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NEDOが「超急速充電」できる2階建てEVバスを実証試験!

経済産業省が所轄するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、重量の制約上、EV化は困難とされていた2階建て大型EVバス(ダブルデッカー)の実証試験をマレーシアで実施するそうです。

NEDO

同機構は2015年度から現地で実施しているEVバスシステム実証事業を通して、マレーシアの都市交通スマート化と、都市交通事業の広域展開を目指しています。

実証試験は東芝、ピューズ、ハセテック、オリエンタルコンサルタンツグローバルの4社、及びマレーシアのバス運行会社であるPAPSB社と共同で行う模様。

NEDOとマレーシアのプトラジャヤ市が6月3日、新たな実証試験で協力して行くことで合意、基本協定書を交わしました。

主な実証内容は以下の3点となっています。

・超急速充電が可能な超寿命二次電池搭載のEVバス走行
・超急速充電システムの現地設置
・バス運行状況モニタリング、電池の品質、充電状態確認

実証試験用の2台のEVダブルデッカー(長さ12m)は、僅か10分間で充電できる「大電力充電技術」を採用、ディーゼルバス並みの運行性能を保有しているといいます。

NEDOは日本の技術を活用し、現地企業とも連携しながら、本事業をショーケース化することで、マレーシアがASEANのEVハブとなることに貢献、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指すとしています。

Avanti Yasunori

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経産省がEV・PHVの普及促進で「ロードマップ」を公表!

経済産業省が3月23日、自動車メーカーや電力会社、大学教授など、幅広い関係者で構成される「EV・PHVロードマップ検討会」でとりまとめた「EV・PHVロードマップ」を公表しました。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

次世代自動車「EV」や「PHV」は「FCV」と共にCO2排出削減効果が高く、災害対応等の新たな価値も期待できることから、経産省が普及に向けて2020年までに必要となる戦略について検討を重ねて来たもの。

EV_PHV(出展 経済産業省)

「PHV」はこれまで日本が先行して普及させて来たハイブリッド車に、モーター(EV)走行のための充電機能を持たせたもの。

欧州では「EV・PHV」を次世代自動車の主軸に位置付けており、日本にも多くのモデルを投入するなど、その動きが積極化しています。

EV_PHV

こうした状況を受け、今回公表された「EV・PHVロードマップ」の概要は以下となっています。

・2020年における普及台数目標を最大で100万台に設定
・電欠回避のため、わかりやすい場所に充電器を計画設置
・EV、PHVユーザーが設置費を広く薄く支える仕組みを作る
・国民の4割が居住する共同住宅への充電器設置を促進
・居住者の合意形成を得るための必要情報をガイドブック化

経済産業省は「EV・PHVロードマップ」を「水素・燃料電池戦略ロードマップ」のFCVに関連する部分とともに、今後の次世代自動車戦略の柱としていくそうです。

Avanti Yasunori

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2025年度までに320ヵ所へ!経産省が水素ステーション展開促進で行程表を改定

経産省が3月16日、FCV(燃料電池車)に燃料を供給する水素ステーションを2020年度に160カ所、2025年度までに現在の4倍となる320箇所に増やす計画案をまとめたそうです。

IWATANI(出展 岩谷産業)

当初、2015年度内に全国4大都市で100ヵ所の水素ステーションを展開する計画でしたが、開業に漕ぎ着けるのは80ヵ所に留まる見通し。

HONDA_CLARITY(出展 HONDA)

その背景には、水素取扱いに関する厳しい安全基準を強いていることから、設置費用が通常のガソリンスタンドの5倍(約5億円)かかるという課題があります。

そこで経産省は、補助金により企業の活動を後押しするとともに、コスト低減が見込める機材調達先の規制緩和や、運営費の低減に向けた「セルフ式充填」の解禁、さらには大型トラックの荷台部に水素充填装置を積んだ「移動式スタンド」などの普及を促進するそうです。

HONDA_CLARITY(出展 HONDA)

一方、FCVの車両価格についても、2025年を目処に普及価格帯(200万円台)にまで引き下げるべく、トヨタ、ホンダ以外のメーカーからのFCV参入に向けて研究開発を支援、販売台数拡大に繋げる考え。

新聞報道によると同省は水素利用拡大に向けて行程表を改訂、FCVの販売台数を2025年までに20万台、2030年までに80万台の普及を目指す数値目標を設定した模様。

政府は2020年に開催される東京五輪で世界に向けて水素社会実現に向けた取組みをアピールするとともに、その活動に弾みをつけたい考えで、行程表改定もそうした一連の流れの線上にあるようです。

Avanti Yasunori

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一昨年12月、トヨタ自動車が世界に先駆けて水素燃料で発電しながらモーターで走行する燃料電池車(FCV)「MIRAI」の量産をスタートさせました。

TOYOTA_MIRAI(出展 TOYOTA )

今年3月10日にはホンダが独自開発したFCV「クラリティ」のリース販売を開始するとともに、17日に第1号車を経産省に納車、来秋には一般販売を開始するとしています。

HONDA_CLARITY(出展 HONDA)

こうした状況を受け、経産省資源エネルギー庁が自動車メーカーや水素を供給するエネルギー業界、学識者などを交えた有識者会議を開催、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の改定内容をまとめました。

国内で500台程度の普及に留まっているFCVについて、2020年までに約4万台、2025年までに約20万台、2030年までに約80万台に増やす数値目標を設定したそうです。

また今年の3月末時点で目標(100ヵ所)の8割に留まっている水素ステーションについても2020年度までに約160カ所、2025年度には約320カ所まで拡大する計画。

TOYOTA_MIRAI(出展 TOYOTA)

加えて、FCVの車両価格が現状700万円台と高額なことから、燃料電池のコストを2020年までに半減、2025年までには25%に圧縮することで、普及価格帯(200万円台)にまで引き下げる考えのようです。

これにより販売台数が増えることで、水素の使用量が増え、水素ステーションの稼働率が上がり、ステーション数についても更なる拡大が期待できそうです。

Avanti Yasunori
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