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メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!【パリモーターショー16】

10月16日に会期を終えたパリモーターショー16。今回のショーでは、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンが出展した次世代のEVが注目を集めました。

メルセデス・ベンツは新たに電動パワートレイン車に特化した「EQ」ブランド初となるコンセプトカー「ジェネレーション EQ」を初公開。

Mercedes_Benz_EQ

ディーター・ツェッチェCEOによれば、「EQ」は「エレクトリック・インテリジェンス」を意味しているそうで、知能を持たせた電動車両シリーズとしています。

スポーティなエクステリアデザインを纏ったボディに408ps/71.4kgmを発生する強力な電動モーターを前後に搭載しており、子会社である独アキュモーティブ製70kWhの大容量リチウムイオンバッテリーとの組み合わせにより、0-100km/h加速は5秒以下、最大航続距離は500kmとなっています。

Mercedes_Benz_EQ

2019年に同タイプのディーゼル車並みの価格で市販予定で、2025年までに「EQ」シリーズ(SUV、サルーン、クーペ、カブリオレ等)を10車種投入、販売台数の15-25%をEV化する計画といいます。

同社はこれまで、2017年までにPHVを10車種投入するとしていましたが、バッテリー性能の急速な向上が見込まれることから、EVへのシフトを明らかにした形。

フォルクスワーゲンも先回の記事でご紹介したとおり 、同ショーでEVのコンセプトハッチバックモデル「I.D.」を発表。

VW_I.D.

「I.D.」はEV専用のプラットフォーム「MQB」(Modular Electric Platform)を採用した初のモデルで、航続距離は400-600km、2020年発売を目指しているそうです。

2025年には「IDパイロット」装備により、自動運転にも対応する模様で、現行のゴルフのEVモデルについても2017年に航続距離を50%向上させる計画とか。

VW_I.D.

同社は2025年までにEVを30車種投入予定で、販売台数の20-25%をEV化するなど、ディーゼル排ガス問題からのイメージ転換を図る姿勢を鮮明に打ち出しています。

一方、BMWは電動車ブランドの「iシリーズ」を2013年に立ち上げており、コンパクトEVの「i3」やPHVのスポーツモデル「i8」を既に市場投入しています。

パリモーターショー16では今後i3に続いて全車種にEVを設定すると宣言するなど、ドイツ勢3強はEVの販売が好調な米テスラに刺激され、EVシフトを加速させる構えをみせています。

FCVよりも、まずEV投入に注力する方向性を強く打ち出した欧州勢と、それに対抗するトヨタなど国内勢の今後の動きが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:Mercedes Benz、VW)

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BMWが米・テスラへの対抗で全モデルにEVを設定?
http://clicccar.com/2016/10/17/408715/

フォルクスワーゲンが2020年に「MEB」搭載の新型EVを投入!
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パリモーターショー2016
http://www.mondial-automobile.com/en/visiteurs/

ルノーのキュートなEV「ZOE」、航続距離が400kmに伸長

日産がアライアンスを組むルノーでは、「SM3 Z.E.」、「ZOE(ゾエ)」、「Kangoo Z.E.」、「Twizy」の4車種のEVを販売しており、2011年10月の「KangooZ.E.」発売以降、世界で累計10万台のEVを販売しています。

RENAULT_ZOE

その中の「ZOE」はジュネーブショー12でデビュー、同年11月にフランスで販売を開始し、欧州で販売を伸ばしているキュートなデザインを採用したピュアEVです。

RENAULT_ZOE

全長4,084mm×全幅1,788mm×全高1,562mmと、トヨタ「アクア」を少し大きくしたような5ドアハッチバックモデルで、発売後3年半で累計生産台数が5万台に達するなど、年間1万台以上を生産する人気車となっています。

発売当初のスペックは最高出力88ps/最大トルク22.4kgmを発生するモーターと韓国LG製のリチウムイオンバッテリー(22kWh)の組み合わせにより、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)による航続距離が210kmとなっていました。

RENAULT_ZOE

その後、昨年3月に開催されたジュネーブショー15では、電気制御の最適化により、モーターの効率を向上させ、航続距離を240km(+30km)に延長、車載充電システム「カメレオン・チャージャー」の改良により同車の充電時間を10%短縮したと発表。

さらに今年のパリモーターショー16では航続距離400km(NEDC)を達成したと発表、実用上で300km程度の性能を有しており、約270万円からの価格帯で販売を予定しているようです。

ただし、同車に搭載するリチウムイオンバッテリーはリース方式をとっており、年間走行距離7,500Km当たり約8,000円のリース料金が別に発生する模様。

RENAULT_ZOE

ルノーでは今後、ZOEに自動運転機能の搭載を予定しているそうで、中国の自動運転モデル地区で走行テストを開始するようです。

自動運転機能付きのEVといえば米「テスラ」を思い浮かべますが、ZOEは超コンパクトモデルだけに、使用性や価格面からも普及する可能性が高そうです。

昨今、PHVなど主にモーターで走行する電動車に注目が集まるなか、ようやく実現し始めたバッテリー性能の向上に伴い、再びEVにも目が向けられ始めており、今後はZOEのようなエントリークラスのEVが各社から登場する可能性が出てきました。

Avanti Yasunori・画像:RENAULT、パリモーターショー)

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日産/ルノーが累計35万台のEVを販売、4.5億トン超のCO2排出を抑制!
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キュートとサプライズをデザインするルノーのデザイン力に脱帽
http://clicccar.com/2016/09/11/398956/

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パリモーターショー2016
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ルノー ZOE
https://group.renault.com/vehicules-groupe/decouvrir/renault-vehicules-electriques/

フォルクスワーゲンが2020年に「MEB」搭載の新型EVを投入!【パリモーターショー16】

2025年までに30車種以上のEV投入を目指すフォルクスワーゲン(以下VW)が、10月1日に開幕したパリモーターショーにコンセプトカー「I.D.」を出展しました。

VW_I.D.

ハーバート・ディエスCEOによると、同車はVWが今後投入するEVの考え方を具現化したコンセプトカーで、電動車用に開発した新世代のモジュラープラットフォーム「MEB」(Modular Electric Platform)を採用した最初のコンパクト・ハッチバックモデルになるそうです。

「オープンスペースコンセプト」を採用したインテリアは広く開放的で、乗降時にはリヤドアが後方にスライドする構造。

従来の「キー(鍵)」に代わるのが、同車の車名にも由来するID(デジタルキー)。

スマホで同車の充電状況を確認したり、自身の居場所への配車が可能で、ユーザーID認識機能により、シートポジションやエアコンの設定、お気に入りのラジオ局やメディアのプレイリスト、サウンドシステムを呼び出せます。

VW_I.D.

ステアリングホイール中央のVWロゴマークをタッチすると、自動運転機能「IDパイロット」が起動。自動走行中はステアリングホイールがダッシュボードに格納されるマルチファンクションステアリングホイールを採用しています。

VW_I.D.VW_I.D.

さらに、クラウド環境と連携したコネクテッドカーとしての機能も持ち合せています。駆動用モーター(125kW)は最高出力170psを発生、航続距離は満充電で400-600km。

VW_I.D.

VWでは2020年に「I.D.」の市販を目指しているそうで、2025年には「IDパイロット」を装備する予定としています。

Avanti Yasunori・画像:VW、パリモーターショー)

【関連リンク】

パリモーターショー2016
http://www.mondial-automobile.com/en/visiteurs/

タイヤに新機能を搭載!レクサスとグッドイヤーがコラボレーション【パリモーターショー16】

10月1日に開幕したパリモーターショー16で、レクサスのコンパクトSUVの将来像を示すコンセプトカー「UX Concept」がワールドプレミアされました。

Goodyear

現行モデルのレクサス「NX」よりも230mm短く、55mm広く、125mm低い、走りを予感させるクーペライクなプロポーションを採用しています。

中でも、スクエアなオーバーフェンダー内に収まる21インチのアロイホイールや、見慣れないタイヤが目を引きます。

Goodyear

サイドウォール部に彫刻的なデザインが施され、オフロードでの高いグリップ性能をイメージさせると共に、アロイホイールのスポーク部との連続感を出すことで、ホイールがより大きく見えます。

このタイヤは「Goodyear」が同モデル用に専用開発したもので、「アーバン・クロスオーバー」のイメージを表現しているそうです。

走行時のタイヤ空洞共鳴音のピークを減衰(タイヤ内面にポリウレタンフォームを装着)し、ロードノイズ低減に寄与する「サウンド・コンフォート・テクノロジー」や、タイヤ内に埋め込んだセンサーにより、タイヤ内のエア圧や発熱温度などを車載コンピュータに送信する「チップ・イン・タイヤ・テクノロジー」を採用。Goodyear

また、パンク等で完全にエアが抜けた状態でも、強化したサイドウォールにより、最高で80km/hの走行が可能な「ランオンフラット・テクノロジー」を採用しています。

レクサスは昨年3月のジュネーブショーに出展したコンセプトモデル「LF-SA」にもGoodyear製の新機能を持たせたタイヤを装着していました。

Lexus_LF-SA

「Triple Tube(トリプルチューブ)」と称するこのタイヤでは、トレッドに3本のチューブを備えており、走行中の速度などのシチュエーションにあわせて内側/中央/外側の空気圧を自動調整し、タイヤを変形させることが可能になっています。

例えば全てのチューブの空気圧を高めれば、転がり抵抗が低減されて燃費が向上。

また雨天時には左右チューブを減圧。中央部のみが接地することで極細タイヤのようになり、ハイドロプレーニング現象を起き難くすることが可能というもの。

また一昨年のパリモーターショーに出展したトヨタ「C-HR Concept」にも、やはりGoodyear社が提案する発電するタイヤ「BH‐03」が装着されていました。

こちらは、走行中に発生する路面との摩擦熱や、駐車時に吸収した太陽熱を電力に変換したり、走行中のタイヤ変形エネルギーを利用してカーカス層に張り巡らせた圧電素子で発電、その際の電力で駆動用2次バッテリーを充電する仕組み。

このようにトヨタ自動車は今回を含め、3度に渡って新機能を持たせたコンセプトタイヤを披露しており、将来の市販車への採用を示唆している可能性が高そうです。

「発電するタイヤ」が実現した際には、自動車業界に大きなインパクトを与えそうで、今後の技術開発が期待されます。

Avanti Yasunori・画像:Lexus、Goodyear)

【関連記事】

トヨタ次期プリウスベースのコンセプトカーに「発電タイヤ」を搭載していた!
http://clicccar.com/2015/07/24/319046/

【関連リンク】

Lexus UX コンセプト
http://www.lexus-int.com/motorshow/2016-paris-motor-show/?contents=ux

Goodyear
https://corporate.goodyear.com/en-US/media/news/goodyear_presents_th.html

新型smartにもEVを設定。4人乗り仕様のsmart forfourも初EV化

新型smartにもEVが設定されるのは予想どおり、既定路線といえるものでしたが、パリモーターショーで新型smartのEV版がワールドプレミアされました。

Mercedes-Benz auf der „Mondial de l’Automobile 2016“

ルノー・日産連合とダイムラーとの提携により生まれた新型smartのEV版は、ガソリンエンジンモデルに続くもので、同車に搭載される新型モーターはルノーのクレオン工場で生産されます。

バッテリーの生産はドイツのカーメンツにあるダイムラーの子会社である「Deutsche ACCUmotive(ドイチェ アキュモーティブ)」社が受け持っています。

今回初めて4人乗りのsmart forfourにもEV仕様が設定されたことで、内燃機関と電池駆動の両パワートレーンを全車種にラインアップする初のブランドになりました。

smart electric drive; Exterieur: schwarz; Interieur: schwarz ;Elektrischer Energieverbrauch gewichtet: 13,1 - 12,9 kWh/100 km; CO2-Emissionen kombiniert: 0 g/km smart electric drive; exterior: black; interior: black; Electric power consumption, weighted: 13.1 - 12.9 kWh/100km; CO2 emissions combined: 0 g/km

クーペとコンバーチブルだけでなく、4人乗りのsmart forfourにもEV仕様が設定されたことで、利便性が向上。取り回しのしやすさを含めたシティコミュータとしての使い勝手は、BMW i3よりも上かもしれません。

EVとしての実力を図る目安であるバッテリー容量17.6kWh。リヤに搭載されるモーターの出力は、60kW/160Nmで、航続可能距離は160km(NEDC)と、先代の145kmから延びています。

smart ed tailor madeWorld premiere for the fourth generation smart electric drive

充電時間は欧米の家庭用急速充電240Vで2時間半、オプションとなる22kWの新しい急速充電器なら45分以下でフル充電が可能。

装備面では、エコモードが用意されるほか、「スマートコントロール」と呼ばれる機能の多くをスマホ用アプリで呼び出せるのも特徴です。充電スポットの検索や充電量の確認、エアコンの設定などができます。

World premiere for the fourth generation smart electric driveWorld premiere for the fourth generation smart electric drive

smart for two electric driveは2017年春の販売開始予定で、ドイツでの価格は2.194万ユーロ(日本円に単純に換算すると約248万円)です。

(塚田勝弘)

トヨタが欧州でコンパクトSUV「C-HR」 の市販モデルを公開!【パリモーターショー16】

トヨタ自動車が10月1日、欧州で開幕した「パリモーターショー2016」で、12月末に発売予定のコンパクトSUV「C-HR」の市販モデルを公開しました。

TOYOTA

日本でも11月上旬からトヨタ自動車の公式サイト(Web)で受注が開始される予定になっており、同車の購入を考えている読者の皆さんは、ボディカラーの選択などで色々と思いを巡らしている頃ではないでしょうか。

TOYOTA_C-HR

C-HRでは「センシュアル スピード-クロス」をデザインコンセプトに、明快に際立たせた彫刻的なダイヤモンド形状と、豊かに張り出した前後ホイールフレアにより、大胆でセクシーなサイドビューを表現。

リヤドアハンドルの存在感を抑えており、2ドアクーペのような印象を与えます。

TOYOTA_C-HR

また、低重心パッケージや高剛性ボディの採用により、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を両立させるべく、欧州をはじめとする世界の様々な道や国内外のサーキットコースで走りを徹底的に鍛え上げたそうです。

コンパクトSUVの市場規模が、ここ4〜5年間で拡大傾向にあるなか、C-HRでは個性的な外観はもちろん、意のままの走りやクラストップレベルの燃費を追求。

20代から30代の若年層を含めた情報感度が高いコンパクトSUV層を中心に、SUVでありながらクーペのような「新ジャンル感」を訴求することで、コンパクトSUV市場を牽引していく考えとしています。

国内仕様のボディカラーには、新色のメタルストリームメタリックと、ラディアントグリーンメタリックを含む全8色が用意されています。

TOYOTA_C-HRTOYOTA_C-HR

一方、既存色のホワイトパールクリスタルシャイン(070)や、イエロー(5A3)も、スタイリッシュなC-HRの個性を上品に引き立ててくれそう。

TOYOTA_C-HR

年末の発売に先立ち、11月26日(土)に富士スピードウェイで開催される先行試乗会で、一足先にC-HRの走りを体感してみるのも良いかもしれません。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、パリモーターショー)

【関連記事】

トヨタが「C-HR」の受注開始!パリでも市販モデル公開へ
http://clicccar.com/2016/09/21/400863/

トヨタが「C-HR」のインテリアデザインを初公開!
http://clicccar.com/2016/06/28/382172/

ニュル24H耐久でトヨタ「C-HR」がクラス3位で完走!
http://clicccar.com/2016/05/31/375178/

【関連リンク】

パリモーターショー2016
http://www.mondial-automobile.com/en/visiteurs/

トヨタC-HR
http://toyota.jp/c-hr/

C-HR特別先行プロト試乗会in富士スピードウェイ
http://toyota.jp/c-hr/testdrive/

新型ディスカバリーは2列目と3列目のリモート操作が可能【パリモーターショー16】

英国のソリハル工場近くでワールドプレミアされた新型「DISCOVERY(ディスカバリー)」。パリモーターショーでもジャガー・ランドローバー社の目玉モデルとして披露されました。

JLR_Paris Press Conference_01

機能面での注目点は、スマホを介してセカンドシートとサードシートをリモート操作できる世界初の「インテリジェント・シートフォールド・システム」。

同機能により乗車人数や荷物の量に合わせてシートアレンジが容易になり、雨で傘を差していたり、荷物を抱えていたりする場合でも楽にシートの操作が可能になります。

JLR_Paris Press Conference_06

また、最大9つのUSBポート、6つの12Vパワーソケット、最大8つのデバイスまで接続が可能な車内Wi-Fiホットスポットを備えることで、様々なデジタル機器を活用したシーンに対応。

さらに、ジャガー・ランドローバーが新しく発表した「Spotify」アプリも見どころで、同アプリを起動すると、ラジオや車内でよく聴く音楽、ユーザーの嗜好を参考にカスタマイズされたプレイリストが再生されるというもの。

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ジャガーブランドでは、新モデルの「XF Sportbrake」に関してもアナウンスがありました。

全天候型で4WDとなる同車は、すでにプロトタイプによる開発テストや英国での路上テストが開始されているそうで、来年の公開に向けて準備が進められているそうです。

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ほかにも、ジャガー初のEVレーシングカー「I-TYPE 1」を初めて一般公開し、モータースポーツ界への復活も宣言。

「パナソニック・ジャガー・レーシング」は、10月に開催されるフォーミュラE第3シーズン開幕戦から、ジャガー史上初となる電気自動車のレーシングカーで参戦する予定になっています。

(塚田勝弘)

スマートの日産版が出る!? ルノー・日産とダイムラーの協力関係を両社のトップがアピール【パリモーターショー16】

2016年9月30日、パリモーターショーにおいて開かれた記者会見において、7年目を迎えたルノー・日産とダイムラーのパートナーシップ関係が順調に発展していることを発表しました。

Daimler und Renault-Nissan Pressegespräch 2016, Paris

記者会見に臨んだのは、ルノー日産のカルロス・ゴーンCEOと、ダイムラー取締役会長のディーター ツェッチェの両氏。それぞれが協力関係が順調に進んでいることをアピールしました。

両グループの協力関係は、日本においても、スマートとルノー・トゥインゴが共同プラットフォームを用いていることや、スカイラインがダイムラー由来の4気筒ターボを搭載していることなどで知られていますが、三大陸をまたぎ全領域において共同プロジェクトを進めることで、スケールメリットを生み出しているというわけです。

Mercedes-Benz auf der „Mondial de l’Automobile 2016“

パリモーターショーでは、そうした協力関係を示す一例として、ルノーのクレオン工場で生産されたモーターを搭載した新型「スマート フォーツー」、「スマート カブリオ」、「スマート フォーフォー」のEV版が世界初公開されています。

(山本晋也)

新型アウディA5/S5スポーツバックが披露。天然ガスにも対応する「g-tron」も設定【パリモーターショー16】

登場から早くも7年周年を迎えたというアウディA5スポーツバック。

エレガントな5ドアクーペの佇まいは依然古さを感じさせませんが、すでに発表されているA5クーペに続き、パリモーターショーで待望の新型モデルが披露されました。

Dr. Dietmar Voggenreiter (Member of the Board of Management of A

全長4733mm×全幅1843mm×全高1386mm、ホイールベースは2824mmで延長されたホイールベースが特徴。さらに、短い前後オーバーハング、パワードームを備えた長いラップアラウンドのボンネットにより、躍動感が強調されています。

フロントマスクの特徴は、立体的な造形が与えられたシングルフレームグリルで、従来型よりずっと低くワイドになっています。仕様によりラジエータグリルが繊細なブラックマット仕上げになり、スポーティムードを強調。

Audi A5 Sportback

A5スポーツバックの特徴であるショルダーラインは、立体的な造形が強調されることでより印象的なサイドビューになっています。

また、水平ラインを基調としたリヤビューも立体感のあるもので、アルミニウム製のトランクリッドの末端部分は、スポイラー効果のあるエッジにより空力特性改善に貢献しています。

[nextpage title=”天然ガスにも対応する「g-tron」を設定”]

The new Audi S5 Sportback, Paris Motor Show 2016

質感の向上とともに広くなったキャビンも注目。

従来型よりも室内長は17mm、前席のショルダールームは11mm、後席ニールームも24mm拡大。荷室容量はクラストップレベルの480Lを確保し、トランクリッドは電動開閉式が標準になるほか、オプションで、センサーコントロールで自動開閉するシステムも選択することも可能。

Audi S5 SportbackAudi S5 Sportback

操作系は、標準装備のアナログタイプのほか、お馴染みの「アウディ バーチャルコクピット」をオプションで設定。また、MMIタッチ付MMIナビゲーションンプラスには、8.3インチモニターや10GBのフラッシュメモリーなどが用意されます。

Audi A5 Sportback

新型アウディA5スポーツバック最大の注目はパワートレーンで、2タイプのTFSIと3タイプのTDIユニットを設定。出力範囲は140kW(190hp)~210kW(286hp)で、従来型から最高出力を最大17%向上させながら、燃料消費量は最大22%削減されています。

http___audi-press.jp_press-releases_2016_09_Audi_A5_Sportback_011

組み合わされるトランスミッションは、6速MT、7速Sトロニック(デュアルクラッチトランスミッション)、8速ティプトロニックの3タイプ。駆動方式は、FFとフルタイム4WDのクワトロで、210kW(285hp)を発生する3.0 TDI搭載車にはquattroが標準装備。

V6ターボエンジンを搭載する最速グレードは、0-100km/hを4.7秒でクリアし、最高速度は250km/h(電子リミッター作動)に到達。クワトロと8速ティプトロニックが組み合わされます。

Audi S5 Sportback

さらに、多様な燃料に対応する「g-tron」モデルの追加も見逃せません。搭載される2.0 TFSIエンジンは、最高出力125kW(170hp)を発生し、燃料は「Audi e-gas」のほか、天然ガスや通常のガソリンでも走行することができます。

(塚田勝弘)

初代から10年、待望の新型アウディQ5が登場【パリモーターショー16】

初代のアウディQ5が登場したのが2006年ですから、10年もの年月を経て登場した新型アウディQ5。ただし、欧州での発売は2017年からで日本への導入時期は現時点では分かっていません。

Dr. Dietmar Voggenreiter (Member of the Board of Management of A

まずデザインから見ていくと、エアロダイナミクスに配慮したフロントマスクは、彫刻的な造形のシングルフレームグリルによりひと目で最新のアウディモデルだと分かります。

ヘッドライトは、LEDまたは高輝度のマトリクスLEDテクノロジーが設定され、マトリクスLEDにはダイナミックターンシグナルが内蔵されます。

The new Audi Q5, Paris Motor Show 2016

SUVらしく力強く強調されたホイールアーチは、quattroであることを想起させ、低いグリーンハウスが後方に向かうに従って流れるように傾斜。リヤビューの水平ラインがクルマの幅の広さと存在感を強調し、Cピラーの部分にまで回り込んだリヤゲートは、アウディのQモデルに共通する特徴です。

5人乗りとなるインテリアは、水平基調のラインにより、幅広く快適な雰囲気で、インパネを左右に横断するトリムストリップが、印象的な3次元のラインとなっています。

Audi Q5

3分割された後席は、前後スライドとシートバック角度調整機能をオプションで追加することができます(欧州仕様)。荷室の容量はリヤシートの位置によって550〜610Lまで確保されていて、従来型から10L増加。後席を完全に折りたたむことで、最大1550Lにまで増やすことが可能です。

Audi Q5

操作系では、オプションで12.3インチの「アウディ バーチャルコクピット」をはじめ、最上級のインフォテイメントシステムである8.3インチディスプレイを装備したMMIタッチ付MMIナビゲーションプラス(LTEモジュール、Wi-Fi対応)を選択すると、タッチパッドがロータリープッシュボタンに組み込まれるのが特徴。

The new Audi Q5, Paris Motor Show 2016

欧州仕様に搭載されるエンジンは、5種類のエンジン(4タイプのTDIと1タイプのTFSI)が用意されています。これらのエンジンは、従来型に対してパワーが最大で20kW(27hp)向上しながらも燃料消費量を大幅に削減。

とくに110kW(150hp)、120kW(163hp)、140kW(190hp)の3つの出力が用意されるディーゼルの2.0 TDIエンジンは、高効率なエンジンに仕上がっているそう。

一方で、2タイプが設定されるガソリン、ディーゼルのハイスペックエンジンは、ハイパワーと高効率を巧みに融合。

中でも従来から大幅に改良された2.0 TFSIは、185kW(252hp)の最高出力を発生する一方で、100km走行あたりの燃料消費量は6.8L(CO2排出量は154g/km)に抑えられています。

大幅な改良が加えられた3.0 TDIは、最高出力210kW(286hp)、最大トルク620Nmまで増強されています。なお、トランスミッションは6速MT、7速Sトロニック、8速ティプトロニック(3.0 TDI専用)が用意されます。

Audi Q5

クワトロシステムは、先日日本でも発表されたアウディA4オールロードクワトロと同様に「ultraテクノロジー」が採用された新しいシステム。リヤアクスルは、必要がない際は駆動系から切り離されており、必要に応じて予測的に連結されます。

クワトロならではのトラクションやドライビングダイナミクスを損なうことなく、FFのような利点を得ることで、燃費効率を改善することが可能。さらに、トルクベクタリングシステムにより、FFバージョンでも、quattroバージョンでも、洗練されたハンドリングを享受できるそうで、都市型SUVに多いFFへのニーズを満たしながら走りも楽しめそう。

そのほか、アウディ最新の安全装備を用意するなど10年分の進化を果たしているはずと期待したくなる新型アウディQ5。

競争が激化しているDセグメント系プレミアムSUVでどれだけ存在感を放てるか今から楽しみです。

(塚田勝弘)

400hp/480Nmを誇るアウディRS3セダンがデビュー【パリモーターショー16】

アウディのCセグメントモデル「A3」シリーズで最強となるアウディRS3セダンが初めてお披露目されました。

直列5気筒の2.5L TFSIエンジンを搭載し、従来よりも33hpアップの294kW(400hp)という最高出力に加えて、1700-5850rpmという幅広い回転域で発揮される480Nmもの最大トルクが見どころ。

Stephan Winkelmann (CEO quattro GmbH) in front of the new Audi R

0-100km/h加速は4.1秒で、最高速度はリミッターにより250km/hに制限されますが、カットすれば280km/hまで引き上げることも可能です。

5気筒ユニットならではのサウンドは、隣り合うシリンダーと離れたシリンダーを交互に点火する設計により、さらに際立ったものになっているそうで、ボリュームと音質は、「アウディ ドライブセレクト」によって調整することができます。

2.5 litre five cylinder TFSI engine in the Audi RS 3

また、軽合金製のクランクケースを採用したことで、エンジン重量は従来の5気筒エンジンより26kg軽量化されています。さらに、インテークマニホールドと燃焼室の両方にガソリンを噴射するデュアルインジェクションと、排気バルブのタイミングを可変制御するアウディバルブリフトを採用。

その結果、燃費を向上させながらも出力性能を最適化することができたそう。組み合わされるトランスミッションは、Sトロニック7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)です。

The new Audi RS 3 Sedan, Paris Motor Show 2016

駆動方式はもちろんフルタイム4WDの「quattro」。駆動トルクは電子油圧制御式の多板クラッチを介して、前後のアクセルに可変配分されます。

さらに、クワトロは「アウディ ドライブセレクト ダイナミックハンドリング システム」に統合されていて、「アウディ ドライブセレクト」で「comfort」、「auto」、「dynamic」の3モードから選択することが可能。

オプション設定されるアダプティブダンパーコントロール機能を備えた「RSスポーツサスペンションプラス」も「アウディ ドライブセレクト」を介して変更することができます。

Cockpit

そのほか、トルクベクタリングといえる機能や標準モデルよりも25mm車高を下げるなどによりライントレース性を高めるなど、サーキット走行にももちろん対応。

ブレーキも標準車から強化されていて、フロントのディスク径は370mm(リヤのブレーキディスク径は310mm)、ライニング面積を広くとった8ピストンキャリパーとの組み合わせにより、優れた制動力を発揮します。

Static photo Colour: Catalunya Red

フロントブレーキについては、オプションでカーボ ファイバーセラミック製のディスクも設定。タイヤ&ホイールは、235/35タイヤと19インチホイールの組み合わせが標準で、フロントには255/30タイヤがオプション設定されています。

(塚田勝弘)

ホンダ・シビック欧州仕様が初公開。エンジンは3種類【パリモーターショー16】

2016年9月29日に開幕したパリモーターショーにおいて、ホンダが欧州シビック(5ドア)を世界初公開しました。

All-new 2017 Civic hatchback

グローバルに数えると10代目となる新型シビックは、ねじり剛性を52%高めた新世代シャシーを与えられています。サスペンション形式は、フロント:ストラット、リヤ:マルチリンクです。

エンジンは、新開発のダウンサイジングターボが中心。ガソリンは1.0リッター3気筒ターボと1.5リッター4気筒ターボ、そして遅れて1.6リッターディーゼルが加わる予定となっています。

センター出しマフラーとするなどアグレッシブでダイナミックな造形のボディとなっていますが、ラゲッジルームも478リッターと広く、実用性も高いレベルで両立したスタイルとしているのも特徴のひとつ。

欧州での発売は2017年初頭を予定しているということです。

(山本晋也)

コンパクトSUVに新風を巻き起こすか!? BMW X2コンセプトが登場【パリモーターショー16】

BMW X2コンセプトがパリモーターショーで披露されました。

クーペとSUVを融合させたスタイリッシュな「BMW X2コンセプト」は、都市ユーザーをターゲットにしたスポーティモデルという位置づけ。

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写真を見る限り、日本でも都市部を中心にかなり遭遇するメルセデス・ベンツGLAを意識したようなコンセプトモデルに見えます。ニッチとはいえ、コンパクトクロスオーバーSUV市場でBMWとしてもライバルにばかり良い思いをさせないということでしょうか。

いかにも速く走りそうなスタイリングに、BMWのXモデルならではの堅牢なボディで構成され、ロングホイールベース、ショートオーバーハングのボディが特徴です。

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BMWらしさを感じさせるフロントマスクは、「鮫の鼻」を感じさせる新たな造形が採り入れられたキドニー・グリル、大型のエアインテークが存在感を高めています。

サイドビューは、細長いルーフラインとスリムなウインドウグラフィックが印象的で、SUVとクーペのクロスオーバーモデルであることを強調。力強さを感じさせる前後フェンダーには21インチの軽合金ホイールが収まっています。

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発表されたリリースにはデザインスタディモデルなのでしょうか、スタイリング以外で言及はほとんどありません。

しかし、BMW X1がFF化されたことから、市販モデルになれば都市部のユーザーを狙うということからもFFと4WDが設定されるのではないでしょうか。

(塚田勝弘)

ギネス記録となるレゴ製ステージで、新型ランドローバー・ディスカバリーがワールドプレミア

すでにアナウンスされていたジャガー・ランドローバー社の新型SUV「DISCOVERY(ディスカバリー)」がパリモーターショーで披露されましたが、その前にワールドプレミアされたのは新型ディスカバリーが生産される英国ソリハル工場近くに用意された特設会場。

SOLIHULL, ENGLAND - SEPTEMBER 27: Bear Grylls poses as he places the final piece on a Lego structure of Tower Bridge, during the launch of Land Rover's 'New Discovery' at Packington Hall on September 27, 2016 in Solihull, England. Land Rover revealed their brand new Discovery with the help of ambassadors Zara Phillips, Bear Grylls and Sir Ben Ainslie against the backdrop of the replica of London’s Tower Bridge, made entirely from Lego. The structure broke the Guinness World Record for the greatest number of Lego bricks used in a sculpture with over 5.8 million pieces. (Photo by Dan Kitwood/Getty Images for Land Rover) *** Local Caption *** Bear Grylls

そのステージは、レゴブロックで高さ13mのロンドンの観光名所タワー・ブリッジが製作されました。ギネス世界新記録を樹立したということですから、新型ディスカバリーのお披露目に花を添えるド派手なデビューイベントになったようです。

制作されたタワー・ブリッジは、これまでのギネス世界記録よりも47万646個多い580万5846個ものレゴブロックを使って制作されたもので、ディスカバリーもロゴブロック製かと思ってしまうほど精巧にできています。

使用した全てのレゴブロックを一列に並べると、その距離は200マイルにもおよび、ロンドンのタワー・ブリッジからパリまでの距離に相当するといい、パリモーターショーでも披露された新型ディスカバリーとの凝った仕掛けには感心させられます。

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このレゴブロック製のタワー・ブリッジは、英国で唯一のレゴ認定プロ・ビルダーであるダンカン・ティットマーシュ氏と彼の専門チームが、5か月間かけて完成させたものだそうです。

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このタワー・ブリッジと新型ディスカバリーの披露はドラマチックな演出だったようで、英国の冒険家ベア・グリルス氏が、巨大なレゴブロック製タワー・ブリッジの上部から降り立ち、同車の近くに出現。

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そして最後に、ランドローバーBARのプリンシパルであるベン・エインズリー卿(女王エリザベス2世陛下とエディンバラ公爵殿下(フィリップ王配殿下)の2人目の孫)が、セーリング・チームのメンバーを率いて新型ディスカバリーをドライブし、タワー・ブリッジの下に設けた水深900mmの水場を移動しながら登場。

この際、新型ディスカバリーは、18万6500個のレゴブロックで精巧に作られた来年アメリカズカップに挑戦する「ランドローバーBAR」のボートを牽引し、同車の多用途性も披露されました。

(塚田勝弘)

コンパクトSUVのデザインと快適性を提案する、レクサス「UX Concept」【パリモーターショー16】

パリモーターショーの開幕前にフォトデビューしていたレクサスのコンパクトクロスオーバーSUV「UX Concept」が披露されました。

全長4400×全幅1900×全高1520mm、ホイールベース2640mmというサイズは、レクサスNXの全長4630×全幅1845×全高1645mm、ホイールベース2660mmよりも230mm短く、55mmワイドで、125mm低くなっています。

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「UX Concept」はあくまでデザインスタディのショーモデルですから、全幅が強調され、全高も低くなるのは必然でしょう。もし市販されれば、レクサスNXよりもひとクラスコンパクトなSUVということになるのでしょうか。

見どころは、将来のコンパクトクロスオーバーの将来像を示したとするデザインだけでなく、快適性も確保することで、先進的な都市生活者の期待に応えている点。

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ひと目で分かるクロスオーバーらしい力強いエクステリアに、低めの車高とクーペのようなドライビングポジションが、コンパクトでありながらダイナミックな走りを予感させる革新的なパッケージを採用。

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外観を上から眺めるとエクステリアとインテリアがキャビンを中心にした「X線状」でつながり、強い相乗効果を生み出す「インサイド・アウト」と呼ぶコンセプトが具現化されています。

また、ホイールアーチやルーフバー、電子ミラーを同じ素材感で仕上げることで、キャビン内側との一体感や連続性を演出。

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レクサスの顔つきといえば、スピンドルグリル。フロントグリルを取り囲むボリューム感ある造形が同ブランドのアイデンティティを強調するだけでなく、三次元的な立体効果を狙っているそうです。

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彫り深く、繊細な面の造形がクラシックスポーツカーを彷彿とさせるとともに、全体を貫く力強さが最新のレクサス・デザインらしさとなっています。

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一方のインテリアは、前後席それぞれが異なった雰囲気が醸し出されています。

フロントは人間工学に基づきドライバーが主役のデザインで、ホログラムなどのヒューマンマシンインターフェイス技術を採用。三次元による先進的なドライビング体験を提供するとしています。

逆にリヤは、寛ぎの快適空間を演出。また、キャビン中心を縦に貫くコンソールや室内配色で、前後席空間の違いを際立たせているのも特徴です。

(塚田勝弘)

新型C3やコンセプトカー「CXPERIENCE」などを披露【パリモーターショー16】

お膝元で開催されるだけに、パリモーターショーで披露される新型C3や、コンセプトカーの「CXPERIENCE」、「E-Mehari」、「Space Trouser」、マイナーチェンジ版のC4ピカソなど、多彩なモデルを出展するシトロエン。

Copyright William Crozes @ Continental Produtions

新開発となるEVのビーチカー「E-Mehari」、MPVの「Space Trouser」、そして新型C3がワールドプレミアされるモデルで、こちらは「C4 Cactus」を想起させる外観のディテールが目を惹きますし、インパネも従来のシトロエンとは異なる新しいテイストでまとめられています。

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新型C3のほか、もう1台ワールドプレミアされる「CXPERIENCE」は、4ドアクーペフォルムで、従来のデザインと快適性の常識を覆したコンセプトカーという位置づけ。

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ほかにも、シトロエンにとって新たなスポーツ・アドベンチャーの始まりを象徴する2つ目のコンセプトカーも用意されるそうで、こちらは近日詳細が発表されます。

(塚田勝弘)

メルセデスがEVの新ブランド「EQ」を発表。第一弾は最長500km走行可能なコンセプトカー【パリモーターショー16】

年々厳しくなる燃費規制をクリアするためには、内燃機関の改良やハイブリッドだけでは厳しく、欧州勢は電気自動車(EV)に軸足を移しています。

今後は官民で充電スタンドを整備させ、普及への課題もクリアしてくるでしょう。

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ドイツのダイムラー(メルセデス・ベンツ)がパリモーターショーで披露した「ジェネレーションEQ」は、2つのモーターにより300kWという最高出力、最大トルク700Nmのアウトプットを得て0-100km/h加速は5秒以内、最長500kmの航続が可能なEVコンセプトです。

「Electric Intelligence」から命名されたという「EQ」ブランドは、EVシリーズの新ブランドという位置づけになります。

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「EQ」シリーズは、機能拡張や規模の拡大に対応できるのが見どころで、バッテリー、電気モデルのために特別に開発されたアーキテクチャーを使用。

ホイールベースや全幅だけでなく、バッテリーなどすべてのシステムコンポーネントがモジュラーブロックシステムにより、SUV、セダン、クーペなどEVであれば対応できるのが特徴です。

充電は誘導システムまたはウォールボックスを使ったコードレス充電システムに対応しています。

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今回の「ジェネレーションEQ」は、ダイナミックなクーペフォルムで、SUVのテイストを盛り込んだクロスオーバーコンセプトです。ドアミラーやアウターハンドルなどを廃止することで空気抵抗を削減。

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インテリアはドライバー中心の設計で、左右非対称のインパネにフローティング式の24インチワイドスクリーンディスプレイが採用されています。速度などのメーターや地図画面などが表示され、コンテンツの表示も選択可能です。

(塚田勝弘)

DSブースは流行のVRを使った世界初公開の「バーチャルDS」がテーマ【パリモーターショー16】

PSAグループの高級ブランド「DS」のブースは、同ブランドらしいユニークなもので、バーチャル空間でありなが現実空間のような臨場感が得られる体験を提供。

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「DS Virtual Vision」と命名された臨場感あふれる3D技術が駆使され、「DS3」、「DS3 CABRIO」、「DS4」と「DS4 CROSSBACK」のいずれかに乗りこむと、あっという間に、コンコルド広場の中心部に到着するという仕掛けになっているほか、「HTC Vive」のヘッドセットを装着するだけで、カスタマイズされた多種多様なオプションを確認できます。

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Post-production : Astuce Productions

さらに、バーチャル空間では、DSの伝統、技術や革新などが分かりやすく提示されるほか、モデルとしては「DS E-TENSE」、「DS 5 Commande Spéciale」、「DSV-02(FIAフォーミュラE選手権サード・シーズン向けの全電動シングル・シーター)」、「DS Performance Line」、特別仕様車の「DS COMMAND SPECIAL」などによるDSらしい技術が披露されています。

(塚田勝弘)

フォルクスワーゲン「I.D.」は最長600km走行可能な次世代EV【パリモーターショー16】

フォルクスワーゲンがパリモーターショーで初めて披露した「I.D.」は、125kWの電気モーターを搭載し、400〜600km走行可能なコンパクトEV。

2025年以降に実用化を目指しているという完全自動運転の技術を備えたコンセプトカーでもあります。

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しかも、単なるコンセプトモデルではなく、今回同時に発表された「e-Golf」などとともに2020年にコンパクトEVとして市販化することも見据えているそうですから、中身が気になるところです。

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フォルクスワーゲン「I.D.」は、EVであることが視覚的に分かるように「Iconic Design(アイコニックデザイン)」を採用。

さらに注目は、新しい「MEB」車両アーキテクチャーに基づいたVW初のコンパクトコンセプトカーであること。

MEBは「Modular Electric Drive Kit/モジュラー エレクトリック ドライブキット」」の略で、ピュアEVのために新たに考案されています。

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インテリアは「オープンスペース」コンセプトと命名され、ラウンジにいるようなくつろいだ雰囲気を演出。

電気モーターを含めて駆動系をリヤアクスルと一体化し、高電圧バッテリーを床下に収めた車両レイアウトによって実現したもので、全長わずか4m程度でも広くて明るく、そして柔軟に使えるスペースとなっています。

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「I.D.」は既存のポロやゴルフ、パサートなどと同様に量産車としてラインナップを拡充していくコンパクトEVというポジションになるようです。

(塚田勝弘)

次期マーチは3ナンバー&ダウンサイジングターボを搭載?日産・マイクラGen5が世界初公開【パリモーターショー16】

4代目となる現行マーチは、タイで生産されているというイメージもあってか、また登場時は確かに質感の面で物足りなさを感じさせたのも確かです。

軽をのぞいた日産のエントリーカーであっても、同社を代表するコンパクトカーでもあり、「安かろう悪かろう」では満足されるわけもありません。

新興国向けのスモールカーでは日本市場で受け入れられないのは、三菱ミラージュと同じ。

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少し辛口になってしまいましたが、それだけマーチに対するユーザーの期待は大きく、日産も販売台数に直結するというのは実感したのではないでしょうか。

パリモーターショーで披露された「マイクラGen5」は、歴代のマーチ(マイクラ)と比べてロー&ワイドなプロポーション。そして、広い室内空間が確保されているそうです。

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「マイクラGen5」のボディサイズは、全長3999mm×全幅1743mm×全高1455mmで、現行よりも174mm長く、77mmワイドで、55mm低くなっています。新型マーチがどうなるか現時点では分かりませんが、このままいくと3ナンバーのワイドボディということになります。

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また、欧州勢を中心に定着したダウンサイジングターボのほか、ディーゼルとガソリンのNAを設定。最大の注目である0.9Lの直列3気筒ターボは、最高出力66kW(90hp)、最大トルク140Nm(ブーストアップ時は10Nmアップ)。

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直列4気筒の1.5Lディーゼルも最高出力66kW(90hp)、最大トルク220Nm。直列3気筒の1.0L NAエンジンは、最高出力54kW(73hp)、最大トルク95Nm。なお、組み合わされるトランスミッションはすべて5MTです。

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ドライバーに重点を置いたという室内は、質感向上も図られているそうで、拡大された全幅と長くなったホイールベースにより、クラストップレベルの室内空間の広さを実現。また「グライディングウィング」形状のダッシュボードにより、洗練されたムードが醸し出されています。

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内・外装ともに印象的なデザインと革新的な技術が採用され、安心感のある軽快なドライビングパフォーマンスを提供することで、従来のBセグメント上回る仕上がりを得ているという5代目マイクラ(マーチ)。

ルノー・日産アライアンス戦略の一環として、フランスにあるルノーのフラン工場で生産され、2017年3月に欧州で発売予定とアナウンスされています。

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塚田勝弘

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パリモーターショー特集

フォルクスワーゲン「I.D.」は最長600km走行可能な次世代EV【パリモーターショー16】http://clicccar.com/2016/09/30/403554/

ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッドと911 GT3 Cupがデビュー【パリモーターショー16】http://clicccar.com/2016/09/30/403168/

ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッドはPHEVでもポルシェらしい性能を発揮!

2016年6月にフルモデルチェンジが行なわれた高級サルーン「パナメーラ」に、新たにプラグインハイブリッド版「パナメーラ4 E-ハイブリッド」が追加されました。

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同車の最大の特徴であるパワートレーンはV型6気筒ツインターボ(330ps/45.9kgm)+モーター(136ps/40.8kgm)で、システム全体では462ps/71.4kgmを達成します。

さらにトランスミッションは8速ATから8速デュアルクラッチトランスミッション(8速PDK)へ変わり、そのパフォーマンスは0-100km/hで4.6秒、最高速度は278km/hを記録します。

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「E-ハイブリッド」と冠するプラグインハイブリッドならではの特徴が、モーターのみでの走行が可能な点です。

全部で6種類用意される走行モードのうち「Eパワー」を選択すると、モーターのみで最長約50kmを走ることができます。

外部電源によるバッテリーへの充電もでき、標準チャージャー(3.6kW)を使用した場合(230V、10A)で約6時間。オプションで選べるチャージャー(7.2kW)を使用(230V、32A)すれば3.6時間で済ませられるため、夜間などに充電すれば、ガソリン消費を抑えることができます。

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「パナメーラ4 E-ハイブリッド」は9月29日〜10月16日にかけて行なわれるパリモーターショー2016にてワールドプレミアが予定されていますが、それに先駆けて走行動画が公開されています。

街中を颯爽と走る純白の「パナメーラ4 E-ハイブリッド」。しかし、聞こえるのは路面とタイヤが発するサーッという音だけで、すぐさまモーターだけで走っていることが分かります。

市街地と流れの速い幹線道路を抜け、傾斜のある山道に場面が移れば、今度は勇ましいサウンドとともにエンジンが目覚め、軽快な走りを披露しています。

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そして極めつけはサーキットです。全長:5049mm×全幅:1937mm×全高:1423mmという大きさを感じさせないほど俊敏な身のこなしを見せていますが、その姿は是非動画にてご覧ください。

なお、日本への導入もすでに決まっており、予約受注は10月11日からスタート。車両本体価格は1407万円となっています。

(今 総一郎)

次期「アウトランダーPHEV」? 三菱自動車がパリモーターショーでコンセプトモデルを公開

三菱自動車が9月21日、「MITSUBISHI GT-PHEV Concept」をパリモーターショー16でワールドプレミアすると発表しました。

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トリプルモーター方式のPHEVシステムを搭載した次世代クロスオーバーSUVで、先進かつ独自の電動技術と四輪制御技術により、様々な走行条件下でのドライブを可能にしているといいます。

存在感のある押し出しの強いフロントマスクを採用、サイドビューは水平基調のフォルムとすることで、最上級クロスオーバーSUVとしての上質感と走りの安定感を表現。

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PHEVシステムは、次世代の大容量駆動用バッテリーや、高出力・高効率のトリプルモーター(フロント:1基、リヤ:2基)、発電・動力性能を向上させたPHEV専用エンジンなどで構成。

同モデルは2018年頃の発売を目指す次期「アウトランダーPHEV」のコンセプトカーとみられ、フルタイム4WDと車両運動統合制御システム「S-AWC」により、力強い走りを実現するとともに、EV航続距離を120km、総航続距離を1,200km以上として、快適なロングドライブを可能にしているそうです。

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今回のショーでは昨年の東京モーターショーに出展したSUVタイプのEV、「MITSUBISHI eX Concept」を併せて出展するとともに、先進安全技術を新たに搭載した「アウトランダー」や、EV走行を優先させるEVプライオリティモードを採用した「アウトランダーPHEV」の2017年モデル(欧州仕様)も初公開するそうです。

国内が燃費不正問題で揺れるなか、同社は得意とする「電動化」を前面に打ち出すことで、イメージの回復を目指す考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:三菱自動車)

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三菱自動車の燃費不正問題が現行販売車にも波及
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三菱自動車、燃費不正問題に関するユーザーへの賠償額を公表
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三菱自動車、日産との提携を正式に締結!「外の目」で体制立て直しへ
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日産がいち早く発動した三菱自とのシナジー戦略とは?
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【関連リンク】

三菱自動車 パリモーターショー出品概要
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/events/motorshow/2016/pms2016/

トヨタが「C-HR」の受注開始!パリでも市販モデル公開へ

トヨタ自動車の欧州法人・トヨタモーターヨーロッパが、9月29日に開幕(一般公開は10月1日-16日)するパリモーターショー16で、新型SUVトヨタ「C-HR」の市販モデルを公開すると発表しました。

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今年の3月にスイスで開催されたジュネーブモーターショー16では、同車の外観が公開されましたが、今回のショーでは、インテリアやパワートレインを含めてその全貌が公開されます。

諸情報によれば、スリーサイズは全長4,350mm×全幅1,795mm×全高1,555mmで、競合車となりそうなホンダ「ヴェゼル」より若干大き目のスペック。

1.2Lターボ(最高出力116ps/最大トルク18.9kgm)が2グレード、現行プリウスと同システムを搭載したHVが2グレードと、計4グレードが用意されている模様。(海外向けにはNA仕様の2.0L 150ps/19.7kgmエンジン搭載モデルもあり)

気になる燃費(JC08モード)と車両価格は、ターボ車が15.2km/Lで220万円前後、HVが30km/Lで280万円前後との予想。

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ボディカラーは4色(ホワイトパール、ブラックマイカ、イエロー、ブルーメタ)、インテリアには3色(ブラウン、ブルー、ブラック)が用意されているようで、国内向けにはルーフ部を塗り分けた2トーン仕様はラインナップされていないようです。

また、LEDヘッドランプ(オプション)には、レクサスのSUV「RX」にも装備された「流れるウインカー」を設定。

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モデリスタ/TRDバージョンはもちろん、後にはG’sバージョンも登場するようなので、こちらも楽しみ。

同車は9月初旬から国内でも受注を開始しており、12月14日とされる正式発売に向けて着々と生産が進んでいるようです。

また、発売が延期された新型「プリウスPHV」についても、ほぼ同時期に発売になるようで、こちらも今回のショーに出展予定。

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「C-HR」は今年5月のニュルブルクリンク24H耐久レースで、そのドライビング性能の高さが証明されているだけに、国内発売に向けて期待が高まります。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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【関連リンク】

トヨタ C-HR
http://toyota.jp/c-hr/

パリーモーターショー16
http://www.mondial-automobile.com/en/

レクサスUX Conceptは次世代クロスオーバーSUVか!?

2016年9月29日から開催される「パリモーターショー2016」に、次世代レクサスのデザインの方向性を示すというレクサス「UX Concept」が出展されます。

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レクサスのSUVは、LX、RX、NXと「●X」という車名が与えられていて、あくまでデザインスタディのコンセプトカーなので分からないものの、UXは欧州勢を中心に流行しているクロスオーバーSUVというカテゴリーになるのでしょうか。

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いかにもコンセプトカーらしい大胆なデザインが目を引く「UX Concept」。デザインを手がけたのは、フランスのニースに拠点を置く「ED2(EDスクエア)」が担当。

写真を見る限り、フロントドアパネルとリヤドアパネルの間にアウタードアハンドルがまたぐように配置されているように見えます。観音開き式の5ドアモデルなのか少し気になりますが、そこはコンセプトカー。実際に、どういったフォルムやディテールが市販車に反映されるかが気になるところ。

見どころは、クーペのように天地に薄いキャビン、力強いフェンダーまわりやワイド感のあるリヤテールランプなどの大胆な外観だけでなく、伝統の匠と先進技術を融合させたインテリアも合わせた独自の価値観を提案しているそうです。

今年のパリモーターショーには、ほかにもマイナーチェンジしたレクサスIS、2017年春登場予定のラグジュアリークーペのレクサスLCなどの展示が予定されています。

(塚田勝弘)

最新の車載インフォテインメントを採用する新型プジョー3008がデビュー

2016年9月29日のプレスデーを皮切りに、10月16日まで開催されるパリモーターショーで新型プジョー3008が世界初披露されます。

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初代プジョー3008は、2010年6月に日本に上陸。Cセグメントの308をベースにひと回り以上サイズアップし、クロスオーバーSUVに仕立てられたモデルです。FFのみという都市型SUV。

背の高いスタイリングと高めのアイポイントが特徴で、頭上空間に余裕のあるキャビンをはじめ、上下分割式テールゲートやフロアボードの高さ設定が可能など、多彩なモードを用意しているラゲッジも持ち味のひとつです。

新型プジョーは写真からも分かるようにモダンで、洗練されたエクステリアなのがうかがえますが、直立気味のフロントエンドやフラットなボンネットは長く、かなりスポーティになった印象も受けます。

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ほかにも、高いウェストラインやワイドなプロテクトパーツ(バンパースカート、ホイールアーチ)、大径アルミホイール、高めにデザインされた地上高、洗練されたルーフバーなどが外観の見どころになっています。

内装も大きく変わっています。プジョーのインテリアが最新世代にスイッチしたことを感じさせる次世代の「プジョー i-Cockpit」を採用。

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インパネ中央に8インチタッチスクリーンを配置し、その下にピアノの鍵盤のような6つのスイッチを並べ、ナビやラジオ、エアコン、オンボードコンピューターなどの主要機能の操作が可能になっています。

さらに、初代3008はヘッドアップディスプレイを採用していましたが、高画質12.3インチスクリーンのヘッドアップ・インストルメントパネルを初搭載。

スクリーンは、自由にカスタマイズすることが可能で、5種類のディスプレイモードが用意され、ステアリングホイールのボタンで操作ができます。

また、タッチスクリーンで選べるパーソナルモードでは、ドライバーサポート、インストルメントパネル、トリップコンピューターなどの表示が可能で、アニメーションなどで見やすく演出されているのも特徴。

走りでは、5つの走行モード(ノーマル、スノー、マッド、サンド、OFF)がセンターコンソールのノブで操作できる「グリップコントロール」を搭載しているほか、18インチM+S(マッド&スノー)タイヤや一定速度で下り坂などをクリアできるヒルディセントコントロール(3km/hの超低速も可)などがポイント。

パワートレーンも豊富で、ガソリンエンジンは1.2L ピュアテック(130ps/6MT)、1.2L ピュアテック(130ps/6AT)、1.6L THP(165ps/6AT)、ディーゼルは1.6L BlueHDi(100ps/BVM5)、1.6L BlueHDi(120ps/6MT)、1.6L BlueHDi(120ps/6AT)、2.0L BlueHDi(150ps/6MT)、2.0L BlueHDi(180ps/6AT)。

なお、日本への導入予定時期は2017年となっています。

(塚田勝弘)

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