Motor Fan's YEAR 2016

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C-HRも登場!初代クラウン、トヨタ7からレクサスLF-A、ヤリスWRCなど滅多に見れないレア車満載だったTGRF【TGRF2016】

11月27日に富士スピードウェイで開催さたTOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL(以下TGRF)。

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様々なカテゴリのレーシングカーが一挙に並んだウェルカムセレモニーは圧巻。そしてスーパーフォーミュラーとSUPER GT、そしてニュルブルクリンク24時間参戦マシンが同じにグリッドにつくという違和感も、お祭な雰囲気で楽しいものです。

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そのウェルカムセレモニーでいきなりサプライズ登場したのが、豊田章男社長を乗せて登場したヤリスのWRCテストカー。

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来年の参戦を狙って開発中のこのマシン、お披露目にはまだ早い段階だと思われますが、だからこそのサプライズ。豊田章男社長を満足げです。

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トヨタのWRCチームを率いるWRC伝説のドライバーであるトミ・マキネン氏の華麗なドライブがセレモニーを盛り上げてくれました。

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セレモニーで走行したレアなクルマはヤリスWRCテストカーだけではありません。トヨタ初の純レーシングカーであるトヨタ7。もう50年以上前のレーシングカーが富士スピードウェイをレーシングスピードで周回できるというのも驚き!完璧な修復と保存が行なわれているようです。

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「旧い」ということではこちらも驚きの展示だった初代クラウン。

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なんと室内を一般開放。来場者は自由に初代クラウンを味わえるという展示。太っ腹な企画です。

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もうひとつの「旧いクルマ」は初代カローラ。こちらの展示は初代と最新型を並べてカローラ50年の進化を感じてもらおうという内容。ぱっと見ただけでも最新型は大きくなっていますね。

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いよいよ先行商談予約が開始された注目の新型車C-HR。そのプロトタイプモデルのニュルブルクリンク24時間レース参戦車両も出展されていました。

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それも、ガチで走ります。ニュル参戦車両による模擬レースではLF-AやRC-Fに混ざってガッツリ攻め込んで走ります。

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C-HRが参加した模擬レース、実はLF-Aは4台も参加。

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ニュルに参戦した際のカラーリングもそのままで、各参戦年度の特徴もわかる模擬レース。

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この模擬レースには豊田章男社長も参加。これだけのレアなクルマたちを出し惜しみせずに参加させるイベントTGRF。悪天候なのに4万人以上の来場もうなずけます。

(写真・文:松永和浩)

モータースポーツの一番やさしい入口「オートテスト」に挑戦!【TGRF2016】

TGRFの楽しみは、レースやレーシングカー・最新モデルの市販車を見たり、レーシングドライバーと触れ合ったりと色々ありますが、体験型のプログラムも数多く用意されています。

なかには無料で参加可能な体験イベントもあり、そのいくつかを挑戦してきましたので紹介します。

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最初はオートテスト。オートテストはイギリス発祥のモータースポーツです。英国内では年間1000回以上と日常的に開催されているそうで、今年の6月より日本でもJAFの公認競技となりました。

ジムカーナ競技のように、パイロンを立てたコースを順番通りに通過してタイムを競います。パイロンに接触するとタイム加算となるペナルティはジムカーナと同様ですが、途中に車庫入れ=バックギアの使用が設定されるなどの特色もあります。

ほかのモータースポーツに比べて速度が遅いため、ヘルメットやその他の安全装備(4点式シートベルトやロールケージなど)を求められず、普段使っているマイカーで参加できる敷居の低さも魅力です。助手席に人を乗せての参加も可能なイベントも多い様です。今回もカップルや親子で同乗された方も居ました。

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申し込みをすると、免許証の確認・誓約証の記入を行います。次に事前のブリーフィングでルールなどの簡単な説明を受けました。

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海外ではショッピングセンターの駐車場位の広さで開催されるのが一般的だそうです。今回の開催場所は、ジムカーナ競技で使われる広い場所なのでアクセルを開けられるレイアウトにされたとか。もっとも、それだけ難易度上がりますが……

通常はコースを覚えるための完熟歩行などを行いますが、今回は多くの方に参加してもらうため、その時間は無し。代わりにコースに白線が引いてあります。

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白線を中心に走るとパイロンに接触せずにコースを走れるという優しさですが、あくまで目印にすぎず、速く正確に走るためには違うラインを取る必要があります。

Gr.A セリカや来年のWRCカーも登場したトヨタ・ガズーレーシングフェスティバル2016

11月27日富士スピードウェイでトヨタ ガズーレーシングフェスティバルが開催されました。事前の天気予報は雨でしたが、オープニングセレモニー開始時には雲も切れました。

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オープニングでは、伝説の名車・トヨタ7やガズーレーシング活動最初のレーシングカーであるアルテッツァを始めとした歴代・最新のレーシングカーがコースに入場。

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ラストには12月にフィンランドで発表予定の2017年WRC参戦マシン、ヤリスWRC(日本名ヴィッツ:テストカー)が登場

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ドーナッツターンのパフォーマンスを見せた後、スタンド正面に停車。車からはWRCチーム代表のトミ・マキネンとチーム総代表の豊田章男・トヨタ自動車社長が登場しました。

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秘密感たっぷりのカモフラージュ塗装で現れたこの車両、テストカーとはいえ本当に秘密だらけだったようで、あっという間に引き揚げられて会場展示はされませんでした。

セレモニーは例年とは異なり、観客の方をコース上に入れての進行。AKB48のパフォーマンスや参加ドライバーの紹介、GAZOO RACING総代表豊田社長の開会宣言と華やかに進みました。

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イベントはスピードウェイの各所で開催されました。

オープニング直後のピット裏(パドック)では今回の目玉企画の一つ、サーキット内の各所を使って行うラリーのセレモニアルスタートが行われました。

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先頭はトヨタ・セリカST185。

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WRCのドライバー&メイクスのダブルタイトルをトヨタに初めてもたらした名車です。そのドライバーは、日本人でサファリラリーを制した藤本吉郎選手。まるでヨーロッパのWRCのように観客が車を間近に取り囲む中、競技区間が設けられた会場にスタートして行きました。

ほかにもレース、デモ走行、展示に参加型イベントなど今年も「車と楽しい」に関する多くの催しが開催されたTGRF。

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イベントのフィナーレを飾る恒例のグリッドウォークはイベント終盤に降り出した雨のため、ピットウォークの形に替わりましたが、最後まで賑わいが絶えないイベントでした。

(川崎BASE)

EVとして蘇ったトミーカイラZZが「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016」に初参加

2016年11月27日に富士スピードウェイで開催される「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016(入場無料)」に、GLM社の第1号車種であり、日本初のスポーツEVの量産車トミーカイラZZが登場します。

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トミーカイラZZは、0-100km/h加速を3.9秒でこなす性能の持ち主。現行のポルシェ911GTSが4.0秒ですからその能力の高さがうかがい知れます。さらに、軽量EVスポーツカーらしい軽快なフットワークも特徴。

英国で最も格式の高いモータースポーツイベントである「Goodwood Festival of Speed 2015」でも驚きをもって迎えられたそうです。同車の航続可能距離は120km(急速充電CHAdeMO対応)、最高出力: 225kW(305ps)、最大トルク: 415Nm。99台限定で価格は800万円(税抜き)となっています。

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富士スピードウェイでは、その加速感を会場内の本コースで12:05から見ることができるほか、国内初披露となるトミーカイラZZによるドリフト走行をプロドライバーの川畑真人氏がドリフト専用会場「ドリフトエクスペリエンス(Drift Experience)」で4回(8:30〜、12:50〜、13:55〜、15:00〜 各会5分程度)披露する予定。

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多彩なイベントが用意されている「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016」。訪れる予定がある方は、貴重な機会であるトミーカイラZZの勇姿を目撃してみてはいかがでしょうか?

(塚田勝弘)

トヨタ社長とクルマで遊ぼう! TGRFが今年も富士スピードウェイで開催

今年もモータースポーツシーズンが終了し、各自動車メーカーのファン感謝祭の季節になりました。その先陣を切り11月27日に「TGRF(TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL)」が富士スピードウェイで開催されます。

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このイベントには毎年伺っていますが、とにかく楽しい。GAZOO RACING総代表でトヨタ自動車社長の豊田章男氏がホストとなり、ゲスト(来場者)を楽しませるイベントとして企画されていますが、その本気度がスゴイです!

まず、入場料が無料!(注:駐車場代はかかります) ほかの感謝イベントでは一人ずつ入場料が必要ですから、会場内設けられたGAZOOMUAR(ガズー村)など、いつもはサーキットに出店していない美味しいグルメを楽しみましょう。

昨年のオープニングセレモニーでは、章男社長自身が元WRCチャンピオンのトミ・マキネン氏と2台でのドリフトパフォーマンスを披露しました。

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自らクルマ評価の腕を磨くため、レーシングドライバーとしてニュルブルクリンク24時間耐久レースを走り、またラリーストモリゾウとしてラリーに参加する章男社長だからできる最初のおもてなしでした。

そしてセレモニー会場へ、一緒にイベントを盛り上げるドライバーを握手で迎えます。こちらは2012年からの恒例行事。

国内トップクラスのレーシングドライバーでも普通はそう簡単に顔を会わせることができない章男社長からの呼び込み、イベントやファンサービス頑張らなきゃ!という気になりますよね。

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今年もオープニングセレモニーでは何か企画されているようです。楽しみですね。また、これ以降も章男社長はドライバーモリゾウとして会場のあちこちに出没します。お子さんはモリゾウさんに声を掛けるといい事があるかもしれませんよ。

TGRFでは他メーカーのクルマも走ります。メーカーの主催イベントでは、他社製レーシングカー・車はほとんどイベントに参加していない印象が多いですが、TGRFではトヨタ、ダイハツ、スバルなどトヨタ系メーカー車だけでなく、GT-RやZ、シルビアなどもガンガン走ります。この辺りはモータースポーツ全体を盛り上げようという心意気に溢れていています。

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また、スーパーGTやラリー、ニュルなど各カテゴリーごとにトークショーが開催され、とっておきの裏話を披露します。今年は脇阪寿一さんがMC?でお話を展開するようです。

普段のレースではなかなかドライバーと触れ合う機会が無いですが、TGRFではサインなどにも気さくに応じてもらえます。現役ドライバー以外にも「日本一速い男」星野監督や「マカオの虎」舘監督をはじめ、辰巳監督や近藤(真彦)監督など…レジェンドがたくさん会場に来ています。

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ほかにも、SUPER GT/SUPER FORMULA スペシャルバトルやAKB48、TEAM8のライブなど恒例のイベントや、「ワクワクPOTENZAドライブ」や「レーシングシミュレーター」などの体験型イベントが実施されます。

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そして今年は、「ラリー選手権 エキシビションマッチ」に注目です!これは全日本ラリー参戦車両を中心に、富士スピードウェイ構内の3カ所でデモンストレーションが行なわれるイベント。会場を本番SS(スペシャルステージ:タイムアタック区間)として走行します。
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このイベントには、95年にサファリラリーを日本人で唯一制覇した藤本吉郎氏が参加。ST185セリカも走行車両に含まれています。

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近年は展示だけで国内で走行シーンが披露されなかったGr.Aセリカの走りに期待が高まります。来年からWRCに復活参戦するトヨタ、ラリーのPRに力が入っている様です。

国内最大級のワンメイクレース「TGR 86/BRZ Race Round TGRF」と「TGR Netz Cup Vitz Race Grand Final」の決勝レースも開催されます。こちらはスタンド一杯の観客を前にした晴れ舞台。バッチバチの真剣勝負が繰り広げられます。

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ほかにも新旧レーシングカーの展示、各種レーシングカー・D1マシン・ラリーカーなどへの同乗走行やレーシングドライバーが操るサーキットタクシー、バスによるサーキットサファリも人気のイベントです。

エンディングとなるコースを開放してのグリッドウォークまで、クルマの楽しさ・面白さを再発見できるTGRF。車好きならメーカーの垣根を越えて一度行く価値の有るイベントです。

(川崎BASE)

サーキットのラップタイム短縮を追求した「ポテンザRE-06D」は「GAZOO Racing 86/BRZ Race」でも使用可能

ブリヂストンが誇るスポーツタイヤブランド「POTENZA(ポテンザ)」の新たなラインアップとして、サーキットのラップタイム短縮を追求した新商品「POTENZA RE-06D」が8月2日に発売されました。なお、発売サイズは205/55R16 91Vの1サイズ。

POTENZA RE-06D(1)新発売となる「POTENZA RE-06D」は、専用開発された構造、パターン、形状、コンパウンドを採用することで、ブロック剛性とコーナリング時の接地性を向上し、ウェット性能とドライ性能の両立を追求。サーキットでのあらゆる場面に対応可能な高いグリップ力を発揮するスポーツタイヤとなっています。

この「POTENZA RE-06D」は、注目度の高い国内最大級ワンメイクレースである「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の「プロフェッショナルシリーズ」の競技規定を満たしているため、同レースでも使用できます。

POTENZA RE-06D(2)

なお、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は、ナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレース。サーキット専用のレーシングカーではなく、ナンバー付のレース参戦用車両であるTOYOTA 86「86Racing」もしくは、SUBARU BRZ「RA Racing」、そして国内Aライセンスがあれば参戦可能。

20141222_02_02SUBARU BRZ「RA Racing」

2015年からは、より多くのクルマ好きが参加できるよう、プロドライバーとアマチュアドライバーが参戦できる「プロフェッショナル」シリーズと、アマチュアドライバーしか参加できない「クラブマン」シリーズの2シリーズ制となっています。

2015年度は全国7か所のサーキットで全8戦が開催され、のべ593台、1大会平均74台が参戦するという盛況ぶりです。

(塚田勝弘)

GAZOO Racingの動画「ホバーカー(空飛ぶクルマ)86」がトヨタの戦略を示唆!?

トヨタ自動車がGAZOO Racingのサイト「THE WORLD IS ONE FUTURE」で、未来都市を浮揚しながら走行する「AE86」を登場させました。

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動画の解説には「クルマはひとの心を動かすもの」、「大きな進化をしようとしている今、思う」とのコメントが付けられています。

同社は2014年6月9日、ブルームバーグが米サンフランシスコで開催したサミットで、路面から浮いた状態で移動する事が可能な「空飛ぶクルマ(ホバーカー)」の研究・開発を進めていることを明らかにしました。

TOYOTA_Hover_Car(筆者によるイメージ)

トヨタと一緒に登壇したNHTSA(米運輸省道路交通安全局)のデビッド・フリードマン局長がこのトヨタの先端研究に「将来有望な革新的技術」とコメント。

2015年8月には「不可能を可能に」をテーマに、レクサスのCMで超伝導体を内蔵した磁気浮上方式の「ホバーボード」を実際に開発。米人気映画「BTTF」(バック・トゥ・ザ・フューチャー)を彷彿させる華麗な滑りを披露しました。

さらに、翌月には北米の開発拠点であるTEMAから「空飛ぶクルマ」に関する特許を出願しています。

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そして今回、CGで「空飛ぶAE86」を表現した動画を公開するなど、これらの動きはバラバラでは無く、一つの線上に繋がっているようです。

このCGをよく見ると、通常の道路ではなく、リニア新幹線の線路にも似た磁気レーン上を浮揚走行しています。

ともすると見落としてしまいそうですが、ここにもトヨタが考えている「空飛ぶクルマ」の実現に向けた構想が暗に表現されているようです。

突拍子の無い話に聞こえますが、トヨタが「ホバーカー」の実現に向けて何らかの開発をしていることは間違いなさそうで、実現すれば世界で初めて量産車から車輪を廃するのは同社となるのかもしれません。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車)

【関連記事】

空飛ぶAE86の世界でも、あの風の感触はかわらない?
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トヨタが「空飛ぶクルマ」の特許を出願!
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不可能を可能に!「レクサス・ホバーボード」完全浮上
http://clicccar.com/2015/08/05/320432/

トヨタがクルマからタイヤを無くしてしまうかも!?
http://clicccar.com/2014/06/26/259753/

【ニュル24時間レース・2016】悪天候の中、トヨタ「C-HR」がクラス3位で完走!

5月28日、29日の2日間に渡って独ニュルブルクリンク24時間耐久レースの決勝レースが開催され、TOYOTA GAZOO Racingチームの3台中、2台が完走しました。

今回完走を果たしたのは、トヨタ自動車が今秋の発売を予定している「C-HR」をベースにした「TOYOTA C-HR Racing(♯326)」と「LEXUS RC-F(♯36)」。

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初日の15時30分(現地時間)にドライコンディションでスタートした決勝戦でしたが、約40分後には天候が一転、アーデナウ付近で雹(ひょう)が混じるゲリラ豪雨に見舞われ、路面が白く氷結。

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コーナーでスリップによるクラッシュが多発する大混乱のレース展開となりました。

そうしたなか、影山正彦選手、佐藤久実選手、片山智之選手、H.Daenens選手の4名が交代で駆る「TOYOTA C-HR Racing」は無事混乱を切り抜け、車高高めのSUVモデルにも拘わらず、終始安定した走りで快走。

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途中、クラス2位まで浮上するほどの快調な走りを見せていましたが、ガス欠が発生、コース上でストップしたため、ピットまで牽引されるハプニングも。

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しかしながら、燃料補給後は何事も無かったかのように快走。SP2Tクラス(排気量1,620ccまでのターボエンジン搭載クラス)3位・総合84位でゴールしました。

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同車の開発責任者であり、レースへの出場経験も豊富な古場(こば)主査を中心に、決勝までにマイナートラブルを潰し込んだのが奏功、初出場ながらも幸先の良い成績を残す結果となりました。

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一方の「LEXUS RC-F」も決勝戦では安定した走りを見せ、SP-PROクラス(排気量3,000cc以上で広い改造範囲が認められたクラス)1位、総合24位で完走。

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しかし、もう一台の木下隆之選手らが駆るSP3Tクラス(排気量2,000ccまでのターボエンジン搭載クラス)で出場した「LEXUS RC(♯188)」は原因不明の駆動系トラブルに見舞われ、チームが夜を徹して懸命の復旧を試みるもコースに戻る事は無くリタイアに追い込まれました。

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GAZOO代表のモリゾウこと豊田章男社長は、「ニュルへのチャレンジも10年目を迎え、改めて現実を物凄く思い起こさせてくれた」「天候やクルマの状態など、もっといいクルマ作りと人材育成には色々な課題を残したが、多くの人にバッターボックスに立つ機会を与え、各々がナイススイングをしてくれたニュル24時間だったと思う」とコメントしています。

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ちなみにモリゾウ選手は決勝戦でステアリングを握ることはありませんでしたが、予選に出走し、「LEXUS RC」でニュルとの対話を行ったようです。

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トヨタは「今回の結果がゴールではなく、いいクルマ作りのためのスタートであることは、初挑戦の2007年以来変わらないテーマ」としています。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車)

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ニュル参戦10年を迎えたトヨタ発のミニバン「G’s VOXY」がサーキットで意外なほどの実力

去る3月末日、袖ヶ浦フォレストレースウェイでG’s、GRMNのフルラインナップ試乗会が行われました。

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ご存知の方も多いでしょうが、GRMNとは「Gazoo Racing tuned by Meister of Nürburgring」の略で、ニュルブルクリンクのレース活動を通じて理想の味つけを追及するGazoo Racingのフィードバックから生まれたコンプリートカー。

G’sは同じくGazoo Racingの手によって開発されたファクトリー・チューンのシリーズです。

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プロトタイプの時代から含めてGazoo Racingのニュル参戦は10年目を迎えたそうで、スモールクラスからミニバン、スポーツカーに至る幅広いラインナップが完成した今、Gazoo Racingの経験値を反映した市販モデルを総括するには、確かにいいタイミングです。

この日はIQやヴィッツからノア/ヴォクシーに至るG’s車両を皮切りに、GMMNに関してはあっという間に売り切れて話題を蒔いた100台限定の86GRMNも、優先的に納車デリバリーに回されていたのがようやく生産ペースが安定して、広報車両をサーキット解禁できたとか

限られた時間枠の中で全車種を試すことは叶わなかったものの、袖ヶ浦のコース上で各モデルの走りを体感してきたのでした。

まず1台目の試乗枠はG’sノア。フォグランプ上にフロントブレーキ冷却用とおぼしきエアダムが設けられ、サイドステップもリアバンパーも専用パーツという勇ましい出で立ちです。

内装も、左右サポートが張り出して座面や背面センターにアルカンターラがおごられた、横G的にも滑りにくいスポーツシートを1-2-3列目とも採用。

エンジンのイグニッションON/OFFもボタン式で、つや消しブラックに赤いレターのメーターパネルといい、かなりレーシーに演出された仕様です。

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そうはいってもミニバンの高い視線で、サーキットのピットロードから出て行くのは妙な気分。恐る恐る走り出した、というのが正直なところでした。

完熟走行の最中から、意外とステアリングを切っても足の動きがシャッキリしてるな?!とは感じたのですが、裏のストレートエンド先のコーナーでかなり強い荷重移動を試してもシャッキリし続けていることにびっくり。

ミニバンで速度を上げると倒れそうなロールに不安感を煽られるものですが、このクルマはキレイに深々としなるような印象で、ブレーキング時からフル加速時まで4輪のキチンとした接地感が伝わってきます。

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まだ1台目の試乗枠で早速ながら、はっきりいってこの日一番驚かされたクルマは、このG’sノアかもしれません。

後で知ったのですが、前後サスのマウント付け根周りにがっちり、横剛性アップにてきめんであろう補強ブレースが入っているだけでなく、ドライバーズシートを中心に縦方向のブレースも加えられています。つまり、フロア剛性を締め上げるというより、重量を増やし過ぎることなく効率的にしなやかに固めているのです。

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ショックアブソーバーとスプリング自体もG’s専用スポーツサスペンションで、前後それぞれ-20mmと-25mmのローダウンとなる仕様です。215/45R18のタイヤ半径がノーマル比+10mmのため、外観全体としては-15mmという控えめなローダウンに収まっています。シブいですね。

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さすがに攻め過ぎたり切り返しでは屋根という上モノの高さを感じさせるものの、ミニバンでサーキットでフラストレーションどころか、ひとしきり楽しませるところに感心することしきり。

しかもフロア補強から専用パッケージのサスなど、これだけやってこの内容で、コンプリートではなくファクトリー・チューンと定義する控えめさが印象に残ります。

(南陽 一浩)

1日たった2台!トヨタ「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといいクルマ」だった

今年1月、Web上から100台限定で受注が開始された「86GRMN」ですが、今回トヨタ自動車殿のご厚意により、同車の製造現場である愛知県豊田市の元町工場で100台目の生産完了を目前に控えた車両組立現場の様子を見せて頂ける機会を得ました。

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このクルマはベース車とさほど変わらない風貌をしていますが、ニュルブルクリンク耐久レースで得たノウハウがそのまま移植されており、エンジンひとつとっても各パーツの低フリクション化や吸排気系の変更により、応答性の向上を図るなど、中身は全く別物になっています。

ベース車は富士重工業(スバル)の工場で生産されていますが、86GRMNの場合、スバルで生産されたホワイトボディをトヨタの元町工場に持ち込み、各種パーツの組み込みや専用色であるホワイトパールクリスタルシャインの塗装を行なっています。

これは軽量化を目的にフード、ルーフ、ラッゲージドアの素材を鉄板からCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製に変更するなど、ベース車からの変更部位が多いためです。

GRMNの開発全般を担当するスポーツ車両統括部 野々村主管によると、今回の生産方式を採用したことで分解作業や無駄な部品購入を抑制、約37万円のコスト低減を実現しているとのことでした。

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元町工場全体の責任者である二之夕(にのゆう)工場長のお話では、これまでのクラウンなどに加えて、以前にレクサス「LFA」、そしてFCVの「MIRAI」(ミライ)、さらに今回の「86GRMN」と、難しいクルマの組立てにチャレンジしており、「匠」の技術伝承の意味でも、引き続き難易度の高いクルマの生産についてもチャレンジしていきたいとのことでした。

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いよいよ、86GRMNの組立て現場であるLFA工房へ。

ロボットを使わず、ハンドワークの要素が多いため、以前にレクサスLFAが生産されていた専用ライン“LFA工房”において、特別な訓練を受けた10名強の専任者により、2台/日(4時間で1台車完)のペースで丁寧に組立てられていました。

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最初にCFRPパーツ(フードインナー)の成形工程から視察していきます。

80〜90℃に熱したアルミ金型の上にカーボンシートを乗せ、しっかり金型に密着させた後、浸透性の高い熱硬化性エポキシ樹脂を注入、真空引きによりカーボンシートに樹脂を含浸させて成形します。

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この工法は比較的新しい「VaRTM」(バキューム・レジン・トランスファー・モールディング)と呼ばれているもので、金型が片面で済むことや、大掛かりな圧力釜を必要としないことから、コストを抑制できるメリットがあります。

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そして製品となったフードASSYがこちら。

アウターとインナーを接着・合体させた後、アウターの表面を仕上げ、クリア塗装を吹いて完成です。

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濡れているかのようなツヤや奥行き感が品質の高さを感じさせます。

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ラッゲージドアは形状が立体的で複雑なことから、カーボンシートにあらかじめエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを型に貼付けた後、圧力釜で焼きあげる従来工法が使われています。

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続いて視察したのが組立工程におけるCFRP製ルーフのボディへの接着工程。

あらかじめボディ側に2液タイプの接着剤をシーラーガンで塗布、その後ルーフを2名で素早くボディに接着します。

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シャシー工程ではリヤアクスルの組付け作業を視察。

足廻りの締め付け作業では通常、設計公差範囲内に収まるトルクで締付けられていますが、LFA工房ではデジタルトルクレンチにより一台一台、設計が求める「狙い値」にズバリ合せて締付けているそうです。

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ファイナル工程ではガラスの接着工程を視察。

86GRMNでは軽量化を目的にクォーターウィンドウとバックウィンドウが樹脂化(ポリカーボネート製)されています。

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ガラスもボディ剛性に寄与するパーツのため、同車では樹脂化に併せて高剛性接着剤(ハマタイト)を使用しているそうです。

完成車のエンジンルームに目を移すと、シリアルプレートに「Morizo(モリゾー)」のサインが入っており、フレームナンバーにも「86」の数値を入れるなどのコダワリがみられます。

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開発責任者の多田哲哉チーフエンジニアにお伺いしたところ、100台限定車両価格648万円の「86GRMN」に対して、3,000件を超える問い合わせが殺到したそうで、現在では既にほぼ全ての購入者が確定しているそうです。

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チューンショップ関係はもちろん、一般客からのオーダーも多かったようで、中には「価格は問わないので、とにかく購入したい」との問い合わせもあったとか。

このようにニュルブルクリンクで鍛えられた“メイドインジャパン”の「86GRMN」は豊田章男社長が主導する「もっといいクルマづくり」を具現化すべく、開発と製造部門が一丸となって生み出された手作り感満載の一台になっていました。

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このクルマを手に入れた方の満足そうな笑顔が思わず浮かんで来そうです。

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厳選! オートサロンで見かけたステキな“トヨタ86”たち!!
http://clicccar.com/2013/01/18/210786/