Motor Fan's YEAR 2016

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F4は世界に通用する!イタリアGTで優勝の根本選手、FIA-F4では東京トヨペットとタッグ!【SUPER GT2016】

SUPER GTグランドファイナルと併催の第14戦で若干17歳の宮田莉朋選手がチャンピオンとしてシーズン2年目を終えたFIA-F4。

このカテゴリーは若手育成を目的として2015年に新設されたカテゴリーであり、SUPER GTのオーガナイザーであるスーパーGTアソシエーションが開催の名乗りをあげ、国内で最も集客の多いSUPER GTと併催することで、これから成長していくであろう若手への注目を最大限に拡げていこうと言う目的があります。

実際、2015年にランキング2位となりFIA-F4を卒業した牧野任祐選手は、SUPER GTの鈴鹿1000kmの予選でシンティアムアップルロータスに乗りQ1を担当、Q2を含めたGT300全ての中でトップタイムをマークし、次戦のタイからはドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTのドライバーとしてGT500に抜擢されるなど、FIA-F4出身のドライバーの活躍が目立ちます。

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今期、FIA-F4を走りながら海外で大活躍したドライバーが根本悠生選手。

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1996年09月22日生まれの20歳。今期FIA-F4ではランキング13位と中段の成績となってしまいましたが、実は海外では大きな成績を残しているのです。

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9月10~11日にイタリアのヴァレルンガサーキットで開催されたイタリアGT選手権に、VSRチームから出場。初めての海外、初めてのGT3、初めてのランボルギーニ、という状況にもかかわらず、なんと予選2位!

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10日に開催されたレース1決勝では5位に入ります。これだけでもすごいことなのですが、翌11日に開催されたレース2ではなんと優勝!イタリアでは名も知らない19歳(レース当時)の日本人がいきなり優勝ということでテレビや新聞が大きく取り上げた、とのこと。

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しかもドライバーオーディションから4日後にはレースⅠというスケジュールでの優勝は、根本選手とともにFIA-F4のレベルの高さをうかがえます。

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そんな根元選手は、国内のFIA-F4でも概ね予選6〜7番手とグリッド3列目から4列目のいい成績を狙えるポジションにつけています。ただし、このポジションは逆にレベルが拮抗してトラブルに巻き込まれやすい位置でもあります。

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実際、11月12日のSUPER GT第3戦代換えレース時に開催されたFIA-F4第6戦代換えレースではオープニングラップのヘアピンで接触、2周目の第1コーナーでも接触によるコースアウトなどで最下位に近いところまで大きく順位を落としてしまいますが、その後10台以上を抜き去り20位まで登っていきます。

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数値としては現れにくい今期のFIA-F4でしたが、期待値の高さはかなりのもので、あのスーパーフォーミュラーでチャンピオン争いを展開した関口雄飛選手もグリッドに激励に来るほど。

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メインスポンサーとなる東京トヨペットも、その期待値を評価してのスポンサードを展開しています。

東京トヨペットでは富士ともてぎで開催の3大会7レースでディーラーメカニックを派遣、「多くの体験と多くの知識を取得し、お客様のおクルマの整備にも活かしていく」とのこと。また販売店での根元選手とのコラボレーション企画中で、モータースポーツをハード面、ソフト面ともに活用していくそうです。

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最後に根元選手にFIA-F4とランボルギーニのGT3マシンとの違いをうかがってみました。

「車重とタイヤが大きな違い。でもランボルギーニはよく止まるし、よく曲がる素晴らしいクルマでした。高価なクルマなのでビビッていましたが、乗りやすさのおかげでいい成績が残せました。初めてのツーリングカーでもタイムを出せたのはシミュレータートレーニングなどチームサポートのおかげもありました」

「FIA-F4はかなりクセの多いクルマだと思いますが、これを乗りこなすことができれば他のカテゴリーに移行するのはスムーズではないかとは思います。それと体重の軽い選手の方が有利な面もクセのひとつかもしれません。基準体重があって、それよりも軽い選手はウェイトを積むのですが、そのウエイトをバランスのよい場所に置くことでマシンの特性を変化させることができるのです」

「身長が高いとどうしても落とせる体重に限界がありますが、それを言い訳にするつもりはありません。自分の弱点は見えているので、それを克服してフォーミュラーでも活躍できる選手になっていきたいと思います」

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海外での優勝でも驕り高ぶることなく、国内の課題を解決して次へのステップを駆け上ろうとする根元選手。来年の動向が今から気になります。

(写真・文:松永和浩 イタリアGT写真提供:根本悠生)

見えた新デザイン!これがポルシェ911 GT3改良新型だ

ポルシェ911のハードコアモデル『911 GT3』改良型が、擬装を軽くしたボディでニュルブルクリンク北コースで高速テストに現れました。

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現行モデルと比較すると、フロントバンパーのLEDウィンカー、エアインテーク、リアコンビランプが新デザインになっているほか、リアウィングやリアバンパーの形状もリフレッシュされているのが確認出来ました。

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ハイライトはその心臓部。3.8リットル自然吸気フラット6を搭載し、最高馬力475ps/8250rpmを叩き出します。0-100km/h加速は3.5秒以下、最高速度は315km/hのパフォーマンスが予想されています。

さらに現行911GT3で廃止にされたMTモデルが、この改良型で復活することも話題となっています。

ワールドプレミアは2017年春が予想されています。

(APOLLO)

MTモデルが復活!ポルシェ911GT3の改良型、ニュルで仕上げの高速テスト

ポルシェ『911』のハイパフォーマンスモデルの一つである『911GT3』の改良型が、ニュルブルクリンク・北コースで仕上げの高速テストに姿を見せました。

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未だカモフラージュが重く、ディテールは不明ですが、フロントバンパー、エアインテークなどが刷新される見込みです。

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パフォーマンスは、最高馬力475ps/8250rpmを達成、7速デュアルクラッチと組み合わされる3.8リットルNAフラット6を搭載し、最高速度は315km/hとなります。

ハイライトは、現行911GT3で廃止されたMTモデルが改良型で復活すること。今回ニュルで目撃されたプロトタイプは、そのMTモデルの可能性が高いとレポートされています。

(APOLLO)

ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッドと911 GT3 Cupがデビュー【パリモーターショー16】

10月11日から日本でも予約受注を開始するポルシェの「パナメーラ4 E-ハイブリッド」、そして競技専用車両である「911 GT3 Cup」がパリモーターショーで披露されます。

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電子制御式4WDを備えるパナメーラ4 E-ハイブリッドは、330psの2.9L V6エンジンと100kWの電気モーターにより、計462psの最高出力を誇るスポーツハイブリッド。

最大トルクは700nMに達し、モーターのみで50km走行することが可能です。燃料消費量は新ヨーロッパ走行サイクル(NEDC)で2.5L/100kmと、年々厳しくなる燃費規制に対応しています。

ほかにも、新型パナメーラの全モデルと「マカンターボ・パフォーマンス」も一般公開されます。

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「マカンターボ・パフォーマンス」は、3.6LのV型6気筒ツインターボエンジンを強化し、「マカンターボ」を40ps上回るシリーズ最高の最高出力440psを発生。

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0-100km/h加速タイムはわずか4.4秒(0.2秒減少)で、最高速度は272km/h(6km/hプラス)に達します。最大トルクは600Nm(50Nm増加)/1500-4500rpmで、駆動力が増大する「スポーツ・プラスモード」では、80-120km/h加速のタイムが2.9秒(0.2秒減少)にまで短縮。

メルセデスAMGのGLC 43 4MATICなどのライバルを凌駕する走りを手に入れています。

(塚田勝弘)

SUPER GTデビューが待ち遠しい!「アキュラ NSX-GT3」公開

4月2日まで開催中のニューヨーク国際自動車ショーにて、ホンダの北米ブランド・アキュラが、来月末から量産に入るスポーツカー新型「アキュラNSX」のレーシングカー「アキュラNSX-GT3」をワールドプレミアしました。

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搭載されるユニットは市販モデルと同じ3.5L V6ツインターボエンジンですが、ハイブリッドシステムは搭載されていません。駆動方式はMRになり、ギアボックスは6速シーケンシャルとなります。

車体は、市販モデルにならってアルミニウムや超高張力鋼板など複数の素材を組み合わせたスペースフレームと、レース用のボディパネル、ロールバーを組み合わせて製作されます。

スタイリングは、公開された映像やオフィシャルフォトを見た感じだとGT3マシンの中では、一番大人しいと感じました。逆に言えば、それだけ市販モデルのNSXがスポーティなスタイリングであるという事だと思います。

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開発は、北米ホンダのレース部門「ホンダ・パフォーマンス・ディベロプメント(HPD)」が主導し、FIA-GT3クラスのホモロゲーションを取得するため、上記の映像の様にテスト走行距離を確実に重ねています。

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アメリカでの開発ですので、レースデビューはまずアメリカ・ルマン・シリーズが可能性としては高いでしょう。

日本でのレースデビューはどうでしょうか?シリーズとしては、SUPER GTでGT300クラスになります。ホンダのモータースポーツ活動、体制が最も整っているのは、当然ながら日本ですので、市販モデルのプロモーションとしても日本のサーキットで走らせたい気持ちは高いと考えています。

あとは、どこのチームが走らせるのかが気になるところです。とはいえ、今年のGT300参戦チームは、マシンを一新したところが多いですね。なかなかこの1年でNSXに乗り換えるというのも資金面やポテンシャルの面でもなかなか考えづらいです。

となると、ホンダがGT300チームを設立する可能性も十分に考えられます。「TEAM無限」の復活…なんてことになったら面白いですね。

今後の情報に目が離せません。

最後にニューヨーク国際自動車ショーでのプレゼンテーションの映像をご覧ください。

(栗原 淳)