Motor Fan's YEAR 2016

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メルセデス・ベンツ初のピックアップ「X-クラス」はこんなクルマ!

米国をはじめ、世界的にSUVや中型ピックアップモデルの人気が高まるなか、ダイムラーがメルセデス・ベンツ初のピックアップトラック「X-Class」を示唆するコンセプトモデルをワールドプレミアしました。

Mercedes-Benz_X-Class

同社がストックホルム市立美術館で公開したのは「パワフル アドベンチャー」と「スタイリッシュ エクスプローラー」の2モデル。

「パワフル アドベンチャー」は、アウトドア派向けのヘビーデューティなクロスカントリータイプ、一方の「スタイリッシュ エクスプローラー」は都会派向けに仕立てられています。

Mercedes-Benz_X-Class

ダイムラーによると、2017年後半に発売するとしており、コンセプトモデルとしながらも、インテリアの質感など、市販車を思わせる仕上がりとなっています。

サイドビューからは日産の海外向けモデル「NP300 NAVARA(ナヴァラ)」の面影が感じられますが、それもそのはず、このモデルはダイムラーとルノー・日産アライアンスとの提携により誕生したもの。

NISSAN_Navara

プラットフォームなど、多くのパーツを「NP300 NAVARA」と共用しているようです。

NISSAN_Navara

しかし、そこはメルセデス・ベンツ。車両の前後意匠は近年のデザイントレンドを取り入れたものとなっています。

Mercedes-Benz_X-Class

AWD仕様で、2.3L直4ターボエンジン(190ps)をはじめ、トップグレードモデルにはV6エンジン(260ps)が搭載される模様。

ダイムラーによると、同モデルは日産のスペイン・バルセロナ工場で生産するそうで、欧州、豪州、中南米、南アなどが主要市場とのこと。

Mercedes-Benz_X-Class

日本に導入されるかどうかは現時点で不明ですが、スタイリッシュなピックアップモデルだけに、SUV系のファンにとっても、気になる存在ではないでしょうか。

価格は日産NP300 NAVARAの海外向け価格から推測して、恐らく300万円台後半から400万円台クラスが中心になるものと思われます。

限定販売などを含めた今後のメルセデス・ベンツ日本の動向が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:DAIMLER/NISSAN UK)

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スマートの日産版が出る!? ルノー・日産とダイムラーの協力関係を両社のトップがアピール【パリモーターショー16】

2016年9月30日、パリモーターショーにおいて開かれた記者会見において、7年目を迎えたルノー・日産とダイムラーのパートナーシップ関係が順調に発展していることを発表しました。

Daimler und Renault-Nissan Pressegespräch 2016, Paris

記者会見に臨んだのは、ルノー日産のカルロス・ゴーンCEOと、ダイムラー取締役会長のディーター ツェッチェの両氏。それぞれが協力関係が順調に進んでいることをアピールしました。

両グループの協力関係は、日本においても、スマートとルノー・トゥインゴが共同プラットフォームを用いていることや、スカイラインがダイムラー由来の4気筒ターボを搭載していることなどで知られていますが、三大陸をまたぎ全領域において共同プロジェクトを進めることで、スケールメリットを生み出しているというわけです。

Mercedes-Benz auf der „Mondial de l’Automobile 2016“

パリモーターショーでは、そうした協力関係を示す一例として、ルノーのクレオン工場で生産されたモーターを搭載した新型「スマート フォーツー」、「スマート カブリオ」、「スマート フォーフォー」のEV版が世界初公開されています。

(山本晋也)

【IAA 2016】ダイムラーがEVトラックを来年後半に導入!

ドイツのハノーバーで9月22日に開幕した商用車ショー「IAA 2016」。

同ショーでダイムラーが、メルセデス・ベンツの大型EVトラック「Urban eTrack」と、FUSOの小型EVトラック「eCanter」をワールドプレミアしました。

Daimler_Urban_eTrack

ダイムラーでは、市街地での騒音・排気ガス問題など、社会ニーズへの対応として、ディーゼル車に代わるEVトラックの開発を急いでいるそうです。

「Urban eTrack」は車両総重量26トンで、都市部での食料品輸送などの用途を想定しており、高性能リチウムイオン電池(2.5トン)搭載により、出力100kWの場合、2〜3時間で充電を完了。

Daimler_Urban_eTrack

最大で200Kmまでの輸送が可能で、自動運転(CityPilot)やコネクテッドカーの機能を搭載して、2020年頃の実用化を目指しているそうです。

また「eCanter」は、FUSOの「キャンター」をベースにした「eCELL」の第3世代となる7.5トンクラスで、最大航続距離は100km、市内での積荷配達等での利用を想定しているそうです。

Fuso_eCANTER

ディーゼル車比で維持費を30%削減可能で、初期費用を2年で回収できるとか。

ポルトガル工場と川崎工場で製造、単眼カメラによるレーン逸脱防止機能を搭載しており、リチウムイオンバッテリーの搭載数を用途に応じて変更できるモジュール形式を採用。2017年後半から欧州、北米、日本の市場に投入する計画。

IAA_2016

日本でも依然として坂道にさしかかると、黒鉛を吐きながら重い積荷を苦しげに運搬するトラックが散見され、近隣への環境や後続車への影響を考えると、EV化は本来、乗用車よりもトラックを優先させるべきなのかもしれません。

Avanti Yasunori・画像:ダイムラー、IAA)

【関連リンク】

IAA(ハノーバーモーターショー)
http://www.iaa.de/

ダイムラー、ハンガリーのケチケメート工場拡張のため、5.8億ユーロを投資

ダイムラーは、現在メルセデス・ベンツ「Bクラス」と同「CLA」・「CLAシューティングブレーク」を生産しているハンガリー・ケチケメート工場に5.8億ユーロ(約700億円)を追加投資すると4月29日付けで発表しました。

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ダイムラーは今回の追加投資でケチケメート工場をメルセデス・ベンツの次世代コンパクトカーの生産拠点にする考えを表明しています。

ケチケメート工場は2012年に操業を開始し、今年の2月15日に累計生産50万台を達成したばかりで、2015年末までにダイムラーはケチケメート工場に10億ユーロ(約1200億円)を投資してきました。

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今回の追加投資では、約2.5億ユーロを費やして99000平方メートルの面積を備えた新工場が増設されます。この新工場には自動車車体のプレス工場と生産ラインが設けられています。

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新工場の生産ラインには、自動車ボディの表面処理をするための設備や組立ロボットが備えられるとともに、次世代小型車の最終組立セクションでは、自動車組立に必要な部品が無人輸送車両が搬送するバスケットに搭載されて最終組立セッションへ自動的に運ばれるようになるなど、先進の生産システムが用意される予定です。

(山内 博・画像:ダイムラー)

メルセデス・ベンツの9速ATはルーマニア製に!?

ダイムラーは、ルーマニア中部のセベシュで、9G-TRONIC 9速ATの生産を開始したことを発表しました。ダイムラーはセベシュでの生産能力の拡大に300百万ユーロを投資し、約1.000人の新規雇用を創出するとしています。

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9G-TRONIC 9速ATはメルセデス・ベンツの乗用車用最新型自動変速機で、世界初の9速の変速段を備えた自動変速機です。9G-TRONICには、後輪駆動のプレミアム車用、全輪駆動車用、ハイブリッド車用、プラグインハイブリッド車用のトランスミッションとしてバリエーションがあります。

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当初9G-TRONICは、E 350ブルーテックに最初に採用され、GLEクーペ(C 292)には、最初のモデルシリーズから9G-TRONICが搭載されました。新しいEクラスでは、すべての型式で9G-TRONIC 9速自動変速機を標準装備しています。

9G-TRONIC

ダイムラーによると今後数年間で、9G-TRONICは、縦置きに搭載されたエンジンを備える、ほぼすべての乗用車のモデルシリーズで使用されるということです。

Mercedes-Benz SL. 9G-TRONIC Getriebe Mercedes-Benz SL. 9G-TRONIC gear

メルセデス・ベンツ・カーズ、製造、サプライチェーンマネジメントの部門委員会のメンバーであるマルクス・シェーファー氏は「セベシュにおける生産の拡大に伴い、私たちは自動変速機の需要拡大に柔軟かつ効率的に対応することができる」とコメントしています。

自動変速機では、最近の燃費規制に対応して多段変速化が進んでおり、日本でもホンダが10速自動変速機を開発中であるという情報があります。

(山内 博・画像:ダイムラー)