Motor Fan's YEAR 2016

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「オートカラーアウォード2016特別賞」に輝いたホンダ・NSXのカラーとは?

新型ホンダNSXには、全8色のボディカラーが設定されています。今回、日本流行色協会(JAFCA)が主催の「オートカラーアウォード2016特別賞」に、NSXのカラーデザインが2通り選ばれました。

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選ばれた2つの組み合わせは、エクステリアが「バレンシアレッド・パール」、インテリアが「レッド」の組み合わせと、「ヌーベルブルー・パール」と「オーキッド」のコーディネイト。

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JAFCAは、特別賞を受賞した2通りのカラーデザインについて下記のように表しています。

思わず足を止めて見てしまうような、存在感のある色。色の力を感じるカラーデザインである

陰影へのこだわりが日本的であり、日本人デザイナーの感性が生きている

「ヌーベルブルー・パール」は、手の届かない空の青を間近で見るような美しさを実現している

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新型NSXのボディカラーは、「バレンシアレッド・パール」がかつてスペインのバレンシアで行われたレースに由来するほか、「130Rホワイト」は鈴鹿サーキットの130R、「ソースシルバー・メタリック」はスパ・フランコルシャンの「ラ・ソース・ヘアピン」など、その大半がサーキットや市街地コースの一部(モナコのヌーヴェル・シケイン)を由来としています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、ホンダ)

オートカラーアウォード2016のグランプリに輝いた、ロードスターRFの「マシーングレープレミアムメタリック」とは?

日本流行色協会(JAFCA)が主催する「オートカラーアウォード2016」において、マツダ・ロードスターRFのボディカラー「マシーングレープレミアムメタリック(以下マシーングレー)」、内装色「オーバーン(赤褐色)」の組み合わせがグランプリを受賞しました。

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以前にもご紹介したように、マツダの「マシーングレー」は、「ソウルレッドプレミアムメタリック」に続く、「匠塗(TAKUMINURI)」と呼ばれるボディカラー。

「魂動デザイン」というキーワードを掲げ、デザインに力を入れているマツダがとくに注力しているのが、この「匠塗(TAKUMINURI)」で、第1弾となる「ソウルレッドプレミアムメタリック」は、いまやマツダ車で最も売れている外装色になります。

アクセラ、アテンザで採用された第2弾の「マシーングレー」も20%を超え、「ソウルレッドプレミアムメタリック」と並ぶ人気ボディカラーになっているそうです。現在では、アクセラやデミオのほか、新型CX-5にもラインナップされます。

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漆黒の陰影を見せる「マシーングレー」は、リアルな金属の質感が徹底追求されており、JAFCAではグランプリの理由について、

マツダが行なってきたCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)でのブランド構築の集大成とも言えるカラーデザイン

CMFと形状が一体となって、非常に調和した美しさを持っている

マシーンの鉄をイメージさせるグレーを、液体を思わせるような金属感により、グラマラスでセクシーなデザインとして作り上げた

と高く評価しています。

今までにありそうでなかった大人っぽいグレーは、単に渋いだけでなく、金属の質感もありありと再現されていて、大いに所有欲を満たしてくれそうです。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

「赤いルノー」ルージュ フラム メタリックを買うなら、15万円引きがある12月25日までがオススメ!

ルーテシアやメガーヌなど、最近のルノーで印象的なボディカラーである「ルージュ フラム メタリック」。

このボディカラーは、「恋に落ちる」というキャッチを掲げたコンセプトカーのデジールと同じクリアレッドのトップコートを採用。最新ルノーを象徴するボディカラーとなっています。

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12月25日のクリスマスまで開催中のキャンペーン「#CodeRED Campaign(コードレッドキャンペーン)」は、赤いものを身につけてルノーディーラーを訪れ、「ルージュ フラム メタリック」の対象車を成約・登録すると15万円の購入サポートが受けられるというもの。

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さらに、年内限定の購入サポート「ルノー スペシャルオファー」を併用すると、金利0%や購入サポート最大15万円など(車種により異なります)も受けられ、「コードレッドキャンペーン」と合わせて最大30万円引きになる車種も。

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「コードレッドキャンペーン」の対象車種は、「ルージュ フラム メタリック」のルノー ルーテシア、ルーテシア ルノー・スポール、メガーヌ ルノー・スポール 273、メガーヌ ルノー・スポール 273 トロフィー2 の4車種となっています。 なお、「ルノースペシャルオファー」の対象車種は、ルーテシア、ルーテシアR.S.、キャプチャー、カングー、トゥインゴです。

印象的な「赤いルノー」に恋した人は、ルノーディーラーに行けば最大30万円のクリスマスプレゼント(購入サポート)がもらえますから急ぎましょう。

(塚田勝弘)

【関連リンク】

ルノー コードレッドキャンペーン
http://www.renault.jp/information/campaign/lp/code-red.html

マツダの新型「CX-5」で披露された新ボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」とは?

16日に開幕したロサンゼルスオートショー(LA2016)で、マツダが新型「CX-5」を公開して話題になっています。この新型「CX-5」で注目されているのが、新開発のボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」です。

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マツダのソウルレッドといえば、プロ野球の広島カープのヘルメットにも採用され、「赤ヘル」と呼ばれて自動車ファンだけに限らず、野球ファンや一般市民にも親しまれているマツダを象徴するテーマカラーです。

今回マツダは、同社の代表的なボディ・カラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」を新しいボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」に刷新し、2017年2月に日本国内で新発売する予定の新型「マツダ CX-5」で初採用した後、マツダのテーマカラーとして広く他車種に展開していく予定です。

新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、強さと鮮やかさ、クリアな深みと艶感を両立させることを目指して開発されたもので、従来のソウルレッドプレミアムメタリックより、彩度を約2割、深みを約5割増して、より瑞々しく艶やかな透明感が表現されています。

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この新色の特徴から従来より複雑な塗膜層が予想されますが、新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」の塗膜層は、クリア層、透過層、反射層というシンプルな3層構成で従来より鮮やかで深みのある色彩を実現しています。

シンプルな3層構成で新色を実現するために、マツダ独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」を進化させた、ということです。

新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」の透過層で採用された新技術は、1.高彩度な赤色の顔料を新開発、2.反射層には極薄の高輝度アルミフレークに「吸収フレーク」を加える、3.アルミフレークのサイズを均一化する、の3点です。

この3点の新技術から生まれる効果は、1.の新赤色顔料の採用で、よりピュアな赤色を発色させることに成功し、2.の反射層では、従来は2層でないと実現できなかった深みを1層で実現、3.のアルミフレークのサイズを均一化では、アルミフレークと光吸収フレークをボディの表面へ均等かつ平滑に分布させることで、より緻密に光を反射させることができました。

特に、3.のアルミフレークのサイズを均一化により、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みが大幅に向上し、新色の表情を豊かにするのに効果が大きいと思われます。

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この新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」で開発された新技術は、ほかのボディカラーにも応用できるものです。たとえば、マツダのもうひとつの注目カラーである「マシングレー」に適用すれば、最近発表された「ロードスタ RF」にぴったりのボディカラーになりそうです。

今後マツダから自動車ファンを楽しませてくれる新色が次々に登場してほしいものです。

(山内 博・画像:マツダ)

【関連記事】

米国にもSKYACTIVディーゼルを展開!デザインそして走りの質感を向上させた新型マツダCX5
http://clicccar.com/2016/11/17/417754/

【ロードスターRF試乗】いっそ「ロードスター」をヤメて「マツダRF」でいいのでは?と思ったワケ
http://clicccar.com/2016/11/17/416934/

新型マツダCX-5で初登場の「ソウルレッドクリスタルメタリック」とは?

「魂動デザイン」を掲げるマツダは、造形だけでなくカラーデザインとも呼ばれるようにボディカラーにも注力しています。

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第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」は、いまやマツダを象徴するカラーとして新世代商品群全体でも人気ボディカラーになっています。また、アクセラ、アテンザ、CX-3、デミオ、ロードスターRFという具合に順次採用されている第2弾の「マシーングレープレミアムメタリック」もアクセラで2割を超えるなど、有償色であっても着実に支持を集めています。

新型CX-5に初採用される「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、生命感を抱かせるエネルギッシュな強さと鮮やかさ、濁りのない深みと艶感をより高い次元で両立させたカラーで、第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」を進化させた新色。

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第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」よりも彩度を約2割、深みを約5割増したことで、より瑞々しく艶やかな透明感を得たとしています。

具体的には、塗膜層を「クリア層」、「透過層」、「反射層」からなるシンプルな3層構成としつつ、マツダ独自の塗装技術である「匠塗 TAKUMINURI」を進化。

なお、「匠塗 TAKUMINURI」とは、熟練職人が手塗りしたような精緻で高品質な塗装を、量産ラインで実現するマツダの塗装技術で、第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」、第2弾の「マシーングレープレミアムメタリック」にも採用されています。

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透過層には新開発の高彩度な赤色の顔料を採用することで、赤色をよりピュアに発色。反射層には極薄の高輝度アルミフレークに加えて、光を吸収してシェードの濃さを強める「光吸収フレーク」を採用することで、従来は2層必要だった深みの表現を1層で実現。

また、アルミフレークのサイズを均一化するとともに、塗装の精度向上と乾燥工程で塗膜の体積を収縮させる手法により、アルミフレークと光吸収フレークのボディ面への均等かつ平滑な分布を達成し、より緻密に光の反射をコントロールさせています。これらにより、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みを大幅に向上させたそうです。

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新色の開発ではボディカラー開発だけでなく、生産技術面も含めた進化が欠かせません。反射層を従来の2層から1層に減らすなど、生産効率向上やコスト削減、環境面への配慮につながると思われる技術も投入されているのも注目。

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実際に「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、発色と機能を集約させる塗膜設計技術により、通常より多くの塗膜層を必要とする高意匠カラーをシンプルな層構成で達成。マツダが継続的に取り組んでいる環境に優しい塗装ラインでの生産に貢献しています。

(塚田勝弘)

マツダの「マシーングレープレミアムメタリック」は、塗装プロセスにもさまざまな工夫を凝縮

リアルな金属質感を目指して開発されたマツダの「マシーングレープレミアムメタリック(以下、マシーングレー)」は、かなり難しいチャレンジだったそうで、当然ながら塗装プロセスにおいても新しい試みがなされています。

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通常のボディカラー開発は、デザインがある程度ターゲットユニットとして決まり、設計、性能要件、生産と工場(単位)にシフトしていく流れの中で進んでいきますが、こうした流れだとどうしてもそれぞれの要件に壁があるそうです。

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そこで「マシーングレー」では、デザインのイメージ段階からデザイン、設計、生産、サプライヤーが集まった「共創」活動でアイディアを出しながら開発。この活動が、「マシーングレー」を商品化できた大きなポイントになっています。

「マシーングレー」が目指したのは「金属質感」、「鉄の黒光り感」、「みずみずしいツヤ感」。

まず、「金属質感」をどうやって出したかというと、一番下に鉄、錆防止などの下塗り、カラー層、その上にアルミフレーク(ラメ)の入った薄いカラー層(メタリック層)、一番上がクリア層になっています。

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通常と異なるのは、カラー層が1色ではなく別々の塗料で2層に分けている点で、「金属質感」をどう「捉えるか」に注力。

そのため、新潟県燕市の金属加工の職人に協力してもらい、金属プレートの磨き度合いの異なるサンプルをいくつも出してもらったそうです。燕市の金属加工といえば、iPodの研磨で世界的な話題になったこともありました。

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磨き方によっては鏡のような状態までになりますが、表面に若干研いだ後が残るような研磨状態が今回マツダの考えた「マシーン感」と決定し、さらに分析すると、表面にごく僅かな凹凸が残っているために、光が反射した時に「マシーン感」を醸し出すことが分かったとのこと。

しかし、その質感を塗装で表現するのが課題。そこで、メタリックを入れたアルミフレーク層に「段差」をわざと付けることで、金属の凹凸のようにならないかと考え、「マシーン感」が得られる「段差」を試行錯誤しながら決定されました。

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つぎの「鉄の表現(黒光り感)」は、鉄そのものを使えれば表現しやすいものの、錆の原因になるため塗装の中には使用できません。そこで、アルミフレークを使いながら鉄を表現するという、相反する課題にチャレンジ。

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まず、「黒光り感」は何かを分析すると、光を当てたときアルミは90%以上を反射させ、鉄は50〜60%以上反射させる点に着目。鉄は光を半分くらい吸収することで「黒光り感」が出ていると考え、10ミクロンくらいのアルミフレークとアルミフレークの間に隙間を設けることで、その隙間に入った光が黒のカラー層に吸収させています。その隙間の比率を調整することで、鉄と感じる(鉄の反射率に近づく)ように設計されています。

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「マシーングレー」の塗装は、噴霧(塗装の小さな粒)の大きさが20〜30ミクロンで従来よりも小さくなっていて、この粒子の中にアルミニウムが1つ入っているそうです(厳密には1つは究極の理想で、時々2つ入ることもある)。

ボディ全体に噴霧した時は、アルミニウムがばらばらな方向を向いていて、その後塗装が蒸発(水分やシンナーが蒸発)していくと、塗装の厚みが薄くなり、体積の圧縮とともにアルミフレークを並行にして、最終的には0.5ミクロンという普通の塗装の1/6くらいまで薄くなるそうです。そこまで薄くすることでアルミを綺麗に並べられます。

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そして、塗装表面の滑らかさもポイント。厚く塗れば可能になりますが、生産台数に制約が出てくるため、鋼鈑の表面から平滑にしていくという挑戦もなされています。下塗り、カラー層(ブラック)も塗装そのものが真っ平らになるように開発されていて、反射層を塗る頃にはかなり平滑になっていて、アルミフレークを並べ、最後にクリア層が塗られています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【関連記事】

ソウルレッドに並ぶマツダ車のプレミアムボディカラー「マシーングレープレミアムメタリック」に込めた思いとは?
http://clicccar.com/2016/10/18/409150/

コニカミノルタが測定能力を高めた自動車外装/内装向け分光測色計の新製品2機種を発売

コニカミノルタは、自動車の製造工程で色彩を管理するための色彩測定能力を高めた分光測色計の新製品2機種を発売すると発表しました。

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今回発売されるのは、自動車の外装色の測定に適したマルチアングル分光測色計「CM-M6」(発売日:10月26日)と、内装色の測定に特化した分光測色計「CM-25cG」(発売日:10月7日)の2機種です。

まず外装用のマルチアングル分光測色計「CM-M6」は、ボディやバンパーなど曲面が多い実車の色彩を、高い測定精度で安定して測定できることが特徴です。

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この「CM-M6」では、1方向照明6角度受光方式を採用したため、従来機種の3角度と比べて、多くの受光測定値が得られ、従来では色彩の管理が難しかったメタリック・パール塗装の検知能力がさらに向上しています。

また、ダブルパス光学系を採用したことで、傾いた測定対象から反射する光に対しての誤差が相殺され、半径300mm程度の曲面でも高い測定安定性を実現しています。

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さらに測定可能面積が従来の直径12mmから直径6mmに小径化されたので、小面積の色彩を測定することができるようになりました。

しかも「CM-M6」は、1.1kgの小型軽量サイズで、持ちやすく片手でも安定して測定できる縦型のボディタイプで作業性・操作性にも配慮されています。

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内装色の測定用の分光測色計「CM-25cG」は、色と光沢を同時に測定可能な「Two in One」分光測色計であることが特長です。

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自動車の内装品は色彩だけに限らず、光沢も品質を管理するための重要な要素となります。この「CM-25cG」は色彩値と光沢値を1秒の短時間で同時に測定できるので、大量の測定対象でも測定時の作業性が高く、作業の効率化に貢献できます。

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また、機器ごとの測定結果の差が極めて小さいため、部品メーカーから完成車メーカーまで自動車のサプライチェーンを通じて共通の物差しとして、内装部品の色彩管理に使用することができます。

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しかも色彩値、光沢値とも色彩を測定できる測定径を大小に切り換えることができ、内装部品の色彩測定に便利なように本体の左右両側に操作ボタンを設けているなど、生産現場のニーズに合った工夫が凝らされています。

(山内 博・画像:コニカミノルタ)

中国の若者は「黒色の自動車」が大好き!? 中国の大学生のクルマに対する嗜好は?

BASF が同済大学(中国・上海)のデザイン&イノベーション学部と実施した自動車の好みに関する共同調査で、中国の若者は「黒色の自動車」が大好きで、「環境重視でエコカー好み」であることが分かりました。

同済大学との共同調査①

今回の調査は、中国市場に参入しているドイツの化学会社で自動車用塗料のサプライヤーであるBASFと、中国の主要大学のひとつで国際志向の優秀な学生が集まっている同済大学とが、同済大学に通う1995年以降生まれの100名の学生を対象に、自動車産業の重要なトレンド指標である「ライフスタイル」、「色」、「車の好み」についての調査を行ったものです。

同済大学デザイン&イノベーション学部の准教授・Wenqing Yang氏によれば、

「今回の調査対象として選ばれた学生は、中国における将来の中流階級を代表しており、将来の消費者像を予測するのに最適で、彼らのライフスタイルや、車、色の好みを理解すれば、今後の自動車トレンドに影響を与える彼らの消費者としての好みや行動を予測することができる」

としています。

同済大学との共同調査②

今回の調査結果のハイライトは「好きな自動車の色は黒」であるという点です。自動車の塗色について中国の若者は「黒」は控えめで知的、シック、落ち着いていてスタイリッシュという好印象を持っています。

昨年は中国でローズゴールドのスマートフォンが爆発的に売れたということですが、少なくとも今回の調査では自動車の塗色について中国の若者は「ピンク」ではなく「黒」に好印象を持っていることが分かりました。

また今回の調査結果では、自動車の購買決定を行う際に環境保護を重視する傾向が高まっていることから、従来のガソリン車よりもエコカー(電気自動車やハイブリッドカー)が好まれることも明らかになりました。

さらに人気のある自動車の種類としては、女性回答者にはSUV(スポーツ多用途車)が人気で、男性回答者の約20%がスポーツカーを好むという結果になりました。

そして、自動車の購買を決める際に最も影響するポイントは価格で、それに次いで僅差で外観が自動車の購買を決める要因であることが窺えます。

今回の調査結果を総括すると、現代中国での95年以降生まれの若者世代にとって、現在のライフステージでは価格はコントロールできない要素であるため、塗色を含む広義の自動車の外観が、重要な購買意思決定要因になっているようです。

(山内 博・画像:BASF)

エスティマの塗装方法はどこが違う? ミニバン初の2トーンカラーに採用された新手法

スズキ・アルトはバックドアをボディカラーと異なる色としていますが、主にルーフをボディカラーと塗り分ける2トーンカラーが流行しています。

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2016年6月にマイナーチェンジを受けたトヨタ・エスティマは、カラーも含めたデザインの変更が主眼で、ミニバン初の2トーン仕様を設定。こちらもデザイン部門からの提案だったそう。

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ミニバン、しかもエスティマはサイズが大きいだけに、工場でのマスキングや塗装が大変なのがうかがえます。しかもよく見るとルーフだけでなく、ピラーもすべて塗装されています。ドアミラーもブラック。なお、アルミホイールもブラックをあしらってコーディネイトされています。

通常、2トーンルーフはルーフ下などをマスキングし、色を変えるルーフなどを再塗装する手法が採用されています。そのため、ルーフなど塗り替えた部分はボディカラーと異なる色になっていますが、ドアの隙間やボンネット内などは元のカラー(ボディカラーと同じ)になってしまいます。

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一方のエスティマの2トーンカラーは「まず外側をマスキングしてから」ボディカラーを塗装し(写真の場合は「レッドマイカメタリック」)、その後ブラックで塗装するため、ルーフやピラーなどはもちろん、ドアを開ければ分かるように、室内側もすべてブラックになっています。

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先述したような従来の方法だと、ドアの隙間やボンネットを開けると違う色(元の色)が出てきてしまい質感は損なわれるという欠点がありました。

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そこで発想を逆転。工場と一体となって開発された今回の手法により欠点を克服したそうです。

エスティマのルーフカラーは、ブラックのみとなりますが、7月上旬の取材時点で1日に6台くらいしか生産できないという貴重な2トーンカラー。5万円高という価格設定は、工程を考えると「買い」といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)