Motor Fan's YEAR 2016

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スズキ・スペーシアとソリオがJNCAP予防安全性能アセスメントで最高評価の「ASV++(ダブルプラス)」を獲得

国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA=National Agency for Automotive Safety and Victim’s Aid)によるJNCAP予防安全性能アセスメント。

先日、2016年度の前期分が発表され、対歩行者の被害軽減ブレーキで25点満点中24.5点を獲得したマツダ・アクセラが話題に上りました。

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2016年度からは昨年までの「前方車両に対する衝突被害軽減制動制御装置(AEBS=Autonomous Emergency Braking System)」、「車線逸脱警報装置(LDWS=Lane Departure Warning System)、「後方視界情報提供装置(バックビューモニター)」の試験に加えて、「歩行者に対する衝突被害軽減制動制御装置(AEBS)」を追加した4項目で71点満点の評価点が与えられます。

評価点の合計が12点を超えると「ASV+(プラス)」に、さらに46点を超えると「ASV++(ダブルプラス)」に認定。

スズキが今回発表したのは、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」と「全方位モニター」を搭載した軽自動車のスペーシアと小型登録車のソリオが、2016年度JNCAP予防安全性能アセスメントにおいて最高ランクの「ASV++(ダブルプラス)」を獲得したというもの。

「スペーシア」は、軽自動車で初の「ASV++」認定となります。また、現時点で公開されているテスト車で初の軽自動車でもあります。

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スペーシアは、軽自動車で初めてステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」装着車を設定したモデル。「デュアルカメラブレーキサポート」装着車が66.7点を獲得し「ASV++」に認定。

一方のソリオは、2015年度JNCAP予防安全性能アセスメントで「ASV+」に認定されていたましたが、試験項目が増えた今年度は68.1点を獲得し「ASV++」に認定されました。

12月1日に「ASV++」に認定されたスズキ・イグニスに続き、スズキ登録車で2車種目の獲得となります。

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上の写真は、今回の発表(2016年12月22日)前に発売されたソリオ・ストロングハイブリッド仕様。撮影時時点では「ASV+」になっていますが、今後は「ASV++」のステッカーが貼られることになります。

なお、「デュアルカメラブレーキサポート」は、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、エマージェンシーストップシグナルなどとセットでメーカーオプション設定。「全方位モニター」は、メモリーナビゲーション、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB・AUX)とセットでのメーカーオプションになります。

(塚田勝弘)

マツダ・アクセラが「対歩行者被害軽減ブレーキ」で1位を獲得!

国交省と自動車事故対策機構による、予防安全性能アセスメントの2016年度(前期分)のテスト結果が公開されました。このテストはエマージェンシーブレーキの性能だけでなく乗員保護性能などクルマの安全性能を確認するもので、JNCAPと呼ばれています。

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2016年度の前期分としてテストされたのは、スズキ:イグニス、スバル:インプレッサ、フォレスター、レヴォーグ、レガシィ、レクサス:GS、RX、トヨタ:クラウン、プリウス、ホンダ:フリード、マツダ:アクセラの計11台。

「どうしてこの車種がテストされて、あのモデルがないのか?」と疑問を抱く人もいるでしょう。

自動車事故対策機構(NASVA)のホームページよると、車種の選定については

「販売台数を考慮して、学識経験者やユーザー代表者などから構成される自動車アセスメント評価検討会で公正に選定されます」

とのこと。

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また、試験対象車の調達については、

「NASVA職員が身分を明かさずに販売店に出向いて展示車または在庫車から即時に購入し、部品交換等ができないようその場でマーキングを行っています。また、販売店で購入が困難な場合は、生産工場で無作為に抜き取って購入します」

とあり、公平性に注意が払われています。

高齢のドライバーによる歩行者などを巻き込んだ事故が社会問題化している昨今、今年からテストに加わった対歩行者のエマージェンシーブレーキ(被害軽減ブレーキ)の結果に注目が集まっています。

今年から加わった被害軽減ブレーキは「車両が直進時に横断している歩行者」に対してテストされるもので、歩行者の急な飛び出しもテスト内容から除外されています。速度は10km/h〜60km/hの間で10km/h刻み(6つの速度)で評価され、この試験は25点満点となっています。

被害軽減ブレーキ(対歩行者)の得点のみで順位をつけると、

1位:マツダ・アクセラ(24.5点)
2位:スバル・フォレスター(23.5点)
3位:スバル・インプレッサ(22.9点)
4位:スバル・レヴォーグ(22.5点)
5位:トヨタ・プリウス(22.1点)
6位:スバル・レガシィ(22.0点)
6位:レクサスRX(22.0点)
8位:レクサスGS(21.9点)
9位:トヨタ・クラウン(21.3点)
10位:スズキ・イグニス(20.3点)
11位:ホンダ・フリード(12.5点)となっています。対歩行者の被害軽減ブレーキテストは、先述したようにNASVAの基準でされていますから、試験方法によっては燃費計測のように点数が変わる可能性もあるでしょう。

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なお、ほかにも予防安全性能アセスメントは「被害軽減ブレーキ(対車両)」、「はみ出し警報」、「後方視界情報」があります。なお、予防安全性能アセスメントの2016年前期分では、すべてのテスト車両が最高ランクの「ASV++(ダブルダブル)」を獲得しています。

(文/写真 塚田勝弘)

アイサイト3を搭載する新型インプレッサなどが「予防安全性能評価 ASV++」を獲得

国交省と自動車事故対策機構(NASVA/National Agency for Automotive Safety & Victims’Aid)が実施している「予防安全性能アセスメント」。2016年度から評価対象が一部変更されています。

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2015年度の評価対象は、衝突被害軽減制動制御装置(AEBS/Autonomous Emergency Braking System)の対車両、車線逸脱警報装置(LDWS/Lane Departure Warning System)、後方視界情報提供装置でした。

今年度は2015年度の評価対象に加えて、道路横断中の歩行者を模擬したターゲットに10km/h〜60km/hで車両を接近させ、警報および被害軽減ブレーキの作動状況を評価する対歩行者のAEBS試験も実施されています。

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スバルの車両では、新型インプレッサは68.9点、レガシィは68.0点、フォレスターは69.5点、レヴォーグ/WRX S4は68.5点の評価となり、試験車種すべてが最高ランクの「予防安全性能評価 ASV++」を獲得。

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スバル車はこれまでに実施された予防安全性能アセスメントにおいて、「EyeSight(アイサイト)」を搭載するすべての車種が最高ランクを獲得しています。

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さらに、2016年10月に発売された新型インプレッサでは、全車にアイサイト(ver.3)が標準装備されているだけでなく、万一の事故の際に歩行者の頭部への被害軽減を図る歩行者保護エアバッグも標準化するなど、安全装備を強化しています。

(塚田勝弘)