Motor Fan's YEAR 2016

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ブリヂストンが天然ゴムを超える構造を持つ合成ゴムを生み出すことに成功!

自動車用のタイヤといえば、ゴムやカーボン、ワイヤーなどを材料に作られていますが、その中で、もっとも比率が多いのは天然ゴムです。

その理由は、天然ゴムの持つ強さとしなやかさに、石油から作る合成ゴムではかなわないからですが、そうした常識が破られることになりそうです。

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ブリヂストンが『分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功』というニュースを発表、中央研究所のメンバーによるプレゼンテーションが行なわれました。

これまではナフサを分解するなどして生まれる「イソプレン」を原料に、触媒反応を利用して合成ゴム(ポリイソプレンゴム)を生み出していますが、その性能は天然ゴムには及ばなかったといいます。しかし、ブリヂストン中央研究所が開発したガドリニウム(Gd)触媒を使った新製法を用いると、天然ゴムに迫る分子構造が可能になるのです。

さらに分子量のばらつきについては天然ゴムを凌駕するレベル。これにより耐久性と省燃費性の両面において、天然ゴム(NR)を超える合成ゴム(IR)が実現できたのです。

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ブリヂストンが天然ゴムを超える合成ゴムについて研究しているのは、天然ゴムが農作物であり、安定供給が難しい材料であるからといいます。

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前述の通り、タイヤの材料でもっとも使われているのは天然ゴムです。しかし、農作物である以上、量と質の両面においてばらつきが生まれてしまいます。その対策として、ゴムの木の品種改良や病気を防ぐ研究なども行なっているといいますが、天然ゴムを代替できる合成ゴムも研究されてきました。

その結果が、今回発表された成果というわけです。

ところで、本質的にタイヤメーカーというのはゴムの消費者であって、合成ゴムの開発はゴムの素材メーカーが行なうものです。しかし、ブリヂストンは理想のタイヤを安定して作るために合成ゴムの製法レベルから研究しているといいます。

今回のプレゼンテーションでは、新しい合成ゴムをゴムメーカーと共同で商品化につなげたいという意思があることも発表されまた。

その天然ゴムを超える合成ゴムを使った市販タイヤ、登場するのは2020年代とアナウンスされました。

(撮影・文 山本晋也)

私が「タイヤテスター」に!? ワクワクPOTENZAドライブ・参加レポート【TGRF2016】

TGRFで2014年から毎年開催されているブリヂストンの「ワクワクPOTENZAドライブ」こと「タイヤ乗り比べ体験」。

開催場所のショートサーキットはイベントの多い会場からやや離れており、徒歩ではなかなか行けないためか(構内巡回バスで移動可)、やや知名度が薄い印象。ですが、大変面白そうなので、今回挑戦してみました。

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体験プログラムは、タイヤと比較試乗のブリーフィング(説明)後に実際の試乗を行います。さらにランフラットタイヤの説明と試乗もできます。

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ブリーフィングの講師はジャーナリストの石井昌道氏。エコ走行技術の伝道師としても活躍中です。

タイヤの比較評価をするにあたり、違いが良く判る走り方として「急ハンドルを切らない」、「舵角を少なくする」、「同じ速度で走行する」などのノウハウを披露されました。ほかに、ブリヂストンタイヤの開発担当の方と一緒に、今回比較するタイヤの開発の方向性や構造の違いを分かりやすく説明されました。

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今回体験する2種のタイヤは目指す達成目標が違うため、構造材の枚数まで違うなど、こちらもドライバーとして一度聞いておくべき内容が沢山ありました。

ブリーフィング終了後、いよいよショートサーキットで先導車に従って走行を行います。

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2周(ストレート通過1回)しピットイン。異なるタイヤを履いた同じ車に乗り換え、再度2周走ってタイヤの違いを体験します。

今回比較に使用するタイヤは、転がり抵抗の低い低燃費・高寿命に優れた、いわゆるエコタイヤの「エコピアEX20」(セダン・クーペ向け)と、ハイグリップタイヤのトップグレード「ポテンザRE-71R」です。

そんなの簡単だろ!…と、思われるかもしれませんが、ラベリング制度(2010年からタイヤ業界で採用している基準)による等級分類でのウエットグリップ性能は、ポテンザとエコピアは共に“等級a”と遜色ないのです。

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路面はしっとり濡れた感じ。差が判るかなぁ…。

試乗車は86とプリウスアルファ、そしてアクアの3車種が用意されました。石井講師によれば、タイヤの比較という点では、86はシャシー性能が高過ぎ、プリウスアルファは車重が重過ぎ、アクアが最も比較しやすいそうです。

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今回私はアクアに試乗。まずはエコピアからテストです。ピットレーンを出て、コースに入っていくとゴムの細板をひいた上を通過します。登りながら左にターン、右に大きく回り込みその先で左の最終コーナー。ストレートでは60kmまで加速。

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パイロンで作られたシケインを通過し、2周目に入ります。2周目はゴムの波状路を通過せずに1周。最終コーナーからピットレーンに入り、RE71Rを履いた車を乗り換えます。

ピットレーンを出る所から早くもほうほうナルホドと、その差を実感した次第です。私もどちらかといえばハイグリップタイヤ信者でしたが、競技に参加しない限りは「車体との相性の良いタイヤ」の重要性を実感しました。

色々ドキドキのテストドライバー体験でしたが、自分でハンドルを握ることができる試乗会場での比較体験の満足度は予想以上でした。

試乗の順番が参加した回の一番最後(48番目)だったので、最初から最後までおよそ1時間半程でしょうか。ちなみに、ランフラットタイヤ同乗体験は時間の都合で参加出来ませんでした…残念!

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ブリーフィング中の話にもあったのですが、タイヤは購入時に「試し履き」ができませんよね。

同じ車種で、製造時期が同じ頃で、新品同様の別グレードのタイヤ比較、なんてトップカテゴリーのレーシングドライバーか自動車ジャーナリスト、メーカーの社員にでもならない限り機会はまず無いでしょう。

しかし、このイベントは我々一般ドライバーの運転経験値をグッと増やします。しかも申し込み順&無料で体験できるとは!(個人の感想です)

来年も開催されたら是非参加すべきイベントです。「ハイグリップタイヤ最高!」と思っているアナタ、目からウロコが落ちますよ。

(川崎BASE)

日産ノート「e-POWER」はブリヂストンのエコタイヤ「ECOPIA」を装着

日産のシリーズハイブリッドであるノート「e-POWER」の新車装着タイヤとして、ブリヂストンの「ECOPIA(エコピア)」が選定されました。

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今回装着される「ECOPIA EP150」は、ブリヂストンの材料技術である「ナノプロ・テック」が適用されたゴムを採用することなどにより、安全性能や操縦性能を維持しながら低燃費タイヤらしく、転がり抵抗の低減を追求したタイヤです。

2016110401さらに、日産ノートe-POWERの特徴である高い低燃費性能に加えて、操縦安定性能や快適な乗り心地の実現にも貢献。同車向けのタイヤサイズは185/70R14 88S、185/65R15 88Hとなっています。

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ブリヂストンの「ECOPIA」ブランドは、安全性能や操縦性能、乗り心地性能などタイヤに求められる諸性能を高次元で維持しながら、転がり抵抗の低減を追求したタイヤという位置づけです。

現在では様々な車種に向けた商品ラインアップをとなっていて、高い評価を獲得。同社では今後も「ECOPIA」の展開、新車装着の拡大を積極的に推進していくとしています。

(塚田勝弘)

ブリヂストンがAIを使う最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を海外工場へ展開

ブリヂストンは、人工知能(AI)を実装した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」を、2016年内に同社の海外乗用車用タイヤ工場のひとつ、ハンガリーのタタバーニャ工場へ展開すると発表しました。

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今回、はじめて海外へ展開される最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」は、本年5月に同社の彦根工場に初導入されたタイヤ製造装置で、国内のマザー工場で確認された新技術を海外工場へ展開したことになります。

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ハンガリー北部、首都ブタペストの東に位置するタタバーニャ工場は2008年から操業を開始し、現在800人の従業員で日産6,000本のタイヤを製造しています。現在、この工場を2017年上期中に生産能力を日産約18,000本にまで増強する計画を進めており、今回の新技術導入も増強計画の一環となります。

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また、2016年内に稼働開始予定のロシア新工場にも、「EXAMATION」システムを展開する予定で、今後日本国内で開発された新技術を海外工場へ展開する動きを加速させる模様です。

(山内 博・画像:ブリヂストン)

【関連記事】

ブリヂストンがICTとAIを搭載したタイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入
http://clicccar.com/2016/05/28/374153/

サーキットのラップタイム短縮を追求した「ポテンザRE-06D」は「GAZOO Racing 86/BRZ Race」でも使用可能

ブリヂストンが誇るスポーツタイヤブランド「POTENZA(ポテンザ)」の新たなラインアップとして、サーキットのラップタイム短縮を追求した新商品「POTENZA RE-06D」が8月2日に発売されました。なお、発売サイズは205/55R16 91Vの1サイズ。

POTENZA RE-06D(1)新発売となる「POTENZA RE-06D」は、専用開発された構造、パターン、形状、コンパウンドを採用することで、ブロック剛性とコーナリング時の接地性を向上し、ウェット性能とドライ性能の両立を追求。サーキットでのあらゆる場面に対応可能な高いグリップ力を発揮するスポーツタイヤとなっています。

この「POTENZA RE-06D」は、注目度の高い国内最大級ワンメイクレースである「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の「プロフェッショナルシリーズ」の競技規定を満たしているため、同レースでも使用できます。

POTENZA RE-06D(2)

なお、「GAZOO Racing 86/BRZ Race」は、ナンバー付車両によるJAF公認のワンメイクレース。サーキット専用のレーシングカーではなく、ナンバー付のレース参戦用車両であるTOYOTA 86「86Racing」もしくは、SUBARU BRZ「RA Racing」、そして国内Aライセンスがあれば参戦可能。

20141222_02_02SUBARU BRZ「RA Racing」

2015年からは、より多くのクルマ好きが参加できるよう、プロドライバーとアマチュアドライバーが参戦できる「プロフェッショナル」シリーズと、アマチュアドライバーしか参加できない「クラブマン」シリーズの2シリーズ制となっています。

2015年度は全国7か所のサーキットで全8戦が開催され、のべ593台、1大会平均74台が参戦するという盛況ぶりです。

(塚田勝弘)

より丸いタイヤができる!? ブリヂストンの最先端成型システムとは?

IT(Information technology)は聞き慣れてきたけど、ICTを使ったモノ作りと聞くと、「?」と感じる方も多いでしょう。

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正直私もよく分からないので調べてみると、ICTは「Information and Communication Technology」の略で、IT(通信技術)をさらに前進させ、通信による「コミュニケーション」も採り入れる情報通信技術のこと。

ブリヂストンがICTとAI(人工知能)を新たに採り入れた最先端のタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」を彦根工場に2016年2月に初導入したと発表し、技術説明会が開催されました。

ブリヂストンのタイヤ成型システム「EXAMATION」は、タイヤができるまでのいくつもの工程(ゴム練り後継、トレッド押出工程、コード/カレンダー工程、裁断工程、スチールベルト工程、ビード工程など)を経て、成型工程に至り、加硫工程、検査工程に至ります。

従来の成型工程では、熟練工がシート状の材料のつなぎ目を人が合わせる必要があり、熟練工がひとつのドラムの前(上で)材料のつなぎ目を合わせるのに対し、撮影禁止とされた「EXAMATION」の動画イメージでは3つのローラーが稼働。

専用ドラムに同時に巻き付けることでタクトタイムが短縮され、後で1本に合体し、成型されるそうです。

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「EXAMATION」では、その工程を全自動化することで、生産能力が「2倍」になるだけなく、真円度向上が図れます。

つまり、より「丸い」タイヤができるわけですね。ほかにもセンサーによる品質保証など、高品質化のメリットは多くなっています。

センサーによるQA保証

また、全自動とICTの高精度成型により「スキルレス」化を図れるだけでなく、従来ラインよりも人出が少なくすむことで、ほかの現場に振り分けることが可能。

なお、作業員は「EXAMATION」では携帯端末で仕事(材料補強や生産工程の管理)をします。

センシングイメージ

また、「EXAMATION」のICT活用では、センシング、高精度加工が可能になり、予測、補正によりバラツキを抑制し、工程能力も向上。ラインとローラーでは、カメラでセンタリングし、貼付欠か反映、品質保証が可能になっています。

機械化されると人の仕事が奪われるのでは? と考えてしまいますが、少子高齢化により、日本各地、あらゆる業種で慢性的な人出不足と指摘されている昨今だけに、ブリヂストンの彦根工場も例外ではないそうですから、配置換えなどが可能になる利点もあるそうです。

ユーザーとしては、どんなタイヤが全自動で成型されたものか気になりますが、見た目では当然ながらまったく分からないそうで、「EXAMATION(エクサメーション)」は17インチ以下のタイヤが対象。

ユーザーメリットは、より高品質なタイヤが手に入るというのが期待できそうですが、コスト面まで恩恵が受けられればなおうれしいところ。ただし、数多い工程の中でも成型工程の話ですから早々に実現するのは難しいかもしれません。

(塚田勝弘)

ブリヂストンがICTとAIを搭載したタイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入

ブリヂストンは、独自のICT(情報通信技術)に加えて、新たに人工知能(AI)を実装した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を同社グループの彦根工場に初めて導入したと発表しました。

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「EXAMATION(エクサメーション)」とは、Evolutional(革新的な)と Attractive(魅力的)、AutoMATION(自動化設備)に由来するブリヂストンの商標ということです。

同社は、今後このシステムを既存工場、新設工場などグローバルに展開していくことで、生産競争力の強化を図り、商品の高品質化を達成したいとしています。

この最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」の登場で、タイヤ製造の現場がAIの利用で自動化され、タイヤ製造もAIの時代に突入したことになります。

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「EXAMATION」の開発は、1990年代後半からICTや最先端技術を導入したタイヤ生産システムを研究・開発し、2002年には世界で初めて部材工程から製品検査工程までを全自動化した生産システム「BIRD」を開発したことからはじまります。

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今回の「EXAMATION」には、これまで「BIRD」で培ってきたICTを進化させ、新たなコンセプト “Bridgestone Intelligent office BIO/Bridgestone Intelligent Device BID(以下BIO/BID)に基づいた生産技術を実現する独自のICTを搭載したことが特徴です。

Bridgestone Intelligent office:BIOとは、フィールド情報・設計情報と固有技術をつなぎ、知見を超えたアルゴリズムを生み出す同社の新技術群のことで、Bridgestone Intelligent Device:BIDとは、アルゴリズムに基づき生産システムを自動制御し、断トツのモノづくり力を引き出す同社の新技術群であるということです。

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BIO/BIDは、高分子・ゴム・複合体の材料加工に関する知見を加えた独自のデータ解析に、生産工程等で得られる膨大な情報をビッグデータ解析し、更に技能員が培ってきた技術・ノウハウを加えた独自のアルゴリズムを搭載しています。

BIOで生み出される、これまでの知見を超えたアルゴリズムに基づき、BIDが生産システムを自動制御する独自の人工知能(AI)を搭載することで、技能員のスキルに依存してきた従来の生産工程や品質保証の判断・動作を、「EXAMATION」側で全て自動的に行うことができます。

これにより、人による様々なバラツキが極小化され、従来にない高精度なモノづくりが可能となり、更に本システムで得られた情報を、既存の成型システムや前後の工程間、製品情報など様々なデータに繋ぐことで、工場全体の工程能力も向上することができます。

最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」の効果は次の3点です。

(1)品質向上

タイヤ1本あたり480項目の品質データをセンサーで計測し、リアルタイムで最適条件に自動制御する人工知能(AI)を実装し、極めて高精度なタイヤ製造が可能になり、従来製法と比べ、真円性(ユニフォミティー)が15%以上向上。

(2)高生産性

従来製法は、単一のドラム上に部材を順番に積層するため生産リードタイムにロスが生じていたのを、本システムでは、複数のドラムを配置したマルチドラム製法を採用して、部材の貼り付け動作を同時並行で行うことができ、既存成型と比べて約2倍の高い生産性を実現。

(3)自動化によるスキルレス化

従来製法は、手作業による成型が前提でしたが、本システムでは、これまで人間のスキルに依存してきた、生産工程や品質保証の判断・動作も含め、全て設備側で自動化、人の介在に伴うバラツキを抑制し、一層の品質向上が可能。

(山内 博・画像:ブリヂストン)

ヴォクシー/ノアの「G’s」モデルの足元を支える、ブリヂストン・POTENZA RE050A

トヨタ・ヴォクシー/ノアにスポーツコンバージョン車の「G’s(正式名はG SPORTS)」が設定されました。実は「G’s」モデルが初めて採用されたのは、先代のヴォクシー/ノアでした。

TOYOTA_Gs_01「G’s」は、世界で最も過酷なコースと知られるドイツ・ニュルブルクリンクを舞台に、「クルマの味づくり」を続けている「TOYOTA GAZOO Racing」のテストドライバーがチューニングしたシリーズで、スポーティな外観や走りがノーマルでは飽き足らない層に支持されています。

BRIDGESTONEその足元を支えるタイヤとして100%新車装着されるのは、ブリヂストンのスポーツブランド「POTENZA(ポテンザ)RE050A」。

ミニバンであっても「G’s」モデルが追求する「走りの楽しさ」、「操る喜び」に貢献することを狙い、ドライ・ウェットを問わず、優れた操縦安定性やグリップ力、快適な乗り心地も追求されたスポーツタイヤ。

なお、ヴォクシー/ノア「G’s」向けのタイヤサイズは215/45R18 89Wのみとなっています。

(塚田勝弘)

ブリヂストンが「ニュルブルクリンク24時間レース」で「POTENZA」をアピール

ブリヂストンは、2016年5月26日(木)〜29日(日)の4日間、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースの会場内に、コミュニケーションブースを初出展すると発表しました。

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今回ブリヂストンは、同ブースにプレミアムタイヤブランド「POTENZA」とランフラット技術「DRIVEGUARD」を展示して、同社のモータースポーツ活動への想いを伝えたい、としています。

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ニュルブルクリンク・サーキットは、過酷な車両開発用の走行路として世界で有名なコース。同社では、1980年代に国内タイヤメーカーとして初めてポルシェやフェラーリに新車装着されたタイヤの開発を行ったことに始まり、以降、ニュルブルクリンク・サーキットは様々なタイヤ開発やモータースポーツ活動の重要な拠点となっています。

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また、ニュル24時間レースは毎年約20万人が来場する世界最大級の参加型モータースポーツイベントで、ブリヂストンとしては、同レースに参戦するトヨタチームにタイヤをサポートして今年で10年目の節目を迎えます。

ニュル24時間レースのブースでは、ニュルブルクリンクをはじめとするサーキットを基盤に鍛え上げられたグローバル・プレミアム商品ブランド「POTENZA」を「ブリヂストンモータースポーツ×POTENZAヒストリーコーナー」として紹介することを狙っています。

(山内 博・画像:ブリヂストン)

ブリヂストン「エコピア」がホンダ「CLARITY FUEL CELL」の新車装着タイヤに

ブリヂストンを代表する省燃費タイヤの「ECOPIA(エコピア)」が、ホンダの燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」に新車装着タイヤとして採用されました。

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今回装着されるのは「ECOPIA EP160」で、タイヤサイズは235/45R18 94W。

安全性能や操縦安定性などタイヤに求められる多様な性能を高次元で維持しながら、FCVにふさわしく、転がり抵抗の低減も追求されていて、ホンダ「CLARITY FUEL CELL」が追求している性能のひとつである1回の水素充填による走行距離の向上に貢献しているとしています。

ECOPIAFCVに限らず燃費や航続可能距離を左右するのは、パワートレーンをはじめ、車両重量や空力性能など多様な要素がありますが、タイヤも大きな要素なのは間違いありません。

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今回の新車装着タイヤの「ECOPIA EP160」は、転がり抵抗の低減だけでなく、タイヤに求められる乗り心地や静粛性能も含めて高次元で両立させることにより、「CLARITY FUEL CELL」の魅力を足元から支えるタイヤとブリヂストンはアピールしています。

(塚田勝弘)

軽自動車向けに4サイズ追加された「POTENZA Adrenalin RE003」の実力は?

2016年2月15日に軽自動車向けに4サイズ追加された「POTENZA Adrenalin RE003」。

得意とするハンドリングはもちろん、高い排水性によるウェット性能の向上、接地圧最適化ブロックにより偏摩耗を抑制するなど、単なるハイパフォーマンスタイヤにとどまらない工夫が凝らされています。

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軽自動車向けだけに、タイヤハウスがスカスカに空きがちな軽ならではの外観も配慮したスタイリッシュなサイド面のデザインも魅力。最も気になる走りは、センターからショルダーまでしっかり接地し、コーナリング性能を高めているのが特徴です。

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試乗時はドライだったためウェット路面での実力は確かめられませんでしたが、ステアリングなどから伝わってくるタイヤの情報量は多く、やや硬めの乗り味ですが、右左折時やレーンチェンジ、コーナーなどでもしっかりと路面を捉えている感覚は公道でも頼もしく感じさせます。

また、ステアリングを左右に切った時に即反応するレスポンスの良さも実感できました。

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乗り比べたエコピアの「EX20C」でも普通に街中を流すぶんには、何ら不足はないでしょう(下写真)。

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「Adrenalin RE003」がターゲットにする軽のスポーティモデル、ブリヂストンでは一例としてスズキ・アルトターボRS、ホンダN-BOXカスタム、ダイハツ・ムーヴ・カスタムを挙げていますが、こうしたスポーティモデルも含めた多様化する軽自動車も含めて、隙間を埋めるかのごとく商品を用意しているのは、シュリンクしている日本の市場だけに正直よくできるよな、と考えてしまいます。

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軽自動車のタイヤはまずはエコカーが大半でしょうから、「エコピア」を主軸に、このポテンザ「Adrenalin RE003」、静粛性や快適性、ハンドリングにも配慮されているレグノの初の軽自動車向け「GR-Leggera」と、軽カー向けタイヤも万全の構えといえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)【関連記事】

■軽自動車専用ブリヂストン「POTENZA Adrenalin RE003」の改良点とは?
http://clicccar.com/?p=367751

■静かな走りだけでなく見た目にもこだわった軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」
http://clicccar.com/?p=367732

■軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力
http://clicccar.com/2016/04/20/367492/

静かな走りだけでなく見た目にもこだわった軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」

静粛性や乗り心地の高さはもちろん、運動性能の向上も図られているブリヂストン「レグノ」。初の軽自動車向けレグノとなる「REGNO GR-Leggera」は、非対称パターン、パワーサイド構造が採用されています。

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パターンとサイド剛性を最適化することで快適性、操縦安定性を両立するのが狙い。旋回時に接地面に発生する力分布を最適化することにより、ハンドリングの向上を実現。

また、レーンチェンジの横Gが早く収束し、横Gの寄り戻りが少ないなどの検証結果も得られているそうです。

今回の試乗では、印象的だった静粛性の高さや乗り心地の改善(エコピアとの比較において)を明確に確認できました。

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ハンドリングに関しては、走行コースや時間の都合もあって大差は感じられなかったものの、横風の強いレインボーブリッジなどでも安定した走りを披露してくれました。

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耐摩耗性能はもちろん、ドライ路面だったためウェット性能も体感できませんでしたが、見た目ですぐに分かる外観は、軽自動車向けとは思えないほど質感が高く、デザインも凝ったものになっています。

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新たに「ロゴを作った」というトレッド面のロゴは、走れば消えてしまいますが、サイドの「REGNO」のロゴなどは購入した喜びを感じさせてくれそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

【関連記事】

■軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力
http://clicccar.com/2016/04/20/367492/

軽自動車向け「REGNO GR-Leggera」は高い静粛性と乗り心地が魅力

大きなクルマからよりコンパクトなモデルへ、大排気量エンジン搭載車からより小さなエンジンに乗り替えるなどのダウンサイジングの流れは、軽自動車にも波及しています。

2014年には新車販売のうち軽自動車が初めて40%の大台を突破。2015年度は軽自動車税増税などにより約37%にまで下がっていますが、4割近くが軽になっています。

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最近の軽自動車は広いだけでなく、たとえばダイハツ・キャストのようにスモールカーを超えたような、良好な乗り心地を実現しているモデルも出てきていますが、軽自動車に乗り替える、いわゆる「ダウンサイザー」が増えてくれば、音や振動に対する要求も厳しくなることが増えそうです。

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ブリヂストンが誇るプレミアムブランド「レグノ」がついに軽自動車にも投入されました。

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「REGNO GR-Leggera(レグノ ジーアール・レジェーラ)」は、こうしたダウンサイジングユーザーはもちろん、軽自動車で旅行やレジャーに出かける層をターゲット据えたタイヤで、レグノの名にふさわしい静粛性・乗り心地を実現しているのが最大のポイント。

実際にお台場の市街地、そしてレインボーブリッジなどを「エコピア(EX20C)」と乗り比べながら走らせましたが、音・振動も明らかに抑制されています。よく分かるのが、エンジン音や風切り音などが高まる前の速度域。

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たとえば、加速していって流れに乗り、少しアクセルを戻した際など、ほかの音源が聞こえにくい際にロードノイズ、パタンノイズの低さを実感できます。

また、こうしたシーンでは微振動も抑制されている印象で、乗り比べたからこそですが、その差は想像以上に感じられました。

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おそらく毎日乗っている愛車に装着すれば、すぐにその違いが分かるはずで、乗り心地や静粛性をさらに高めたいという軽ユーザーには朗報といえそうです。なお、発売時のサイズは、155/65R14、165/55R14、165/55R15となっています。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)