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BRZ GTが証明した、高い走行性能と乗り心地の良さの両立【BRZ GT試乗】

2016年7月にデビューして以来、初めて大幅な改良を行ったスバルBRZ。数あるトピックスの中で最も注目されたのは、最上級グレードGTの追加でしょう。

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GTはBRZの進化の象徴として走りのパフォーマンスと上質感を追求し、ZF製のザックスダンパーやブレンボ製ブレーキ、そして専用アルミホイールを装備することで、操縦安定性を向上させています。

発売開始は11月7日、今回機会を得て試乗することができました。

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BRZ GTのエクステリアには、スーパーブラックハイラスター塗装された専用デザインの17インチアルミホイールをはじめ、フロント4ポッド、リア2ポッドのブレンボ製ブレーキシステム。そしてフローティングタイプのアルミ製リアスポイラーが標準装備されます。

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インテリアには、メイン部分のアルカンターラにBRZのロゴをあしらい、質感の高さとスポーティさを表現したアルカンターラ/本革のコンビシートが標準装備されています。

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GTという名称から硬めの足回りを想像していましたが、試乗のため公道に出ようと駐車場の段差を乗り越えた時の入力が小さく、そして収束が速いことに早速驚かされました。

荒れた路面を走行しても前後方向のピッチングは抑えられていますので、乗り心地も良いです。特にリアからの入力を抑えてくれるので、安心してアクセルを踏み込むことができます。

走り出して間もないブレーキが冷えた状態では独特の感覚があるブレンボ製のブレーキですが、走り出してしまえば、踏みはじめからグッとブレーキが利くので、スピードのコントロールが非常にしやすいです。

タイトなコーナーの進入でブレーキを遅らせても、グッと効いてスピードは落ちますし、姿勢も乱れないので素早くアクセルを踏み込むことができます。

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ザックスのダンパーを装着した足回りはしなやかさが増したことで、路面からの入力を抑えつつ路面追従性を高めているので乗り心地の良さとコントロール性が高まっています。Sグレードと乗り比べてみるとGTは無駄な動きが少なく、ドライバーの意のままに動かすことができます。

ザックスのダンパーやブレンボ製のブレーキなどを装着して走りの質感を高めた結果、優れた乗り心地と高い操縦安定性を両立したのがGTグレードといえます。

価格は6MTが331万5600円、6AT車が337万5000円で、充実した装備を考えると割安に感じます。なお、7月7日より予約を受け付けていた100台限定のBRZ GTイエローエディションはすでに完売とのこと。こちらは、コレクターズアイテムの1台となりそうです。

(文・萩原文博、撮影・小林和久)

ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】

前回、同乗体験レポートのパート1として高速周回路編をお届けしました。今回はいよいよレポートパート2・ジムカーナ編をお届けします。

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高速走行と高速制動プログラムを終えた私たちは、ウエット旋回プログラム・ジムカーナプログラムを体験するために、WRX STIからBRZに乗り換えコースを移動しました。

まずはウエット旋回プログラム!こちらは同乗していませんが、その時の様子をお伝えします。

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低μ路での定常円旋回体験!この低μ路は半周ごとにμが変わる特殊な路面です。

μが途中で変わるということは、通常の定常円旋回よりコントロールが難しく高度なテクニックを必要とします。アクセルとステアリングを繊細に操作しなくてはならず見た目より難しそうでした。

しかし、クルマを自由自在に操る基本的なテクニックであり定常円旋回をしっかりマスターすればドリフト走行も夢ではありません。

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ここでも、のむけん仕込みのドラテク発揮!高速周回路で顔色一つ変えずに運転していた小林編集長。私の見る限り他のBRZより上手く走っているように見えました。カッコよかったなぁー!私もいつかあんなにカッコよく定常円走行できるようになりたい(泣

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続いてジムカーナプログラム。こちらは同乗することができたので、その様子をお伝えします。

このプログラムでは特設のジムカーナコースで参加者全員のタイムを計測し、ランキングで発表。ジムカーナコースでは、先ほどの定常円走行の応用ともいえる、サイドターンやスラローム走行を行いました。高速周回路では恐怖のあまりじっくり小林編集長を観察することができませんでしたが、今回は観察に成功!(アシストグリップには摑まりっぱなしだったけど…

とにかく、アクセル・ブレーキ・クラッチ・シフト・ステアリング全ての操作が繊細に行われていて、普通にMTを運転したことしかない私にはどの操作も感動ものでした。

こんなに手足が忙しいにも関わらず、高速周回路のときと同じく顔色一つ変えずに運転している小林編集長。凄すぎる!

気になる結果ですが・・・1位を取れる腕前はあるにも関わらず、私というウエイトのせいで1位ゲットならず。賞品の佐野ラーメンは他の人の手に……小林編集長ごめんなさい。

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今回の取材を通して、スバルのクルマ作りに対する真面目さや情熱を感じ取ることができました。それは、基礎から学べるドライビングアカデミーがあるからこそドライバーの気持ちにエンジニアがなれるのだと感じました。

もちろんドライビングアカデミーの内容はどれもプロドライバーが学んでいくものと同様で、あくまでもエンジニア向けのプログラムですが、このトレーニングを受ければプロを目指すことができるのでは?と感じるくらいレベルの高いものでした。

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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厳選 ! 「Fuji 86Style」で見かけた素敵な86/BRZカスタマイズ車たち !!

富士スピードウェイで7月31日、恒例の夏の祭典「Fuji 86Style」が開催され、イベント広場には、カスタマイズコンテストに参加したトヨタ86/スバルBRZがずらりと並べられていました。

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そこで今回は、「Fuji 86Style」に9千人超の86・BRZファンが集結!で予告したとおり、会場で筆者の目に止まったステキなクルマ達をご紹介したいと思います。

まずトヨタ86系で目を引いたのがこちらのクルマ。

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黒1色でシンプルにまとめており、控え目なエアロを装着しながらも、よくマッチした大径アロイホイールや、ダークグレー系のストライプをボディ側面に効果的に配するなど、随所に大人のセンスを感じさせます。

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一方のスバルBRZ系ではこちらのクルマが目立っていました。

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アイスシルバー・メタリックのボディにワンポイントとなる「黒」を上手に配しており、白の大径ホイールで上手く引締めています。大口径のチタンマフラーも素敵。

当日はショップによる本格的なカスタマイズ車も出展されており、中でも筆者が注目したのは、DAMDが仕立てた「86VANTAGE」。

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その外観はほぼ全域に渡って手が加えられており、風格のあるフロントグリルやタンカラーのインテリア、よくマッチしたアロイホイールなどが、ダークグリーンメタリックのボディに映え、一世を風靡した「ユーノスロードスター Vスペシャル」をゴージャスにしたような雰囲気を醸し出しています。

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一方、当日はサーキットコースを使って、86によるドリフト対決「FORMULA DRIFT JAPAN 特別戦」 が行われました。

織戸学、谷口信輝選手による追走バトルで、谷口選手が優勝を勝ち取りましたが、織戸選手のマシンが白地にレッドメタリックを配した、遠目からも美しいカラーリングに仕上がっており、ビジュアルの観点ではむしろ優勢だったかもしれません。

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以上、3回に渡ってお届けした「Fuji 86 Style」ですが、いかがだったでしょうか。

今年で7回目を迎える同イベントには、9,000人を超える86/BRZファンが暑い中、遠方から富士スピードウェイに集結するなど、両車への根強い人気ぶりを窺わせました。

Avanti Yasunori

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大幅改良でスポーツカー復権の象徴になれるか!? ─ スバル「BRZ」画像ギャラリー

7月5日に発表、8月1日に発売を開始したスバルBRZは、2012年2月の登場以来、初のビッグマイナーチェンジを受けています。

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外観は、航空機のウィングチップ(翼端板)をモチーフにしたという新意匠のバンパーをはじめ、前後ライトにLEDを採用。ほかにも、フェンダーガーニッシュや17インチアルミホイール、リヤスポイラーもフローティング式の新デザインとすることでスポーティムードを高めています。

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SUBARU_BRZ_29内装のクオリティアップも見どころ。インパネをはじめ、ニーパッドやメーターパネルバイザーにレザー調素材を採用し、細部にはレッドステッチが施されています。

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また、ステアリングホイールの小径化やメーターパネルに4.2インチディスプレイを新たに採用することで、運転環境や各種情報の認知性を高めているほか、ヒーターコントロールパネルやドアスイッチパネルをカーボン調とすることにより、課題である質感向上とスポーティな雰囲気作りがされています。

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新設定された最上級グレードの「GT」は2016年秋の発売予定で、GTにはブレンボ製の対向4ピストンブレーキやザックス製ダンパー、17インチアルミホイール(スーパーブラックハイラスター塗装)などを用意。

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「GT」を設定する狙いは、ピュアハンドリングとフラットライドにあり、まさにグランドツーリング的な味付けになっていますから、スポーティであっても快適な乗り味は譲れないという層にオススメ。

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さらに、この「GT」をベースとしたわずか100台限定の「Yellow Edition」も設定されていて、7月7日から先行予約されています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

最新スバルBRZは「より低くワイドに」をテーマにダイナミックな外観に

今秋登場する新型インプレッサは、次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」やデザインテーマ「DYNAMIC&SOLID」などを掲げ、スバル車が新たなステージに移行するエポックメイキングなモデルになりそう。

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こうなると、ほかのモデルもマイナーチェンジで顔つきを似たイメージに変更する、という統一化を図るのは、スバルに限らず自動車メーカーの常套手段といえるもの。

今夏、ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZも例に漏れず、次期インプレッサ同様に「DYNAMIC&SOLID」というデザインテーマに沿ったフェイスリフトを受けています。

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具体的には、BRZを「より低くワイドに」見せるべく、開口部が少し大きくなった感のある新デザインのフロントバンパーを採用。こちらは、空力向上はもちろん、航空機のウイングチップをモチーフとするなど、スバルらしいこだわりを感じさせます。

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前後のライトをLED化することで上質感を強調しているほか、LEDフロントフォグランプも採用。サイド、リヤでは新デザインのフェンダーガーニッシュ、フローティングタイプの新デザインのリヤスポイラーが主な変更点ですが、スポイラーはアルミ化することで見た目だけでなく軽量化など図られています。

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足元では、「R」、「S」に標準装備される17インチアルミホイールをハイラスター塗装の10本スポークタイプに変更し、よりスポーツカーらしさを強調しています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

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内装の質感向上でスバルBRZは大人のスポーツモデルに変身!?

今夏、ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZ。

「大幅改良前のBRZもベストだと思っていたが、さらに引き上げる」という意気込みをもって、内・外装、走りなどが磨き上げられています。

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外観はフェイスリフトが中心で、MT車のドライバビリティ向上、乗り心地と操縦安定性の改善などが主なテーマ。今回は内装のクオリティアップについてご紹介します。

「所有する喜び」を感じさせるインテリアを掲げた後期型BRZは、Sグレード以上に4.2インチのカラーTFTをメーターに追加しているほか、インパネをはじめニーパッドやメーターパネルバイザーにレザー調素材を新たに採用し、レッドステッチも施すことで上質感とスポーティムードを演出。

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また、新意匠となったステアリングホイールは小径化されているだけでなく、断面形状の最適化に加えて、高触感革を使うことで操作性とグリップ性を向上。実際にしっとりした触感を味わえますし、スポーティな走りをしても滑ってしまうことはありませんでした。

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ほかにも、「R」グレードにカーボン調インパネパネルを、「S」にデザインフルオートエアコンスイッチパネルを採用するなど、スポーツモデルらしさを強調するフィニッシャーも用意されています。

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スバルBRZが取り込みたい若い人はもちろんですが、より本物志向を抱いている大人の層にビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZがインテリアの色気でアピールできるか気になるところ。

とくに、「S」グレードのスポーティな雰囲気が魅力ですが、より上級志向の方には2016年秋に登場予定の最上級グレード「GT」を待つ手もあります。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

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「スバル・BRZ」の毎年の進化はマイナーチェンジへの伏線だった!?

振り返ると、21世紀に入ってから数年でスポーツカーは、その存続が危ぶまれていました。一部の高性能モデルは販売が続いていましたが、その一方で手頃なスポーツカーは姿を消していき、「もはやこれまで……」と嘆いていた方は多いのではないでしょうか?

そんな冬の時代に舞い降りた「BRZ」と「86」。

スバルとトヨタのコラボで生みだされたこの2台は、後輪駆動(FR)を採用するだけでなく、低重心が魅力の水平対向エンジンを搭載し、トランスミッションは6速のATとMTを設定。

価格も手頃だったことから瞬く間に注目を集め、スポーツカーひいては運転することの楽しみを再び味わわせてくれる救世主となりました。

あれから4年。スポーツカーはもちろん、クルマそのものに走る楽しみという潤いをもたらしたこの2台に内外装からパワートレーンにまで及ぶ大規模なマイナーチェンジが行なわれました。

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■大規模改良へ向けた変更を毎年実施!

今回のマイナーチェンジは、内外装の仕立ての刷新からエンジン性能向上に至るまで、その規模は相当に大掛かり。

とはいえ、実は「BRZ」は登場から毎年なにかしらの改良が施されており、具体的にはダンパーのフリクション特性、減衰力特性のチューニング、リヤバルクヘッド周辺の剛性向上、EPSのリチューニングがそのメニュー。また、特別仕様車の設定も行なわれ、毎年話題に事欠く事がありませんでした。

このように毎年進化させる目的は、ズバリ、話題喚起であります。登場当初は爆発的にヒットするものの、話題がないとそのまま台数は右肩下がりとなってしまうそうです。そのため、毎年改良を実施して存在感を示しているとのこと。しかも、「BRZ」の場合、これまでの改良は今回のマイナーチェンジを見据えてのものだったそうです。

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■素材や形状など、細部のつくり込みで魅力を1UP!!

ルックスやパワートレーンの変更が目を引く一方、インテリアは登場以来のレイアウトを踏襲。しかし、改良後の「BRZ」に乗り込むと細部の仕立てが上質になっていて、よりスポーツカーらしさに磨きが掛かっていることが分かります。

真っ先に違いを感じるのがステアリング。セッティングの変更だけでなく、素材と形状も見直し、362mmへ小径化されたことで、より手にフィットする感覚が強められています。さらに、メーターには走行中のGや、水温/油温/電圧などを表示する液晶を採用。いずれもスポーツマインドを高めるだけでなく、実用面でも重要な役割を果たしています。

そのほかには、インパネやドアトリムにレザー調素材をあしらい質感を向上。オーナーの満足度をアップさせる演出が随所に光っています。

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

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サーキットのラップタイム短縮を追求した「ポテンザRE-06D」は「GAZOO Racing 86/BRZ Race」でも使用可能

ブリヂストンが誇るスポーツタイヤブランド「POTENZA(ポテンザ)」の新たなラインアップとして、サーキットのラップタイム短縮を追求した新商品「POTENZA RE-06D」が8月2日に発売されました。なお、発売サイズは205/55R16 91Vの1サイズ。

POTENZA RE-06D(1)新発売となる「POTENZA RE-06D」は、専用開発された構造、パターン、形状、コンパウンドを採用することで、ブロック剛性とコーナリング時の接地性を向上し、ウェット性能とドライ性能の両立を追求。サーキットでのあらゆる場面に対応可能な高いグリップ力を発揮するスポーツタイヤとなっています。

この「POTENZA RE-06D」は、注目度の高い国内最大級ワンメイクレースである「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の「プロフェッショナルシリーズ」の競技規定を満たしているため、同レースでも使用できます。

POTENZA RE-06D(2)

なお、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は、ナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレース。サーキット専用のレーシングカーではなく、ナンバー付のレース参戦用車両であるTOYOTA 86「86Racing」もしくは、SUBARU BRZ「RA Racing」、そして国内Aライセンスがあれば参戦可能。

20141222_02_02SUBARU BRZ「RA Racing」

2015年からは、より多くのクルマ好きが参加できるよう、プロドライバーとアマチュアドライバーが参戦できる「プロフェッショナル」シリーズと、アマチュアドライバーしか参加できない「クラブマン」シリーズの2シリーズ制となっています。

2015年度は全国7か所のサーキットで全8戦が開催され、のべ593台、1大会平均74台が参戦するという盛況ぶりです。

(塚田勝弘)

「プラス2」の後席を持つスバルBRZの走りはどこまで引き上げられたか?

マツダの初代ロードスターの登場が世界的に熱気を持って迎えられたのは、デザインや価格などはもちろん、誰もが気軽にスポーツカーを楽しめるというのが大きかったはずです。

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ワインディングやサーキットでなくても、街中の交差点をひとつ曲がるだけでも楽しい。こんなモデルはスポーツカーに限らず、走りを楽しむ人から歓迎されます。

とくにスポーツカーに大切な旋回性能は、ボディサイズや重量、足まわりのセッティングなど多様な要素により決まりますが、全長やホイールベースの長さが大切です。

トヨタ86/BRZは、ドライバーをより低く座らせるだけでなく、ドライバーを中心に回転するような設計がされていますが、2570mmという長すぎるホイールベースは心地よい旋回性能という面では、物理的な限界も感じさせるところ。

なお、ひと回り以上小さなマツダ・ロードスターは2310mm。

商品企画上、「プラス2」のリヤシートが不可欠なのは理解できるにしても、純粋に走りを楽しむなら「後席要らないかも」と思わされることも。

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そうはいっても与えられた条件下でのハンドリング向上は、スポーティ志向のユーザーも振り向かせるためには欠かせないはず。

ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZは、乗り心地と操縦安定性の両立という、相反するメニューが掲げられ、ダンパーやコイルスプリングのチューニング、リヤスタビ径のアップ、車体剛性強化、EPS(電動パワーステアリング)のチューニングなどが盛り込まれています。

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さらに、サスペンションセッテイングにより、横滑り防止装置であるVDC介入のタイミングを最適化し、スピン回避のため「利けばいい」というレベルから進化。

とくに「Track」モードを追加し、車両コントロール領域を拡大し、通常モードよりもドライバーによるコントロール性を重視するなど、介入のしきい値が変更されています。

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公道の普段使いでは、「Track」モードにはせずに、基本制御が変更されたVDCによる安定感と安心感のある走りを楽しみ、サーキットであればまさに「Track」モードで徹底してコーナーを攻める、そんなメリハリのあるハンドリングが楽しめるのが最新のスバルBRZといえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)

スポーティなのに乗りやすくなった後期型スバルBRZ

トヨタ86、スバルBRZがビッグマイナーチェンジを受けて、後期型にスイッチしました。ここではスバルBRZについて走りの印象をお届けします。

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スバルBRZ(トヨタ86も)の使命のひとつに、20代など若年層にスポーツカーの魅力を届けるというものがあります。

BRZが2012年3月に発売されて以来、グローバル販売台数は約5万5000台、国内は約1万5000台だそうで、台数だけ聞くと物足りなく感じますが、BRZ/86の投入は「いま時の若者」に振り向いてもらい、さらに新型ロードスターの登場もあって国産クーペ/スペシャリティカーという絶滅しかけていたマーケットを活性化させているのは間違いないでしょう。

内・外装の質感向上とともに、新型スバルBRZで追求されているのはドライバビリティの向上。

MT仕様のエンジンは、アルミ化と赤ちぢみ塗装が施されたインテークマニホールドは、吸気脈動効果最大化を図るべくブランチ長最適化、ポート断面積の拡大などが盛り込まれています。

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こうした吸排気のフリクション低減などにより、最高出力は改良前の200ps/7000rpmから207ps/7000rpmに7psアップ。最大トルクも205Nm/6400-6600rpmから212Nm/6400-6800rpmに向上。

また、MTのファイナルギアも4.100から4.300に低くなっているほか、6速の耐久性向上も盛り込まれています。

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7ps/7Nmアップしたパワーとトルクにより、中低速域ではより扱いやすく、高速域では伸びやかさが増しているのは十分に感じられます。とくに、2000-4000rpm付近のトルク増強が利いている印象で、やや改良前モデルで感じられた線の細さは解消されています。

それだけでなく、エンジンレスポンスの高まりや高回転域の吹き上がりもシャープになっていますから街中から高速、ワインディングまで改良前よりも扱いやすく、しかも楽しめるパワートレーンになっているのは朗報。

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ほかにも操縦安定性や乗り心地の向上、新グレード「GT」の設定など見どころは満載となっているスバルBRZ。GTの追加もあってより幅広い層にアピールするスポーティモデルに仕上がっています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

トヨタの「スポーツ・ハイブリッド」戦略は次期86/BRZにも展開される?

日本では「ハイブリッド車」が主流を占めるなか、欧州では「小排気量ターボ車」が普及。さらに近年では環境規制強化に伴い、低燃費車のトレンドが「PHV」に移行しつつあります。

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ただ、燃費性能のみを追求すると、どうしてもクルマ本来の「走る楽しさ」が二の次になりがちです。

そこで、小排気量ターボエンジンに日本のメーカーが得意とするハイブリッド技術を合体させれば、スポーティなハイブリッド車が実現する可能性が出てきます。

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そうしたおり、英自動車メディアが、次期「トヨタ スープラ」にターボ仕様のガソリンエンジンとモーターをドッキングした、いわゆる「スポーツ・ハイブリッド」モデルが存在すると報じて話題になっています。

さらに巷では、2.0Lクラスの出力を持つ1.5Lターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、次期トヨタ86/BRZに搭載する計画がトヨタとスバル間で進みつつあるとの噂も。

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確かにハイブリッド車の普及拡大にともない、走る楽しさを備えたスペシャリティ感のある「スポーツ・ハイブリッド」の需要が出てきても不思議ではありません。

次期スープラに加え、次期86/BRZの開発動向についても注目されます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、SUBARU)

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マイナーチェンジでスバルBRZと統一されたトヨタ86の「あの」部分とは?

「トヨタ86」と「スバル BRZ」のマイナーチェンジが7月5日に揃って発表され、8月1日に発売が予定されています。

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今回のマイナーチェンジでは、エンジンや足廻りなど「走り」に直結する部分の性能が向上したほか、外観についてもフロントバンパーの意匠や、前後ランプのLED化などが図られています。

そうしたなか、今回86のフロント周りに興味深い変更が織り込まれています。

現行の「86」では「BRZ」との差別化を目的に、フロントターンランプがバンパー両側の低い位置に設置されており、当初チューン業界で物議をかもした経緯があります。

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そんな背景もあってか、マイナーチェンジではフロントランプの機能配置をBRZと統一、フロントターンランプのLED化を機に、ヘッドランプ内に移設されています。

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今回、バンパ内のランプが両車共にフォグランプのみとなったことで、新型86とBRZのフロントバンパーに互換性が生まれました。

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全長も変化しないため、好みで86にBRZのフロントバンパーを装着したり、BRZ用の社外パーツの流用等が可能になり、ドレスアップの幅が広がるという訳です。

その逆(BRZ→86)もしかりで、オーナーにとっては新たな楽しみが増えそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、SUBARU)

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「GT」と「S」どちらのグレードが買い? 207馬力にパワーアップしたBRZに試乗

2016年8月1日より発売されるスバルBRZの大幅改良モデルに乗ることができました。

今回のビッグマイナーチェンジでは、内外装が変化しているだけでなく、MTモデルのエンジン出力アップ(200馬力→207馬力)と、ファイナルギアのローギアード化(4.1→4.3)による動力性能やフィーリングの変化も見逃せないポイントです。

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もともとBRZはパワーに頼るキャラクターではありません。今回のマイナーチェンジでも、ボディ剛性アップや、それに合わせてサスペンションのセッティングも変更することにも注力しているといいます。

そうして標準車のシャシー系もレベルアップしていますが、シャシー系のアイテム(ブレンボブレーキやザックスダンパー)をグレードアップした最上級グレード「GT」が追加されるというのもトピックスのひとつでしょう(GTの発売は2016年秋予定)。

まだ発売前ということもあり、参考価格が発表されているのみですが、その価格は331万5600円(MT)。

標準仕様の価格帯243万円〜297万円(MTの場合)と比べると、十分に高価に感じます。果たして、価格差だけの価値は感じられるのでしょうか。

今回、従来の最上級グレードである「S」の進化版と、新たな最上級グレードとなる「GT(プロトタイプ)」、いずれもMT車を同条件で、比較しながら乗りことができました。

メーカー希望小売価格297万円の「S」と、それに対して34万5600円高のGT(プロトタイプ)。

果たして、ドライビングの満足度には価格なりの違いが明確にあったのかといえば、答えはノー。第一印象は、意外にも「S」にドライビングファンを感じるものだったのです。

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その理由はタイヤとのマッチングにあります。いずれのグレードも、ミシュラン・プライマシーHP(215/45R17)を履いていますが、おそらく「S」は標準タイヤに完璧にターゲットを合わせたシャシーと感じられたのです。

それはブレーキやサスペンションから感じたことで、フルブレーキングをしたときの減速感も互角ですし、旋回しながらアクセルを開けていったときの粘り具合も同様。むしろ加速状態で適度にリアが沈み込む「S」の方が、安心してアクセルを踏んでいけると感じたくらいなのです。

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発想を転換して、タイヤをグレードアップしていくと想像すると「GT」の充実したシャシーとバランスが取れ、その能力を存分に味わうことができそうな予感。

自動車メーカーの標準装着タイヤというのは、雪道用のチェーンを装着することも考慮しなければいけないので、ドライ路面での走りだけを考えて選定することはできません。

今回のマイナーチェンジではボディ寸法などには手を入れていませんから、「GT」グレードであっても標準装着は215幅となってしまうとエンジニア氏は言います。

件のエンジニア氏は明言したわけではありませんが、その言葉の行間と「GT」グレードの印象からは『225サイズのタイヤであれば』、『もっとグリップ重視の銘柄であれば』、まったく違う印象になるであろうということは感じられます。

BRZというクルマは、ノーマル状態で乗るだけでなく、オーナーの好みに合わせてモディファイすることも含めてスポーツカーとして受け入れるというキャラクターも持っています。

そうした部分も含めて考えれば、吊るしで楽しむのであれば「S」が最適バランス。一方、タイヤ・ホイールのグレードアップを考えているのならば「GT」を選ぶのがベターといえそう。

17インチに収まるブレンボブレーキですが、その存在感は大径ホイールを履かせても色褪せることなく、相乗効果で足元をマッシブに魅せると思えるからです。

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■スバルBRZ S(6MT)主要スペック
車両型式:DBA-ZC6
全長:4240mm
全幅:1775mm
全高:1320mm
ホイールベース:2570mm
車両重量:1240kg
乗車定員:4名
エンジン型式:FA20 D-4S
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1998cc
最高出力:152kW(207PS)/7000rpm
最大トルク:212Nm(21.6kg-m)/6400-6800rpm
変速装置:6速MT
燃料消費率:11.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:215/45R17
メーカー希望小売価格(税込):297万円

(写真と文 山本晋也)

86/BRZは値落ちするも、絶版車のS15シルビアが値上がりする3つの理由とは?

2013年の東京モーターショーでワールドプレミアされたIDxコンセプト。510ブルーバードを彷彿させるレトロなスタイリングとコンパクトサイズのFR車はポストシルビアと言われ注目の的となりました。

S15フロント

一時は市販化決定!と言われていたIDxですが、2015年の東京モーターショーではIDxの市販モデルの出展はなく、市販化の進行状況は不明です。

そんなタイミングでドリフト御用達として人気のFR車、日産シルビアの最終モデルS15型(1999年〜2002年)の中古車が値上がり傾向となっています。

ID-X IDX2

中古車検索サイトカーセンサーnetによると、掲載台数は330台前後、平均走行距離も9万3000kmと目立った動きがないにも関わらず、平均価格は3月の末に110万円と最近の最安値を記録して以降再び値上がりしはじめ、現在では116万円まで平均価格は値上がりしています。

S15リア S15インパネ

S15型シルビアは2L直4DOHCエンジンを搭載したスペックSと2L直4DOHCターボエンジンを搭載したスペックRの2種類のグレードがあります。中古車の比率は1:2でターボエンジンを搭載したスペックRのほうが多いのが特徴です。

S15エンジン

S15シルビアの中古車が値上がりは中古車の約63%を占めるスペックRが値上がりした影響によるものです。

中古車の中にはチューニングを施した新車時価格以上のプライスを付ける中古車もありますが、数は少ないながらもノーマル車も流通しています。

このようなノーマル車も段々と少なくなっていくので、手に入れるなら急ぐべきです。

同じFRクーペでは2012年に登場したトヨタ86/スバルBRZの中古車も多く出回るようになり、S15型シルビアと価格がクロスオーバーしてきました。

86やBRZの中古車の平均価格は値落ちしているにも関わらずS15型シルビアは値上がりしています。これは漫画やD1などの影響、そしてハイパワーのターボ車、さらに豊富なアフターパーツが販売されているという3つが理由のようです。

S14 S13

S15型シルビアは値上がりしていますが、先代となるS14型シルビアの平均価格は横這い、そしてS13シルビアは値落ちと各世代でバラバラな動きとなっています。

しかし、S14型シルビアよりも年式の古いS13シルビアの中古車は平均価格で20万円も高いのは正直驚きです。

S15オーテック S15ヴァリエッタ

またS15型シルビアにはNAエンジンを搭載したオーテックバージョンと電動開閉式ルーフを採用したヴァリエッタというオーテックジャパンが製造したモデルがあります。オーテックバージョンは横這いで目立った動きはありませんが、4シーターオープンカーのヴァリエッタは全国で10台しか流通しておらず、しかもこの1カ月は平均価格が6万円も値上がりしています。

毎年秋に開催されるオーテック里帰りミーティングにシルビアで参加したい人も早めのチェックが必要です。

(萩原文博)

新型BRZ登場!米国スバルが2017年モデルを先行公開!

スバルの米国法人がBRZの2017年モデルの概要を公開しました。

発売から4年半を経て、ついに本格的なマイナーチェンジを実施。2017年モデルではバンパーやランプ類の意匠が変更されています。

SUBARU_BRZ

ヘッドランプやテールランプがLED化されており、リヤスポイラーについてもデザインを変更。

SUBARU_BRZ SUBARU_BRZ

インテリアではステアリングホイールやメーターのデザインが変更されており、シートの質感が向上しています。

SUBARU_BRZ

BOXERエンジンにも手が加えられ、205psに出力が向上。足周りには17インチ×7.5Jの黒色アロイホイールにミシュランタイヤを装着、サスペンションはザックス製のショックアブソーバーを装備しています。

SUBARU_BRZ SUBARU_BRZ

ちなみに、姉妹モデルのトヨタ86は3月のニューヨークモーターショーでマイナーチェンジモデルを発表済みで、今秋の発売を予定していることからBRZも同時期に発売されると予想されます。

SUBARU_BRZ

米国スバルは6月12日に詳報を公開するとしており、今後の情報が待たれます。

公式サイト:2017 Subaru BRZ | Subaru

Avanti Yasunori ・画像:SUBARU USA)

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豪トヨタが開発した「86シューティングブレーク」とは?
http://clicccar.com/2016/05/08/370773/

トヨタ「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといいクルマ」だった
http://clicccar.com/2016/04/30/369670/

【ニューヨークモーターショー16】トヨタ・86のマイナーチェンジモデル発表!
http://clicccar.com/2016/03/20/361101/

次期「86/BRZ」も富士重工業とトヨタが共同開発、2021年にはEV投入!

先頃社名を2017年4月1日以降「SUBARU」に変更すると発表した富士重工業ですが、同社の吉永社長は提携しているトヨタ自動車と開発面で協力を深める方針を改めて示しました。

SUBARU

これは日経新聞の取材に対して明らかにしたもので、次期「86/BRZ」についても共同で開発するほか、PHVなどの電動車両についてもトヨタの技術を導入することを明言。

吉永社長は「巨額の投資を伴う環境技術を全て自社開発するのは難しい」としており、トヨタからハイブリッド技術で協力を受ける一方、同社のエンジンを搭載した「トヨタ86」「スバルBRZ」の次期モデル開発に向けて協議を進めていることを明らかにするなど、開発面でもトヨタとの協力を続ける考えを示しました。

同社は主力の米国工場でトヨタ車の生産を受託(〜今夏)しており、年内に61万5千台の販売達成に自信を見せています。

また、吉永社長はNHKの取材に対して5年後の2021年をめどに電気自動車を発売するとコメント。走行中に排出するCO2を大幅に抑えるエコカーの開発競争が激しさを増すなか、一旦撤退した電気自動車を再び開発し、発売する方針を明らかにしました。

米カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制が今後更に強化され、富士重も同規制の対象となるため、ZEVを一定以上販売する必要があります。

SUBARU

ZEV規制では2018年までにカリフォルニア州内で販売する車のうち、16%をゼロエミッション車にするよう、自動車メーカーに義務付けています。

これに対応すべく、同社としてはガソリンモデルのプラットフォームをベースにEVを開発することでコストアップを抑制、車両価格を抑えたい考え。

同社では以前に軽自動車「STELA(ステラ)」にリチウムイオン電池を搭載したEV「スバル プラグイン ステラ」を国内の法人向けにリース販売していましたが、インフラ整備が進まないことや、軽自動車の自社生産から退いたことからEV事業からも撤退した経緯があります。

SUBARU_Plugin_STELLASUBARU

今回同社が米国に投入するEVは、その際に蓄積した技術をベースに自社で開発を進めていく方針のようで、吉永社長はどのモデルにEVを設定するかは未定としています。

このように同社では一昨年にお伝えしたEV参入への動きががいよいよ具体的になってきたようです。

Avanti Yasunori

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富士重工業が「株式会社SUBARU」に2017年4月1日より社名変更
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