Motor Fan's YEAR 2016

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トヨタ自動車が上半期(4-9月)の登録車販売ランキングでTOP3を独占!

日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、本年上半期(4-9月)の国内新車販売台数(登録車)は前年同期比4.0%増となる154.6万台となっています。

もっとも売れたのはトヨタ自動車の「プリウス」で、前年同期比で2.5倍超となる13.7万台を販売。

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同車は昨年12月にフルモデルチェンジして以降、今年だけで既に20.8万台を販売するなど好調が続いており、特に4月以降は各月とも前年比で2倍超え(7月は約3倍)の状況が続いています。

登録車販売台数TOP10のうち、首位のプリウス、2位のアクア、3位のシエンタが上位TOP3を独占、トヨタ車が10車中、7車を占めている状況。

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また、「シエンタ」は上半期に前年同期比で2倍超となる6.3万台を記録。

さらに同社は今年4月、「軽じゃないK」の謳い文句で「パッソ」をモデルチェンジ。

価格帯を軽自動車並みの115-166万円(4WD除く)に抑えるなど、軽からの顧客誘導を図っており、こちらも上半期の販売で6位(4.2万台)にランクインしています。

登録車市場はトヨタ自動車が牽引することで、昨年4月以降からもち直しつつあり、長らく前年割れが続く軽自動車市場においても、完全子会社化したダイハツから装備を大幅に充実させた「ムーヴ キャンバス」 を118-154万円(4WD除く)の価格帯で登場させるなど、今後も同社の動きから目が離せない状況が続きそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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新型ダイハツ・ブーンのアイドリングストップ機構、実燃費はどうか?

2016年4月時点で「ガソリン車ナンバー1」というJC08モード燃費を掲げて登場した新型ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソ。1.0L直列3気筒DOHCの自然吸気エンジンは、吸気側のデュアルポート化により高タンブル化と吸気効率の向上などを実現。

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高タンブル化やアトキンソンサイクル化や、ピストン形状の最適化により、圧縮比は従来の11.5から12.5に向上、高圧縮化も達成。そのほか、EGRバルブの応答性向上によってEGR(排気再循環)の量を拡大し、燃焼効率を向上するなど定番といえるメニューも盛り込まれています。

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さらに、ボディ側も空力性能の向上(空力意匠、空力パーツの採用)によりCd値の低減も図られているほか、プラットフォームの軽量化など低燃費実現策が数多く採用されています。

トランスミッションは、燃焼効率のいい回転域を使いやすいなど、カタログ燃費向上に利くCVT。もちろん、いわゆる「コースティング」機能付アイドリングストップも用意されています。

新型ブーンに搭載されているアイドリングストップは、軽を含む従来のダイハツ車と同じフィーリングで、再始動時の音、振動ともにスズキのアイドリングストップと比べるとやや大きめ。

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また、停車時に「カックン」ブレーキを防ぐため、少しブレーキを戻しながら停止するようなブレーキ動作だと意図していないのにエンジンが再始動してしまい、再びブレーキペダルを踏み込んでも再停止してくれません。

ホンダの軽なども同様ですが、ドライバーの意図に沿ってくれないのはやや残念なところ。

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ブレーキストロークセンサーなどにより意図しないエンジン再始動を防ぐスズキ方式は、同社の特許かもしれませんが、乗り比べてしまうと少し気になります。

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さらに、コースティングに入ってからのエンジン再始動もスズキの方がスムーズ。ダイハツ・ブーンも9km/h以下では同機構が作動しませんから、渋滞時にエンジンが止まったり再始動したりしてギクシャクした動きにはならないものの、再始動時は音も振動も大きめに伝わってきます。

ただし、新型ブーン/パッソは、2WDだけでなく4WDにも9km/h以下でエンジンがストップするなどにより4WDでも24.4km/Lという燃費を達成しているのも自慢。

ブレーキ操作も「どうすれば再始動せずにアイドリングストップに入れるか」も慣れてくるとコツがつかめますので、オーナーなら慣れるかもしれません。

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さて、新型ブーン/パッソが誇る2WDのカタログ燃費28.0km/Lですが、315km走行して(高速道路約6割、一般道約4割)実燃費は18.5km/L(満タン法)。

なお、メーターの平均燃費表示は走行シーンにより異なりますが、15〜18km/L台(写真は16.7km/L)を表示することが多かったです。

とくにエコランに徹したわけではないので20km/L台も無理とはいいませんが、15〜19km/Lくらいが現実的な数値ではないでしょうか?

(文/写真 塚田勝弘)

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新型ダイハツ・ブーンの居住性、積載性は「軽」を超えたか?

新型ダイハツ・ブーンは、全長3660×全幅1665×全高1525mm(CILQ。X系は全長3650mm)、ホイールベースは2490mmというサイズ。

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先代ブーンの全長3640×全幅1665×全高1535mm、ホイールベース2440mmと比べると、スリーサイズはほとんど変わっていませんが、50mmもホイールベースが延長されているほか、前後トレッドも各10mmずつワイドになるなど、居住性や安定感のある走りに配慮されていることが分かります。

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さらに、トレッド拡大で前輪の切れ角を見直すことで、先代の4.7mから4.6mに最小回転半径も小さくなっていて、全長が10〜20mm伸びても取り回しの面でも不安はありません。

気になる居住性ですが、前席は横方向、頭上空間ともに身長171cmの私でもとくに不満はありません。

シートサイズも一見すると十分なサイズが確保されていますが、時間座っていると腰を中心に疲れを感じることもありました。

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後席は先述したロングホイールベース化し後席をより後方に配置して、タンデムディスタンス(前後乗員間距離)を940mmとすることでクラストップを実現したとしています。

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膝まわり、頭上空間ともに十分な広さを感じさせてくれますが、シートは背もたれ、前後ともにもう少し厚みを含めたサイズアップが欲しいところ。

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また、荷室はスモールカーの標準的な広さという印象で、シングルフォールディング(6:4分割可倒式はX系のエントリーモデル以外に標準装備)により、シンプルに前倒しすれば拡大できるという設計になっています。

150万円以下がメイングレードだけにコストの制約も厳しいのでしょうが、もう少しスモールカーのスタンダードを打ち破るような質感があると軽からのアップサイジング層の心をよりキャッチできる気がします。

(文/写真 塚田勝弘)

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ダイハツ・新型ブーン試乗!! 軽の技術でコンパクトカーは変わるのか?

2010年に登場した先代ダイハツ・ブーンのプラットフォームを軽量化、高剛性化させて生まれ変わった新型ダイハツ・ブーン。

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先代同様にトヨタ・パッソのブランド違いであるのは同じですが、開発や設計、デザイン、製造までをダイハツが担っていて、新型パッソはダイハツからトヨタにOEM供給されることになります。

これからトヨタ、ダイハツのコンパクトカーは、トヨタの7カンパニー制で生まれたトヨタ自動車東日本主体の「トヨタコンパクトカーカンパニー」とともに歩むことが予想されますから、ダイハツ主体の新型ブーン/パッソとは異なった戦略、クルマ作りがされる可能性もありそう。

新型ブーンは、とくにフロントマスクからキャストあたりと似た雰囲気が漂います。

乗り心地の良さも先代ブーンからの進化を感じさせる点。街中での静粛性は国内のスモールカーの標準を少し超えたあたりかな、と感じさせます。

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28.0km/Lという低燃費を謳う直列3気筒の1.0L NAエンジンとCVTの組み合わせは、メインステージと思われるタウンスピードであれば動力性能に大きな不満はないものの、高速に場所を移すとモアパワーを抱かせます。その加速フィールは、最高出力64psの軽のターボが過給をはじめた際には及ばない印象。

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また、少し気になるのがかなり軽めのパワステで、街中で交差点を曲がる際や狭い場所で駐車する時などは女性などでも楽に扱えるのでしょうが、市街地でも少し速度を上げるだけで、直進するだけでも僅かとはいえ、修正舵を当てる必要性を感じさせます。

これが高速になると顕著になりますから、街中中心という割り切りを感じさせるパワステのセッティングといえそうです。

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一方で、高速巡航時は軽自動車よりも室内への侵入音も抑えられていて、軽とはひと味違う美点。これでもう少し直進安定性やロードホールディング性能が向上されれば、走りの質感の「軽さ」が払拭されるはずで、さらなるスポーティグレードの設定も期待したいところです。

(文/写真 塚田勝弘)

2016年4月の登録車セールスはトヨタのハイブリッドが1・2・3!

2015年12月のフルモデルチェンジ以降、絶好調の販売実績を重ねているトヨタ・プリウス。その勢いに衰えは見られません。

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)による、2016年4月の新車乗用車販売台数ランキング(輸入ブランド、軽自動車除く)を見ても、その勢いのあるセールス状況に変化はありません。

全体としては年度末に台数を増やした翌月ということで落ち着きを見せ、また熊本地震の影響で工場が止まったこともありましたが、プリウスとアクアというトヨタのハイブリッド専用モデルだけは5桁販売を維持しています。

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さらに、2016年4月の登録車セールスランキングでは3位にトヨタ・シエンタが浮上。トヨタのワン・ツー・スリー体制となっています。

デビューしたばかりのトヨタ・パッソもトップ10に食い込むなど、10台中7台をトヨタ車が占めるランキングとなっています。

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●2016年4月 新車乗用車販売台数ランキング(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 20,770台
2位 トヨタ アクア 13,099台
3位 トヨタ シエンタ 9,639台
4位 ホンダ フィット 7,116台
5位 トヨタ カローラ 6,336台
6位 トヨタ ヴォクシー 5,990台
7位 トヨタ ヴィッツ 5,968台
8位 日産 ノート 5,544台
9位 ホンダ ヴェゼル 4,635台
10位 トヨタ パッソ 4,020台

前月からの変化ではニューモデルのパッソがトップ10入りした点が目立ちますが、ホンダ・フィット、日産ノートといったトヨタ車に対抗してきたモデルが揃って順位を落としたことで、よりトヨタ車の存在が際立つ結果となっています。

前月の4位から8位にランクダウンしたノートは、同社の軽自動車「デイズ」の販売停止に伴い、セールスを伸ばすのか、それともブランド価値の低下による影響を受けるのか、5月の動きに注目といえそうです。

(山本晋也)

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「軽」を作ってなければ出来なかった!? ブーン・パッソ、超合理性のデザイン。

「軽じゃないK」(トヨタ)というキャッチーなコピーで登場した新型ブーン/パッソ。一見キープコンセプトなモデルチェンジの進化点はどこにあるのか?あらためてチーフデザイナーに話を聞いてみました。

ブーンX

[語る人]
ダイハツ工業株式会社 デザイン部
第1デザイン室 東京デザイン課長 清水幸治 氏

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── はじめに体制面からお伺いします。新型は企画・開発がダイハツ主導になりましたが、デザインをする上での影響はありましたか?

「ありましたね。生活に密着し、かつ廉価なコンパクトという条件では、制約の大きい軽での経験は非常に有利でした。また、トヨタさんにとってはエントリーですが、ダイハツでは上級車という立ち位置の違いも実は大きいんです」

── 造形上のテーマ、キーワードは?

「合理性です。初代は円柱、2代目は卵をボディのモチーフにしつつ、大きなフレアでタイヤの存在感を出しました。ホイールベースを50ミリ延ばした今回は、タイヤをさらに四隅に置いて、プロポーションとパッケージを高次元で成立させました」

初代先代

── では前から具体的に。標準車であるXはランプとグリルを横長に、上級のシルク/モーダは丸形と六角形としました

「今回はトレッドも拡大し、Xではそのワイド感を強調するため横基調に、シルク/モーダは上級車として、ひと目見て忘れない記号性の強い丸形ランプとしました。六角形のグリルは左右に広がる形状として、やはりワイド感を狙いました。実は、六角形がこのクルマのキーになっているんです」

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── バンパーは、先代に続いてプロテクト感を強調していますね

「コンパクトとしての安心・安全と、同時にワイド感、安定感の表現です。丸いフォグランプを左右両端の低い位置にしたのも同じで、印象的な形で視線を下に引っ張り、安定感のある台形ボディを表現しました。これはリアでもやっています」

── 横からのシルエットでは、ルーフからリアへ向けて大きな曲面とし、ウインドウ・グラフィックもこれに沿うように丸いのが特徴です

「リアの大きなRは居住空間確保のためです。ウインドウ・グラフィックは、実は外周が大きな六角形になっています。Xのキャラクターラインはフロントフェンダーでカクっと上を向いていますが、ここが六角形のカド部分です。先代まではボディ全体で居住性を表現しましたが、今回はこの六角形のグラフィックで広さを示しています」

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── リアピラーの黒いガーニッシュはワイド感の強調ですか?

「はい。同時に空力パーツとして整流線を入れています。ここは板金の方が安上がりなのですが、成形が難しく樹脂としました。一方、その前のリアドア後端はボディ色のままですが、これはリアへの目線をここで一旦止め、コンパクトカーであることを認識させるためです」

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── 先代までは縦長のリアランプが、今回はほぼ正方形です。ワイド感を出すには横長もあり得たのでは?

「実はリアランプも六角形で、先端をセンターに向けることでワイド感を出しています。また、左右のランプを結ぶラインがリアパネルのピーク面となっていて、これもワイド感に効いているんです」

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── ボディカラーですが、パステル調が多いコンパクトカーの中で、かなり彩度の高い色を集めましたね

「まず、アイキャッチ性を考えて高彩度の青・赤・黄の3原色で脇を固め、その中で数色を配することでバラエティを感じてもらいたいと。また、今回はより質感重視の意図から、あえてマイカ色をメインにしています」

色 内装

── 内装ですが、ダッシュパネルは構造も配色も上下2段構造です

「運転席に座ってパッと目に入るのはパネルの上半分なんです。で、今回は限られたコストを上部に集中させ加飾類を配しました。例の六角形を用いたパネルも、フォグランプを反復させた両端の丸いエアダクトも上部にまとめたわけです」

── なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

実はコンパクトカーでもっとも凄い!? 新型パッソとブーンの見どころ。

失礼を承知で言うとパッソは地味なクルマですが、モデル末期でも月平均で3000台以上を販売していた隠れ人気車種。意外に凄いんです。

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そんなパッソ(と兄弟車のダイハツ・ブーン)が新型にフルモデルチェンジしたのはご存知の通りですが、実は先代や先々代とは両車の関係がずいぶん変化しています。

これまではトヨタとダイハツが共同開発し、ダイハツが製造を担当して(パッソを)トヨタに供給していましたが、新型は開発も完全にダイハツがおこない、トヨタには単にOEM供給という流れなのです。

いうなれば、「ストーリア」と「デュエット」時代に戻ったという感じですね。

……というのは前置きで、そんな大人の事情なんてとりあえずどうでもいいんです。ユーザーにはあまり関係がないので。

ここからは、ユーザーに関係ある注目ポイントというか凄いところを3つ紹介しましょう。

【1】まず注目すべきは燃費

2WD車の燃費(JC08モード)は28.0km/Lとなっています。実はコレってすごい数字。

30キロ台後半を誇るアクアとかフィットハイブリッドに比べると見劣りする数字ですが、奴らはハイブリッドですからね。こっちはモーターもバッテリーも積んでいない純粋なエンジン車。ピュアなんです。

それでこの数字はかなりのものですよ。もちろんハイブリッド以外の普通車(お役所用語でいう「登録車」)ではトップ。実燃費はふた昔前のハイブリッドカーくらいでしょうか。それって凄くない? 凄いんです。

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【2】自動ブレーキは人にも反応

パッソの興味深いことのひとつが、自動ブレーキがトヨタ名の「セーフティセンス」ではなくダイハツ式の「スマートアシスト」だってこと。システムが違うから当然といえば当然なのですが、「スマアシ」がトヨタ車についているのはちょっとした違和感です。

でもって、その性能の違いも知っておきたいところ。たとえば追突軽減ブレーキの作動上限は、トヨタ「セーフティセンスC」が約80km/hなのに対し、「スマアシ」は約50km/h。いずれもセンサーはレーザーとカメラながら、作動に差があるのです。

しかも、「スマアシ」は人にも反応して接触を防ぐために自動的にブレーキをかけるという現状の「セーフティセンス」にはない機能まで搭載。やるじゃないですかダイハツ。

そのうえ、車両後方のセンサーにより、後ろ方向へもアクセルとブレーキの踏み間違いによる暴走を防ぐというのも「スマアシ」の注目機構ですね。

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【3】後席はコンパクトカー(ハイト系を除く)で一番広い

でも実は、新型パッソ&ブーンで一番すごいのはコレだと思っています。後席足元(前後席間距離)が、ハイト系を除くコンパクトカーの中で一番広いんですよ。

ちなみに今までいちばん広かったのはホンダ・フィット。ですがそれを超えたんです。全長はフィットより短いのにですよ。やったー!

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実はここにはしっかりカラクリがあって、後席足元を広げた分だけ荷室容量は減っているんです。

それは「後席は広いと喜ばれるから広く。だけど荷室はあまり重視されないから日常で困らない程度確保するけど、ちょっとだけ削ろう」という開発陣の判断。

ウンウンと頷いたあなた。新型パッソ&ブーンはそんなあなたのためのクルマです。

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そして最後に個人的な独り言ですが、ルーフを黒く塗った2トーンってカッコよくないですか?

(工藤貴宏)

ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソがフルモデルチェンジ! 燃費はガソリン登録車1位の28.0km/L

ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソがフルモデルチェンジを果たしました。8月にダイハツがトヨタの完全子会社になりますが、その前に登場した新型スモールカーになります。

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ブーンの顔つきは、どことなくダイハツ・キャストに似ていますが、開発から生産までメインで行ったのはダイハツで、生産工場もダイハツの本社の池田工場になります。

なお、トヨタ・パッソはOEM車という位置づけで、小型車の開発、生産はダイハツが主体となる方針に則ったもの。

新型ブーン/パッソのポイントは、28.0km/L(4WDは24.4km/L)というガソリン登録車トップのカタログ燃費。1.0Lエンジンは、吸気ポートのデュアルポート化、デュアルインジェクションの採用などがニュース。

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ほかにも、高タンブル化、アトキンソンサイクル化、ピストン形状の最適化による圧縮比の向上、EGRバルブの応答性向上により、EGR量を拡大して燃焼効率を向上させるという、現在のトレンドが「全部のせ」されたようなもので、まだ燃費向上の余地が主にエンジンに残されている証といえるでしょう。なお、組み合わされるトランスミッションは、燃費面に利点の多いCVTです。

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ほかにも、コンパクトカーでも空力性能の低減や軽量、高剛性ボディの採用など、走りの面でも見どころは満載です。

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安全装備では、カメラとレーザーレーダー、ソナーセンサーの組み合わせにより、前方の車両との衝突の危険が高まった際に緊急ブレーキによる危険の回避を支援。

さらに、歩行者との衝突危険性や車線の逸脱も警報などで知らせるだけでなく、前方や後方へのアクセルとブレーキの踏み間違えによる飛び出しも抑制する機能をはじめ、60km/h以上で走行中に強くブレーキを踏み込んだ場合、ブレーキランプの点灯と同時にハザードランプが自動で高速点滅し、後続車に注意喚起するエマージェンシーストップシグナル、坂道での後退を防ぐヒルホールド機能などが装備されています。

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気になる価格は、ダイハツ・ブーンが115万200円〜185万3280円、トヨタ・パッソは115万200円〜183万600円という設定になっています。

(塚田勝弘)