Motor Fan's YEAR 2016

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新グレード「エレガンスライン」の追加などで、VWパサートが魅力アップ

フォルクスワーゲンの日本向けラインナップではフラッグシップ的な位置づけとなるサルーン「パサート」とステーションワゴン「パサートヴァリアント」が、新グレードの追加やLEDヘッドライトの採用など、その魅力をアップする進化を遂げています。

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これまで「TSIコンフォートライン」と呼ばれていたグレードは、アルカンターラレザーシートやパワーテールゲートの採用など装備の充実に合わせて「TSIエレガンスライン」と名称変更しています。

上級グレードの「TSIハイライン」には18インチアルミホイールが与えられたほか、メーカーオプションとしてデジタルメーターや駐車支援システムなどで構成される”テクノロジーパッケージ”を設定したことが主な変更点です。

メーカー希望小売価格は、パサートTSIコンフォートラインが379万9000円、パサートTSIハイラインが443万9000円、パサートヴァリアントTSIコンフォートラインは399万9000円、パサートヴァリアントTSIハイラインは463万9000円となっています。

●VWパサートTSIエレガンスライン 主要スペック
車両型式:DBA‐3CCZE
全長:4785mm
全幅:1830mm
全高:1465mm
ホイールベース:2790mm
車両重量:1460kg
乗車定員:5名
エンジン型式:CZE
エンジン形式:直列4気筒DOHCガソリン直噴ターボ
総排気量:1394cc
最高出力:110kW(150PS)/5000-6000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/1500-3500rpm
変速装置:7速DCT
燃料消費率:20.4km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:215/60R16
メーカー希望小売価格(税込):3,799,000円

(山本晋也)

エントリーグレード「TSI Trendline」から見えるパサートの実力とは?

プレス向けに用意される試乗車(広報車両)は、最上級グレードにオプション全部のせのハイスペックであることが多く、その下の中間グレードがその次に続くというのが一般的。ただし、エントリーグレードが用意されることも(たまに)あります。

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あまりトッピングされていない素の味を知るには、最廉価仕様を乗りたいところ。2016年秋に開催されたフォルクスワーゲンのオールラインナップ試乗会には、エントリーグレードも用意されていました。

パサート セダンの「TSI Trendline」は、後から追加された「2.0TSI R-Line」をのぞく全車に搭載される1.4Lの直列4気筒DOHCターボを積み、デュアルクラッチトランスミッションの7速DSGが組み合わされています。

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150ps/5000-6000rpm、250Nm/1500-3500rpmというスペックは、1.4Lという排気量から想像するよりもとくに高速域のパンチ力があります。

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ターボが過給するまでの「間」は多少感じさせますが、7速DSGのスムーズな変速もあって速度が乗ってしまえば不満はありません。ただ、極〜低速域の変速にデュアルクラッチトランスミッションならではのクセを感じさせます。

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全長4775×全幅1830×全高1485mmという大きめのサイズでも1.4Lターボで過給ダウンサイジングターボとして実用上、成立しているのは間違いなく、同じ日に「2.0TSI R-Line」の余裕ある走りとGT的な性能を堪能すると、素の「TSI Trendline」はどうなるか気になるところ。

最も感心したのは乗り心地の良さで、「2.0TSI R-Line」ほど芯の硬さはなく、荒れた路面でも快適性が保たれています。さらに、1460kgという適度な車重もあって狭い山道でも運転がしやすく、「2.0TSI R-Line」の1560kg(ヴァリアント)より100kg軽い車重の恩恵は予想以上でした。なお、装着されていたタイヤはハンコックの「KINERGY ECO(215/60R16)」。

また「2.0TSI R-Line」がヴァリアント、「TSI Trendline」がセダンということもあってか、ボディの剛性感も後者が一段と高く、後輪由来の揺れがすぐに収まってくれますし、旋回時の安定感も街中や郊外路に限って言えば高く感じるほど。

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高負荷時や高速走行時は「2.0TSI R-Line」の方が当然上回るでしょうが、普通に乗る分には、やや地味な内・外装を許容できる(あるいは好みであれば)329万円のパサート セダン「TSI Trendline」も検討範囲に入るのではないでしょうか。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

スポーティ仕様に最新の安全装備、テレマティクス機能を追加したVWパサート「2.0TSI R-Line」

2016年9月に追加されたパサート(セダン、ヴァリアント)の「2.0TSI R-Line」は、ゴルフGTIと同じ鋳鉄製シリンダーブロックを採用する直列4気筒DOHCターボを搭載。220ps/350Nmというスペックを快速仕様となっています。

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また、セダンが499万円、ワゴンのヴァリアントが519万9000円というプライスを掲げるだけあって、内・外装、装備すべてがベース車からアップデートされています。

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外観は、「R」のバッジが目を惹くエクステリアは専用前後バンパーをはじめ、サイドスカート、リヤスポイラー(ヴァリアント)により迫力十分で、19インチアルミホイール&タイヤにより精悍さを増しています。

内装は専用のナッパレザーやアルミ調ペダルクラスター、レザーマルチファンクションステアリングなどにより、クオリティアップだけでなくスポーツ心を感じさせる仕上がり。

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安全装備は、プリクラッシュブレーキシステムやレーンキープアシスト、れーチェンジアシストシステム、リヤトラフィックアラートなどをはじめとした全方位型安全装備が標準装備されています。

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さらに、自動駐車支援システムや「アクティブインフォディスプレイ」、フロントカメラで、対向車や先行車の位置や距離を算出し、ヘッドライトの照射エリアを細かく調整。周囲のドライバーを眩惑することなく、前方を広範囲に明るく照らすことが可能な「ダイナミックライトアシスト」をセットにしたテクノロジーパッケージを12万9600円で用意しています。

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車載インフォテインメントも最新システムにアップデート。標準の「Discover Pro」はナビの性能を向上させるだけでなく、専用サーバーと通信することでオンラインVICS情報の受信やGoogleの検索も可能。

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地図も通常の地図画面に加えて「Google Earth」、「Google Street View」などで目的地周辺の情報を確認できるほか、駐車場の満空情報やガソリンスタンド(給油料金)の情報もリアルタイムで取得できます。ほかにも、Apple「Car Play」、「Android Auto」にも対応しています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

VWパサートに追加された「2.0TSI R-Line」は、ゴルフGTI同様220ps/350Nmを誇る

フォルクスワーゲン・パサートのセダン、ワゴンに新たに設定された「2.0TSI R-Line」は、2.0Lの直列4気筒DOHCターボを搭載。最高出力220ps/4500-6200rpm、最大トルク350Nm/1500-4400rpmを誇るパサート・シリーズ最速モデルになります。

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ローンチ時から搭載されている1.4L TSIエンジン車でもシーンを問わず力不足を感じさせることはほとんどなく、ダウンサイジングターボとして十分に成り立っています。

それでも、よりパワフルな走りを期待する声もあるそうで、ゴルフGTIと同じ2.0Lの直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載することで走りを強化。組み合わされるトランスミッションは、デュアルクラッチトランスミッションで湿式の6速DSG。なお、最終減速比は同一ですが、2〜5速のギヤ比はパサート向けに調整されています。

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ゴルフGTIよりもセダンは120kg、試乗車のワゴンは170kg重く、全長やホイールベースも長くなっていることもあって、ゴルフGTIのような軽快感、切れ味鋭い走りとはいえませんが、大きめのボディを軽々と加速させるパンチ力、そして下からのトルク感は1.4TSI(150ps/250Nm)とは明らかに次元が異なります。

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235/40R19タイヤを履く足まわりは、フロントがマクファーソンストラット、リヤが4リンクと1.4L TSIと同じですが、アダプティブシャーシコントロールの「DCC」、電子制御ディファレンシャルロックの「XDS」が用意されています。

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足まわりはパサートの1.4L TSIモデル同様に硬めで、「DCC」で走行モードを「コンフォート」にすればいくらか当たりが柔らかくなりますが、良くも悪くもフォルクスワーゲンらしい硬質な乗り味。

なお、パサートのベーシック仕様「TSI Trendline」にも今回試乗する機会がありましたが、乗り心地のバランスが最も良かったのは「TSI Trendline」でした。

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日本では大型セダン、ワゴンに分類できるパサートに加わった「2.0TSI RLine」は、ワインディングや高速道路を走る機会が多い人の相棒に向くGT的なキャラとなっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

 

フォルクスワーゲン・パサート/ヴァリアントにスポーティな「2.0 TSI R-Line」を追加

2015年7月、新型フォルクスワーゲン・パサートを日本でも発売がスタートし、スポーティグレードの「R-Line」には、1.4L TSIエンジン+7速DSGを搭載していました。

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そして、2016年9月6日、パサートのセダン、ワゴンであるヴァリアントに「2.0 TSI R-Line」が設定されました。

エンジンはその名のとおり2.0LのTSIエンジンで、フォルクスワーゲンの中でも最もスポーティな「R」の流れを受け継ぐモデルにふさわしい動力性能を得ています。

エンジンスペックは、ゴルフGTIと同じ220ps/350Nm。アダプティブシャシーコントロール「DCC」も標準装備することで、スポーティな走りに加えて、快適性も確保されています。

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安全装備は、パサート同様に全方位型の最新安全装備が標準装備されるほか、オプションとして、デジタルメータークラスターの「Active Info Display」やステアリングを操作することなく自動駐車できる駐車支援システムである「Park Assist」、ヘッドライトの動きを制御して夜間での安全な運転をサポートする「ダイナミックライトアシスト」などのフォルクスワーゲンの最新技術をセットにしたテクノロジーパッケージが用意されています。

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外観もリフレッシュされています。従来どおりアグレッシブなデザインとなる専用フロントバンパーやリヤバンパー、サイドスカート、リヤスポイラー (ヴァリアントのみ)に加えて、従来の「R-Line」から1インチアップとなる19インチアルミホイールを装備。

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内装は、専用ナパレザーシートをはじめ、アルミ調ペダルクラスター、やレザーマルチファンクションステアリングなどの「R-Line」専用インテリアが採用されていてスポーツムードが強調されています。

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車載インフォテイメントシステムも最新バージョンにアップデート。「Discover Pro」は、ナビの検索性能と案内精度、また快適性を大幅に高める「Volkswagen Car-Net」の新しいテレマティクス機能である「Guide&Inform(ガイドアンド インフォーム)」を採用。

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同機能は、「Discover Pro」をスマホなどの通信機器を介して専用サーバーと通信することで、オンラインVICS交通情報を受信することができ、ルート案内の精度を高められることに加え、Googleのサーチエンジンを利用したオンライン検索(テキスト/ボイス)も利用できるシステム。

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通常の地図表示に加えて、「Google Earth」で地図を表示したり、「Google Street View」で事前に目的地周辺の情報を目視できたりもします。ほかにも、目的地周辺の駐車場の空き状況やガソリンスタンドの場所、燃油料金などの情報をタイムリーに入手できるなど、利便性を大幅に向上。

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また「Apple Car Play」や「Android Auto」に対応したコネクティビティ機能である「App-Connect」、「VICSワイド」も利用可能になるなど、さらなる機能強化が図られています。

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価格はセダンの「Passat 2.0 TSI R-Line」が499万円、ワゴンの「Passat Variant 2.0 TSI R-Line」が519万9000円です。

(塚田勝弘)

部分自動運転も全車標準装備のPHEV ─ VW・パサートGTE画像ギャラリー

現行パサート/パサートヴァリアントに設定されたプラグインハイブリッドは、フォルクスワーゲンとしては第2弾となるモデル。

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第1弾のゴルフGTEとレイアウトは同じですが、エンジン、モーターの最高出力を高めるなど、ボディサイズ拡大による重量増に対応。

EV走行距離は51.7km、ハイブリッド燃費は21.4km/Lとなっています。

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ゴルフGTEと同様に、内・外装にブルーのアクセントを与えることでスポーティかつエコなイメージを付与しています。

とくに、フロントグリルのGTEバッヂやヘッドライトの上まで連なるブルーのラインが爽やかなムードを演出し、インテリアもステアリングやシフトレバーなどのブルーステッチ、ブルーを基調としたメーターパネルの色使いなども印象的。

装備の充実ぶりも目を引きます。

上級グレードの「GTE Advance」には、意外にもフォルクスワーゲン初となるヘッドアップディスプレイをはじめ、アラウンドビューカメラの「Area View」、駐車支援システムの「Park Assist」、ドライビングプロファイル機能、ナッパーレザーシート(シートヒーター付)、アダプティブシャーシコントロールの「DCC」、235/45R18タイヤ(8J×18インチアルミホイール)などを装備。

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ほかにも、シリーズ共通の装備として、プリクラッシュブレーキシステム「Front Assist」、レーンキープアシストシステム「Lane Assist」、レーンチェンジアシストシステム「Side Assist Plus」など、アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)、渋滞時追従システム「Traffic Assist」など、部分自動運転ともいえる安全、快適装備を標準装備しています。

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さらに、LEDヘッドライト、LEDダークテールランプ、純正インフォテインメントシステム「Discover Pro」、パワーテールゲート(挟み込み防止機能付、Easy Open機能付)、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」なども用意。

ボディカラーは、有償オプションの「オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト」をはじめ、「ピュアホワイト」、「ディープブラックパールエフェクト」、「ハーバードブルーメタリック」の全5色を設定。

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価格は、セダンの「Passat GTE」が519万9000円、「Passat GTE Advance」が579万9000円、「Passat Variant GTE」が539万9000円、「Passat Variant GTE Advance」が599万円です。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦、塚田勝弘)

PHEVのVWパサート/パサートヴァリアントGTEが対応するIoT関連がスゴい!

フォルクスワーゲンのプラグインハイブリッドでは第2弾となるパサート/パサートヴァリアントGTEには、「Discover Pro」と呼ぶ純正インフォテインメントシステムが標準装備されています。

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8インチの大型フルカラータッチスクリーンに、ナビだけでなくETC2.0対応のルートガイド(合流や渋滞、事故などの情報をリアルタイムで受信して、それらを反映させたルートを案内)を用意するほか、地デジ、iPod/iPhoneの楽曲再生、Bluetooth、MirrorLinkにも対応するなど、最新の車載インフォテインメントシステムにふさわしい陣容となっています。

さらに、モーターによる走行距離が分かる「レンジモニター」には、エアコンをオフにするとどれくらい航続可能距離が伸びるかが分かる機能も用意。

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ほかにも「エネルギーフローインジケーター」や、最大3回まで出発時間と充電時間をプログラムできる「eマネージャー」、その時点の充電量でEV走行が可能な範囲を地図上に360ゾーンで表示する「360°レンジ」などが搭載されています。

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また、3年間無料(通信料は別途必要)のモバイルオンラインサービス「Volkswagen Car-Net」のEV/PHEV専用サービス「e-Remote」にも対応しています。こちらは、アプリをダウンロードしたスマホで各種機能を設定できるほか、バッテリー充電や車両のエアコン予約、車両データや車両状況(駐車位置やドアの施錠状況)などの確認ができます。

(文/塚田勝弘・写真/佐藤靖彦、フォルクワーゲン)

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フォルクワーゲンのPHEV・パサートGTEは、EVとしても使える!?

フォルクワーゲンのプラグインハイブリッド第2弾であるパサート/パサートヴァリアントGTE。

路面状態が良好なサーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイサーキット)ではあまり気になりませんでしたが、一般道に出ると乗り心地の面でやや硬さを感じさせるのは、ガソリン仕様と同じという印象です。

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MQBプラットフォームがゴルフを主眼に置いて開発されているためか、パサートの重量増に足がついていないキャパ不足も感じさせてしまうのが、ゴルフとの違いかもしれません。

しかし、PHEV化されたパワートレーン系の仕上がりは上々といえます。

通常時は3つの走行モードから「ハイブリッド」を選べば充電もしてくれますし、イージーかつエコな走りが可能。

「低速時だからエンジンは停めてEVで走らなければ損!」なんて気を使うことなく、ドライビングに合わせて最適なパワーソースを選択してくれます。

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早朝深夜の住宅街などでエンジンを始動させたくない場合などは、最長51.7km(JC08モード)を誇るEVモードが控えていますし、モーター走行時でも130km/hまでカバーしますから日本であれば公道すべてをEVとして走行することもできます。

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試乗時はバッテリーがフル充電ではなく、途中からは第4の走行モードともいえる「バッテリーチャージモード」で試乗会会場に戻る要請がありましたので、エンジンが主役(モーターはオルタネーター)の走行になりましたが、このモードでも動力性能にもちろん不満はなく、PHEV向けに開発されたコースティング機能付6速DSGのスムーズかつダイレクト感のあるシフトフィールもあってドライビングの楽しさは損なわれません。

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なお、袖ヶ浦フォレストレースウェイでは、このコースティング(エンジンをクラッチがフロントドライブアクスルから切り離す)で滑走するフィーリングや回生具合など、プラグインハイブリッドならではの特性もチェックする機会がありました。

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コースティングや回生ブレーキを使えばエコな走りが可能で、もちろん充電すればカタログ値ですが51.7km走行可能とEVとして実用になるのも美点(現時点でセダン、ワゴンでは国内最長)。

なお、急速充電には対応せず普通充電の200Vで満充電までは約4時間となっています(充電設備、充電環境により異なります)。

(文/塚田勝弘・写真/佐藤靖彦)

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フォルクワーゲン第2弾のプラグインハイブリッド「パサートGTE」もスポーティな走りが魅力
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VWのプラグインハイブリッド第2弾「パサートGTE」もスポーティな走りが魅力

ゴルフGTEに続き、パサートにもプラグインハイブリッド(PHEV)を設定したフォルクワーゲン。

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フォルクワーゲングループジャパンでは、プラグインハイブリッドをPHEVと表記していますが、PHVと呼ぶメーカーもあり、統一された方がユーザーは混乱しないと思うのですが、メーカーやブランドのイメージ戦略もあって、こうした呼称の違いが生まれるのでしょう。

さて、ゴルフGTEに続いてパサート/パサート ヴァリアントに設定されたPHEVは、フォルクワーゲンにとって第2弾。

パサート/パサート ヴァリアントはゴルフ同様にMQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)と呼ばれるモジュラー化されたプラットフォームを使っていますから、PHEV化も想定した戦略のもとで生まれたモデルです。

日本で発売されるPHEVのセダン/ステーションワゴンでは最長となるEV走行可能距離51.7kmが特徴のひとつですが、ゴルフGTEとはスペックが異なります。

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エンジンはゴルフGTEと同じ1.4Lの直列4気筒DOHCターボですが、ゴルフGTEの150ps/5000-6000rpm、250Nm/1500-3500rpmに対し、パサートGTE(ヴァリアント含む)は156ps/5000-6000rpmと最高出力が6ps高められています。なお、最大トルクはゴルフGTEと同じ。

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モーターも55kWという定格出力は両モデルともに同じですが、最高出力はゴルフGTEから5kW(7ps)アップの116psとなっています。なお、最大トルクは330Nm(33.6kg-m)でゴルフGTEと同じです。

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パサートGTEの出力アップはボディサイズ拡大による重量増に対応したもので、パサートはセダンが1720kg、ヴァリアントが1770kgあり、ゴルフGTEの1580kgよりもセダンは140kg、ヴァリアントは190kgも重くなっていますから、エコだけではない走りのプラグインハイブリッドを謳うなら出力向上はマストなのも頷けます。

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パサートGTEにも「EV」、「ハイブリッド」、「GTE」の3つの走行モードが用意されていますが、最もスポーティな「GTE」にすると、エンジンレスポンスが一段と高まり、試乗会場だった袖ヶ浦フォレストレースウェイサーキット内はもちろん、外周路や一般道でも爽快な走りが楽しめました。

(文/塚田勝弘・写真/佐藤靖彦)

VWパサート・ヴァリアントのPHV「GTE」登場。EV走行距離51.7km/L、価格は519万9000円〜

フォルクワーゲンからゴルフGTEに続く、プラグインハイブリッド(PHV)第2弾となるパサートGTE、パサートヴァリアントGTEが登場しました。

後日、プレス向けに発表会・試乗会が開催されますので、ここでは注目ポイントをご紹介します。

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パワートレーンは、1.4L TSIガソリンエンジン(156ps)とPHEV用に専用開発された3つのクラッチを内蔵する6速DSG。

エンジンとトランスミッションの間には、発電機を兼ねた85kW(116ps)を発生する電気モーターをコンパクトに挟みこんだ「GTE」専用のPHEVドライブユニットが採用されています。

駆動用バッテリーは、外部からの充電が可能なエネルギー容量9.9kW/hのリチウムイオンバッテリーを搭載。

なお、ゴルフGTEは同じ1.4L TSIですが最高出力は150ps、駆動用バッテリーは8.7kWですから、大型化・重量増に対応したパサート用のパワートレーンになっています。

走行モードはゴルフGTE同様に、「EV」、「ハイブリッド」、「GTE」という3つのモードを用意。イグニッションをオンにすると、モーター走行の「Eモード」としてスタートし、走行します。

EVモードでの航続距離は、現在国内で販売されているすべてのPHVのセダン、ステーションワゴンの中で最長となる51.7kmを誇ります(JC08モード)。

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さらにこのEモードでは、電気モーターだけで最高時速130km/hまでの加速が可能で、「ハイブリッド(以下:HV)モード」では、エンジンと電気モーターを効率よく駆動して走行することでJC08モード燃費21.4km/Lという燃費を実現。

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グレード構成は、標準仕様の「GTE(セダン、ヴァリアント)」、安全、先進装備をより充実させた「GTE Advance」という上級グレードをセダン、ヴァリアントの両方に設定。

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追加装備として、デジタルメータークラスター「Active Info Display」、ヘッドアップディスプレイ、アラウンドビューカメラ「Area View」、駐車支援システム「Park Assist」、ドライビングプロファイル機能のほか、ナパレザーが採用用されたパワーシート(シートヒーター付き:運転席/助手席)、アダプティブシャシーコントロール「DCC」、235/45R18インチモビリティタイヤと8JX18インチアルミホイールなどが用意されます。

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価格は「パサートGTE」が519万9000円、「パサートGTE Advance」が579万9000円、「パサートヴァリアントGTE」が539万9000円、「パサートヴァリアントGTE Advance」が599万9000円です。

(塚田勝弘)