Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

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モトチャンプ

「簡単脱着、洗濯可能」なシートクロスなど、ユニークなオプションがあるムーヴ・キャンバス

全高1600mm台の両側スライドドアというスタイルで、新市場を切り開くダイハツの新型軽自動車「ムーヴ・キャンバス」には、ユニークな純正アクセサリー(ディーラーオプション)が用意されています。

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その中でも注目したいのは「簡単脱着&洗えるシートクロス」。

通常のシートカバーは、シートとのフィット感を重視していますが、このシートクロスはシート用エプロンといった構造で、シートの側面をカバーしない前提でデザインされているのが特徴。

そのため脱着が簡単で、汚れが気になったらすぐに外して手洗いすることができます。

用意されているシート地は「チェック」、「ストライプ」、「シンデレラ」、「ブラウン・ディズニー」の4タイプ。メーカー希望小売価格は、「チェック」と「ストライプ」が3万2400円、「シンデレラ」と「ブラウン・ディズニー」は4万8600円となっています(いずれも消費税込)。

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インテリアでは、ウッド調インナーミラーカバー(メーカー希望小売価格・消費税込 6653円)、ウッド調パワーウインドウスイッチパネル(同 1万7626円)などのアイテムが用意されます。

アピアランスを引き立てる外装アイテムも充実のラインナップ。クラシックタイプのルーフキャリア(同 4万9637円)や、ウッド調フューエルリッドガーニッシュ(同 1万5466円)、ウッド調デカールパック(同 5万1624円)などが、キャンバスらしさをアピールします。

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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母娘の日常用途だけでなくファミリーユースにも応えられるムーヴ・キャンバスのパッケージング

ムーヴ・キャンバスは、「母娘」の同居親子をメインターゲットに据えて開発されたそうですが、車名に「bus(バス)」を付けたことからも分かるように、軽ミニバン的な広さ、両側スライドドアというファミリーユースにも十分応えてくれるパッケージングを備えています。

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スライドドアの開口幅は運転席、助手席ともに595mm(タントは運転席側が595mm、助手席側が605mm)。チャイルドシートへの子どもの乗せ降ろし、ベビーカーの出し入れなども容易にできそうです。

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室内長は、タントの2200mmからわずか5mm少ない2115mm、室内幅もタントから-5mmとなる1345mmと、ほぼ変わらない寸法になっています。前後席間のタンデム距離、シート左右間の広さともに大人が4人座っても窮屈さは感じさせないはず。

タントとの大きな違いは室内高で、タントの1365mmという見上げるほど高い天井までは至っていませんが、ムーヴよりも5mm高い1285mmで、ヘッドクリアランス、開放感ともに十分に確保されています。

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使い勝手の面では、国産車初採用の「置きラクボックス」が「ありそうでなかった」といえる装備。後席の座面下に引き出し式のボックスが用意されています。なお、助手席下にも大型シートアンダートレイが標準装備されています。

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高さ30mmの「ケースモード」時は、折り畳み傘やエコバッグ、ブランケットなどの嵩張らない荷物がスマートに収納可能。ボックスを立ち上げると高さが130mmまで増す「バスケットモード」になり、荷物の入った買い物袋や小さめのバッグ、観葉植物など倒したくないモノの積載に対応します。

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積載性も十分に合格点を与えられます。後席は左右分割式のシングルフォールディングで、後席座面を前倒しすると斜めに倒れてやや段差が残ってしまいますが、こちらは後席座面下収納の「置きラクボックス」を採用したことによるもの。

フロアボードの下に大容量のアンダーボックスもありますし、日常の買い物に加えて、週末などに少し長い荷物や大きめの荷物を積む程度であれば十分に使えるでしょう。

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安全面では、軽自動車初の「AFS(Adaptive Front-lighting System)」がトピックス(「G」グレードに標準)。ステアリングの操作に反応して、ヘッドライトの照射方向を的確に照らします。コーナーや交差点などでも進行方向をしっかりと照らしてくれます。

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ダイハツ初となる「パノラマモニター」はメーカーオプション。ボディ前後とドアミラー下に計4つのカメラが配置され、トップ&リヤビューをはじめ、トップ&フロントビュー、両サイド下側を映し出すなど全6パターンの表示が可能。

こちらは、駐車時こそ最も役立つ装備ですが、狭い道でのすれ違いや見通しの悪い交差点などでも重宝します。

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ただし、後退時に自動的にトップ&リヤビューが表示されるのに、「切り返し」するため前進させると、カメラ画像からナビ画像などに切り替わってしまいます。そのため、切り返しのため前進する際、引き続き映像が必要な場合はカメラ用スイッチを押す必要があります。

現在では、前進時に速度が上がると自動的に映像からナビに切り替わる速度感応式が主流になっているだけに少し気になりました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

大人気のタントじゃダメなの? ムーヴ・キャンバスが必要とされるワケ

ダイハツから新登場した軽自動車「ムーヴ・キャンバス」が好調です。

両側スライドドアを採用したことなどにより、軽自動車としては比較的高価な設定となっていますが、発売1か月で2万台もの受注を集めるほど支持されています。

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とはいえ、ムーヴ・キャンバスの商品コンセプトが掲げるメインターゲットは「親と同居している30代独身女性」という非常に限定されたもの。ここまでの人気を集めるというのは意外にも思えますが、そのコンセプトには、実は新たなニーズを掘り起こす狙いが隠されていたのです。

そのヒントは「ミニバン世代」という言葉にあります。スライドドアのミニバンが国内市場に生まれてからずいぶんと経っています。たとえば、日産セレナにしてもすでに5代目であり、スライドドアと共に成長してきた世代が増えています。

そうしたユーザーにとっては、一人でクルマに乗るときであってもスライドドアは便利な機構という認識だといいます。この意識が軽自動車においてダイハツ・タントやホンダN-BOXといったスライドドアモデルの売れ行きを支えているという面は否めません。

しかし、ダイハツの市場調査によると、タントには「子育て用クルマ」といイメージが強く、「後席への荷物の積みやすさなどスライドドアの利便性は欲しいのだけれど、子育て中と思われるのはイヤ」という理由から選びづらい面があったといいます。

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だからこそ、全高1600mm台として子育て感を薄くしたスライドドアモデルのムーヴ・キャンバスが、「待ってました」とばかりに受注を集めているのでしょう。

実際、ムーヴという名前はついていますが、スライドドアによりキャンバスの車両重量は920kg(FWD)と、車重的にはムーヴ(820kg)よりタント(930kg)に近く、パワートレイン(最終減速比など)はタントと共通となっています。

インパネがセンターメーターデザインとなっているのもタントに近い印象を受け、実際にはタントのチョップド仕様という面もありそうですが、それでもムーヴという名前を使っているのは、タントという名前が持つ「子育て」イメージを払拭するためでしょう。

実際、市街地を走行してみても、重心こそ低く安定感はありますが、加速感などはタントに近いもの。ただし、後席に乗員が乗っているときのフラット感はこのクラスとしては上々で、親世代と同居している30代というコンセプトから考えられる大人3名乗車での移動を意識した足回りに仕上がっているといえそうです。

●ダイハツ・ムーヴキャンバスGメイクアップSA II(2WD)主要スペック
車両型式:DBA-LA800S
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1655mm
ホイールベース:2455mm
車両重量:920kg
乗車定員:4名
エンジン型式:KF型
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:658cc
最高出力:38kW(52PS)/6800rpm
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/5200rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:28.6km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:155/65R14
メーカー希望小売価格(税込):1,544,400円

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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丸みを帯びたデザインの「ムーヴ キャンバス」登場。価格は118万8000円から
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キャンバスのデザインは「陶器の輝き」─ ダイハツ・デザインの新ジャンルをインタビュー(後編)

軽の新ジャンルとして登場したムーブ・キャンバスのデザインインタビュー。後半はボディのリアからインテリア、ボディカラーの話を訊きました。

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[語る人]
ダイハツ工業株式会社
デザイン部デザイン室主任 畑 延広 氏
カラーマテリアルフィニッシングユニット 小池久弥代 氏

── 後編はボディの後ろから伺います。リアパネルは、横から見ると大きくカーブを描いています。一般的なバスのようにルーフを後ろまで引っ張ることもできたのでは?

「テーマであるラウンド感をしっかり持たせたかったのと、タントとの差別化もあります。実際、このボディでルーフを後ろまで引くと、リアに相当な違和感が出てしまうと思います」

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── 横長のフロントに対し、リアランプはほぼ正方形です

「フューエルリッドの位置など機能的な制約もありますが、たとえば前後で横長にしてしまうとボディが短く見えてしまう。ちなみに、フロント同様リアランプもジュエリーがモチーフで、宝石のように見る角度によって表情が変わるよう工夫しています」

── ホイールについてお伺いします。今回は2色塗りのホイールキャップがウリですが、なぜアルミではなかったのですか?

「上級グレードにアルミを付けて特別感を出すより、ホイールキャップで様々な表現を作った方が今回は訴求力があるだろうと。キャップ中心の広い面は、大きなキャビンを支える意図と、同時に愛らしさも兼ねています」

14インチ2トーンカラードフルホイールキャップ(ホワイト) 14インチ2トーンカラードフルホイールキャップ(グレー)

── ホイールにボディカラーを入れるという発想はありませんでしたか?

「それも検討しましたが、実際にやってみると色があちこち散ってしまう。また、ストライプカラーではホイールとルーフの色を合わせると非常にしっくり来ることが分かったんですね。今回、ホワイトとグレーの2色にしたのはそのためなんです」

── 次にボディカラーです。今回のウリであるツートンのストライプカラーに具体的なモチーフはありますか?

「いえ。一口にツートンと言っても塗り分け方は様々なので、そこの検討をかなりやりました。その中で新ジャンル感があり、かつボディの長さを表現する手法として今回のパターンにたどり着きました」

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── ホワイトのツートンは流行ですが、グレーは珍しいですね

「はい、実は新ジャンルとして男性をイメージしました。メインの母娘に対し、ここは母息子でも父娘でもいいと(笑)。この配色は社内の男性役員にもウケがよかったですね」

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── 一方のモノトーンですが、ツートンとは異なるモノトーンならではの見せ方は考えたのですか?

「そこは何かを強調するのではなく、あえて素のよさを見せたかった。色も、陶器のようにハイライトが白っぽく抜ける、濁りのないモノを作りました。いまどきの2色性のあるギラギラした塗料でなく、より素直な色ですね」

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── メイクアップシリースですが、元々こちらがオリジナルという発想だったのでしょうか?

「そこは難しいところですね(笑)。見せ所であるボディを一周するメッキが似合うデザイン、という発想は当初からありましたので。メイクアップとキャンバスは同時発想と言えるかもしれません」

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── 室内に移ります。インテリアの造形コンセプトは?

「エクステリアに準じますが、ナチュラルさとして大きな面構成による居心地のよさを、アクティブさとしてメッキやカラーでのアクセントを出す。また、革ではなく布目のシボを使うことでもナチュラルさを表現しています」

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── アクセントカラーの3色は何を意図したものですか?

「茶色はナチュラルと上質、ミントはこのクルマのキーカラーとしてアクティブさを、ピンクはやはり女性を意識しました。実は、ピンクはパンプキンイエローと最後まで迷ったのですが、まずは順当にピンクかなと(笑)」

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── シートは3色とも単色で落ち着いたものですね

「インパネやドア内張りのアイボリーと協調する色としました。キャンバスはシート自体が主張をするようなクルマではありませんので、穏やかでシックなイメージにしています。ブラック内装は、男性を意識したグレーツートンのボディに用意しました」

ブラックインテリア

── 最後に。キャンバスはボディに目立ったラインもなく非常にシンプルですが、デザインの耐久性を意識したものなのでしょうか?

「はい。より長く愛着を持っていただけるよう飽きの来ない造形を意識しています。シンプルなボディですが、基本骨格、面の張り剛性をしっかり確保していますので、長い時間に耐え得るデザインと言えるでしょう」

── なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

キャンバスのデザインは「陶器の輝き」─ ダイハツ・デザインの新ジャンルをインタビュー(前編)

ミラ・ココアの後継かと思われたムーブ・キャンバスは、まったく新しいジャンルの軽として発表されました。

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そこで「デザインにおける新しさとは何か」を、デザイナーにインタビューしました。前半では、コンセプトからサイドボディのデザインについてお伺いしました。

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[語る人]
ダイハツ工業株式会社
デザイン部デザイン室主任 畑 延広 氏
カラーマテリアルフィニッシングユニット 小池久弥代 氏

── はじめに、造形上のコンセプトから教えてください

「ナチュラル、愛着、アクティブの三つのキーワードから『ステキ・リラックス』としました。女性をメインターゲットとして、「ナチュラル」は柔らかいラウンドシルエット、「アクティブ」は使えるロングシルエット、「愛着」は斬新なツートンのストライプカラーとして表現しています」

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── 昨年の東京モーターショー出品の『Hinata』がオリジナルかと思いますが、有名なVWバス(タイプ2)のイメージも重なりますね

「Hinataの直接の市販版ではありませんが、デザインスタディといえます。VWバスについては、楽しい雰囲気をどう演出するかの検討段階で話に出ましたが、それを目指そうとはなりませんでしたね」

── 近いカテゴリーにタントやミラ・ココアがありますが、2台との棲み分けは?

「家族のタントに対し、母娘のキャンバスは全高を下げ、よりパーソナルなイメージとしています。ミラ・ココアとは同じ『テイスト系』ですが、ロングキャビンによる使い勝手重視のパッケージがキャンバスの独自性でしょう」

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── では、フロントから見ていきます。横楕円のフロントランプには何かモチーフがありましたか?

「いえ、形状自体にはありません。リアに向けて流れるボディラインの出発点としつつ、同時に愛らしさを持たせました。一方で、ランプ内部はジュエリーをモチーフとして、リングと宝石を表現しています」

── サイズに厳しい軽では珍しく、グリルとバンパーに明快な段差を設けていますね

「特徴であるツートンのストライプカラーを際立たせるため、ここはわざわざ別パーツで構成しました。こうした立体造形は質感のアップにもつながるんですね」

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── 丸いエンブレムはかなり大きめですが、アクセントの意図があるのですか?

「はい。ミラ・ココアもそうですが、テイスト系のクルマでは社名のDの字以外の専用表現としています。今回は『canbus』のCとBをモチーフとし、女性が身につけるアクセサリーをイメージしてまとめました」

── ボディサイドに移ります。ルーフの前後ではかなり丸みを持たせましたね

「シンプルな面でラウンド感を出したかったのがひとつ。もうひとつは愛着の表現でもありますが、思わず手で触りたくなるような優しい面の質感を出したかった」

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── 一方で、左右方向は大きく絞りませんでした

「タントほどではありませんが、やはり適度な広々感は必要です。また、左右の角をあまり削ってしまうと、ルーフラインの前後長がなくなり、キャビンが短く見えてしまうんですね」

── すべてのピラーがブラックアウトされていますが、これは必須条件でしたか?

「はい。前から後ろにスッと抜けることで、サイドボディの大きな面がうまく分割され、前後への長さ感が出てきます。同時に、シルエットをタントと異なる表現にしたかったこともあります」

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── その広いサイドボディですが、メッキモールの少し上に折れ線というか、淡いラインを入れたワケは?

「これだけ広い面なので、張りを持たせるためには面を一旦凹ませて再び出す必要がありました。これがないとペナペナになってしまう」

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── ホイールアーチについて、最近は強い凹面でキッチリした表情を出す例が多いですが、キャンバスはずいぶん穏やかな面です

「実は、当初からボディを陶器のように滑らかに見せたい意図があって、強い表現はやりたくなかったんです。また、ことさら走りを強調する必要もないので、最低限の凹面で微妙な表情を作ったわけです」

続きは後編にて…

(すぎもとたかよし)

想定ユーザー・用途に特化? ダイハツ ムーヴ・キャンバスの「走り」をチェック

ムーヴ・キャンバスにはターボエンジンの設定はなく、52ps/60NmというNAエンジンのみが用意されています。

キャンバスの車両重量は、最も軽いのが最廉価グレード「L/2WD」の910kgで、売れ筋の2WDモデルは920kg。最も重いのは4WDの「X」、「G」系で970kgとなっています。

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実際に試乗してみると、この車重とNAエンジンの組み合わせでは、動力性能に不安が残ります。街中であってもNAエンジンには荷が重く、発進・加速時ともにモアパワーの印象を抱かせます。

日産デイズ、三菱eKワゴン系の初期型(登場時)のNAエンジン仕様ほど「遅い!!」と驚かされるほどではありませんが、流れに乗るにはアクセルも深く踏み込む必要がありました。

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そうなるとエンジン音も高まり、加速感と音がシンクロせずに、CVTを含むパワートレーンの音ばかり高くなるという課題も顔を出します。とくに、首都高速を走らせてみると、やはりターボ車は必須だと実感。

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ターゲット層を考えるとNAエンジンで不足はないだろう、という判断でしょう。しかし実際には、郊外などでは一般道でも結構な速度になることが多々あり、ターボの設定を望む声も出てきそうです。

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操縦安定性では、パワステの設定が妙に軽すぎることなく、直進安定性も高速道路での流れ程度なら十分に確保されているのが確認できました。また、静粛性も最新の軽自動車にふさわしいレベルで、とくに前席は国産スモールカーと比べても快適な空間といえるだけに、NAエンジンのみでかなり回さないと走らないシーンがあるのが残念です。

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タウンスピードでの乗り心地は、ムーヴやキャスト系(アクティバ・スポーツをのぞく)ほどのしっとり感までは得られていません。ダイハツだけでなく軽自動車全体の中でも最上といえる乗り味を誇るキャスト・アクティバよりも35mm高い全高が影響しているのか、背高系ならではの微小な上屋の動きも気になります。

ただし、2台試乗したうち1台はこうした動きもやや抑えられていたので、試乗車の個体差があるかもしれません。

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シャーシはムーヴ用を基本としていて、ダンパーには「フリクションコントロールダンパー(FCD)」が採用されており、バルブ応答性改善、サイズアップ(フロントC30、リヤC25)が図られています。

それでもムーヴやキャストとの乗り心地の差は、確かに感じられます。ダイハツ九州 開発部 開発室の大坪 稔さんによると「タント同等以上のボディ剛性(曲げ、ねじり)を確保していますが、ムーヴまでは到達していない」とのことで、両側大開口スライドドアという利便性を得ていますが、乗り心地とのトレードオフになっているようです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ムーヴ・キャンバスが、タントのミラクルオープンドアを「採用しなかった」理由とは?

ムーヴ・キャンバスは車名にムーヴが付くように、ムーヴの派生モデルという位置づけ。とはいえ、助手席側が大開口になるピラーレス構造の「ミラクルオープンドア」を備えるタントとの関係性も気になります。

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全高はムーヴが最も低い1630mm、キャンバスが1655mm、タントが1750mm。ホイールベースは全車2455mm。そこで気になるのは、キャンバスがなぜタント同様にミラクルオープンドアを採用しなかったのか? という点。

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ミニバン的なキャラであるタントが採用しているのは、小さな子どもを含めた乗降のしやすさはもちろん、大きな荷物の出し入れなどが理由でしょう。

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一方のキャンバスは、ファミリーユースでも十分に使えるものの、最大のターゲットは母親などとシェアする独身女性が中心になっているという事情もありそうです。もちろん、タントよりもパーソナル感の強いムーヴの派生モデルという位置づけもあるはず。

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キャンバスの開発に携わったダイハツ九州 開発部 開発室の大坪 稔さんにお伺いすると、「質量(車両重量)が重くなってしまうのと、コストがかかるため」というのが大きな理由だそうです。

対象とするユーザー層や使用されるシーンを想定すると、両側スライドドアでも良好な乗降性、そして荷物の出し入れのしやすさも十分に担保されていますから、デメリットを考えると採用する理由はなかった、ということでしょう。

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さらに、「キャンバスは、タント/ウェイクをベースとしていますが、ピラーレス構造であるミラクルオープンドアにすると、ねじり剛性など開口剛性を確保するのが非常に難くなります(重量増に直結する)。そのため、もっと長い開発期間が必要になります」と続けてくれました。

そう、キャンバスは車名にダイハツの顔といえる「ムーヴ」の冠こそ頂いていますが、ベースはウェイクとムーヴの両方になっています。タントをベースとしなかったのは、ピラーレス構造と全高の違い(95mmもタントの方が高い)が理由だそうです。

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もっと正確に言うと、キャンバスのフロントフロアはウェイク、リヤアンダーはムーヴがそれぞれベースになっています。

ただし、キャンバスはウェイクやタント、ムーヴなどと全高が異なるためドアパネルも新設したとのこと。これには、デザイン部門からも外観の差別化から流用は避けて欲しいという要求もあったようです。他には、ピラー関係もインフォース系をのぞいて新規開発、ボンネットやリヤドアなどもパネル新規に金型を起こしています。

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ムーヴ・キャンバスという車名から、言葉は悪いですが一見小手先の派生モデルに感じるかもしれませんが、2台分開発するくらいのエネルギーを注いだ、というキャンバス。今後の主力モデルの1台になりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ダイハツ・ムーヴ・キャンパスは、内装にも細やかな工夫あり!!

現行ムーヴ以降のダイハツ車(とくに軽自動車)は、近年少し失われていた感のある内装のクオリティを再び引き上げ、スズキやホンダ、日産・三菱連合と比べてもアドバンテージといえるレベルに達している印象を受けます。

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ムーヴ・キャンパスも例に漏れず、軽自動車トップクラスといえる上質感のあるインパネを採用。プラスチック・パネルの梨地のシボも上質感があるうえに、ダッシュボード上辺は革系の素材にシボ加工が施されるという凝った仕上がりになっています。

20160926DaihatsuCanbus053もちろん、インパネには傷が付きにくい素材が選ばれていて、バッグの金具などが当たってしまっても傷つきにくく、目立ちにくいように配慮されています。

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内装色はアイボリー調が基本で、「メイクアップ」系グレードには「ファインミント」や「ミストピンク」、「マイルドモカ」の差し色が入り、差し色が入らないベーシックな内装色のほか、シックで男性ユーザーにも受けそうな「ブラックインテリアパック」も用意。

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なお、ドアアームレストとオーディオパネルまわりの差し色は、少しコストが嵩む塗装が採用されていますが、そのぶん艶(ツヤ)感が出されています。

それでも40代まで含めた女性層をターゲットにしているため、差し色が派手になり過ぎないようにミントでもピンクでも少し「くすませて」いるほか、同じ色でも面積の大きいグローブボックス部分を少し暗く、オーディオパネル部分を明るめにするなど、彩度を変えているそうです。

ピンクなどの差し色を派手になり過ぎないように「抑えた」のは、以前明るめの色を採用したところ女性からの恥ずかしい、という声もあったからだそうです。

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なお「ブラックインテリアパック」のオーディオパネルやシフトパネルには、ピアノブラック調加飾が配されています。

(塚田勝弘)

こだわりの「ストライプカラー」がムーヴ・キャンバスにもたらす効果とは?

ダイハツとしては久しぶりに女性ユーザーを強く意識したというムーヴ・キャンバス。

実際に購入しているのは、同社の市場調査による狙いどおり同居している「母娘」家族が中心で、20代〜30代の女性が中心になっているそうです。また、シックな色は男性にも好評とのこと。

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女性ユーザー中心となると、オシャレなカラーやデザインがより重要になります。ダイハツ デザイン部 デザイン室 カラーマテリアルフィニッシングユニットの小池 久弥代さんに女性の「色」へのこだわりについてうかがうと、たとえば「赤からピンクまでの色合い」を男性は3〜4カテゴリーに分けるそうですが、女性は口紅のように非常に細かく識別できるそうです。

そうなると、まず気になるのがボディカラーやインテリアがオシャレかどうか、ということでしょう。最も目を惹くのは、訴求カラーのパールホワイトⅢ×ファインミントメタリックをはじめとした2トーンカラー。

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ダイハツでは「ストライプカラー」と呼んでいて、ルーフとドア上辺(アウターハンドルの上)、ドアミラー、そしてボディの下側が、ボディを囲むようにホワイトもしくはグレー(シルバーではない)でペイントされています。

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先述の小池さんによると、こだわったのがこの「ストライプカラー」で、マスキングの量を減らし、作業しやすい塗装方法を吟味して選択したとのこと。

実際の生産工程では、最初にボディカラーを塗装、つぎにマスキングしてホワイトもしくはグレーが塗布されています。なお、ボンネットとバックドアもホワイトもしくはグレーになりますが、これはホワイトもしくはグレーのモノトーン仕様のものが使用されています。

こうしたストライプカラーを採用したのは、流行している2トーンカラーモデルの中で埋没しないように、また、伸びやかなサイドビューを印象づけるためだそうで、その狙いは実車からも十分に伝わってきます。

見た目の印象を「横長」、まさに「バス」のように見せているキャンバスは、タントとの違いも強調するために採られたデザイン手法ともなっています。

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この「ストライプカラー」は6万4800円のメーカーオプションで、最廉価の「L」グレード以外の全車で選択可能。予算に余裕があればぜひ選択したいカラーコーディネイトです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

発売約1カ月で2万台超は月間目標台数の何倍?ダイハツ ムーヴ・キャンバスが好調なスタート

ダイハツ・ムーヴ・キャンパスが発売約1カ月で約2万台を受注し、好調なスタートを切ったそうです。

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最近のダイハツの軽自動車は、意外にも「女性をメインターゲットに据えたモデルが少なかった」ということで、ムーヴ・キャンパスへの期待値は高く、同居している「母と娘で使う」という乗り方はもちろん、最近の新しい家族のカタチとして注目を集めている「近居」している母娘で使うということも想定しているのでしょう。

平日は母が使い、休日は主に娘が乗るというニーズに注目したというムーヴ・キャンパスは、世代・トレンド評論家である牛窪 恵さんが定義した「育自ウーマン」を中心に「この背の高さで、スライドドアはありそうで無かった」「かわいいデザインや、個性的なカラーが好み」などといった特徴が支持を受けているそうです。

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NAエンジンのみということで、男性はもちろん女性ユーザーでも走りを重視する層がどう判断しているか分かりませんが、好調なスタートダッシュを切ったと言うことはNAエンジンで十分というユーザーが多いのでしょう。

なお、主な購入層は20〜30代の女性で、シックなカラーは男性にも好評とのこと。

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そのほか、月間目標台数の4倍となる約2万台を受注したという、ダイハツ・ムーヴ・キャンパスの主な好評点は下記のとおりです。

・全高1655mmと水平基調のロングキャビンによる、のびやかなスタイリング
・ストライプスカラーによる、新感覚の2トーンカラー
・クラス初の両側スライドドアと、新開発の「置きラクボックス」による抜群の使い勝手
・パノラマモニターやAFS(Adaptive Front-lighting System:ステアリング連動ヘッドランプ)など、運転が苦手な方にも安心の新装備
・ダイハツならではの高い基本性能による、街乗りでのフラットな乗り心地の良さ

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ダイハツ・ムーヴ キャンバス、月販目標の4倍となる2万台を受注!

ダイハツ工業が10月11日、今年9月7日に発売した新型軽乗用車「ムーヴ キャンバス」の累計受注台数が、発売後約1ヶ月で月販目標台数(5,000台/月)の4倍となる約2万台に達したと発表しました。

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9月度の軽自動車販売台数は約16万台(前年同月比-8.0%)で、徐々に回復傾向にはあるものの、昨年1月以来、長らく前年割れが続くなか、同車は9月の軽自動車販売台数ランキングでいきなり9位に登場

2016.09

単月で6,258台を販売するなど同車の人気ぶりに注目が集まっています。

「ムーヴ キャンバス」は 近年の女性の行動特性に着目、自身のライフスタイルを楽しむ女性をターゲットに企画・開発を行ったそうで、親との同居世帯の増加に伴い、世帯内でクルマを共有する傾向が増えていることから、幅広い世代で使いやすい軽自動車を目指したといいます。

DAIHATSU_Move_Canbus

こうした市場背景を捉え、デザイン性と機能性を両立した新感覚のスタイルワゴンとしたことが奏功した模様。

主な購入層は20〜30代の女性で、主な好評点としては以下となっています。

・水平基調/ロングキャビンが特徴のスタイリング
・新感覚の2トーンによるカラーリング
・全高1,700mm以下の軽乗用車で初となる両側スライドドア採用
・パノラマモニターやAFS(ステアリング連動ヘッドランプ)等を装備
・「置きラクボックス」による使い勝手の良さ
・待ち乗りでのフラットな乗り心地

DAIHATSU_Move_Canbus

装備を大幅に充実させつつ、118〜154万円(4WD除く)の価格帯に抑えていることも、好評点の一つなのではないでしょうか。

Avanti Yasunori・画像:ダイハツ工業)

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トヨタ自動車が上半期(4-9月)の登録車販売ランキングでTOP3を独占!

日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、本年上半期(4-9月)の国内新車販売台数(登録車)は前年同期比4.0%増となる154.6万台となっています。

もっとも売れたのはトヨタ自動車の「プリウス」で、前年同期比で2.5倍超となる13.7万台を販売。

TOYOTA_PRIUS

同車は昨年12月にフルモデルチェンジして以降、今年だけで既に20.8万台を販売するなど好調が続いており、特に4月以降は各月とも前年比で2倍超え(7月は約3倍)の状況が続いています。

登録車販売台数TOP10のうち、首位のプリウス、2位のアクア、3位のシエンタが上位TOP3を独占、トヨタ車が10車中、7車を占めている状況。

TOYOTA_SIENTA

また、「シエンタ」は上半期に前年同期比で2倍超となる6.3万台を記録。

さらに同社は今年4月、「軽じゃないK」の謳い文句で「パッソ」をモデルチェンジ。

価格帯を軽自動車並みの115-166万円(4WD除く)に抑えるなど、軽からの顧客誘導を図っており、こちらも上半期の販売で6位(4.2万台)にランクインしています。

登録車市場はトヨタ自動車が牽引することで、昨年4月以降からもち直しつつあり、長らく前年割れが続く軽自動車市場においても、完全子会社化したダイハツから装備を大幅に充実させた「ムーヴ キャンバス」 を118-154万円(4WD除く)の価格帯で登場させるなど、今後も同社の動きから目が離せない状況が続きそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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9月の新車販売、プリウスが10ヶ月連続首位、ムーヴキャンバス9位に初登場!

日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した9月度の軽自動車を含む国内の新車総販売台数は47.7万台(前年同月比-0.5%)となっています。

2016.09

自販連によると、登録車の販売台数は31.7万台(前年同月比+3.7%)で、もっとも売れたのは昨年12月にフルモデルチェンジしたトヨタ自動車の「プリウス」。

前年比2倍超となる2万台以上を販売するなど、10ヶ月連続で首位を維持しています。

TOYOTA_PRIUS

そのほかにも、2位のアクア(1.5万台)や3位のシエンタ(1.2万台)を含め、トヨタ車が トップ10中、6車種を占めている状況。

全軽自協によると、9月度の軽自動車販売台数は約16万台(前年同月比-8.0%)で、徐々に回復傾向にはあるものの、昨年1月以来、2年近くに渡って前年割れが続いています。

そうしたなか、もっとも売れた軽自動車はホンダ「N-BOX」で、2万台(+16.9%)を販売。

HONDA_N-BOX

トップ10中、ホンダが2車種、ダイハツが3車種、スズキが4車種、日産が1車種の構成比となっています。

注目はダイハツ「ムーヴキャンバス」がいきなり9位に登場したことで、6,258台を販売するなど、今後の伸びが期待できそうです。

DAIHATSU_Move_Canbus

一方、三菱自動車からOEMを受けている日産「デイズ」は1.1万台(-21.1%)を販売、8月度の7,268台から一気に1.5倍増加するなど、2位のダイハツタントの1.2万台に続く3位のポジションを確保しており、燃費不正の影響は限定的とみられます。

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全体を俯瞰してみれば、軽自動車の販売についても徐々に回復傾向にあり、今後の動向が注目されます。

Avanti Yasunori

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2016年9月の軽自動車販売、ムーヴキャンバスが単独ランクイン!

2016年9月の軽自動車(四輪車)の販売ランキングが全国軽自動車協会連合会より発表されています。

燃費不正から販売を停止していた日産と三菱の軽自動車が7月に販売再開してから2か月、9月7日には久しぶりの新型車となる「ムーヴキャンバス」がダイハツから登場するなど販売増が期待されましたが、全体では前年同月比92.0%となる15万9723台の販売にとどまっています。

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そうした状況において注目なのはホンダN-BOX。9月には、そのバリエーションであるN-BOX スラッシュがマイナーチェンジを果たした影響もあってか、前年同月比116.9%の2万406台とセールス好調です。

また、9月の速報においては新型車ムーヴキャンバスはムーヴとは別カウントでありながら、9位にランクイン。するどいスタートダッシュを切ったことが見て取れます。

●2016年9月 軽乗用車販売ランキング(軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 20,406台
2位 ダイハツ タント 12,034台
3位 日産 デイズ 10,939台
4位 スズキ アルト 8,632台
5位 スズキ スペーシア 8,396台
6位 ホンダ N-WGN 8,361台
7位 スズキ ハスラー 8,317台
8位 スズキ ワゴンR 6,379台
9位 ダイハツ ムーヴキャンバス 6,258台
10位 ダイハツ ミラ 6,002台
※参考 11位 ダイハツ ムーヴ 5,250台

なお、同月における登録車のセールストップであるトヨタ・プリウスの販売台数は2万43台。わずかな差ながら、N-BOXが新車販売全体でのトップに立ったのもニュースのひとつです。

(山本晋也)

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ホンダN-BOXスラッシュが一部改良。アウトドア風味のインテリアを新設定
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2016年下半期、要チェックの最新軽自動車はこの2台!

ひと昔前に比べて、落ち着きが戻りつつある軽自動車。

新車の登場も減ってしまい、なんとなく元気がなくなってしまった印象を得ますが、維持費の安さなどは変わらないため、いまでも魅力的なジャンルであることに変わりはありません。

むしろ一時期の「とにかく新車で低燃費!」といった流れから解放されたおかげで、新しく生まれた軽自動車は、コンセプトをはじめ機能性などが丁寧につくり込まれている印象があります。

なかでもダイハツが販売を開始した「ムーヴキャンバス」は注目の一台です。

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開発におけるコンセプトはズバリ「自身のライフスタイルを楽しむ女性」。

プロポーションは「タント」や「ウエイク」のようにボックス型とし、室内空間を広く取る点は共通するものの、それを包み込むルックスはファミリーや男臭さを感じさせないテイストで仕立てられています。

インテリアはテイストを踏まえつつ、より軽自動車の使われ方に沿った進化を果たしています。

例えば、乗降性に定評のあるスライドドアはそのままに、荷物をサッと置きがちな後席足元に引き出し式のボックスを新たに用意。中敷を立ち上げれば走行中の荷崩れを防げるといった細かな配慮も嬉しいです。

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安全面の強化にも注目。カメラとレーダーで前方の車両と人を検知し、緊急時には自動でブレーキを掛けて事故を未然に防ぐスマートアシストⅡはもちろん、ダイハツで初となるパノラマモニターで、駐車や狭い路地でのすれ違いをアシストします。

さらに、軽自動車で初となるアダプティブフロントライティングシステムを採用。これはクルマの進行方向に合わせてヘッドライトの照射方向を自動で調節し、夜間の安全性を向上させます。

ヘッドライト

グレードは全部で3種類を用意し、最上級の「G“メイクアップSAⅡ”」でも154万4400円(FF車)〜166万8600円(4WD)とお手頃。

開発におけるターゲットは女性でしたが、グレーやブラウンのようなシックな色合いも用意されており、意外と若い男性にも似合うのではないでしょうか?

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もう一台の注目が「トヨタ・ピクシスジョイ」です。

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すでにダイハツから「キャスト」の名で販売されていますが、2016年8月31日から全国のトヨタカローラ店74社、ネッツ店105社、軽自動車比率の高い地域で取扱希望のあったトヨタ店15社、トヨペット店16社を含む販売店210社にて「ピクシスジョイ」の名での販売を開始。

基本的な構成は「キャスト」と同じく、外観上ではエンブレムが異なる程度。搭載される安全装備もカメラとレーダーを併用するスマートアシストⅡが採用されています。

「キャスト」の最大の魅力がひとつのボディで3つの異なるバリエーションを展開している点であり、こちらも「ピクシスジョイ」で踏襲。

インテリアに鮮やかな色彩を放つカラーパネルとメッキを配してオトナの上質感を醸し出す「ジョイF」。

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樹脂製ガーニッシュや大径タイヤに加えて、最低地上高も180mmへとアップさせて悪路走破性を高めたSUVテイストの「ジョイC」。

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そして、エアロパーツのほか、内外装にレッドのアクセントを加えてルックスと実力ともにスポーティな「ジョイS」は、スポーティサスペンション(FF車)とMOMO製革巻きステアリングホイール(パドルシフト付き)など魅力的なアイテムも盛り沢山。

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なお、価格も「キャスト」を踏襲しています。これまで近くにダイハツの販売店がなかったために欲しくても買えなかったという人の手にも渡るようになりました。

(今 総一郎)

ダイハツ・ムーヴ キャンバスのつくり込みは「女性がうれしい」スタイルと装備が自慢

ファミリー向けの「タント」、そしてアウトドアレジャーなどアクティブな人向けの「ウエイク」など、そのコンセプトを明確にしたモデルの開発が目立つダイハツから、新たなモデル「ムーヴ キャンバス」が発売されました。

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この「ムーヴキャンバス」の開発でターゲットとしたのは、ライフスタイルを楽しむ女性。

背高で四角いボディは同社の「タント」や「ウエイク」と同じですが、柔和な顔つきやボディ上下で塗り分けられたカラーリング、さらにメッキやカラーパネルをアクセントに加えたインテリアなど、ファミリーやアクティビティとは違ったカジュアルさを醸し出しており、クルマというよりもペットといった雰囲気が特徴です。

新たなコンセプトのもと生み出された「ムーヴキャンバス」は、実用性でも女性目線でつくり込まれています。

助手席もしくは後席足元に荷物を置く方がほとんどのはず。しかし、走行中に荷崩れしてしまうことがありました。また、荷室に荷物を置く場合にネイルを傷つけてしまうこともあります。

そこで「ムーヴキャンバス」では「タント」や「ウエイク」でも好評のスライドドアはそのままに「置きラクボックス」を採用したことで、この課題を見事に解決しているのです。

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さらに安全性の強化も見所。ダイハツでは初となるパノラマモニターを採用し、駐車時はもちろん狭い道でのすれ違いでもボディ側面を映し出すことで安全を確保。

また、夜間の視界確保に役立つアダプティブフロントライティングシステム内蔵のLEDヘッドライトを軽自動車として初めて採用しています。

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女性を前提として開発された「ムーヴキャンバス」ですが、その内容に加えて、ブラウンやブラックなどシックなカラーリングも用意されていることから男性が選んでも良さそうです。

そんな「ムーヴキャンバス」の魅力を約7分で掴める動画も公開されています。

(今 総一郎)

AFSやパノラマモニター、クラウン級の装備も採用したダイハツ「MOVE CANBUS」の魅力とは?

ダイハツが9月7日に販売を開始した「ムーヴ キャンバス」(MOVE CANBUS)。

車名の「CANBUS」は帆布を意味する「CANVAS」を語源に、「CAN(できる)」と「BUS(バス)」を組み合わせたものだそうです。

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自身のライフスタイルを楽しむ女性ユーザーをターゲットに開発されたハイトワゴンで、同社の軽自動車「タント」のプラットフォームをベースに、乗降性に配慮した両側スライドドアを採用しています。

バックドアを開閉しなくても、後席下部に装備されている引き出し式の「置きラクボックス」に日常の買出し品を「ポン」と置けるため、運転中の不意のブレーキングやコーナーリング時にも荷物が散乱せず安心です。

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やや丸みを帯びたボディシルエットに、往年のVW「T2」を連想させるお洒落なツートーンカラーがよく似合っており、凝ったデザインのホイールキャップもボディデザインにマッチングしています。

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スリーサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,655mm。

KF型660cc直3エンジンは、最高出力52ps/6800rpm、最大トルク5.2kgm/5200rpmを発生。FFモデルの燃費は28.6km/L(JC08モード)、4WDモデルの燃費は27.4km/L(同)となっています。

フロント周りではパッチリと見開いたデザインのハイ・ロービーム一体式LEDヘッドランプが目を引きますが、何より画期的なのがヘッドランプに組み込まれた軽自動車で初採用となる「AFS」(Adaptive Front-lighting System)装備。

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トヨタ「クラウン」やレクサス「LS」など、高級モデルを中心に装備されている機能で、夜間、コーナリング時にステアリング操作に連動して進行方向を明るく照らし出してくれるスグレモノです。

その他にも同社初となる「パノラマモニター」にも注目です。

前後左右に設定された4つのカメラでクルマの周りの状況を捉え、自車を車両上方から鳥瞰できるため、駐車時や車庫入れの際に大いに重宝しそう。

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特に狭い道で対向車とすれ違う際、助手席側の路肩状況が気になりますが、そんな時もドアミラー下部にビルトインされたサイドカメラが大いに役立ちます。

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安全面では衝突回避支援システム「スマートアシストII」や、坂道発進時に後退を抑制する「ヒルホールドシステム」を装備。

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FFモデルの車両価格帯は118.8万円から154.4万円、4WDモデルは131.2万円から166.9万円。

ダイハツ「MOVE CANBUS」は、販売が堅調な登録車に対して伸び悩みをみせる軽自動車の販売に風穴をあけるべく、ダイハツが本気で開発した一台といえそうです。

Avanti Yasunori・画像:ダイハツ工業)

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【関連リンク】

ダイハツ ムーヴ キャンバス
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/move_canbus/

AFSヘッドランプコントロールシステム(DENSO)
http://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/technology/product/electronics/afs/