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ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッドと911 GT3 Cupがデビュー【パリモーターショー16】

10月11日から日本でも予約受注を開始するポルシェの「パナメーラ4 E-ハイブリッド」、そして競技専用車両である「911 GT3 Cup」がパリモーターショーで披露されます。

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電子制御式4WDを備えるパナメーラ4 E-ハイブリッドは、330psの2.9L V6エンジンと100kWの電気モーターにより、計462psの最高出力を誇るスポーツハイブリッド。

最大トルクは700nMに達し、モーターのみで50km走行することが可能です。燃料消費量は新ヨーロッパ走行サイクル(NEDC)で2.5L/100kmと、年々厳しくなる燃費規制に対応しています。

ほかにも、新型パナメーラの全モデルと「マカンターボ・パフォーマンス」も一般公開されます。

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「マカンターボ・パフォーマンス」は、3.6LのV型6気筒ツインターボエンジンを強化し、「マカンターボ」を40ps上回るシリーズ最高の最高出力440psを発生。

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0-100km/h加速タイムはわずか4.4秒(0.2秒減少)で、最高速度は272km/h(6km/hプラス)に達します。最大トルクは600Nm(50Nm増加)/1500-4500rpmで、駆動力が増大する「スポーツ・プラスモード」では、80-120km/h加速のタイムが2.9秒(0.2秒減少)にまで短縮。

メルセデスAMGのGLC 43 4MATICなどのライバルを凌駕する走りを手に入れています。

(塚田勝弘)

ポルシェ、8月の世界販売台数が6.7%アップ。 『カイエン』が前年同月1.7倍に

ドイツのスポーツカーブランドであるポルシェによると、8月の世界新車販売が1万9100台にのぼり、前年同月比で6.7%のアップを果たしたとのこと。

市場別では、米国での販売が回復傾向。前年同月比3.5%アップの5181台と2カ月ぶりに前年を上回りました。

しかし、モデル別にみると「911」シリーズが749台(前年同月比:20.2%減)、「ボクスター」および「ケイマン」は474台(38.5%減)。さらに、新型の発売が迫った「パナメーラ」は445台(4.5%減)と、スポーツカーとサルーンについては軒並み前年割れ。

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その一方で、販売を支えているのがSUVです。

「マカン」は前年同月比39.3%減ですが、2304台と同社のラインナップの中でも桁違いの販売台数を確保。「カイエン」に至っては1067台と前年比1.7倍と唯一プラスに転じました。

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■カイエン

Cayenne

2002年に「新しいカタチのスポーツカー」をコンセプトに登場した「カイエン」は、それまで純粋なスポーツカーを手掛けていたポルシェにとって全く新しい領域に踏み出す意欲作でした。

プラットフォームこそフォルクスワーゲンの旗艦モデル「トゥアレグ」と共有していましたが、エンジンや足回りなどは独自に仕立てられ、SUVならではの高い実用性と相まって「ポルシェがSUVなんて…」という声を覆す大ヒットを達成しました。

現行型は2010年に登場し、2014年にマイナーチェンジを受けた2代目。

先代よりもボディは大型化する一方で軽量化も達成しています。さらにV6やV8だけでなく、モーターだけで最長36kmの走行が可能なプラグインハイブリッドと、豊富なパワートレーンを用意するのも同車の特徴です。

ちなみに、新型のプロトタイプがすでに各地で目撃されており、発表は2018年秋と目されています。

■マカン

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現在、SUVでは“走りの良さ”がトレンドとなっています。「BMW・X4」や「ジャガー・F-PACE」など、SUVでありながらスポーツカーに匹敵する走りも身に付けたモデルが続々登場しています。

そんな新しいSUVに早々と投入されたのが「マカン」です。

デビュー当初は「カイエン」の弟分や、ベースモデルで685万円という価格から手の届きやすいポルシェとして注目を集めましたが、2016年には競合車の相次ぐ登場を受けてか高性能の追求が行なわれ、3.0L V6ツインターボエンジンを強化し360ps/500Nmを発揮する「GTS」の販売をスタート。

さらに、9月には3.6L V6ツインターボの性能を440ps/61.2kgmまで強化し、0-100km/hで4.4秒、最高速度は272km/hを誇るシリーズ最強の「ターボ パフォーマンス」を発表。「ターボ パフォーマンス」では新開発のブレーキも与えられているのですが、日本への導入および価格は現在未定となっています。

(今 総一郎)

440ps/600Nmを誇るポルシェ・マカン・パフォーマンスが登場

ポルシェがコンパクトSUVと表現するポルシェ・マカンは、全長4699×全幅1925×全高1625mm(マカン・ターボの欧州仕様値)と、日本ではコンパクトとは言いがたいサイズ。

とはいえ、このジャンルはBMW X3やアウディQ5、レクサスNXなどのほか、最近ではやや大きめのサイズであるジャガーF-PACEが登場するなど活況を呈しています。

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今回公開されたポルシェのマカン・ターボ・パフォーマンスは、その名のとおりマカン・ターボがベース。3.6LのV型6気筒ツインターボエンジンを強化し、ベース車から40psアップとなるマカンのラインナップで最高の最高出力440psを発生。

0-100km/h加速タイムは4.4秒で、最高速度は272km/h(マカン・ターボより6km/hアップ)に達します。最大トルクは50Nm増強され600Nmに到達。駆動力の増大により「スポーツ・プラス」モードでは、80-120km/h加速のタイムが2.9秒(0.2秒減少)にまで短縮。一方の燃料消費量(NEDC/新欧州ドライビングサイクル)は、タイヤサイズに応じて異なり、9.4-9.7リッター/100kmとなっています。

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マカン・ターボ・パフォーマンスの美点は動力性能だけでなく、新開発のブレーキシステム、低く構えたボディ、制御されたスポーツシャーシ、スポーツクロノパッケージ、およびスポーツエグゾーストシステムがすべて標準装備されるのも見逃せません。

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前輪にはベースのマカン・ターボより30mm大きな390mm径のスリット入りブレーキディスク、赤い塗装が施された対向6ポットのブレーキキャリパーを装備。

さらに、スイッチで作動する「ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)」は、路上で卓越したスポーツ性を発揮。同システムは、15mm低く設定されたボディとマッチするよう最適にチューニングされ、セルフレベリング機能と高さ調節機能を備えるとともに、車高を10mm低く設定したエアサスペンションもオプション設定されます。

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また、ポルシェ各モデルでお馴染みの「スポーツクロノパッケージ」によって、マカン・ターボの性能をさらに強化することが可能。

同パッケージを装着した状態で「スポーツ・プラス」モードにすると、シャーシとパワートレーンがよりスポーティな設定に切り替わるとともに、スポーツエグゾーストシステムがさらにエモーショナルなサウンドに切り替わるそうです。

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また、デュアルクラッチトランスミッションである7速PDKには、シフトチェンジ時のレスポンスの短縮、シフトポイントの最適化、シフトチェンジ中のトルク増大が盛り込まれていて、マカン・ターボ・パフォーマンスが持つ最高の加速性能を引き出せるように仕上げられています。

カスタマイズのメニューも充実しており、「ターボエクステリアパッケージ」など、多彩な専用オプションを幅広く選択することが可能。

このパッケージオプションには、ラテラルスポークを備えたブラック仕上げで21インチの「911ターボ デザインホイール(ハイグロスフィニッシュ)」、「PDLS Plus」付LEDヘッドライト、およびブラックのカラーリングが施された多くのパーツが設定されています。

また「ターボインテリアパッケージ」には、贅沢なアルカンターラエレメントを備えたブラックレザーインテリア、多数のカラーアップリケ、モデル名入りドアエントリーガード(ホワイトイルミネーション)などのカーボンパーツが用意されます。

冒頭で紹介したライバル車などに加えて、BMW X4に「M40i」が追加されるなど、ハイパフォーマンスモデルも登場している中、マカンにターボ・パフォーマンスが加わることでポルシェSUVの存在感が増すことは間違いなさそうです。

(塚田勝弘)

どれを買う?ベンツ・GLC、ポルシェ・マカン、BMW・X3など豊作のミドルサイズSUV

フルモデルチェンジを機にメルセデス・ベンツのGLKがGLCとなったことで、欧州のプレミアムミドルサイズSUVも出揃った感があります。

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価格帯は600万円台前半からで、ボディサイズは全長が4.7m前後。全幅はじつはかなりワイドで1.9m級、全高は1.6m台半ばくらい、という大まかなサイズ感になります。

日本の道路や駐車場事情を考慮すると、このミドルサイズSUVくらいまでがそれほど無理なく使える大きさで、場合によっては上限という感じがします。

メルセデス・ベンツGLCの良さは、Cクラス譲りの走り、そして安全装備の充実ぶりでしょう。ほどよい軽快感と乗り心地の良さ、GLKから100L拡大した広めの荷室スペースも魅力。

発表時には、まだディーゼルもPHVの設定がなく、少々「待ち」となるのは、このクラスのトレンドからすると厳しいですが、ディーゼル、PHVが導入されれば、万全の品揃えになりそう。

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ライバルのポルシェ・マカンは、ポルシェらしい切れ味鋭いハンドリングが特徴。SUVというカタチこそまとっていますが、スポーティカーそのものの走行性能は、SUVにここまでのフットワークが必要か、という思いまで頭に浮かびます。

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BMW X3は、人気のディーゼルが強みで、ガソリンも2.0Lの直列4気筒(出力により2タイプ)と3.0L直列6気筒を揃えていて、3.0Lの直6はガソリンエンジンらしい伸びやかな加速が享受できます。もちろん、SUVの中でもスポーツの濃度が濃く、BMWらしい魅力もあります。

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Motorraum

ほかにも、モデル末期のアウディQ5がありますが、こちらは今年中にも次期型の発表がありますから新型待ちでしょうか。

現行型はややSUVにしては色気が薄めの内・外装という印象もありますが、熟成されたモデル末期を大幅値引き前提で買う手もあります。また、V6 DOHCスーパーチャージャーを搭載し、345ps/470Nmを誇るS Q5という選択肢もありますし、フルタイム4WDのクワトロもアピールポイント。

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個人的には、ドイツ勢ではなくランドローバーのディスカバリー・スポーツあるいは、レンジローバー・イヴォークもオススメ。

とくにディスカバリー・スポーツは、操縦安定性と乗り心地のバランスが秀でていて、サイズを感じさせない運転のしやすさなど、SUV作りに長けているランドローバーモデルらしい魅力が凝縮されています。

しかも500万円から買えるという価格設定も強みで、悪路走破性の高さはランドローバーですから、日本の使用環境なら不足はないはず。車線維持機能など、先進安全装備ではやや見劣りする感もありますが、価格も考えると魅力的な選択肢に映ります。

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ここで挙げたモデル以外でも、ディーゼルを設定するボルボXC60、あるいはレクサスNXなど国産SUVもあります。

いずれを選んでも最近のSUVは都市からアウトドアニーズまで使える万能性を備えています。GLCの登場もありますから今後も人気は加速しそうです。

(塚田勝弘)

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