Motor Fan's YEAR 2016

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アメリカ軍に採用されたオフロードビークル「MRZR4」が日本での公道走行可能に!

愛知県のホワイトハウスオートモービルは、同社が米国から輸入するオフロード車「MRZR4(エムレーザーフォー)」が日本で大型特殊自動車としてナンバーを取得し、公道走行が可能になったと発表しました。

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この「MRZR4」は、米国・ポラリス社の軍事用オフロード車を日本で災害救助用に使用するために輸入されたもので、2016年10月19日(水)〜21日(金)に、東京ビッグサイトで開催されたRISCON TOKYO:危機管理産業展で公開されました。

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「MRZR4」は、ポラリス社の小型オフロード車「RZR(レーザー)」をベースに、米軍のUSSOCOM(特殊作戦軍)の要望に応じて、災害現場、戦場などの過酷な環境でも対応できるように開発された車両。CV-22・オスプレイなどの航空機で現場まで輸送することができるということです。

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「MRZR4」は、全長 359cm×全幅 155cm×全高 188cmの車両サイズで、重量900kgの4人乗りの車体に、875ccの2気筒 4ストロークDOHC ガソリンエンジンを搭載。切り換え可能なオンデマンド式 AWD/2WD駆動装置を備えています。

最大積載量は200kgで、車体のシート部分はパイプ製のロールゲージで保護されており、ウィンドゥ・ガラスの無いスパルタンなスタイルになっています。

輸入元のホワイトハウスオートモービルでは、日本国内で起きている様々な災害発生時に、狭い道や傾斜地に立地する住宅地での救助活動に「MRZR4」が威力を発揮するとしています。

(山内 博・画像:ホワイトハウスオートモービル)

【関連リンク】

DEFENSE MRZR4[エムレーザー]|ポラリス・オフロードビークル[POLARIS OFF-ROAD VEHICLES]
http://www.whitehouse-orv.jp/defense/mrzr4/

農業をスマートに!グッドデザイン賞のトラクターのカッコ良さとは!?

ヤンマーのトラクター「YT3シリーズ」が、日本デザイン振興会主催の「2016年度 グッドデザイン賞」を受賞しました。

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トラクターというと、従来ではデザイン性よりも実用性重視で無骨なイメージがありました。

ところが、今回グッドデザイン賞に輝いたヤンマーの「YT3シリーズ」では、一体プレス工法のフルラウンドキャビンを採用して、すべての方向の視界性を向上しながら、トラクターのデザインにスマートさを取り入れた新しいデザイン・トレンドを示しています。

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さらに、運転席の右側部分に運転操作に必要なモニターや操作レバーをまとめて操作性・作業性を向上するように配慮した点も今までのトラクターにはなかったことです。

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こんなカッコいいトラクターでこそ、農業という仕事のイメージをスマートに転換できるというものです。

それもそのはず、この「YT3シリーズ」のデザインはイタリアのピニンファリーナ社などのカロッチェリアでも活躍した奥山清行氏の「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当しているのです。

「YT3シリーズ」のカッコ良さが、若者の農業離れを防止して、高齢化と就農者の減少に悩む日本農業の救世主となることが期待されます。

(山内 博・画像:ヤンマー)

フォークリフトも燃料電池の時代、日本初の燃料電池フォークリフトが今秋に販売へ

豊田自動織機は、日本初の2.5トン積 燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)をトヨタL&Fカンパニーを通じて今秋から販売開始すると発表しました。

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FCフォークリフトは、稼動時にCO2・NOxを排出しない環境性能と、わずか3分程で燃料の充填が完了する利便性というメリットを持っています。

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このFCフォークリフトを開発した豊田自動織機では、これまで豊田合成・北九州工場、関西国際空港、周南市地方卸売市場で実証実験を重ね、CO2削減効果などを検証してきましたが、今回いよいよFCフォークリフトを本格的に市場投入することになります。

新発売のFCフォークリフトでは、トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」と同じ燃料電池セルを使用し、セルの積層枚数を減らしてフォークリフト専用FCシステムを構成しています。水素タンクの圧力は35MPaで、稼働時間は8時間となっています。価格は税抜きで1,400万円です。

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私は、豊田自動織機が2014年5月の「エコ&セーフティ神戸2014」でFCフォークリフトの試作車を展示した際に取材しました。上の写真は、その際の試作車です。試作車の床下に配置されているFCスタックの大きさは弁当箱を大きくした程度の大きさで、予想外のコンパクトさに驚いた記憶があります。

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展示された試作車と今回の市販車の違いは、外部給電の電圧がシステム電圧の48Vから、AC100V(1kW×15時間)に変更されている点で、外部給電の使い勝手を考慮して変更されたものと思われます。

(山内 博・画像:豊田自動織機)

軽キャンパーのベース車にも最適!? ダイハツ・ハイゼット・キャディーへの期待

ダイハツの新型ハイゼット・キャディーはFFの商用車。

キャブオーバーが定番だった従来の商用バンと比べると小回り性能がどうか気になりますが、前席のお尻の下に音・振動源となるエンジンがありませんから、静粛性を含めた運転(室内)環境は格段に向上しているはず。

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カタログ上では、ハイゼット・キャディーの最小回転半径は4.4m、ハイゼットカーゴは4.2m、ウェイクは4.4m(一部グレードのみ4.7m)となっています。

20cmの差ですが、極めて狭い道などで差を分けるかもしれませんし、キャブオーバータイプだと心理的にもぎりぎりまで寄せやすい利点もあります。

ただ、ベースのウェイクから想像すると視界は全方位広いですから、必要以上に気にする必要はあまりないかもしれません。

また、ハイゼット・キャディーは、より大きな商用車からの「ダウンサイジング」も狙っているはずで、その場合はなおさら気にならないはず。

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乗員室フロア高360mm、荷室フロア高595mmのキャディーは、乗りやすさ、積みやすさが魅力ですが、この特徴を活かして、商用ユースはもちろん軽キャンパーのベース車としての期待が高まります。

ハイゼットをベースとした軽キャンパーは、数多くのキャンピングカービルダーが架装してリリースしているほか、ダイハツグループのダイハツクラフト(D-Craft)もハイゼットカーゴ、アトレーをベースとした軽キャンパーをリリースしています。

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軽キャンパーで重要な荷室スペースは、キャディーが荷室長1310×荷室幅1210×荷室高1235mm、カーゴ(4人乗り/クルーズ/ハイルーフ)は、荷室長860×荷室幅1350×荷室高1210mmとなっていて、幅をのぞき長さと高さはキャディーの方が余裕が上。

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今後、軽キャンパーのベース車としても活躍しそうなハイゼット・キャディー、「はたらくクルマ」以外にも様々なニーズがありそうです。

(塚田勝弘)

【関連記事】

これぞダイハツ・ウェイクの本命!? 新型商用車ハイゼット・キャディーが登場
http://clicccar.com/2016/06/13/378382/

ボウタイのついたいすゞエルフ? いえ、シボレーの中型トラックです

ゼネラルモーターズの「シボレー」ブランドから、北米市場向けにミディアム級の商用トラックが登場します。

Chevrolet 3500/ 3500HD/ 4500/ 4500HD/ 4500HDX/ 5500HD /5500 HDXと7つのグレードが用意されるトラックにも、シボレーの象徴といえるボウタイ(蝶ネクタイ)のエンブレムは光り輝いています。

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とはいえ、その姿に見覚えがあるという方も少なくないでしょう。

このシボレーのトラックは、2015年6月に発表されたいすゞとゼネラルモーターズの協業によるもので、いすゞのエルフトラックをシボレーブランド向けに生産しているもの。

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とはいえ、ゼネラルモーターズ製の6.0リッターV8ガソリンエンジンと6速トランスミッションを搭載するなど、エルフにボウタイをつけただけのバッジエンジニアリングではないということです。

そのほか、3.0リッターディーゼルターボ、5.2リッターディーゼルターボのパワートレインを用意するシボレーのトラック。現地では「クルーキャブ」と呼ばれるダブルキャブも用意されています。

(山本晋也)

三菱ふそうの電気トラック「キャンター E-CELL」が次世代の都市内輸送を担う~ドイツで初の実用供試

三菱ふそうトラック・バス(三菱ふそう:MFTBC)は、独シュトゥットガルト市でゼロエミッションの小型電気トラック「キャンター E-CELL」を使って1年間の実用供試を開始したと発表しました。

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今回の実用供試では、シュトゥットガルト市と物流事業会社ヘルメス社に「キャンター E-CELL」5台を提供し、持続可能な都市内配送を追求する、としています。

シュトゥットガルト市に提供される4台のトラックのうち2台はダンプ仕様で道路および都市景観工事に、2台はバン仕様で家財運搬とゴミ収集に、また物流事業会社への車両は都市内配送に使用される、ということです。

4月11日にシュトゥットガルトで行われた実験車両の引渡しイベントで、ダイムラーAG取締役兼トラック・バス部門総責任者のウォルフガング・ベルンハルト氏は、

「都市内短距離輸送において一部の車両を数年以内に電気トラックに移行していくことは技術的・経済的に実現可能です。電気トラック技術のさらなる開発や実用供試を通じ、我々は都市モビリティに貢献していきます」

と挨拶しました。

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MFTBCは2015年にポルトガルで、「キャンター E-CELL」8台の配送実用供試を行いました。

その結果、電気トラックは短距離輸送や都市内配送に有用であることが1年間の実証結果で明らかになった、ということです。

約100キロメートル範囲の配送で航続距離が小型トラックの平均距離を超え、十分な航続距離があることが明らかになりました。また運用コストは従来のディーゼルトラックと比べて最大で64%削減することができました。

EV乗用車に限らず、今後の電気トラックの進歩にも目が離せません。

(山内 博・画像:三菱ふそうトラック・バス)