Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

テスラのイーロン・マスクCEOが先進的な「新事業計画」をブログで公開!

テスラモーターズの自動運転機能に関するニュースが飛び交うなか、イーロン・マスク会長兼CEOが7月20日、同社の新事業計画を自身の公式ブログ上で明らかにしました。

TESLA_Power_Wall

マスク氏が同社を発足させて以来、一貫して目指しているのは、化石燃料への依存を早期に断ち、「持続可能エネルギー」への切り替えを加速させること。

そうした観点で、今後実現を目指す新たなマスタープランを公開したもので、要約すると、次の4つのポイントで構成されています。

1)蓄電装置一体型ソーラーパネルの普及
パワーウォールを進化させ、契約から設置までの全てを1社で一元管理

2)自律走行可能な大型EVトラック、都市型EVバスを開発
・トラックの大型化により貨物輸送コストを大幅削減
・車内レイアウト工夫でバスの乗客密度を向上、車体を小型化

3)人間の運転より10倍安全な自律走行システムを実現
世界中で販売したテスラ車から収集した走行データを活用

4)自家用車のシェアリングシステム構築
テスラ車ユーザーが同社のカーシェアリングシステムに自車を登録、
使用しない時間帯に貸し出し、車両返済資金、維持費に充当

2)については、来年にも発表する予定としており、小型EVバスでは、携帯電話を持たない人のために、既存のバス停に呼び寄せ用のボタンを設置、車椅子や自転車も載せられるようなデザインを予定しているそうです。

4)のシェアリングシステムは、税金や保険料など維持費が高くつくことから、日本でもクルマ離れが懸念されるなか、持続的な新車販売に効果的なシステムとなる可能性を秘めていそうです。

モデルSの自動運転支援システムは、米国では昨年10月に発表され、日本でも国交省の認可を受けて、運転支援システムの配信が今年1月から始まっています。

TESLA_MODEL-S

そうしたなか、今年5月7日に米フロリダ州の幹線道路で、初となる自動運転機能作動中の死亡事故が1億3000マイル(約2億km)走行時点で発生しました。

事故原因については現在のところ、ドライバーの前方不注意(DVD鑑賞?)と、カメラセンサー等の認識能力に起因している可能性があるとの見解のようです。

同社では現在、世界中の車両を合わせて、1日当たり約500万kmの走行実績を積んでいるそうですが、ワールドワイドで自動運転が法的に認められるまでには100億km(約6年相当)の実績が必要になると予測。

TESLA_MOTORS

テスラでは、これまでに得た知見をベースに、技術力に更なる磨きをかけながら、「EV」、「自動運転」、「家庭用発電システム」、「カーシェアリング」をトリガーにして、今後も持続可能エネルギーへの早期移行を実現させる考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:TESLA)

【関連記事】

2020年に「先進運転支援システム」市場が1.4兆円規模に!
http://clicccar.com/2016/07/22/386990/

テスラ・モデルSが米国の公道で自動運転中に初の死亡事故
http://clicccar.com/2016/07/02/383006/

日本にもEVブームが到来する? 新型テスラ「モデル3」画像ギャラリー
http://clicccar.com/2016/04/18/365830/

テスラが量販EV「モデル3」を発表。1週間で33万台受注!
http://clicccar.com/2016/04/18/365769/

テスラが格安「家庭用蓄電池」を開発、8月に販売開始か?
http://clicccar.com/2015/07/17/317738/

テスラが長野市に超急速充電施設「テスラスーパーチャージャーステーション」を新設置

モデルSの車両本体価格は884万1000円からで、2016年度CEV補助金対象車。

日本の急速充電規格である「CHAdeMO(チャデモ)」にはアダプターを使って対応していますが、独自の充電規格である超急速充電施設「テスラスーパーチャージャーステーション」をアメリカだけでなく、日本でも展開しています。

naganosc

今回、長野市にも設置された「テスラスーパーチャージャー」では、テスラユーザーは24時間無料で認証などの手間なく充電口にプラグインするだけで充電できます。アダプターが必要ありませんから容易に充電できるのも魅力です。

MODEL_S

充電時間も短時間ですみ、現在販売中のモデルSをゼロから充電すると、20分で約250km走行分の充電ができます。

nagano

「テスラスーパーチャージャー」が設置されているのは、東京の3か所をはじめ、横浜、大阪、神戸、岡山、仙台、盛岡にそれぞれ1か所、全国では合計9か所に設置されていて、長野を含めて合計10か所となります。

長野に設置することによって、東京からの人気の避暑地、ゴルフやスキーなどのレジャーに、充電の心配なく出かけることができるようになり、また、日本海側への移動もしやすくなると思われます。

[テスラ 長野スーパーチャージャーステーション]

所在地:信州松代ロイヤルホテル
住所:長野県長野市松代町西寺尾1372-1
オープン日時:2016年7月12日(火) 0時
営業時間:24時間年中無休(法令点検日除く)
充電器:テスラスーパーチャージャー 4基

(塚田勝弘)

「2016年のもっともスマートな企業」50社にトヨタがランクイン!

米マサチューセッツ工科大学傘下のメディア「MIT テクノロジーレビュー」が、効果的なビジネスモデルや革新的な技術を持つ「2016年のもっともスマートな企業」50社のランキングを発表。

ITやメディア、バイオ関連の企業が並ぶなか、テスラモーターズとトヨタ自動車の2社が自動車メーカーとしてランクインしました。

MIT_Technology_Review

テスラモーターズはEVのモデルSやモデルXにオートパイロット(自動運転)システムを搭載したことや、車両価格を約380万円〜に抑えた「モデル3」が発売前から40万台規模の事前受注を獲得したことが評価され、4位にランキングされています。

TESLA_MODEL3

一方、今回初登場のトヨタ自動車は「マイクロソフト(26位)」や「IBM(45位)」、「インテル(49位)」を抑え、「Facebook(15位)」や「SpaceX(16位)」に続く17位にランキングされました。

トヨタ自動車が今回ランキングに登場した背景には、年初に10億ドルを投じて自動運転に向けた「AI」(人工知能)を研究する「TRI」(Toyota Research Institute)を米国に新設したことが評価されたようです。

TOYOTA_TRI

そのほか、2位には中国の検索エンジン大手「Baidu(バイドゥ)」、6位には高度運転支援システムを手掛ける「Mobileye (モービルアイ)」、8位には自動運転技術で先行するGoogleの持ち株会社「Alphabet(アルファベット)」、12位にはグラフィック・プロセッサーを手掛ける「Nvidia(エヌビディア)」がそれぞれランクインしています。

これらの顔ぶれは、自動運転技術の実現に向けた「クルマとITの融合」が加速していることを如実に表しているようです。

Avanti Yasunori ・画像:MIT Technology Review、TESLA、TOYOTA)

【関連記事】

トヨタが人工知能を持った「家庭用ロボット」を発売する!?
http://clicccar.com/2016/06/26/381679/

グローバルWebサイト調査で「トヨタ自動車」が高評価!
http://clicccar.com/2016/06/18/379465/

トヨタが人工知能「AI」の開発で米Google傘下のロボット会社を買収か?
http://clicccar.com/2016/06/13/377613/

テスラが量販EV「モデル3」を発表。1週間で33万台受注!
http://clicccar.com/2016/04/18/365769/

トヨタ、ミシガン州に新拠点を開設し、「自動運転」の研究を加速
http://clicccar.com/2016/04/18/365468/

フェイスリフトを受けた新型テスラ・モデルSの納車が開始

発表から約3週間で40万台に迫るオーダーを受けているテスラ・モデル3。日産・リーフは2015年12月で発売から5年が経ち、2016年1月に20万台に達したところですから、その売れ行きには驚かされます。

tesla_model_s_22

日本では、5月18日にリモート駐車機能「サモン」の無料配信を発表したテスラモーターズジャパンから、フェイスリフトを受けたモデルSの納車が開始されました。

こちらはモデル3ではなく、モデルSのマイナーチェンジ。

最大の見どころはフロントマスクで、黒いノーズコーンを外し、ボディ同色であるフロントマスクになった点で、「T」エンブレムを強調した顔つきとなっています。

tesla_model_s_23

また、新しいフルLEDヘッドランプもトピックスです。

夜間の視界を高める「14 LED 3ポジション ダイナミック ターニングライト」は、「拡散型LEDシグネチャーライトブレード」と「インテークグレート ターンシグナル」により、キリッとした目つきになっています。さらに、オプションでアダプティブヘッドランプの選択も可能。

tesla_model_s_11

サイドは、ボディカラーのサイドロッカーパネルが見どころで、スマートな造形となったリヤディフューザーはスタイリッシュな外観だけでなく、パフォーマンスと効率の向上にも寄与するとしています。

インテリアでは、日本導入が間近なモデルXに採用されている「テスラHEPAフィルター」がオプションで選べるようになったのがポイント。

tesla_model_s_12

同社のテストでは、車内の空気から99.97%の微粒子状汚染ガスをはじめ、アレルギー源、バクテリアなどの汚染物質を事実上完全に排除することが可能だそう。

tesla_model_s_13

ほかにも、標準装備の充電器が従来の40Aから48Aにアップグレードされ、高アンペアの電源に接続すれば、より高速な充電が可能になります。

(文/写真 塚田勝弘)

【関連記事】

■テスラ・モデルSにスマホによるリモート駐車機能を無料配信
http://clicccar.com/?p=372687