Motor Fan's YEAR 2016

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モトチャンプ

新型エスティマをエレガントに演出するモデリスタ仕様

トヨタモデリスタインターナショナルからマイナーチェンジを受けたエスティマ用エアロパーツがリリースされています。トヨタ店やカローラ店などのディーラーで購入できるパーツは、メーカー系列らしく高い信頼性を確保。

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また、モデリスタはドレスアップ系パーツだけでなく、ハイエースなどを中心に車中泊向けのアイテムも展開しています。

6月にマイナーチェンジを受けた新型エスティマのモデリスタ仕様は「スポーティ&エレガント」をコンセプトに掲げ、先進性とプレミアム感を付与するアイテムをラインアップ。トヨタ店、トヨタカローラ店及びトヨタモデリスタ店ですでに発売されています。

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写真のコンプリートカーには、フロントスポイラー、リヤスカートからなる「MODELLISTAエアロキット(10万3680円)」をはじめ、フロントグリルカバー(5万1840円)、ルーフガーニッシュ(4万7520円)を装備。

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ほかにも、19インチアルミホイール&タイヤセット(ロックナット付/31万8600円)、WALDマフラーカッター(2万9160円)、LEDライセンスランプ(8640円)、LEDルームランプセット(面発光タイプ/4万8600円)などを用意。

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先述した車中泊向けパーツとして、同デモカーにはエアスリープマット(2万1600円)も車載されていて、快適な寝心地も確認できました。

デモカーそのままのコンプリートカーに仕上げるのも良し、予算に応じて少しずつドレスアップするも良し。ほかにも新型エスティマ向けのパーツが用意されていますので、気になる方はホームページをチェックしてください。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【関連リンク】

トヨタモデリスタインターナショナル(新型エスティマ)
http://www.modellista.co.jp/product/estima/index.html

新型エスティマのTRDパーツは「エレガント・スポーツ・ツアラー」がテーマ

「TRD」ブランドでモータースポーツやカスタマイズパーツを揃えているトヨタテクノクラフト。2016年6月にフェイスリフトを受けた新型エスティマを架装するTRDパーツもリリースされています。

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開発テーマは「ELEGANT SPORT TOURER(エレガント・スポーツ・ツアラー)」。

シンプルでありながら空力性能の高さを高めたエアロパーツをはじめ、新開発のスポルティーボサスペンションセット、メンバーブレースセットなど、メーカーワークスにふさわしいスポーツカスタマイズパーツとしています。

エアロパーツは、LED付フロントスポイラーをはじめ、LEDなしのフロントスポイラー、ディフューザー形状のリヤバンパースポイラー、フロントグリル上に配置されるフロントバンパーガーニッシュを用意。

機能パーツは、ハイレスポンスマフラーVer.S、18インチアルミホイール「TRD TF6」&ナットセット(ほかにも19インチも設定)、TRDスポルティーボサスペンションセット、パフォーマンスダンパーなどを揃えています。

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短時間ではあるものの試乗したところ、乗り味は確かに引き締まっていますが、メニューからすると思ったよりもハードではなく、メーカーワークスらしい信頼感のある走りを堪能できそうです。

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そのほかにも、ウィンカーバルブセット、赤いロゴ入りのプッシュスタートスイッチ、本革巻シフトノブ(左右非対称/球体)など数多く展開されています。

価格は一例として、LED付エアロパーツセット(塗装済が税抜き12万5000円〜)、LED付フロントスポイラー(塗装済みが9万円〜)などとなっています。詳しくは公式サイトを参照してください。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【関連サイト】

TRD エスティマ
http://www.trdparts.jp/estima/index.html

最新エスティマの走りをチェック。ホンダ・オデッセイと比較すると…

2016年6月にマイナーチェンジを受けたトヨタ・エスティマは、「デザイン」を最優先に掲げているため、パワートレーンの変更はありません。

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しかし、10年選手となっている現行エスティマだけに、足まわりを中心に変更を加えることで上質な乗り味を追求したとしています。

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変更箇所は少ないながらも可能な範囲で手が入れられたそうで、左右のサイドメンバーをつなぐフロントパフォーマンスダンパーを上級グレードに用意(AERAS PREMIUM-G、AERAS PREMIUM、AERAS PREMIUMサイドリフトアップシート装着車に標準、AERAS SMARTにオプション設定)。

ヤマハ製フロントパフォーマンスダンパーにより、剛性アップ、ボディな微少な振動を減衰することが可能となったそう。

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また、最近のトヨタ車ではお馴染みのエアロスタビライジングフィンをリヤコンビネーションランプに施すことで、空力性能を向上。こちらは、乱流を起こして空力でボディを左右からしっかりと抑えるのが狙いです。効果は分かる人なら40km/hくらいから察知できるそうですが、80km/h以上の中・高速域で顕著になります。

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また、サスペンションは、パフォーマンスダンパーやエアロスタビライジングフィンの装着を前提にチューニングされているとのこと。

バネ定数の変更、ダンパーの摩擦抵抗などが盛り込まれ、初期の動き出しをスムーズにしているほか、減衰力も新しいバルブの採用により操縦安定性と乗り心地の両立が図られています。

マイナーチェンジによりエスティマが目指した走りは、より乗り心地を良くして、その上でもバネ上のボディの動きを抑制するという仕上がりを目指しているそうです。

試乗時間や試乗ステージは限られていたものの、実際の走りもマイナーチェンジ前よりも洗練されている印象を受けますし、狙ったラインをトレースしやすいなど、ハンドリング面の向上も実感できます。

しかし、2013年に登場した現行のホンダ・オデッセイと比べると、デビュー年月の差は埋めがたいものがあります。とくにフロアや足まわりからの微振動を抑える巧みさや、滑らかに動くサスペンションはオデッセイの方が上。

さらに、現行オデッセイは現在のミニバンの中でもトップクラスといえる上質な乗り心地を得ているだけに、エスティマの基本設計の古さは、すべては隠しきれないというところでしょうか。

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それでも先述したように、マイナーチェンジ前と比べると洗練された走りを得ているのは間違いなく、今回は「アエラス」系のみとなっていますが、乗り心地の面で大きな不満を抱くことはないでしょう。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

エスティマが採用するミニバン世界初の「UVベールPremium Privashield」とは?

最近は「日傘男子」もいるそうですから、とくに女性が気にするものとは言えなくなっていますが、夏を中心とした紫外線対策は「日焼け」を避けるため。

ですが、車内でジリジリとした暑さに直結するのは、紫外線(UV)ではなく赤外線(IR)というのをご存じでしょうか?

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カーフィルム業界ではもちろん常識になっていて、IRをカットするタイプが市販化され、施行する業者もいくつもあります。

最近では、ウィンドウガラスでもUV、IRをカットするタイプが出ています。ホンダがN-BOXやN-WGNに採用したAGC旭硝子製のガラスがそれ。

マイナーチェンジを受けたトヨタ・エスティマも同社の「UVベールPremium Privashield」が装備されています。

ミニバンではエスティマが世界初で、全席(三角窓をのぞく)約99%UVカット実現するのが特徴。なお、エスティマで7車種目の採用になるそうです。

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この「UVベールPremium Privashield」は2015年11月に発表され、同時点で自動車用として全方位からのUVカット約99%を達成し、世界初となっています。しかも、フロントスクリーンをのぞいて、単板ガラスで実現しているのも世界初。

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なお、IRを99%カットするのは家庭用、車載用を含めて困難ですが、「UVベールPremium Privashield」はIRも従来よりもカットすることが可能になっています。

AGC旭化成によると、IRカット効果については、後部座席に座った人の体温をサーモグラフィーで測定したところ、従来のプライバシーガラスに比べて「UVベールPremium Privashield」は、頬の温度でマイナス1.7°C、頭の温度でマイナス2.4°Cの温度上昇の抑制効果が得られているそうです。

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なお、エスティマでは、上級グレードの2モデル「AERAS(アエラス)Premium-G」、「AERAS SMART」に採用されています。

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UVチェックカードにUV-LEDを当ててその差を計測してみました。「UVベールPremium Privashield」と従来のプライバシーガラス、そして「UVベールPremium Privashield」とノーマルガラスとの2つで比べて見ました。写真でも分かるように、両方ともに紫外線レベルが大きく変わっているのが確認できました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

エスティマの塗装方法はどこが違う? ミニバン初の2トーンカラーに採用された新手法

スズキ・アルトはバックドアをボディカラーと異なる色としていますが、主にルーフをボディカラーと塗り分ける2トーンカラーが流行しています。

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2016年6月にマイナーチェンジを受けたトヨタ・エスティマは、カラーも含めたデザインの変更が主眼で、ミニバン初の2トーン仕様を設定。こちらもデザイン部門からの提案だったそう。

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ミニバン、しかもエスティマはサイズが大きいだけに、工場でのマスキングや塗装が大変なのがうかがえます。しかもよく見るとルーフだけでなく、ピラーもすべて塗装されています。ドアミラーもブラック。なお、アルミホイールもブラックをあしらってコーディネイトされています。

通常、2トーンルーフはルーフ下などをマスキングし、色を変えるルーフなどを再塗装する手法が採用されています。そのため、ルーフなど塗り替えた部分はボディカラーと異なる色になっていますが、ドアの隙間やボンネット内などは元のカラー(ボディカラーと同じ)になってしまいます。

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一方のエスティマの2トーンカラーは「まず外側をマスキングしてから」ボディカラーを塗装し(写真の場合は「レッドマイカメタリック」)、その後ブラックで塗装するため、ルーフやピラーなどはもちろん、ドアを開ければ分かるように、室内側もすべてブラックになっています。

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先述したような従来の方法だと、ドアの隙間やボンネットを開けると違う色(元の色)が出てきてしまい質感は損なわれるという欠点がありました。

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そこで発想を逆転。工場と一体となって開発された今回の手法により欠点を克服したそうです。

エスティマのルーフカラーは、ブラックのみとなりますが、7月上旬の取材時点で1日に6台くらいしか生産できないという貴重な2トーンカラー。5万円高という価格設定は、工程を考えると「買い」といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

トヨタ新型エスティマ、フェイスリフトでミニバン初のツートーンカラー、Safety Sense Cも採用

「強みはデザイン」という分析から、2016年6月のマイナーチェンジでは顔つきを一新し、伸びやかなサイドビューを強調したトヨタ・エスティマ。

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メインテーマであるフェイスリフトは、バンパー、ラジエーターグリル、フェンダー、エンジンフードの変更という大がかりなもので、大開口のアンダーグリルと張り出し感を強調したバンパーコーナーの形状が大きな特徴となっています。

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伸びやかなサイドビューもエスティマの魅力で、さらに強調すべくフロントノーズの突き出し感を演出することで印象的な佇まいとしています。

リヤは、赤基調のリヤコンビネーションランプを採用し、LEDライン発光ストップランプ、面発光テールランプの組み合わせにより先進性を主張。また、ミニバン初のブラックルーフと組み合わせたツートーンカラーを設定しているのも見逃せません。

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内装もデビューから10年経ったことで「プラスチッキー」という声に応えて、合成皮革を使った柔らかめの素材のインパネにして、メーターパネルを一新。新デザインのオプティトロンメーターには、4.2インチカラーTFTのマルチインフォメーションディスプレイが採用されています。

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さらに、大型ナビと一体化されたタブレット端末を想起させるセンタークラスターに静電式スイッチを配置することで、先進性を感じさせるインパネまわりとしているのも特徴。

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内装色では、ピラーと天井を含めてブラックで統一し、グレード別にシートカラーを用意することによりスタイリッシュな空間に仕立てられています。

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装備面での注目点は、待望といえる「Toyota Safety Sense C」の全車標準装備化でしょう。より高度な「Toyota Safety Sense P」の採用は、フルモデルチェンジ並の大幅な変更が欠かせないですが、マイナーチェンジで打てる手はしっかりと打たれているようです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

これがエスティマ最終モデル? フルモデルチェンジせずやっと実現したマイナーチェンジのワケ

2006年に登場した3代目の現行エスティマは、すでに10年選手になっています。

フルモデルチェンジへの期待も高まりますが、トヨタ自動車の新体制移行で生まれた「CV Company」のCV製品企画 プロフェッショナル・パートナーの堀 淳一氏によると、2016年6月に受けたマイナーチェンジはようやく実現した企画だったそうです。

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なお、堀氏はエスティマのマイナーチェンジをずっと担当してきたそうで、初代が10年、2代目が6年、そして現行も10年と毎回これほど息の長いモデルになるとは……と苦笑しながら語っていただきました。

フルモデルチェンジの噂があっては立ち消えとなったのは、東日本大震災の影響では?という憶測もありました。実際のところどうだったのでしょうか。

じつは、2011年の震災ではなく、2008年のリーマン・ショックの影響が大きかったそう。

「大きなクルマから小さなクルマへのシフト」という流れによりエスティマも台数が減り、ミニバンもヴォクシー/ノアなどへのダウンサイジングが進んだことでフルモデルチェンジの機会を逃したというのが大きな流れとのこと。

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本来なら2012年にモデルチェンジをする計画を立てていたというエスティマは、開発自体も厳しい状況で、全体のスケジュールを延ばすという決断になったそうです。

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需要がヴォクシー/ノアのような箱型ミニバンにシフトし、日産がプレサージュをやめるなど、ライバルがホンダ・オデッセイくらいとスタイリッシュ系の大型ミニバン市場は縮小しています。

そんな中、エスティマはモデル末期といわれ続けていても「何で何もしないの?」という声もあり、マイナーチェンジがようやく実現。

じつは、堀氏も2012年のマイナーチェンジが最後になると思ったそうですが、エスティマは根強い人気があり、2015年になっても月1500台ペースでコンスタントに売れ続けています。

なお、ハイブリッドとガソリン車の比率は、前者が25%くらい、後者が75%くらいだそう。

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市場がシュリンクしているいま、40万台くらいという既存ユーザーの買い替えを狙うために、エスティマの強みを分析。そうすると「エスティマが好き」、「デザインが好き」ということで、デザイナーが提案するものが基本的にすべて盛り込まれています。

こうなると、次期エスティマがあるか気になりますね。

お話の最後に「リーマン・ショックがなければ(新型)をやれたのに……」というつぶやきのような同氏の話があったことをお伝えしておきます。もし、次期型を粘り強く待っているなら今回のマイナーチェンジ後モデルを手にしておくのが正解かもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

エスティマのマイナーチェンジの背景に隠れているものとは?

1990年に初代モデルが登場し、7人乗りの大空間とエンジンを床下に置く特異なパッケージングから「天才タマゴ」の愛称で親しまれた「エスティマ」。

2000年には2代目、2006年には3代目へと進化を果たしてきました。

そんな3代目も今年で10周年。「そろそろフルモデルチェンジか?」と期待していた方も多いのではないでしょうか?

そして2016年6月、いよいよその時が……と思ったら、フルモデルチェンジではなく、なんと行なわれたのはマイナーチェンジ!?

しかし、肩を落とすことはありません。一般的にマイナーチェンジと聞くと内外装の化粧直しを想像しますが、「エスティマ」は見た目だけでなく中身も時代のニーズに合わせた抜本的な改革が行なわれているのです!!

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■「エスティマは大切にすべき」の想いが下した英断!!

そもそもフルモデルチェンジを行なわなかった要因のひとつに、「エスティマ」をはじめとしたデザイン系ミニバンの市場規模の縮小が挙げられます。

低床プラットフォームの採用で室内空間の広さをとことん追求した「ノア/ヴォクシー」をはじめ、高級サルーンに匹敵する質感を誇る「アルファード/ヴェルファイア」の好調を横目に、「エスティマ」はたとえフルモデルチェンジしても先行きが不透明だったそうです。

しかし、その一方で初代モデルから一貫する高効率パッケージとデザイン性など、それらが立派な個性として根付いていたのも事実。

国内だけでも40万台が保有されていることから、減少傾向だからといってスッパリと見切りをつけずに、多くのファンに向けて出した答えが今回のマイナーチェンジだったというわけです。

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■新グレード「アエラス スマート」設定、温もりあふれるベージュが心地よい

今回のマイナーチェンジに際してラインナップが見直されました。なかでも注目は新グレード「アエラス スマート」です。

かつて女性ライフスタイル誌「VERY」とコラボレーションした特別仕様車「VERYエディション」で得た知見を活かしたグレードで、ベージュもしくはホワイトのインテリアや紫外線(UV)を約99%カットするガラスを全面に採用するなど、女性が喜ぶ仕立てや機能が満載!

そのほかには、自動ブレーキと車線逸脱警報さらにオートマチックハイビームがセットの「トヨタ・セーフティ・センスC」を全車に標準装備。一部グレードには、走行時のボディのたわみを吸収するパフォーマンスダンパーを採用する点も注目です。

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

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「キーンルック」は『意外性』と『緩さ』!? 新しいトヨタフェイスの正体について訊く

エスティマがビッグマイナーチェンジを行い、最新のトヨタフェイスに一新されました。

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次々に展開されるトヨタの新しい顔ですが、そもそもこの顔にはどんな意味が込められているのか、あらためてその真意を聞きました。

[語る人]
トヨタ自動車株式会社
トヨタ・コンパクトカー・カンパニー デザイン部長
CVカンパニー 主査 服部繁也 氏

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── まず、「キーンルック」や「アンダープライオリティ」といった考え方は、どんなきっかけから生まれたのでしょうか?

「トリガーは2回です。まず欧州戦略で、シェア5%と伸び悩む理由にトヨタ車としての共通項の欠如、ブランド力の弱さがありました。そこを何とかしたかった。もうひとつは先代プリウスでの取り組みです。空力のためにアッパーグリルはツルッとさせて空気を流しつつ、冷却はアンダーグリルに集中させた。この両者がいまの表現につながっています」

── マツダのイメージモデルのような、デザインのキーとなる造形やスケッチはありますか?

「いえ。トヨタはフルラインメーカーで、かつ世界展開も幅広いですから、そうした原型のような考えは縛りになってしまいます。今回のエスティマも結果的には薄い目に大きなグリルとなりましたが、当初には異なるアイデアもいろいろありました」

── しかし、そうは言ってもデザイン部内での共通認識は必要ですよね?

「そこは専務役員の福市得雄が、常に現場に対し語りかける機会をもっています。福市は5年前にデザイン本部長に就いて以降『意外性』をテーマに社外へメッセージを発信していますが、同時に社内トップ会議にも目を配ることで現場を喚起しています」

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── カローラやカムリ、SAIなど、キーンルックはそれぞれの表情や個性の表現が難しいのでは?

「キーンルックを最大限に表現するのはあくまでヴィッツなどグローバル・コアモデルに絞っていて、たとえばパッソやアルファードなど国内向けモデルではそこまでやらない。ただ、たとえば新しいプレミオ・アリオンでは、グリルは大きいけれど、フォグランプ周りにメッキを施して重心を下げ、それをこのクルマのアンダープライオリティとしている。そういう自由度は残しているということです」

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── キーンルックはどんどん先鋭的になります。先ほど意外性という話がありましたが、より派手に展開するしかないのでしょうか?

「今回のエスティマでは、顔の表現をよりツルッとさせました。先代はアンダーグリルが左右に張った顔をしていましたが、本来のエスティマはこっちじゃないかと。つまり、単に派手にするのではなく、クルマごとにあるべき表現を考えている。ちなみに、よく誤解されるのですが、キーンルックとは新しい顔の表現全体のことで、細長いグリルやランプのことではありません」

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── アンダープライオリティは開口部が大きく、表情が大味で、ややもすると改造車のようになりませんか?

「そこは配慮しています。たとえば新しいエスティマのグリルは横バーを挟んで上下に開口部がある。上のグリルは結構高い位置にあるので、そのまま下までハの字にしてしまうと大きすぎてしまいます。なので、サイドラインからの流れで挟み込んで六角形としました。これはアクアと同じ考え方ですね」

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── アンダープライオリティにも幅がある?

「はい。もともとはハの字の開口によって視点を下げることが目的なのですが、エスティマやアクアでは、アクセサリーランプを組み込んださらに外側のハの字で視点を横に引っ張る次のステップにもトライしている。シエンタもその応用ですね。そういう幅、ある種の緩さがあるのがキーンルックということです」

── なるほど。ありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

モデリスタから新型エスティマ・エスティマハイブリッド用カスタマイズアイテムが登場

フェイスリフトを中心に、グレードを「アエラス」系に集約するなど、マイナーチェンジを受けたトヨタ・エスティマ/エスティマハイブリッド。発表と同時に同車用のカスタマイズアイテムがリリースされています。

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新しいフロントマスクは、大開口のエアインテークを含むアッパーグリルまわりが目を惹きますが、モデリスタのカスタマイズアイテムでも顔つきを強調するメニューが目を惹きます。

まず、エクステリアのアイテムとして、ロアグリルを大きく見せるデザインとメッキ加飾により大胆な変身ぶりを実現する「MODELLISTA エアロキット」をはじめ、艶やかなブラックパネルとメッキモールでスタイリッシュなフロントフェイスを表現したという「フロントグリルカバー」を設定。

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ほかにも、エスティマのワンモー ションフォルムをさらに強調する「ルーフガーニッシュ」、モデリスタオリジナルの19インチアルミホイール&タイヤセット「WingDancer 4」などが用意されています。

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内装では、LEDのクリアな面発光が室内を明るく照らす「LEDルームランプセット(面発光タイプ)」、ユーティリティのアイテムとしてスライドドア開閉に連動し、LEDライトが足元を照らす「LEDスマートフットライト」、快適な車中泊をサポートする「エアスリープマット」などニーズや好みに応じたアイテムが設定。

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数多くのアイテムが用意されていますが、価格の一例を挙げると、「MODELLISTA エアロキット」が10万3680円(塗装済)、「WALD AERO KIT エアロキット」は、12万3120円(塗装済)、10万8000円(素地)、「LEDルームランプセット(面発光タイプ)」が4万8600円、「LEDスマートフットライト」が2万3760円、「エアスリープマット」2万1600円などとなっています。

(塚田勝弘)

新型「トヨタ・エスティマ」、先進のスタイリングと洗練されたインテリアで再臨!

1990年に誕生した初代トヨタ「エスティマ」は2000年1月にフルモデルチェンジを受けて2代目に移行、2006年1月に3代目が登場し、その後10年以上に渡って同社のミニバンラインナップを担ってきました。

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今回、6月6日に「ビッグマイナーチェンジ」を敢行、グレード体系を人気のアエラス(2.4Lエンジン)に一本化。内外装の大幅変更に加えて、サスペンションのチューニングにより、操縦安定性や乗り心地が向上しています。

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また、フロントパフォーマンスダンパーの追加により、走行中のボディに発生する小さなたわみや微振動を速やかに吸収、よりシャープなハンドリングを実現しています。

安全装備では「Toyota Safety Sense C」を全車に標準装備、レーザーレーダーと単眼カメラの組み合わせにより、高い認識性能と信頼性を両立しています。

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外観についてはフロンマスクが一新され、近年のトレンドを採り入れたものになっています。

ヘッドランプは従来のディスチャージタイプに代わり、LEDクリアランスランプを備えた「Bi-Beam LEDヘッドライト」を採用、フロントバンパーの両側には縦長のデイライト機能付LEDアクセサリーランプを装備しています。

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リヤ周りにも「LEDライン発光ストップランプ」「面発光テールランプ」を組み合わせた赤基調のリアコンビネーションランプを採用。

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一方、インテリアでは新意匠のオプティトロンメーターを採用。

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インパネに合成皮革をあしらうなど、モダンで上質な空間を演出しており、大型ナビと一体化したタブレット端末のようなセンタークラスターが目を引きます。

ボディ色ではブラックルーフと組み合わせたツートーン仕様の外板色3色(OPT)をはじめ、新設定の3色(OPT)を含む全10色をラインナップしており、全カラーに洗車などによる小さな擦り傷を自己修復する「セルフリストアリングコート」を採用。新車時の光沢とカラーを長期に渡り維持できるようになっています。

価格はエスティマが327万1,418円から370万473円、エスティマハイブリッドが431万1,163円から492万8,727円。

最新の安全装備が搭載され、より精悍な顔つきを得た「エスティマ」は今後もトヨタの代表的ミニバンとしてのポジションを担うことになりそうです。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車)

【関連記事】

迫力を増したフロントマスクと安全装備の強化に注目 トヨタ「エスティマ」
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10年ものロングセラー「トヨタ・エスティマ」がマイナーチェンジ
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迫力を増したフロントマスクと安全装備の強化に注目 ─ トヨタ「エスティマ」画像ギャラリー

トヨタ・エスティマがマイナーチェンジを受け、最新のトヨタ顔にフェイスリフトされました。

さらに、内・外装のリフレッシュと「Toyota Safety Sense C」の標準装備なども行われ、ガソリン車のエスティマ、エスティマハイブリッドとともにグレードが整理され、人気の「アエラス」系のみとなっているのが特徴です。

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販売店であるトヨタ店、トヨタカローラ店の販売現場にとって本音はフルモデルチェンジが待たれるところでしょう。

とくにトヨタ店は、今でこそエスクァイアが並んでいますが(トヨタカローラ店は従来からノアがあり)、ミニバンはプリウスアルファをのぞいてエスティマの「1本足打法」のような状態でしたから。

しかし、モデル末期といわれ続けて数年、それでも売れ続けるのはトヨタの販売力がなせるワザ。トヨタが「ミニバン市場における独自のポジションをより強固にすべく」とリリースに表記しているのはその証といえるかもしれません。

ボンネットフードやグリル、フェンダーを中心に一新したフロントビューに加え、より美しく伸びやかなサイドビューを実現するなど、独自の存在感を強調した外観デザインとし、ボディカラーではミニバン初(トヨタ調べ、2016年6月現在)となるツートーン仕様が設定されています。

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インテリアには、新たに「ブランノーブ(ブランノーブは、ヌバック調シート表皮のことで、TBカワシマの登録商標)や、サテン調加飾を採用するなど、シンプルかつモダンな室内空間を演出したとしています。

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装備面では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」の標準化が注目点で、パワートレーンなどには手は入れられていませんが、サスペンションのチューニング最適化をはじめとする走りの質感向上なども図られています。

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具体的には、リヤコンビネーションランプにエアロスタビライジングフィンを採用することで空力性能を高め、走行安定性を確保。

また、フロントパフォーマンスダンパーの設定により、走行中の小さなたわみや微振動を速やかに吸収し、よりシャープなハンドリングを実現に貢献するとしています。

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ボディカラーは、先述したようにミニバン初となるブラックルーフと組み合わせたツートーン仕様(ルーフ・ピラー・アルミホイールなどをブラックで統一し、よりスタイリッシュさを追求)の3色(オプション設定)をはじめ、新規設定色のレッドマイカメタリック、ダークシェリーマイカメタリック、スパークリングブラックパールクリスタルシャイン(オプション設定)を含む全10色を用意。

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インテリアカラーは、天井、ピラーを含めてブラックで統一されるほか、グレードごとにシートカラーが設定され、より洗練されたキャビンになっています。

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さらに、福祉車両の「ウェルキャブ」も、ベース車と同様の改良が施され、セカンドシートがそのまま車いすになる「サイドリフトアップシート車(脱着タイプ)」には、シートが格納された時の前後スライド位置・リクライニング角度の自動記憶機能が採用され、使い勝手を向上しています。

(塚田勝弘)

【関連記事】

10年ものロングセラー「トヨタ・エスティマ」がマイナーチェンジで「Safety Sense C」を標準化
http://clicccar.com/?p=376814

10年ものロングセラー「トヨタ・エスティマ」がマイナーチェンジで「Safety Sense C」を標準化

トヨタでは特殊な位置付けの「センチュリー」を除けば「再登板」を果たした先代シエンタの12年に次ぐ、10年半ものロングセラーモデルとなっているエスティマ。同車を取り扱っているトヨタ店の現場にとってフルモデルチェンジは「悲願」と推測できますが、エスクァイアが割り振られていることもあってマイナーチェンジでも待望といえるかもしれません。

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まず見どころはフロントマスクを中心とした大がかりなフェイスリフトで、エンジンフードからラジエーターグリル、バンパー、フェンダーまでのフロントデザインが一新されています。

印象的な大開口のエアインテークを含むアッパーグリル、サイドまで回り込んだ薄型のヘッドランプ、張り出したバンパーコーナーの造形がワイド感を強調。ディテールでは、LEDクリアランスランプと組み合わされた「Bi-Beam LEDヘッドランプ」やデイライト機能付のLEDアクセサリーランプもスタイリッシュな見た目に貢献しています。

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最近のトヨタ顔になったわけですが、現行シエンタが売れていることもあってエスティマでも概ね支持されそう。

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リヤでは、立体的に造形された赤基調のリヤコンビネーションランプになったのが大きな変更で、LEDライン発光ストップランプと面発光テールランプとの組み合わせにより、先進性を主張。

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一方のインテリアでは、合成皮革が採用されたインパネにアクセントステッチの加飾が施され、よりモダンで上質な雰囲気になっています。さらに、横長のサテン調加飾オーナメントがワイド感を演出し、サテン調加飾のステアリングホイールとともに上質感が表現されています。

メーターも新意匠のオプティトロンメーターになり、先進性を高めつつ、視認性を向上。また、マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチTFTカラー)が標準装備され、大型ナビと一体化したタブレット端末のようなセンタークラスターには、直感的な操作が可能な静電式スイッチが採用されています。

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装備では、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームがセットにされた衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」が全車に標準装備されたのがトピックス。

走りにも手が入れられていて、コイルスプリングをはじめとしたサスペンションのチューニング最適化などにより、操縦安定性の確保に加えて、より上質な乗り心地を実現したとしています。

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気になる価格帯は2.4Lガソリンのエスティマが327万1418円〜370万473円、2.4Lエンジンを積むエスティマハイブリッド(E-FOUR)が431万1163円〜492万8727円。グレードが整理され、「X」や「G」がなくなり、人気の「アエラス」系となっています。価格は約7万円〜17万円ほどアップとなっていますが、内容を考えると妥当といえるかもしれません。

今回のマイナーチェンジは、ホンダ・オデッセイがハイブリッドの追加を中心としたマイナーチェンジへの対抗策とも推測でき、エスティマ対オデッセイの販売競争が激化しそうです。

(塚田勝弘)