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マツダ・デミオ、CX-3「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」は何がスゴイ?

2016年秋に商品改良を受けたマツダ・デミオとCX-3には「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」が新たに設定されています。

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ALHは、ハイビームを基本としながら対向車や前方車両のドライバーを眩惑させることなく、きめ細かい配光で夜間の視認性を高める装備。そのため、マツダでは「配光」、「小型」、「省エネ」という3つの開発ビジョンを掲げています。

理想的な配光として「必要な照射範囲」、「発光色」、「必要な照度」を考え、常に完全停車で危険回避ができる遠方視界の確保、交差点で歩行者を認知できる照射範囲を追求しているとのこと。

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また、「上方照射範囲」として、一番高い標識(6m)までの対象物(歩行者も含む)が視認できることが欠かせません。そのため、角度や高さを検証するとともに、認知したい対象物の反射率と距離から必要な照度を実現。つまり、標識や看板、白線は反射率50%、黒い服装の歩行者は反射率10%と、対象物により異なる反射率をクリアする必要があります。

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中でも、マツダは歩行者の認知度向上が欠かせないとしています。夜間の歩行者死亡事故のうち、ロービームではなくハイビームで走行していれば約半分は防げたという警視庁によるデータがあるためです。一方で、歩行者や自転車、オートバイにとってハイビームの対向車が来ると眩しくて眩惑させられますが、顔の部分だけを明るく照らさないような技術も求められます。

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マツダのALHは、車載カメラで対向車、先行車を検出し、対象物を眩惑せずに遠方、側方の認知性向上を実現。また、ワイド配光ロービームにより交差点や低速走行時の歩行者の認知性向上も基本機能として備わっています。

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なお、グレア(防眩)フリーハイビームは、11分割されたLEDパッケージを採用し、車載カメラ、ステアリング舵角、車両Gからの信号により明るさが制御される機能です。

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2つめのテーマである「小型化」は、デザイン、品質の向上、質量の抑制を図ることで実現。ロービームとグレア(防眩)フリーハイビームの1ユニット化により0.2kgの軽量化、コストダウンが図られています。

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「省エネ」はLEDの進化により消費電力効率、視認性でLEDの優位性は続く見込みと分析しています。なお、LEDの光源色温度は正午の太陽くらいのイメージとのこと。

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マツダのALHをまとめると、グレア(防眩)ハイビーム、40km/h以下で側方照射を高めるワイド配光ロービーム、95km/h以上で光軸をアップするモーターウェイモードの3つを基本機能として搭載。

ALHは、ブラインドスポットモニタリング(リヤクロストラフィックアラート付)、車線逸脱警報システムとセットの「セーフティパッケージ(11万7720円)」に含まれていますので、ぜひ選択したいところです。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

マツダ・デミオの内装は「大人の上質さ」がテーマ

2016年10月に商品改良を受けたマツダ・デミオ。内装も基本的な造形は同じですが、質感やメーター類の視認性向上が図られています。

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まず、機能、表示系からご紹介すると、ヘッドアップディスプレイの「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」の表示画面を変更。

上部に走行環境情報、下部に車両情報と分けることで、一瞬で情報が把握しやすくなっています。さらに、一部グレードをのぞき、フルカラー(高輝度、高精細、高コントラスト)化することで視認性を向上。インパネではヘッドアップディスプレイの違いが新旧との違いで最も分かりやすい点になっています。

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また、メーターも表示の字体を見直し、高コントラスト化することで読みやすさを質感を向上。

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操作系では、新型ステアリングを採用。ステアリングの全周で一貫した握り心地を実現するのが狙いとのこと。最近流行している上下のリムを水平にカットする、玩具のような形状にしていないのは、さすが走りにこだわるマツダ。実際に大きな舵角を与えたでも路面からのインフォメーションを正確に把握することができます。

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内装にはデザイン変更はありませんが、コーディネイトを「大人」を感じさせる色使い、仕立てに変更しています。

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上の写真は「L Package」の「ピュアホワイトレザー」。白黒ツートンだったシートを背面まで白一色で統一させ、さらに色味もピュアホワイトを採用しています。印象的な赤も細身の仕立てと、左右に配置された4本のステッチで立体感を強調。また、ショルダー部に黒のアクセントを加えることで全体を引き締める効果も狙っているそう。

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また、「13S Touring L Package」、「XD Touring Package」には黒内装を設定し、ブラックに深みのあるディープレッドのコーディネイト、スエード調人工皮革でセーレン製の「グランリュクス」が採用されています。

モノトーンでまとめられているのが「13S Touring」、「XD Touring」で、クールな印象を受ける内装が特徴。「13S」、「XD」はブラック基調で、インパネ、コンソール、ドアに千鳥格子パターンのパネルを採用することにより、深みと遊び心を与えたとしています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

大きく手を入れる必要のない完成度。新型デミオの外観デザインはどう変わった?

クルマのエクステリアデザインと、良好な視界を両立するのは容易ではありません。ミニバンのように視界の良さが商品性を左右するひとつのポイントであれば、ウインドウスクリーンの大きなモデルは成り立ちます。

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マツダ・デミオは国産コンパクトカーの中でもデザイン性の高さに定評があり、CX-3ほどではないにしても「デザインに惚れて買った」という人もいるかもしれません。個人的には、スマートかつ存在感のあるリヤビューが見どころのような気がしています。

一方でデザインとのトレードオフで、斜め後方の視界があまり良くありません。確かにあれだけベルトラインを右肩上がりの線として、テールウインドウの天地高も抑制したとなると必然といえる結果かもしれません。

気になる方は試乗車などで後方視界の確認、ディーラーオプションのリヤビューカメラなどを検討する手もありそうです。

さて、2016年11月から販売されている大幅改良後モデルのデミオは、好評なスタイリングもあって最小限になっています。

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ディーゼル車のフロントグリルガーニッシュに、グレーメタリックが新たに採用(XD、XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車Tailored Brown)されたほか、ガソリン車の上級仕様(13S、13S Touring、13S Touring L Package、特別仕様車Tailored Brown)にピアノブラックを新たに採用。

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さらに、アダプティブLEDヘッドライト(ALH)装着車のLEDヘッドランプに、ハイ/ロービーム兼用の単眼ユニットが搭載され、すっきりとした目つきに変わっています。

サイドでは、ドアミラーのターンランプをミラー前方に回り込むように設計し、右左折時の非視認性を向上。また、シャークフィンアンテナを設定。

アルミホイールのデザインは従来と変わっていませんが、16インチアルミホイールはよりニュートラルな色合いとしたガンメタリック塗装(XD Touringに標準、15MBにメーカーオプション)になっています。

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また、革内装との組み合わされる15インチ、16インチのアルミホイールは、グレーメタリック塗装(上の写真)が新たに採用されています。

p1j13322sボディカラーでは、特別塗装色の「マシーングレープレミアムメタリック」の設定をはじめ、デミオ専用開発となる新色「ディープクリムゾンマイカ」、下の写真の「ソウルレッドプレミアムメタリック」など全11色を展開。

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さらに、クロームメッキベゼル加飾が施されたLEDフォグランプを「XD Touring」、「XD Touring L Package」に標準装備されています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

新型マツダ・デミオはついに「キビキビした走り」を超越!?

現行マツダ・デミオの成功はデザイン、ディーゼルの存在、ハンドリングなどの走りにあることは間違いないでしょう。

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走り関係でどうしても気になるのは、後方視界がやや狭い(デザイン優先)というくらいで、細部を見ていくとディーゼルエンジン車の音・振動面も気になりましたが、すでに手当てされていて躊躇なくディーゼルも選べる状態になっています。

新型デミオでは、ハンドリング、乗り心地の改善も図られています。

前後ダンパーおよびブッシュの仕様変更に加えて、「やや軽い」と指摘されていた電動パワステ(EPS)の特性を最適化したそうです。EPSに関しては、すぐに手応えが増し、よりリニアになったのが街中から首都高速までシーンを問わず感じることができます。

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実施されたメニューは、フロントダンパーの減衰力特性、フロントスタビライザーマウントブッシュの仕様、EPSの制御特性、フロントロアアームブッシュ(リヤ側)の仕様、リヤダンパーの減衰力特性、トーションビームアクスルブッシュの侵入角を変更。

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フロントブッシュを柔らかくすることで、旋回初期にスタビが効果を発揮する前にブッシュが変形。フロントサスペンションの動きがリニアになり、ロールがスムーズに立ち上がるそうです。

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確かに、多様なコーナーが多い首都高速でもシーンを問わず、ロールの出方が自然で唐突感がなく、改良前よりも乗りやすくなっているのは明らか。G-ベクタリング・コントロールによる効果もあるのでしょう。荷重移動を意識しなくてもスムーズに曲がれるのは、新型デミオの動的質感向上にも大きく寄与しています。

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さらに、コーナーを曲がっていって荷重が大きくなると、ブッシュの変形が終わってスタビの効果によりロールを制御。

新構造のブッシュにより、スムーズなストローク、初期応答性を得ているデミオ。「キビキビした走り」からよりナチュラルで上質なハンドリングを得ていますから、シーンを問わず疲れにくく、運転がより楽に楽しくなっているのは間違いありません。

(文/写真 塚田勝弘)【関連記事】

より静かに上質になったマツダ・デミオは国産コンパクトカーでナンバー1の完成度!?http://clicccar.com/2016/12/22/429034/

より静かに上質になったマツダ・デミオは国産コンパクトカーでナンバー1の完成度!?

マツダ・デミオが商品改良を受け、11月17日から販売が開始されています。

内・外装の高いクオリティ、動的質感といわれる走りの面で、C/Dセグメントと同じ考え方を適用するというのがデミオ、そしてCX-3に共通するコンセプトになります。

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今回試乗したのは、1.3Lのガソリンエンジンモデル。現行デミオを牽引したのは確かにディーゼルモデルかもしれません。しかし、ガソリン仕様の仕上がりも非常に高く、街中のちょい乗り中心であれば、イニシャルコストを考慮しても積極的に選びたくなります。

同じガソリンエンジン車で改良前、改良後モデルを乗り比べて驚いたのは、車格が1ランク上に感じられるほど静かになったこと。

「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」など、ディーゼルエンジンの改良点に注目が集まりがちですが、今回のデミオの改良点は、エンジンと車両後方からの高周波ノイズの低減が大きなテーマのひとつ。

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エンジンの高周波音対策として、ボンネットインシュレーター、エンジンルームのインジケーター、ダッシュインシュレーターに吸音材が追加されています。さらに、ガソリンエンジン仕様には、2015年にディーゼル車に採用されたフロントの遮音ガラスも用意。

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また、ハッチバックはリヤにバルクヘッドを持たないため、後方から高周波のノイズが侵入しやすいですが、リフトゲームトリムとトランクサイドトリムに吸音材を追加。さらに、リヤパッケージトレイやFF車にはスペアタイヤパンに制振材も新たに設定されるといった入念な対策が施されています。

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新旧デミオを乗り比べるまでは、正直旧型でも十分では? と思っていました。しかし、同じコースで試乗すると、静粛性の高さやより自然なハンドリングなどにより、新型は明らかに洗練され、上質になっています。

さらに、新型デミオはドアの閉まり音にもこだわり、リヤドアを閉めた際の音のしっかり感を強調するなど、細部にまで徹底されています。

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ガソリン車のみ、また同条件下で乗り比べたわけではない、という多くの前提付きではあるものの、静粛性の高さは国産のライバルだけでなく、輸入Bセグメントを含めてもデミオが頭ひとつ抜きんでていると言えるのはでないでしょうか。

(文/写真 塚田勝弘)

【スーパー耐久2016】デミオ・ディーゼルがST-5クラスのランキングトップ! 第5戦岡山で大勝負か?

2016年のスーパー耐久シリーズも残すところ2戦。

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そのうちの1戦が今週末の10月22、23日に岡山国際サーキットで開催される「スーパー耐久シリーズ2016 第5戦 スーパー耐久レース in 岡山」。

今年のスーパー耐久の波乱ぶりは例年には無いほど。そのなかでも混戦に次ぐ混戦で誰が勝つのか本当に予想できないのが排気量の一番小さいST-5クラス。第4戦の富士9時間レースが終わった段階でのランキングトップは、今シーズンの初めには誰一人予想だにしていなかったあのマシン!

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17号車「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D 」。そうデミオ・ディーゼルがランキングトップなのです。

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昨年の覇者で、今年も第3戦鈴鹿サバイバルまでトップだった69号車「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT 」が、第4戦富士9時間ではトラブルで9位に後退。ポールポジションポイントを含めて5ポイントしか得ることができませんでした。

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かといってデミオディーゼルが優勝したかというと、走行中にリアハッチが開いてしまうというトラブルや、ターボゆえに気温が高いことが不利に働き、結果は4位。

ただし、富士では9時間という長丁場であったためにボーナスポイントが付与されるため、獲得したポイント数は16ポイント。通常の3時間フォーマットのスーパー耐久シリーズでは2位と同じポイントです。

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第4戦富士を優勝したのは69号車のチームメイト「BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT 」。

この3台が現在のスーパー耐久ST-5クラスのポイントランキング3台で、シリーズチャンピオンを自力で取ることのできる3台ということになります。

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カタログ馬力で132馬力もあり、車重によるハンデが60kgも課せられていながらもまだまだ速いホンダFIT3勢を相手に、1トン切るかどうかの車重でカタログ馬力105馬力のデミオ・ディーゼルがランキングで上に立つというのは常識的に考えれば無茶な話です。

それでも、現在のランキングを実現してしまったのは、ホンダFIT3勢の1.5倍はあるというレース中の好燃費と、0周ピットインなどの奇抜な作戦を駆使するチームの柔軟性によるところが大きいのではないでしょうか。

17号車のデミオディーゼルがランキング首位とはいえ、69号車のFIT3との差は0.5ポイント。岡山戦だけでなく、最終戦オートポリスまでギリギリの戦いを繰り広げなければ、この決着はつかないかもしれません。

今まさに、スーパー耐久のST-5クラスでは燃費 vs パワーの戦いが繰り広げられているのです。

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その他のクラスに目を向けてみますと、NA換算2000ccまでのST-4クラスでは、ランキング首位の13号車「ENDLESS・ADVAN・86 」と、2位の86号車「TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86」が7ポイントの僅差でこちらもかなりの激戦。86同士の戦いは熾烈さを極めることでしょう。

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NA換算3500ccまでの2輪駆動車で競われるST-3クラスは新旧レクサス対決。38号車「MUTA Racing TWS IS 350 」の開幕3連勝に対して、62号車「DENSO Le Beausset RC350 」が富士9時間で優勝。38号車の連勝にストップをかけたカタチです。この優勝で62号車が一気にランキング2位なり、38号車とのポイント差は15.5ポイント。岡山次第ではチャンピオンも狙える位置に来ました。

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NA換算3500ccまでの四輪駆動車で競われるST-2クラスでは、首位の59号車「DAMD MOTUL ED WRX STI」と、2位の6号車「新菱オートDIXCELエボⅩ 」のポイント差が20ポイント。両車の優勝回数はともに2回。ボーナスポイントのつくもてぎ5時間と富士9時間を制したのは59号車。対して6号車はSUGO3時間、鈴鹿サバイバル4時間を制し、得意な分野が異なることが明確になりました。残りの岡山、オートポリスは両方とも3時間レース。このポイント差がどうなるかは岡山戦にかかっています。

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SUPER GTのGT300クラスでもお馴染みのFIA GT3マシンで競われるのがST-Xクラス。ランキングトップは24号車「スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R」、2位は3号車「ENDLESS・ADVAN・GT-R」でその差は18.5ポイント。GT-R同士による激しいバトルは他のクラスとは迫力が違います。

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今年のシリーズチャンピオンを占う上での重要なレースとなる第5戦岡山は、ST-4、ST-5クラスがグループ2、それ以外がグループ1として、10月23日の午前と午後に分かれて各グループごとに3時間レースが行われます。特にグループ2は追い抜いてくる上位クラスがいないためにラップタイムの向上が見られ、各クラス本来のポテンシャルが発揮されるという面で必見といえるでしょう。

(写真・文:松永和浩)

商品改良を受けたマツダ・デミオにキルティング加工シートの特別仕様車が登場

2016年10月14日にマツダ・デミオの商品改良が発表されました(発売は11月17日より)。

今回の商品改良では、マツダが実用化に漕ぎ着けたエンジンによるハンドリングアシスト「G-ベクタリングコントロール」の標準装備化や「アクティブドライビングディスプレイ」の視認性向上、対向車や先行車に配慮した配光のアダプティブLEDヘッドライトをメーカーオプションとして新設定しています。

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さらに、クラスレスの存在を目指すデミオらしい、上質感を狙った特別仕様車「「Tailored Brown」が新設定されているのも見逃せません。

ディーゼルエンジンの「XD Touring」と、ガソリンエンジンの「13S Touring」のAT車をベースに、ライトブラウン&ブラックを基調としつつ、オレンジのさし色に加えるといった上品なカラーコーディネートに、キルティング加工を施したスエード調人工皮革のシートをあしらったインテリアによりアート空間を表現しているのが特徴。

外観では高輝度ダーク塗装のアルミホイールを与えることで、スタイリングを引き締めています。

特別仕様車「「Tailored Brown」のメーカー希望小売価格は、ガソリンが171万7200円(2WD)/192万2400円(4WD)、ディーゼルは199万8000円(2WD)/220万3200円(4WD)となっています。

(山本晋也)

【関連記事】

マツダ・デミオがマイナーチェンジで得たものとは?
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マツダCX-3にあってデミオにはない装備とは?
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衝撃!? マツダ・デミオディーゼルの価格は一番売れてるハイブリッドより安い!
http://clicccar.com/2014/09/18/268834/

マツダのエンジニアが語った「共創」による開発体制とは?

9月25日(日)、好天に恵まれた富士スピードウェイで、マツダが「人とクルマの絆を、もっともっと深くする」と題したファンイベント「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」を開催。

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早朝から多くのマツダファンが押し寄せ、6,000人が来場した同イベントでは、実行委員長を務める寺田陽次郎氏の挨拶に続き、モータージャーナリスト竹岡圭さんの司会進行により、マツダの開発陣を交えたトークショーが行われました。

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ステージ上には「アクセラ」「CX-5」の開発主査、児玉眞也氏、同チーフデザイナーの玉谷 聡氏、ロードスター アンバサダーの山本修弘氏、ロードスターのチーフデザイナーで開発主査の中山雅氏が登壇。

「ND」系開発主査を務めた山本氏(画像中央)が、同社のシンボル的なロードスターの主査業務を後任者へ引き継ぐにあたり、「ロードスター愛」が最も強かったとして、同車のデザインを担当した中山氏(画像左)を開発主査に推薦したエピソードを紹介。

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マツダではユーザーに高い次元の「ワクワク」を届けるため、部門の垣根を超えて力を合わせる「共創」に取組んでおり、「SKYACTIV」、「魂動デザイン」、「モノづくり革新」といった大きな動きがある中で、企画、デザイン、設計、実験、生産技術、購買部門が各々「ありたい姿」を描き、全てが一丸となって活動しているそうです。

ともすると大企業では「開発」側の思いと、「生産」側の思いが噛み合わずに対立しがちですが、山本氏によれば、マツダでは「開発側がその価値をきちんと伝えれば、各部門はそれを実現するための知恵を出してくれる」、「阻害している要因、課題をブレイクスルーによって克服するという風土が長い時間をかけて根付いている」といいます。

山本氏は、’91年にルマン24H耐久レース参戦で総合優勝したマシン「787B」用のロータリーエンジン開発を経て、それを確信したようで、今回のトークショーでも「無理と思える難題も、全員の力を結集すれば、大きな目標を達成することができる」と力をこめて説明。

おりしも、マツダがイベントの3日後となる9月28日に発表した8月のグローバル生産台数は12.6万台(+9.2%)で、国内生産が7.2万台(+4.7%)、海外生産が5.4万台(+16%)と伸びています。

生産車種でみると、国内ではCX-5(+16.5%)、アクセラ(+17.1%)、アテンザ(+6.3%)、海外ではアクセラ(+7.3%)、デミオ(+19.3%)が伸長。

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その一方、8月の国内販売では1.5万台(-14.1%)と前年実績を割り込んでおり、1月からの累計販売でも13.9万台(-21.4%)と落ち込みが目立ちます。

先頃改良を施したアクセラが2,708台(+42.9%)、同アテンザが1,357台(+83.4%)と好調なものの、昨秋あたりから主力のデミオの販売が急減しているのが影響しているようです。

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これは開発陣による商品力向上への努力に連動させて、商品価値に見合った収益を確保する方針へと切替えたことが要因のようで、かつてトヨタ自動車が同目的で国内に「レクサス」ブランドの逆輸入に踏みきった際の状況に似ているかもしれません。

こうした現状の販売状況に歯止めをかけれるかが、今度はマツダの販売サイドの腕の見せどころ。

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値引きが無くても新車が売れるようになるまで、マツダの国内販売台数減は続く可能性が高そうですが、ここは踏ん張りどころ。

同社の今後の国内市場における販売努力が注目されます。

(Text/Photo: Avanti Yasunori

【関連記事】

富士SWに6千人のマツダファン!「787B」デモラン披露
http://clicccar.com/2016/09/30/403221/

【関連リンク】

Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY
http://fuji.beadriver-experience.com/

MAZDAの取組み「共創」
http://www2.mazda.com/ja/about/dealer/recruit/copro/copro.html

国内レース史上初の快挙!デミオディーゼルがS耐鈴鹿でクラス優勝!【スーパー耐久2016】

6月12日に鈴鹿サーキットで決勝レースが行われたスーパー耐久シリーズ2016 第3戦 「SUZUKA “S耐”サバイバル」で、TEAM NOPROのマツダ デミオSKYACTIVディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」が、国内レース史上初のクリーンディーゼルエンジンによる耐久レース優勝を果たしました。

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海外のチームが持ち込んだディーゼルマシン、たとえば世界耐久選手権のアウディや世界ツーリングカー選手権のセアトなどが優勝をしたことはありますが、国内のレースにおいて国産メーカーのディーゼルエンジンが耐久レースで優勝したのは初の快挙です。

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今回の第3戦は大会名の「SUZUKA “S耐”サバイバル」が示すとおり、今までに類を見ないレースフォーマットで開催されました。

6月11日に通常通りの予選が行われますが、ここでは各クラス3位までが予選通過となり、4位以下はその日の午後に行われる敗者復活レース「セカンドチャンス100」に出場しなくてはならないというルール。

ST-5クラスの場合は「セカンドチャンス100」で5位以内、予選総合順位で8位以内にいないと決勝レースに進出できないということになるのです。

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DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-Dは通常予選の順位が7位、セカンドチャンス100のグリッドは4番となります。このレース、レース時間は100分。デミオディーゼルの燃費を活かすことができるかどうか。

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しかしグリッド上では余裕の表情。スタートドライバーは野上達也選手が務めます。

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スタート直後、SUGOでも見せたショートフォーマット特有の「あの作戦」で、すぐさまピットイン。谷川達也選手チェンジ。さすがに0周ではなく1周でのピットインでした。

その後30分強で井尻薫選手にドライバーチェンジのためにピットイン。フロントタイヤのみ交換、給油は無しでのピットアウト。燃費に優れるデミオディーゼルは、100分のレース時間であれば無給油で走りきることができるのです。

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そしてセカンドチャンス100を2位でフィニッシュ。予選順位は5位となりました。

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決勝のグリッドは、もう最後尾ではありません。予選順位5位はデミオディーゼルにとって、今までの中では最上位の結果でした。

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スタートドライバーは谷川達也選手。ここから4時間の熱い戦いが始まります。

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グリッドでは多少小雨もパラついていましたが、路面はドライコンディション。天気予報では雨に向かうとのことでタイヤの選択に悩むチームが多数いる中、デミオディーゼルはスリックタイヤをチョイスし勝負に出ます。

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スタートから1時間とちょっと経った頃に、いきなり本格的な雨が降ってきます。

ピットは大渋滞になりつつも、デミオディーゼルはピットの渋滞ピークを1周だけステイすることでかわし、4輪をレインタイヤにチェンジ、給油を行い、ドライバーは谷川選手から井尻薫選手へと交代。

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雨足は激しさを増し、コースのいたるところに川ができるほど。こうなるとガソリン勢もペースを落とさざるを得ず、デミオディーゼルとのタイム差は僅差になって行きます。

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デミオディーゼルは2回目のピットインで再び谷川選手に交代し、規定ピットイン回数をクリア。これ以後は給油の必要も無く、あとはひたすらゴールを目指すのみ。

しかし、ライバルは給油のためにあと1回以上はピットインしなくてはなりません。

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ラスト40分ほどのところでトップがピットイン。順位が入れ替わりデミオディーゼルは、トップに躍り出ます。

その後、ライバルがタイムを詰めようと必死に追いかけますが、ラスト5周に谷川選手はさらにペースアップで後続を引き離します。

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そして、感動のゴール!

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史上初のクリーンディーゼルエンジン車による耐久レース優勝を果たしました。いよいよ速さとともに「燃費」がレースを制する時代が来たのです。

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次戦は9月3〜4日の富士。9時間の長丁場で、燃費のデミオディーゼルにはかなりの期待を寄せてしまいます。

(写真・文:松永和浩)

【スーパー耐久2016】マツダ車が躍進!ディーゼルデミオ5位、新型ロードスターがクラス優勝

5月14日にスポーツランドSUGOで開催されたスーパー耐久シリーズ第2戦「SUGO SUPER TAIKYU 3Hours Race」。

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14日の土曜日にすべての予選が開催されるのは普段のスーパー耐久と同じですが、決勝を2つのグループに分け、トヨタ86やホンダS2000などのST-4クラスとデミオ、フィット、ヴィッツなどのST-5クラスの2つのクラスがグループ2として即日決勝、その他のクラスがグループ1として翌日の15日に決勝を行う2レース制として開催されました。

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14日に決勝レースが行われたグループ2、1500ccクラスで争われるST-5クラスのポールポジションは、今年から参戦した「村上モータースMAZDAロードスターND」。現行型となるNDロードスターは1500ccクラスなのでST-5クラスとなります。

予選では、15分しかないAドライバー予選中にクラッシュが発生し赤旗が提示される場面がありましたが、クラッシュ車両撤去のための赤旗中断時間に対して予選時間の延長がなかったために、アタックを出来ていないチームが多く、ST-4、ST-5クラスともに予選順位は大方の予想を裏切るものとなっていました。

混乱した状況の中でポールポジションを獲得したNDロードスターは、かなりの速さを持っているといえるでしょう。

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ディーゼルエンジンでの参戦で注目を集めるディーゼルデミオ「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」は予選8番手。前回のもてぎ5時間レースでは2位を獲得したディーゼルデミオですが、スーパー耐久では比較的短い3時間というレース時間でどう戦っていくのでしょうか。

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ディーゼルデミオのスタートドライバーは野上達也選手。スターティンググリッドにはBドライバーの井尻薫選手の姿も見えますが、Aドライバーの谷川達也選手の姿が見当たりません。

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グリッドウォークの最中、谷川選手はドライバーチェンジのための準備をしていたのです。

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そしてフォーメーションラップからのローリングスタート。セーフティーカーの後を追うようにピットインしてきたディーゼルデミオ。今年もやりました、0周ピットイン!

コントロールラインをピットレーンで超えてもスタートしたことになるので、ピットの配置にもよりますが、コントロールラインがピットよりも前にある菅生では有効な手段。

これでドライバーチェンジを伴うピットイン義務2回のうち、早々に1回を消化したことになるのです。

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ガソリンを使用するほかのマシンに対してディーゼルデミオは圧倒的に燃費が良いため、3時間レースでは給油は1回で済みます。

そこで、まだ周回差が開いていない序盤の早い時期にピット義務を消化してしまおうという作戦です(給油の写真は同時出走したガソリンデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」)。

なお、コントロールラインがピットの後ろにある岡山国際サーキットでは、1周回らないとスタートしたことにならないので0周ピットインという裏技は使えません。

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3時間レースで2回のピットイン義務ということは、単純に1時間に1回のピットインとなるわけで、ディーゼルデミオは他のマシンが2回目のピットインをするであろう2時間目まで谷川選手がドライブする作戦を取っていたようです。

狙い通りならこの時点でかなりの上位にいたはずです。

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昨年のデータからすれば余裕の2時間ドライブだったはずですが、今年は昨年よりラップタイムが3秒も速くなっており、燃費はともかくタイヤの消耗が早かったようで1時間半ほどでピットイン。タイヤ交換の後、井尻選手へとバトンタッチ。

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その間、NDロードスターはトップを快走。レース中のベストタイムはこのNDロードスターだけ1分39秒を切るという俊足ぶり。これだけ速くて燃料はもつのでしょうか…

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ディーゼルデミオのTEAM NOPROが走らせるもう一台、ガソリンのデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」も快調に周回を重ねていきます。

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そしてゴール!ディーゼルデミオ「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」はタイヤに苦しみながらも5位でポイントゲット!ポイントランキング2位を死守しました。

ガソリンデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」は4位。優勝はポールtoウィンの「村上モータースMAZDAロードスターND」。

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さらに、こちらも今年から出場のデミオ15MB「odula MAZDA デミオ15MB」も完走。現時点でマツダ車が4台もエントリーし、しっかりと結果を残している今年のスーパー耐久シリーズST-5クラス。

マツダの躍進はまだまだ続きそうな予感です。

次戦は6月11〜12日の鈴鹿。決勝は4時間レースとなります。

(写真・文:松永和浩)

【スーパー耐久2016】開幕戦もてぎ5時間レースでデミオディーゼルが2位表彰台の快挙!

4月3日に決勝レースが行われたスーパー耐久開幕戦「スーパー耐久シリーズ2016 第1戦 もてぎスーパー耐久」。

FIA GT3規格のST-Xクラスからフィット、ヴィッツ、デミオなどのコンパクトカーで争うST-5クラスまで総勢62台というの大量エントリー!

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ST-Xクラスでは日産GT-R NISMO GT3からBMW Z4、メルセデスSLSなどSUPER GTのGT300クラスのような顔ぶれ。

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ランサーの横をフェラーリが駆けぬけるという珍しいレース風景がみられるのは、日本ではスーパー耐久シリーズだけの魅力です。

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そんなスーパー耐久シリーズに昨年から投入されたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

昨年はスターティンググリッドがすべて最後尾という不名誉な記録を更新しましたが、最終戦の鈴鹿でST-5クラスで3位の表彰台に登り、シーズンが終わってみればクラス4位という好位置に。

昨年の実績を見れば、今年は更なる期待を抱かずにはいられません。

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そのデミオディーゼルが開幕戦のもてぎで5時間を走りきり2位で表彰台に登りました。

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軽量化に明け暮れた昨年でしたが、今年は速さの部分にも手が入ることになり、予選順位はST-5クラス13台中8位。それでもラップタイムでクラストップから3秒差がついている状態です。

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しかし、スタートドライバーの谷川達也選手は余裕の表情。なぜか?

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デミオディーゼルの強みはなんと言っても、レーシングスピードでの圧倒的な燃費のよさ。ライバルが給油などで2時間で3回以上のピットインをする間、デミオディーゼルはノーピットで走りきるほどの実力を持っています。

そのライバルがピットインをしている間に、気がつけばトップ!それも2位に2周差をつけてのトップを20周以上に走ります。

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このままピットイン回数を規定の3回だけで終わらせて、その間にどんどん周回差を広げて行こうという作戦だったといいますが、スタートからちょうど3時間、タイヤトラブルのために緊急ピットイン。

タイヤ交換と給油のみ、ドライバーチェンジは行わず、タイムロスを最小限にとどめてピットアウトしていきます。それでも順位は4位まで落ちてしまいますが、ロングランは続行。

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その総計2時間以上もロングランをしたのは井尻薫選手。緊急ピットイン後にはトップのマシンと互角のラップタイムを刻み、なおかつ走りで前走車を追い抜いて見せるなど、かなりエキサイティングな見せ場を作ってくれました。

その井尻選手に2時間に及ぶロングランについて聞いてみると「この季節だからそんなに辛くはなかった。クールスーツは着てなかったから背中に汗はかいているけど、クルマが乗りやすいから疲れた!というほどの疲労はしてませんね」とのこと。

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作戦といえば、マシンのつくりにしても燃費を活かした作戦に合わせている様で、他車に比べて給油回数が少ないために給油口を車外に作ることを避け、トランク内の安全タンクに直接設けた給油口に給油するつくりになっています。この方が数kgほど軽く作ることができるとのこと。

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ディーゼルはエンジン単体の重量がかなりあるために、他の部分をどこまで軽量化するかがディーゼルレーシングカーを作るうえでのポイントだ、と監督の野上敏彦さん(上の写真右)は語っています。

そんな、徹底した作戦に合わせたマシンをロングランした井尻選手からバトンタッチしたのは野上達也選手(上の写真左)。

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そしてラスト1時間。再び谷川選手がドライブ。上位にいた1台がトラブルでピットに入り大きく順位を落とすと、デミオは順位を3位に。そして谷川選手が前走車を自力で抜き去ると順位を2位まで上げていきます。

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そして5時間後のゴール!

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堂々の2位入賞で表彰台に登ります。

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耐久レースは速さだけがすべてではない!ということを一人ひとりの強さと、それを総合したチームワークで実証し、そしてクリーンディーゼルがモータースポーツで活躍する時代の幕を開けたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

第2戦以降も活躍を期待します。

(写真・文:松永和浩)

走りと質感、快適性を向上させたマツダ・デミオ

昨年末に一部改良を受けたマツダ・デミオ。新型は1月中旬から発売(ガソリン車が1月15日、ディーゼルが1月22日)されています。

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クリーンディーゼルの「SKYACTIV-D 1.5」搭載モデルでは、エンジンのノックオンを抑制する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の設定(XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車XD BLACK LEATHER LIMITEDに搭載)のほか、低負荷領域でアクセル操作に対してリニアな加速が可能となった「DE精密過給制御」の採用がトピックス。

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「SKYACTIV-D 1.5」、「SKYACTIV-G 1.3」ともに電動パワーステアリングの制御を見直し、ステアリングの切り始めの応答性を改善することで、よりナチュラルな操舵感を得ているなど、細部にわたって走行フィールの改善が図られているのはマツダらしいところです。

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ガソリン車の「SKYACTIV-G 1.3」搭載モデルには、トノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスを採用(13S Touring、13S Touring L Package、13S BLACK LEATHER LIMITED)することで、静粛性を向上させる手も打たれています。

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そのほか、シャークフィンアンテナや3段階の温度調整が可能なシートヒーターを前席両側への設定、CX-3と同様にスタイリッシュなフォルムのフラットワイパー(フロント)を採用するなど、質感と快適性の向上が図られているのも朗報。

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デミオよりも後発で、少し車格が上になるCX-3から採用された装備も多く、常に新しいモデルをショールームに並べるという、マツダの意気込みを存分に感じさせる改良とでしょう。

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なお、価格帯はガソリンが135万〜193万3200円、ディーゼル搭載車が178万2000円〜221万4000円です。

(塚田勝弘)

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大人の雰囲気が漂うマツダ・デミオ「BLACK LEATHER LIMITED」

マツダの隠れたロングセラーモデル(?)、ベリーサが生産を終えたいま、コンパクトで上質なモデルの受け皿という意味もあると思われるのがデミオの特別仕様車。黒革インテリアの「BLACK LEATHER LIMITED」は、上質感を追求したモデルになっています。

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ベース車は「13S Touring L Package」、「XD Touring L Package」で、黒の本革シートを採用。デミオの「スタイルコレクション」と呼ぶコンセプトの第3弾。

スポーティかつ上質な雰囲気が漂う黒内装に、グレーのファブリック、シルバーのストライプやステッチをシートなどに採用しているほか、助手席にインパネデコレーションパネル、ドアトリムにビニールレザー・ブラックを用意。

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装備では、CD/DVDプレイヤー+地上デジタルTVチューナー、運転席&助手席シートヒーター、シャークフィンアンテナ、フラットワイパー(フロント)などが採用されています。

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ボディカラーは「ブルーリフレックスマイカ」、「ソウルレッドプレミアムメタリック(有償色)」、「ダイナミックブルーマイカ」、「チタニウムフラッシュマイカ」、「スモーキーローズマイカ」など全10色で、フロントグリルガーニッシュは「13S BLACK LEATHER LIMITED」がボディ同色、「XD BLACK LEATHER LIMITED」がソウルレッドプレミアムメタリック塗装となります。

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価格は「13S BLACK LEATHER LIMITED」の2WDが177万12000円(AT/MT)、4WDが196万5600円(AT)、「XD BLACK LEATHER LIMITED」の2WDが205万2000円(AT/MT)、4WDが224万6400円(AT)となっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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デミオ・ディーゼルは走りもさらにブラッシュアップ

マツダ・デミオにクリーンディーゼルエンジンを搭載した「SKYACTIV-D 1.5」に、CX-3にも用意されている「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が設定され、エンジンのノック音を低減することにより静粛性が向上されていますが、今回の商品改良はそれだけではありません。

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「DE精密過給制御」と呼ぶエンジン制御の見直しによりダイナミック性能を進化させたほか、電動パワーステアリングの制御の改良によってナチュラルなハンドリングを得ているのが特徴。

その進化が分かるのは主に街中などの低速域のステージ。

DE精密過給制御により低速域の出足感をよりリニアなものにされたもので、新旧デミオを乗り比べると、アクセル操作に対する反応が素早くなっているのが分かります。

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しかも、停止時から急に加速するような「飛び出し感」を伴うのではなく、アクセル操作に連動するようなスムーズなものですから、ストップ&ゴーの多い街中でより感じられる制御になっています。

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電動パワステの制御改良もひと言でいうと、スムーズそのもの。切り始めの応答性を高めることで、たとえば信号待ちからの発進、そして右左折による操舵時などでその効果を新旧乗り比べで実感できましたし(新型はシャークフィンアンテナを採用)、首都高速のような中・高速域でもより自然なハンドリングを披露。

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経済性の高さやトルクフルな走りだけでなく、操舵応答性やアクセルワークの改善、そして「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の設定により動的質感が高まったデミオのディーゼルモデル。

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軽快な走りが魅力のガソリン車も、トノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスにより静粛性を向上させていますから、ますますエンジン選びには悩まされそうです。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

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マツダ・デミオの走りは国産コンパクトカー随一!?

マツダといえば、クリーンディーゼルエンジンを思い浮かべる方も多いでしょう。ほかにも「魂動(こどう)」デザイン、エンジンやプラットフォームだけでなく、新しいクルマ作りを総称する「スカイアクティブ」テクノロジーなど、クルマ好きだけでなく幅広い層にそのブランド哲学が広まりつつある、そんな状態ではないでしょうか。

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クルマ好き以外の方々にも新世代商品をズラリと揃えるマツダを知ってもらう入り口として最適なのがデミオ。

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現行型は、走りもデザインも質感も国産コンパクトカーの中で一頭地を抜く存在といえる完成度でしたが、ほかの最新マツダ車と比べると、ノイズ(エンジン)の高さや室内スペース、一部部品の見栄えなどがネガティブなコメントとしてユーザーから上がっていたそうです。

1月から販売されている改良後モデルですが、看板グレードといえる「SKYACTIV-D 1.5」搭載車に、CX-3にも採用されていたエンジンのノック音を抑制する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を設定(XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車XD BLACK LEATHER LIMITEDに採用)されているほか、「SKYACTIV-G 1.3」搭載車にトノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスを採用(13S Touring、13S Touring L Package、13S BLACK LEATHER LIMITED)することで、ノイズの侵入が抑制されています。

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気になる走りですが、ディーゼルに搭載された「ナチュラル・サウンド・スムーザー」は、パーシャル域から少し踏んでいった際のノック音を抑制するもので、CX-3と同様に注意深く聞いてみるとその差を感じ取れる程度。

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今回、新旧デミオ(ディーゼル搭載車)に乗り比べる機会がありましたので、乗り比べるとその差は確かに実感できました。これなら、デミオのディーゼルはやや音が大きめといった声もかなり少なくなるでしょう。

また、全グレードがEPS(電動パワステ)のアシスト力(セッティング)を見直すことでよりスムーズなハンドリング、とくにステアリングを切り始めの応答性能改善も図られています。

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その後に乗り比べたCX-3と改良後デミオの差が縮まった印象で、音・振動面や走りの上質感、ハンドリングなどは国産コンパクトカーの中でもトップクラスの実力の持ち主であることは間違いないでしょう。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)