車がヨコハマタイヤを装着して参戦してきたという実績もあります。

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中でもル・マン24時間レースでは、2000年に「チームタイサンア ドバン」のポルシェ911GT3R、2001年に「ザイケルモータースポーツ」のポルシェ911GT3Rが、それぞれGTクラスで優勝。さらに、2005年には 「Alex Job Racing」のポルシェ911GT3RがLM GT2クラスの優勝を果たしています。

(塚田勝弘)

新生グッドイヤーはオールシーズンタイヤで日本のユーザーニーズを切り開く

13インチ〜18インチの計44サイズをラインナップするグッドイヤーの新オールシーズンタイヤ「Vector 4 Seasons Hybrid(ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド)」の発表会において日本グッドイヤーの金原雄次郎社長が、新生グッドイヤーとして同社の戦略発表もしています。

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「Vector 4 Seasons Hybrid(ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド)」は、欧州仕込みのオールウェザー性能と、国産によるデリバリー性のアップというメリットを、その名の通りに『ハイブリッド』したタイヤです。

アイスバーンでの性能はスタッドレスタイヤに劣るオールシーズンタイヤですが、東京のような年間でも積雪路が時々しか発生しないような地域では、ドライやウェット路面でのグリップにおいてスタッドレスタイヤをしのぎ、また積雪路では走ることもできないサマータイヤとは異なり、雪道も走行可能なオールシーズンタイヤは、一年中履き替えることなく利用できるタイヤなのです。

[nextpage title=”新生グッドイヤーはオールシーズンタイヤを核にする”]

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サマータイヤに限りなく近い性能と積雪路での必要性能を持つオールシーズンタイヤを、すべての路面に対して安全を求めるユーザーに向けた最適解として、日本グッドイヤーは2016年後半の中心的ラインナップとしてアピールしていくそうです。

タイヤを履き替え忘れていて突然の雪道で困ることもなければ、交換の手間も、保管のコストも不要になるというオールシーズンタイヤ。

すでにアウディやフィアット、シトロエンなど世界中の自動車メーカーに選ばれているという実績もあり、さらに日本向けに国産というのですから、国内市場での評価が高まることが予想されています。

とはいえ、新生グッドイヤーはオールシーズンタイヤだけで勝負するわけではありません。2017年には新しいハイパフォーマンスタイヤの発売を予定しているなど、グッドイヤーの持つブランド性を引き上げる製品投入も予定しています。

日本のユーザーメリットを、世界の目で見つけ、提案するグッドイヤーの提案には、これからも要注目といえそうです。

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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GOODYEAR Vector 4 Seasons Hybrid(ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド)発表! グッドイヤーの日本向けオールシーズンタイヤが国産化でラインナップを拡大
http://clicccar.com/2016/07/26/388474/

環境性能にも配慮したスポーツタイヤ「ADVAN A052」登場

横浜ゴムが「ADVAN(アドバン)」の新商品「ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)」を8月1日に発売します。

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「アドバン」シリーズ最強を謳ってきた従来の「ADVAN NEOVA AD08R」を凌ぐというグリップ力とハンドリング性能を発揮するだけでなく、騒音や燃費も配慮した次世代のストリートスポーツラジアルタイヤという位置づけ。

技術面のアプローチとしては、先進のレーシングテクノロジーから生まれた構造技術の「マトリックス・ボディ・プライ(ADVAN Sport V105に搭載)」の採用に加えて、フラッグシップ低燃費タイヤ「BluEarth-1 EF20」で活用された「多目的設計探査」を駆使し、コーナリングフォースを最大化するプロファイルと構造が開発されています。

コンパウンドはドライグリップとウェットグリップを高次元で両立した「ADVAN A052専用コンパウンド」を新規開発。これにより、サーキットで速いラップタイムを安定して刻むことが可能で、さらに周回を重ねてからのタイムドロップを抑制するとしています。

また、素直で扱いやすいハンドリング特性も訴求点であるほか、ウェットグリップ性能、騒音、転がり抵抗に係る規制を定めた国際基準である「UN/ECE Regulation No.117 02 Series(R117-02)」をクリアしていて、走りだけでなく環境や人に優しいタイヤに仕上がっているそう。

開発されたサイズは、315/30R18 98Y〜205/55R16 94Wの全19サイズで、8月の発売開始時のサイズは、255/40R18 99Y、235/40R18 95Y、225/45R17 94W、215/45R17 91W、205/45R17 88W、205/50R16 91W、205/55R16 94Wの7サイズ。なお、価格はオープンプライスとなっています。

(塚田勝弘)

より丸いタイヤができる!? ブリヂストンの最先端成型システムとは?

IT(Information technology)は聞き慣れてきたけど、ICTを使ったモノ作りと聞くと、「?」と感じる方も多いでしょう。

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正直私もよく分からないので調べてみると、ICTは「Information and Communication Technology」の略で、IT(通信技術)をさらに前進させ、通信による「コミュニケーション」も採り入れる情報通信技術のこと。

ブリヂストンがICTとAI(人工知能)を新たに採り入れた最先端のタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」を彦根工場に2016年2月に初導入したと発表し、技術説明会が開催されました。

ブリヂストンのタイヤ成型システム「EXAMATION」は、タイヤができるまでのいくつもの工程(ゴム練り後継、トレッド押出工程、コード/カレンダー工程、裁断工程、スチールベルト工程、ビード工程など)を経て、成型工程に至り、加硫工程、検査工程に至ります。

従来の成型工程では、熟練工がシート状の材料のつなぎ目を人が合わせる必要があり、熟練工がひとつのドラムの前(上で)材料のつなぎ目を合わせるのに対し、撮影禁止とされた「EXAMATION」の動画イメージでは3つのローラーが稼働。

専用ドラムに同時に巻き付けることでタクトタイムが短縮され、後で1本に合体し、成型されるそうです。

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「EXAMATION」では、その工程を全自動化することで、生産能力が「2倍」になるだけなく、真円度向上が図れます。

つまり、より「丸い」タイヤができるわけですね。ほかにもセンサーによる品質保証など、高品質化のメリットは多くなっています。

センサーによるQA保証

また、全自動とICTの高精度成型により「スキルレス」化を図れるだけでなく、従来ラインよりも人出が少なくすむことで、ほかの現場に振り分けることが可能。

なお、作業員は「EXAMATION」では携帯端末で仕事(材料補強や生産工程の管理)をします。

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また、「EXAMATION」のICT活用では、センシング、高精度加工が可能になり、予測、補正によりバラツキを抑制し、工程能力も向上。ラインとローラーでは、カメラでセンタリングし、貼付欠か反映、品質保証が可能になっています。

機械化されると人の仕事が奪われるのでは? と考えてしまいますが、少子高齢化により、日本各地、あらゆる業種で慢性的な人出不足と指摘されている昨今だけに、ブリヂストンの彦根工場も例外ではないそうですから、配置換えなどが可能になる利点もあるそうです。

ユーザーとしては、どんなタイヤが全自動で成型されたものか気になりますが、見た目では当然ながらまったく分からないそうで、「EXAMATION(エクサメーション)」は17インチ以下のタイヤが対象。

ユーザーメリットは、より高品質なタイヤが手に入るというのが期待できそうですが、コスト面まで恩恵が受けられればなおうれしいところ。ただし、数多い工程の中でも成型工程の話ですから早々に実現するのは難しいかもしれません。

(塚田勝弘)

ブリヂストンがICTとAIを搭載したタイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入

ブリヂストンは、独自のICT(情報通信技術)に加えて、新たに人工知能(AI)を実装した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を同社グループの彦根工場に初めて導入したと発表しました。

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「EXAMATION(エクサメーション)」とは、Evolutional(革新的な)と Attractive(魅力的)、AutoMATION(自動化設備)に由来するブリヂストンの商標ということです。

同社は、今後このシステムを既存工場、新設工場などグローバルに展開していくことで、生産競争力の強化を図り、商品の高品質化を達成したいとしています。

この最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」の登場で、タイヤ製造の現場がAIの利用で自動化され、タイヤ製造もAIの時代に突入したことになります。

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「EXAMATION」の開発は、1990年代後半からICTや最先端技術を導入したタイヤ生産システムを研究・開発し、2002年には世界で初めて部材工程から製品検査工程までを全自動化した生産システム「BIRD」を開発したことからはじまります。

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今回の「EXAMATION」には、これまで「BIRD」で培ってきたICTを進化させ、新たなコンセプト “Bridgestone Intelligent office BIO/Bridgestone Intelligent Device BID(以下BIO/BID)に基づいた生産技術を実現する独自のICTを搭載したことが特徴です。

Bridgestone Intelligent office:BIOとは、フィールド情報・設計情報と固有技術をつなぎ、知見を超えたアルゴリズムを生み出す同社の新技術群のことで、Bridgestone Intelligent Device:BIDとは、アルゴリズムに基づき生産システムを自動制御し、断トツのモノづくり力を引き出す同社の新技術群であるということです。

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BIO/BIDは、高分子・ゴム・複合体の材料加工に関する知見を加えた独自のデータ解析に、生産工程等で得られる膨大な情報をビッグデータ解析し、更に技能員が培ってきた技術・ノウハウを加えた独自のアルゴリズムを搭載しています。

BIOで生み出される、これまでの知見を超えたアルゴリズムに基づき、BIDが生産システムを自動制御する独自の人工知能(AI)を搭載することで、技能員のスキルに依存してきた従来の生産工程や品質保証の判断・動作を、「EXAMATION」側で全て自動的に行うことができます。

これにより、人による様々なバラツキが極小化され、従来にない高精度なモノづくりが可能となり、更に本システムで得られた情報を、既存の成型システムや前後の工程間、製品情報など様々なデータに繋ぐことで、工場全体の工程能力も向上することができます。

最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」の効果は次の3点です。

(1)品質向上

タイヤ1本あたり480項目の品質データをセンサーで計測し、リアルタイムで最適条件に自動制御する人工知能(AI)を実装し、極めて高精度なタイヤ製造が可能になり、従来製法と比べ、真円性(ユニフォミティー)が15%以上向上。

(2)高生産性

従来製法は、単一のドラム上に部材を順番に積層するため生産リードタイムにロスが生じていたのを、本システムでは、複数のドラムを配置したマルチドラム製法を採用して、部材の貼り付け動作を同時並行で行うことができ、既存成型と比べて約2倍の高い生産性を実現。

(3)自動化によるスキルレス化

従来製法は、手作業による成型が前提でしたが、本システムでは、これまで人間のスキルに依存してきた、生産工程や品質保証の判断・動作も含め、全て設備側で自動化、人の介在に伴うバラツキを抑制し、一層の品質向上が可能。

(山内 博・画像:ブリヂストン)

タイヤの「す」を全数チェックする非破壊検査技術【人とくるまのテクノロジー展】

パシフィコ横浜に500社を超える自動車関連企業の展示会「人とくるまのテクノロジー展 2016 横浜」。その会場で目を引いたのは、生産設備や検査装置で自動車産業を支える八光オートメーションのブースです。

そこでは、タイヤが横向きに回っていました。

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マイクロ波や超音波を使った非破壊検査装置も開発・製造している同社、この展示はタイヤ製造時にゴム部分に異物が混入したことで起きる、まるで「す」のような隙間を見つけるシステムのアピールだったのです。

しかも、TOYOタイヤ(東洋ゴム工業)が製造現場で使用することが決まっているという検査システム。会場ではゆっくりと検査していましたが、実際には製造されたタイヤを全数チェックできるほどスピーディな非破壊検査が可能といいます。

こうした具体例からもわかるように、自動車関連製品の品質向上には、検査機器の進化も重要な役割を果たしているというわけです。

(撮影・文 山本晋也)

ファルケンが今年も「ニュルブルクリンク24時間レース」に挑戦

住友ゴムグループのファルケンタイヤヨーロッパと日本の住友ゴムは、5月26日(木)〜29日(日)にドイツで開催される世界最大級のツーリングカーレース「第44回ADACチューリッヒ ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に、今年もファルケンタイヤで挑戦すると発表しました。

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また、昨年に続きFALKENは同レースの公式パートナーとして協賛。ブースを出展するなど各種イベントでファルケンタイヤをアピールします。

ファルケンタイヤヨーロッパは、1999年の初参戦以来、連続出場を続けて今年で17回目の挑戦にとなります。今年は、昨年総合3位入賞を果たしたドライバーが新型車両「Porsche 911 GT3 R (991)」で参戦。必勝のチーム体制で総合優勝を目指します。

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FALKENブースではタイヤ展示に加え、レースのバーチャル体験コーナーやドライバーによるサイン会などを開催するほか、会場内ではドリフトショーを繰り広げて、FALKENブランドをアピールします。

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一方、日本からも住友ゴムのSUBARU Tecnica Internationalチームが「SUBARU WRX STI」で同レースに挑戦します。

「SUBARU WRX STI」は昨年SP3Tクラスでクラス優勝を達成した強豪で、ドライバーには日本人ドライバーの山内英輝が起用されています。

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SUBARU Tecnica Internationalチームでは、今年はさらに車両の走行性能を高め、装着するファルケンタイヤのグリップ性能や耐久性も一層向上しているとのことで、同クラス2年連続優勝を目標としています。

(山内 博・画像:住友ゴム)

ブリヂストン「エコピア」がホンダ「CLARITY FUEL CELL」の新車装着タイヤに

ブリヂストンを代表する省燃費タイヤの「ECOPIA(エコピア)」が、ホンダの燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」に新車装着タイヤとして採用されました。

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今回装着されるのは「ECOPIA EP160」で、タイヤサイズは235/45R18 94W。

安全性能や操縦安定性などタイヤに求められる多様な性能を高次元で維持しながら、FCVにふさわしく、転がり抵抗の低減も追求されていて、ホンダ「CLARITY FUEL CELL」が追求している性能のひとつである1回の水素充填による走行距離の向上に貢献しているとしています。

ECOPIAFCVに限らず燃費や航続可能距離を左右するのは、パワートレーンをはじめ、車両重量や空力性能など多様な要素がありますが、タイヤも大きな要素なのは間違いありません。

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今回の新車装着タイヤの「ECOPIA EP160」は、転がり抵抗の低減だけでなく、タイヤに求められる乗り心地や静粛性能も含めて高次元で両立させることにより、「CLARITY FUEL CELL」の魅力を足元から支えるタイヤとブリヂストンはアピールしています。

(塚田勝弘)

軽自動車向けに4サイズ追加された「POTENZA Adrenalin RE003」の実力は?

2016年2月15日に軽自動車向けに4サイズ追加された「POTENZA Adrenalin RE003」。

得意とするハンドリングはもちろん、高い排水性によるウェット性能の向上、接地圧最適化ブロックにより偏摩耗を抑制するなど、単なるハイパフォーマンスタイヤにとどまらない工夫が凝らされています。

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軽自動車向けだけに、タイヤハウスがスカスカに空きがちな軽ならではの外観も配慮したスタイリッシュなサイド面のデザインも魅力。最も気になる走りは、センターからショルダーまでしっかり接地し、コーナリング性能を高めているのが特徴です。

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試乗時はドライだったためウェット路面での実力は確かめられませんでしたが、ステアリングなどから伝わってくるタイヤの情報量は多く、やや硬めの乗り味ですが、右左折時やレーンチェンジ、コーナーなどでもしっかりと路面を捉えている感覚は公道でも頼もしく感じさせます。

また、ステアリングを左右に切った時に即反応するレスポンスの良さも実感できました。

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乗り比べたエコピアの「EX20C」でも普通に街中を流すぶんには、何ら不足はないでしょう(下写真)。

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「Adrenalin RE003」がターゲットにする軽のスポーティモデル、ブリヂストンでは一例としてスズキ・アルトターボRS、ホンダN-BOXカスタム、ダイハツ・ムーヴ・カスタムを挙げていますが、こうしたスポーティモデルも含めた多様化する軽自動車も含めて、隙間を埋めるかのごとく商品を用意しているのは、シュリンクしている日本の市場だけに正直よくできるよな、と考えてしまいます。

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軽自動車のタイヤはまずはエコカーが大半でしょうから、「エコピア」を主軸に、このポテンザ「Adrenalin RE003」、静粛性や快適性、ハンドリングにも配慮されているレグノの初の軽自動車向け「GR-Leggera」と、軽カー向けタイヤも万全の構えといえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)【関連記事】

■軽自動車専用ブリヂストン「POTENZA Adrenalin RE003」の改良点とは?
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■静かな走りだけでなく見た目にもこだわった軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」
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■軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力
http://clicccar.com/2016/04/20/367492/

静かな走りだけでなく見た目にもこだわった軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」

静粛性や乗り心地の高さはもちろん、運動性能の向上も図られているブリヂストン「レグノ」。初の軽自動車向けレグノとなる「REGNO GR-Leggera」は、非対称パターン、パワーサイド構造が採用されています。

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パターンとサイド剛性を最適化することで快適性、操縦安定性を両立するのが狙い。旋回時に接地面に発生する力分布を最適化することにより、ハンドリングの向上を実現。

また、レーンチェンジの横Gが早く収束し、横Gの寄り戻りが少ないなどの検証結果も得られているそうです。

今回の試乗では、印象的だった静粛性の高さや乗り心地の改善(エコピアとの比較において)を明確に確認できました。

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ハンドリングに関しては、走行コースや時間の都合もあって大差は感じられなかったものの、横風の強いレインボーブリッジなどでも安定した走りを披露してくれました。

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耐摩耗性能はもちろん、ドライ路面だったためウェット性能も体感できませんでしたが、見た目ですぐに分かる外観は、軽自動車向けとは思えないほど質感が高く、デザインも凝ったものになっています。

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新たに「ロゴを作った」というトレッド面のロゴは、走れば消えてしまいますが、サイドの「REGNO」のロゴなどは購入した喜びを感じさせてくれそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

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■軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力
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軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力

大きなクルマからよりコンパクトなモデルへ、大排気量エンジン搭載車からより小さなエンジンに乗り替えるなどのダウンサイジングの流れは、軽自動車にも波及しています。

2014年には新車販売のうち軽自動車が初めて40%の大台を突破。2015年度は軽自動車税増税などにより約37%にまで下がっていますが、4割近くが軽になっています。

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最近の軽自動車は広いだけでなく、たとえばダイハツ・キャストのようにスモールカーを超えたような、良好な乗り心地を実現しているモデルも出てきていますが、軽自動車に乗り替える、いわゆる「ダウンサイザー」が増えてくれば、音や振動に対する要求も厳しくなることが増えそうです。

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ブリヂストンが誇るプレミアムブランド「レグノ」がついに軽自動車にも投入されました。

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「REGNO GR-Leggera(レグノ ジーアール・レジェーラ)」は、こうしたダウンサイジングユーザーはもちろん、軽自動車で旅行やレジャーに出かける層をターゲット据えたタイヤで、レグノの名にふさわしい静粛性・乗り心地を実現しているのが最大のポイント。

実際にお台場の市街地、そしてレインボーブリッジなどを「エコピア(EX20C)」と乗り比べながら走らせましたが、音・振動も明らかに抑制されています。よく分かるのが、エンジン音や風切り音などが高まる前の速度域。

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たとえば、加速していって流れに乗り、少しアクセルを戻した際など、ほかの音源が聞こえにくい際にロードノイズ、パタンノイズの低さを実感できます。

また、こうしたシーンでは微振動も抑制されている印象で、乗り比べたからこそですが、その差は想像以上に感じられました。

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おそらく毎日乗っている愛車に装着すれば、すぐにその違いが分かるはずで、乗り心地や静粛性をさらに高めたいという軽ユーザーには朗報といえそうです。なお、発売時のサイズは、155/65R14、165/55R14、165/55R15となっています。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

走りだけでなく快適性も追求した新ハイパフォーマンスタイヤ「ADVAN FLEVA V701」登場

横浜ゴムからハイパフォーマンスタイヤの新製品「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」が今年8月から発売されます。

ADVAN_03「アドバン」といえば、世界有数のハイパフォーマンスカーに新車装着されている「ADVAN Sport V105」をはじめ、高い快適性を誇るプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB」、ストリートリアルスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD08R」や競技用スポーツタイヤ「ADVAN A050」など、多彩な高性能タイヤをラインアップ。

また、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズにも「ADVAN」レーシングタイヤが2016年よりワンメイク供給されます。

新製品の「ADVAN FLEVA V701」は、「ADVAN」の特徴である「走る歓び」をより多くのドライバーに提供するため、「楽しいハンドリング」というテーマに基づいて開発され、街乗りからワインディングロード、高速道路など様々なシーンでキビキビとしたスポーティなハンドリングフィールを得ているというのが謳い文句です。

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「ADVAN FLEVA V701」は、「ADVAN Sport V105」をベースとして開発され、操縦安定性や静粛性にも考慮したスポーティタイヤ。

スポーツカーはもちろん、コンパクトカーからミドルクラスセダン、クロスオーバーSUV、チューニングカーなど多くの車種に幅広く対応し、トレッドパターンにはウェット性能や静粛性を高めながらアドバンらしい「攻めのスタイル」を感じさせる方向性パターンが開発されています。

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コンパウンドには、ウェット性能や耐摩耗性能、低燃費性能を高いレベルでバランスされた「ナノブレンドゴム」を採用。

さらに、グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」のプロファイルを継承し、日本でも人気の欧州プレミアムカーのニーズを満たす優れた操縦安定性を実現しているそうです。

発売サイズは265/30R19 93W〜195/55R15 85Vの全24サイズとなっていますが、今後もさらにサイズの拡大が行われる予定。価格はオープンプライスです。

(塚田勝弘)

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■ヨコハマタイヤの「BluEarth」も新型プリウスのOEMタイヤに採用
http://clicccar.com/2016/04/16/366496/

「楽しいハンドリング」を提供する「ADVAN FLEVA V701」発売

横浜ゴムは「ADVAN(アドバン)」ブランドの新商品「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」を2016年8月より発売すると発表しました。

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当初の発売サイズは265/30R19 93W 〜195/55R15 85Vの全24サイズで、今後発売サイズを拡大する予定とのことです。

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「ADVAN FLEVA V701」は「楽しいハンドリング」というテーマを追求したハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤで、様々なシーンでキビキビとしたスポーティーなハンドリングフィールをドライバーに提供します。

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「ADVAN Sport V105」をベースに、操縦安定性・静粛性にも考慮して開発されており、スポーツカーをはじめ、コンパクトカーからミドルクラスセダン、CUV、チューニングカーなど多くの車種に対応しています。

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トレッドパターンには「ADVAN」らしい”攻めのスタイル”を感じさせる方向性パターンを採用し、コンパウンドにはウェット性能、耐摩耗性能、低燃費性能を高レベルでバランスした「ナノブレンドゴム」を採用しています。

(山内 博・画像:横浜ゴム)

ヨコハマタイヤの「BluEarth」も新型プリウスのOEMタイヤに採用

新型プリウス向けの純正装着タイヤは、ブリヂストン・エコピア(EP150)、トランザ(T002)、ダンロップ(エナセーブEC300+)、トーヨー・ナノエナジーなどがあります。

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横浜ゴムから4月11日に発表されたのは、ヨコハマタイヤの「BluEarth(ブルーアース)」がプリウスのOEMタイヤとして納入を開始したというニュース。

日本、オセアニア、欧州など向けとして「BluEarth E70」、北米にはオールシーズンタイヤの「BluEarth S34」が用意されます。その他の国には「ASPEC A349」を供給。

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装着サイズは「BluEarth E70」が215/45R17 87Wで、「BluEarth S34」がP215/45R17 87V、「ASPEC A349」が195/65R15 91H。

「BluEarth E70」と「BluEarth S34」は横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術が採用されています。

乗用車用サマータイヤ(BluEarth E70)と乗用車用オールシーズンタイヤ(BluEarth S34)は、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせているのが特徴。また「ASPEC A349」は優れた走行性能や安全性能、快適性を実現した乗用車サマータイヤになっています。

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現行プリウスは日本国内では2015年12月9日から発売されていますが、今後も各国・各地域で順次発売されます。

販売台数も多いグローバルモデルだけにOEMタイヤの品揃えは、供給数も含めて充実している方がいいのは間違いないのでしょうが、日本向け仕様の中でも銘柄により若干乗り味が異なりますし、海外向けも含めてどんな乗り心地になるのか、とくにオールシーズンタイヤ(BluEarth S34)あたりは気になるところです。

(塚田勝弘)

性能を大幅に向上させた横浜ゴムのSUV向けタイヤ「GEOLANDAR A/T G015」登場

横浜ゴムのSUV向けタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)」は、1996年にマッドテレーンの「M/T」とオールテレーンの「A/T」のデビュー以来、今年で20年を迎えるSUVタイヤの定番ブランドです。

GEOLANDAR_A:T _G015今年の8月1日から発売される「GEOLANDAR A/T G015(ジオランダー・エイティジーゼロイチゴ)」は「GEOLANDAR A/T-S」の後継モデル。

SUVによるアクティブなライフスタイルを楽しむドライバーをターゲットに、オフロードでの走破性と耐久性を向上させつつ、オンロードでの快適性や静粛性も高めるなど、後継タイヤにふさわしい全面的な改良を受けています。

トレッドパターンにはアグレッシブなデザインが採用され、さらにタイヤショルダーのデザインも一新することで力強くスタイリッシュなイメージを演出。

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性能面では、定評あるオフロード性能を向上させるとともに、ウェット性能や雪上性能も高められています。

コンパウンドは、お馴染みのオレンジオイル配合技術をはじめとする同社の先進技術を投入し、優れた耐摩耗性能など、さまざまな路面への対応力も磨かれているそう。

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オフロードはもちろん、オンロードでの高速走行時にも安定感のある走りを発揮するよう構造とプロファイルが最適化されていて、従来品 (GEOLANDAR A/T-S)に比べて、耐摩耗性能を17%、ウェット制動性能を4%、パターンノイズ性能を22%(騒音エネルギー低減率)、ロードノイズ性能を11%(騒音エネルギー低減率)向上したとしています。価格はオープンプライスで、タイヤサイズは15インチから18インチまで幅広く揃えられています。

(塚田勝弘)

自動運転に対応する次世代コンセプトのタイヤがついに登場!?

絶え間なく進化を続けるタイヤは、クルマの中で唯一路面と接している機能パーツであり、その接地面積はハガキ大程度……。というような説明をよく耳にするかと思います。

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さらに、グリップやウェット路面への対策をはじめ、スタッドレスタイヤやレーシング向け、ミニバンや軽自動車など用途や車種に応じたタイヤ、燃費性能向上に貢献したり、減衰も担ったりするなど、その役割は非常に大きく、乗り心地やハンドリングなどシャーシの性能を大きく左右するケースも珍しくありません。

次世代タイヤといわれているタイプも各メーカーから提案されていますが、グッドイヤーがジュネーブモーターショーで披露したのは「自動運転向け」を標榜する次世代タイヤ。

ついに「自動運転向け」も提案されたのか、そんな感想を抱く方も多いと思いますが、どんなタイヤなのでしょうか。見た目もテニスボール?のようですが…

グッドイヤーが掲げた新しいコンセプトは「Eagle-360(イーグル・サンロクマル) 」と「IntelliGrip(インテリ・グリップ)」のふたつ。

「Eagle-360(イーグル・サンロクマル) 」は球状に設計されていて、「機動性」、「通信接続性」、「バイオミミクリー(生態 模倣性)」が特徴。

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クルマやタイヤの性能で「機動性」と聞くと、旋回性能やハンドリングなどの高さ、シーンを問わない俊敏な動きを思い浮かべそうですが、同タイヤでは「すべての方向に移動できる多方向性により、運転者および同乗者の安全性が向上。さらに、隙間のない駐車場や街中の狭い道路など限られたスペースへも対応が可能」と、まさに単語の意味どおりの機動性を提案しています。

「通信接続性」は「埋め込まれたセンサーが車両制御システムおよび周りの車両に対して、路面状況や気象状況を伝達することにより安全性を高め、さらに空気圧&トレッド監視システムがタイヤの摩耗状態を管理し、走行距離を伸ばす」というもの。

空気圧監視システム(TPMS)はお馴染みですし、トレッド監視システムも他メーカーがコンセプトとして提案していますが、路面や気象状況を車両と周囲の車両にも伝える、というのは次世代タイヤであることを感じさせます。

「バイオミミクリー(生態 模倣性)」と聞くと、昆虫や植物などの模倣性、擬態などを想像しますが、自然界からヒントを得たトレッド設計とのことで、「ブレインコーラル(ブレインコーラル:脳サンゴ=見た目が脳みそ状であることから名がついたサンゴの一種 )」のパターンを模倣し、 天然のスポンジのように作用するものだそう。

具体的には、ドライ路面では硬くウェットな状態では柔らかくなる設計により優れた運転性能を発揮。またハイドロプレーニング現象の防止にも寄与するとしています。

ほかにも、磁場浮揚(リニアモーター)方式という、一見するとタイヤの常識を覆すような技術も盛り込まれています。こちらは「タイヤと車両の接点に磁気浮揚方式を採用することで、スムーズで静かな乗り心地を楽しむことができる」という考え方。

もうひとつのコンセプト「IntelliGrip(インテリ・グリップ)」は、先進センサー技術と専用設計のトレッドにより、路面状況や気象状況を感知するほか、タイヤと車両の状況をリアルタイムに評価する最先端のアクティブ・ウェア(耐摩耗性) 技術が採用されています。

さらに「カスタム・アルゴリズム」として、独自開発のアルゴリズムにより、空気圧やタイヤの温度といった変動要素を定義づけているほか、路面状況にフレキシブルに対応。

タイヤが「雨で濡れている」あるいは、「滑りやすい」と感知すると車載システムが状況に合わせてスピードを調整。それにより、制動距離の短縮、確かなコーナリング、操縦安定性の向上、さらには衝突防止機能のサポートも実現するそうです。

また、現在のタイヤも担っていそうな、車両技術適合として、多くの自動車メーカーと協働し、横滑り防止装置(ESC)、ブレーキ制御システム、サスペンション制御システムなどの機能との関連性を強化。自動車メーカーのニーズに適合させるタイヤ作りを推進していくとしています。

これらのコンセプトが具現化されれば、気象状態なども加味しなければ成立しそうにない自動運転の高度化に貢献しそうな気がします。

(塚田勝弘)