Motor Fan's YEAR 2016

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ハイグレードモデルの方が安い!? 価格の逆転現象が起きている中古輸入車セダン

新車のグレード構成は排気量が大きく、装備が充実したハイグレードの方が一般的に価格は高くなります。

しかし中古車では、ハイグレードだから価格が高いとは限りません。ときには小排気量のグレードが高価格となる逆転現象が起きるのです。

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この逆転現象が起きる理由として考えられるのが走行距離、そして大排気量による高額な自動車税そして燃費の悪さによるユーザーの敬遠が挙げられます。

そこで、今回は価格の逆転現象が起きているメルセデス・ベンツSクラスを例に、輸入セダンの中古車では大排気量のハイグレードがいかに買い!であることを紹介しましょう。

まず、検証するのは2005年〜2013年まで販売されていた先代のメルセデス・ベンツSクラスです。

中古車情報サイトカーセンサーnetによると7月19日現在、先代のメルセデス・ベンツSクラスの中古車は約430台流通しています。そのうち約190台はモデル初期の2005〜2006年式となっています。

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2005〜2006年式でベーシックグレードのS350とハイグレードのS500の中古車相場を比較してみましょう。

最高出力272psを発生する3.5LV6エンジンを搭載するS350の2005年式中古車の平均価格は203万円、平均走行距離は7.5万kmです。一方の最高出力387psを発生する5.5LV8エンジンを搭載するS500は平均価格が179万円、平均走行距離は5.9万kmと平均価格も平均走行距離もハイグレードのS500が下回っています。

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同じように2006年式でもS350は平均価格が255万円、平均走行距離が6.7万km、S500の平均価格が245万円、平均走行距離は5.4万kmとS500が割安になっていて、この傾向はS500がS550に名称が変わった2008年式まで続いています。

元々S350の新車時価格が987万円、S500が1260万円と273万円の価格差があり、S500は本革シートが標準装備など装備でのアドバンテージもありながら、走行距離も少なく価格が安くなっているのです。

一方、多くの人が気にしている税金と燃費ですが、自動車税はS350が5万8000円、S500が8万8000円(ともに年額)で3万円差。

燃費は10・15モードでS350が8.4km/L、S500が6.7km/Lで、500km走行するにS350だと59.5L、S500だと74.6L必要でだいたい15.1L差。これをハイオク130円で計算すると1963円となります。年間5000kmで約2万円、年間1万kmで約4万円差です。

もし、中古車を購入する際にこの差を考慮して選ぶと、ハイグレードのほうがお得と言えます。

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同様な価格の逆転現象は、2009年〜2015年に販売されていたBMW7シリーズでも、Sクラスに比べると小さくなりますが起きています。

大排気量エンジン搭載のハイグレードモデルは税金や燃料代で敬遠しがちですが、中古車は購入時の金額だけでなく、ランニングコストもしっかりと考えて選ぶと案外ハイグレード車のほうがお得!といえるケースもあるのです。

(萩原文博)

サンルーフがプラネタリウムになる!? 絢爛豪華なBMW・7シリーズの100周年記念車

BMW100周年を記念した特別仕様車が続々とリリースされていますが、今度は最高峰セダンの7シリーズにも100周年記念車が設定されました。

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7月9日に70台限定で発売される「BMW 750Li Celebration Edition “Individual(セレブレーション・エディション・インディビジュアル)」。

ベース車は、450ps/650Nmを誇る4.4LのV型8気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンが搭載された上級グレードの「BMW 750Li」。

外観は、特殊な顔料が生み出す色彩の変化が特徴的な「BMW Individualボディ・カラー・プログラム」から「アズライト・ブラック」のボディカラーがチョイスされています。

こちらは、「ダーク・ブラック」の色調の中に、まるで宝石のような美しいブルーの煌きを放つ質感の高いカラー。

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存在感のある20インチの「BMW Individualアロイ・ホイール」も見どころで、フラッグシップサルーンにふさわしいプレミアムな佇まいが強調されています。

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BMWの限定車としては少なめに思えるのは、その価格だけでなく手作業によるインテリアであるため。最高品質を誇る牛革のみを採用し、手作業による丹念な仕上げによるレザー本来の滑らかな手触りと自然な風合いを実現した「BMW Individualメリノ・レザー・インテリア・プログラム」から、上質で温かみあふれる雰囲気を演出するキャメル色の「フル・レザー・メリノ」が選択されています。

ほかにも、贅沢な雰囲気をさらに強調する同色のアルカンタラ製のルーフライニングや、ピアノの製作工程と同様のピアノラッカー技術により製造される高品質な「BMW Individualピアノ・フィニシュ・ブラック・インテリア・トリム」などの特別装備が組み合わせも見逃せません。

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装備面では、先日追加された「リモート・パーキング」のほか、夜間にLEDライト・エレメントがサンルーフのガラス面に6色の「星空」を演出する「スカイラウンジ・パノラマ・ガラス・ルーフ」、前席だけでなく後部座席の「マッサージ機能」も標準装備とするなど、1880万円という価格にふさわしい装備が与えられています。なお、ベース車のBMW 750Liは1659万円です。

(塚田勝弘)

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リモコン操作で無人駐車が可能! 量産車世界初の機能をBMW7シリーズに設定
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リモコン操作で無人駐車が可能! 量産車世界初の機能をBMW7シリーズに設定

ドライバーがいないのにクルマが無人で駐車する。自動運転などに加えて、こうした無人駐車機能が実用化されると、SFの世界が現実化しつつあるような気がします。

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BMW7シリーズにオプション設定された「リモート・パーキング」は、2015年10月の現行7シリーズのデビュー時から予告されていた機能で、2016年中旬頃に導入予定とのアナウンスどおりの日本導入となりました。

同装備の最大の狙いは、乗り降りが困難な幅の狭いスペースへ駐車する際などでもリモコンキーで駐車できるという点です。

操作は、駐車場所の前方中央にクルマを停めてから、車外に降りてリモコンキー(BMWディスプレイ・キー)を使うだけ。

駐車完了後のエンジン停止もBMWディスプレイ・キーで可能ですから、遠隔操作で駐車からエンジン停止までが可能になっています。

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乗り込む際はどうするの? という疑問が浮かびますが、リモコンキーの操作でエンジンを始動させ、自動走行で乗降可能なスペースまで出すことができます。

子どもの飛び出しなどの緊急時への対策も施されていて「リモート・パーキング」作動時は、フロントとリヤバンパーに装着された「PDC(パーク・ディスタンス・コントロール)」のセンサーが常に作動していて、障害物や歩行者の不意な飛び込みを検知するとクルマが自動的に停止します。

また、単に前後方向に真っ直ぐ動くのではなく、隣の車両などとの侵入角度が10度以内であれば自動的にステアリングも操作。

日産はリーフで自動駐車の開発を推進していますが、日産リーフの場合は斜め前方にクルマを出してから、駐車枠に後退するなどという、オーソドックスな駐車の自動化を開発中で、東京モーターショーなどでも披露しています。

ちなみに、メルセデス・ベンツも新型Eクラスで、スマホを使ったリモートパイロットパーキングを開発しています。

(塚田勝弘)

2016年秋にBMW7シリーズにプラグインハイブリッドを追加。年内にPHV全5モデルが揃う

2016年5月現在、「BMW」は3シリーズ、2シリーズ アクティブツアラー、X5、サブブランドの「BMW i」のi8という、合計4モデルのプラグインハイブリッド(以下、PHV)が導入されています。

さらに、新型にスイッチした現行7シリーズにもPHVが2016年中にも設定されるとアナウンスされていました。

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7シリーズのPHVは、最長距離約40 km(欧州仕様値)までEV走行が可能と発表されていましたが、時期に関しても「今秋にも導入予定」と発表されました。

将来的にはBMWグループの中核モデルすべてにPHVを設定予定とのことで、人気のクリーンディーゼルエンジンとともに、PHVにより走りと環境性能(燃費)を両立させる戦略です。

なお、7シリーズ以外で発売済みの4モデル(PHV)の概要は下記のとおり。

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BMWi8は、量産車として初めてCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)製の基本骨格(パッセンジャーセル)を採用したBMW i3と同様の基本骨格とし、前輪はモーター、後輪はエンジンのみで駆動。前輪駆動、後輪駆動、4WDを状況により使い分けることが可能で、価格は1966万円です。

BMW X5 xDrive40eは、スムーズかつパワフルな走りだけでなく、SUV離れした感のある上質な乗り味など新しい高級SUVといえる世界観を提示。BMW自慢の4WDシステム「xDrive」により高い走行安定性と悪路走破性を兼ね備えています。エンジンのみでもモーターのみでも常に4輪を駆動することができます。価格は933万円〜。

P90193322_highRes_the-bmw-330e-09-2015BMW 330eは、PHVでも約50対50の前後重量配分を実現するなどして、3シリーズらしい軽快なフットワークを得ています。エンジンと電気モーターにより後輪を駆動。プレミアムセダンのPHVで唯一となる500万円台という価格設定(554万円〜)も魅力です。

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扱いやすいサイズでありながらファミリーにも使える広い室内が魅力のBMW2シリーズアクティブツアラー。488万円〜となるBMW 225xe Active Tourerは、前輪はエンジン、後輪はモーターのみで駆動し、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動を状況により使い分けるシステムになっています。

(塚田勝弘)

BMWグループ、3月の世界販売が史上最高を記録!

BMWによると、今年3月のグループ世界総販売台数が、過去100年の歴史の中で初めて20万台を突破。史上最高となる24万台(前年同月比+3.5%)に達したそうです。

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また、1-3月の累計販売台数についても55.7万台(+5.9%)と好調。

市場別の第1四半期(1-3月)実績は、欧州が25.7万台(+9.5%)と回復傾向。なかでもイギリス(+10.6%)、フランス(+10.7%)、スペイン(+22.7%)では2桁台の販売増となっています。

アジア地域では18.3万台(+10.0%)を販売しており、中国が12.7万台(+10.5%)、日本が1.8万台(+8.9%)、韓国が1.4万台(+15.0%)の状況。

一方、ピックアップ系が人気の米国では10万台(-8.6%)と前年減。

ブランド別内訳ではBMWの3月販売台数が20万台(+2.9%)、1-3月の累計が47.8万台(+6.0%)、MINIの3月販売台数が3.9万台(+6.6%)、1-3月累計が7.8万台(+5.4%)となっており、いずれも大きく伸びています。

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車種別の1-3月販売実績では、BMW「2シリーズ」のアクティブ/グランツアラーが好調で4.4万台(+56.3%)、フラッグシップモデルの新型「7シリーズ」も10,588台(+20.3%)と貢献しています。

SUV系では新型「X1」が5.1万台(+67.7%)と大きく販売を伸ばしており、「X3」も3.8万台(+27.2%)、「X6」が1.1万台(+15.1%)と好調。

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BMWグループでマーケティングを担当するイアン・ロバートソン取締役は「私達の革新的な製品は継続的に利益のある成長を可能にしており、この傾向は年内を通して続くと確信している」としています。

Avanti Yasunori・データ出典:BMW)

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BMW7シリーズが「ワールド・ラグジュアリー・カー」に選出された理由

あくまで世間一般のイメージ、そしてこちらも印象ですが、中古市場での価格など、欧州の超高級セダンの世界ではメルセデス・ベンツSクラスの背中をBMW7シリーズやアウディA8が追いかけるというイメージがあります。

World Luxury Car nominees at the World Car of the Year Awards at the Javits Center in Manhattan, NY March 24, 2016. (Photo: Kevin Hagen)

しかし、新型に移行した7シリーズは、得意の走り(俊敏性)はもちろん、乗り心地やキャビンのしつらえなどの面でも7シリーズは後発ではありますが、Sクラスに並び、いや追い抜いた感があります。

先日お伝えしたマツダ・ロードスターの「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞のニュースで、「ワールド・ラグジュアリー・カー(ワールド・ラグジュアリー・カー・オブ・ザ・イヤー2016」にBMW7シリーズが選出されたのをお伝えしました。

このように、BMW7シリーズは世界のモータージャーナリストからも高く評価されているようです。

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BMWによると、ワールド・カーの審査員のコメントとして、

「新しいエンジン・ラインアップを採用した新型BMW7シリーズは驚くほどよく走り、セグメントのライバルたちがセールスポイントとして訴えられないほど高次元にスポーティなドライビング・ダイナミクスを実現しています。
これは、新しい「カーボン・コア」ボディ構造による130kgの軽量化によってもたらされます。25の新しい特徴のうち、13がセグメント初の革新的な機能です。
室内空間においても、BMWはラグジュアリーのレベルを一段引き上げ、快適で巧みにデザインされたシートだけではなく、数多くのテクノロジーやエンターテインメントによってもオーナーを十分に満足させます。
新しいBMW 7シリーズは、スカイラウンジ・パノラマ・ガラス・ルーフ、アンビエント・エア・パッケージ、そして新しいジェスチャー・コントロールなどの新装備を採用しています」

と披露しています。

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長年のSクラス信奉者を7シリーズに振り向かせるのは、性能や機能だけでは難しいのも関係者は百も承知でしょうが、現行モデルでの比較では確かに同賞にふさわしいクオリティの高さを全方位で感じさせてくれます。

(塚田勝弘)

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