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ホンダ・ブースの見どころは新型フリードの「FREED Modulo X Concept」!?【東京オートサロン17】

2017年1月13日(金)から15日(日)まで幕張メッセで開催される「東京オートサロン2017」。ホンダから出展概要が発表されました。

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ホンダらしくクルマだけでなく、二輪車やモータースポーツ関連も充実させるとのことで、カスタマイズの可能性とともに、モビリティやモータースポーツの楽しさをアピールする場としています。

四輪車は、8月に発表された新型NSXはもちろん、ホンダらしさが凝縮された軽オープンスポーツのS660をブラウンのボディカラーやレザーシートでコーディネートした「S660 Bruno Leather Edition(ブルーノ レザーエディション)」などを出展。

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また、コンパクトミニバンのフリードをしなやかで上質な乗り味に仕上げたという、コンプリートカーブランド「Modulo X」シリーズのコンセプトモデル「FREED Modulo X Concept」、「FREED+」にアクティブなスタイリングとユーティリティ性を加え、アウトドアスポーツを楽しむライフスタイルを提案する「FREED ACTIVE Concept」、「STEP WGN Modulo X – Special Edition」なども出展されます。

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二輪車では、「インターモト-国際オートバイ・スクーター専門見本市 2016」に出展され、大きな注目を集めたコンセプトモデルの「CB1100RS」や、オンロードとオフロードの双方での高い走りが得られる「CRF1000L Africa Twin」を展示。

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モータースポーツ競技車両では、ロードレース世界選手権シリーズに参戦するMotoGPマシン「RC213V」をはじめ、F1に参戦した「McLaren-Honda(マクラーレン・ホンダ)MP4-31」、2017年SUPER GTシリーズに参戦予定の「NSX-GT」などが話題になりそうです。ほかにも隠し球があるか分かりませんが、ホンダ・ファンならぜひブースを訪れ、最新のホンダカスタマイズの世界を感じたいものです。

(塚田勝弘)

新型ホンダ・フリードの使い勝手をチェック。2列目、3列目シートの広さ、快適性は?

全長4265×全幅1695×全高1710mmという新型ホンダ・フリードは、先代よりも全長が50mm伸び、ライバルのトヨタ・シエンタよりも30mm長くなっています。

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最小回転半径は、先代と同値の5.2mに抑えて取り回しに配慮。先代フリードで駐車場がなんとかギリギリに収まっていたというケースをのぞき、コンパクトミニバンとしての機動性は確保されているといえそう。

全長を伸ばした恩恵は、1列目と3列目間の前後席距離間が90mm延長されたことと、2列目の120mmロングスライドに現れています。

とくにガソリン仕様であれば前席下に足がすっぽりと入りますから、フロアが高く、座面が低いという欠点を抱えつつも足を伸ばすことで2列目の快適な乗車姿勢を取ることができます。

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ハイブリッドもフロアの高さそのものはガソリン車と同じですが、前席下にIPU(インテリジェント・パワーユニット)が鎮座するため、ガソリン仕様ならすっぽりと足の甲まで入ったのに対し、ハイブリッドはつま先がかろうじて入る程度。

こうなると、身長171cmの私の場合、高めの床に低い位置に配置された2列目の設計が気になってきます。

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さらに、3列目は先代と同じヒール段差(フロアからヒップポイントまでの高さ)とのことで、2列目よりもさらに膝を抱える姿勢に「近く」なりますが、短時間であれば許容範囲。

実際に3列目に座って首都高速でも乗り心地を試しましたが、快適性と静粛性の面から言ってもやはり街中中心のエマージェンシーシートとして割り切りたいところ。3列目はあくまで非常用で、後席を最後端にスライドさせてリラックスして座る、という使い方なら十分な広さを実感できます。

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サードシートが不要な場合はもちろん、ほとんど使わないかも、というのであればフリード+をチョイスする手もあるでしょう。

大きな荷物やボードで上下に仕切られた荷室は用途を満たせば使いやすい一方で、大開口を実現するためテールゲートは大きく重めに感じられますので、この点もチェックしておきたいところです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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新型ホンダ・フリードの走りは「街乗り重視」のセッティング!?

新型ホンダ・フリード(フリード+)のカタログの表紙には「意外にスポーティ。」、「ハイブリッドで、4WDも!?」などのコピーがズラリと並んでいます。

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新型フリードのハイライトのひとつは、ハイブリッドにも4WDが設定された点でしょう。

4WDの25.2km/Lという燃費は、コンパクトミニバンでハイブリッドの4WDを望んでいた人にとっては待望の新型といえそう。電子制御式リアルタイム4WDを謳うハイブリッドの4WDは、電制で瞬時に前後輪のトルク配分を行い、旋回性と安定性を両立するとしています。

「意外にスポーティ」かどうかは人によって感じ方が異なるでしょう。個人的にまず美点に思えたのは、ガソリンもハイブリッドの出だしがスムーズで、前席は減衰の収束もよく、とくに乗り心地も良好。

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131ps/6600rpm、155Nm/4600rpmを発揮するガソリン、110ps/6000rpm、134Nm/5000rpmの1.5Lエンジンに22kW/160Nmのモーターを組み合わせるハイブリッドを用意する新型フリード。

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両仕様ともに先代よりも加速性能も変速フィールも大きく向上していて、リヤの追従性や直進安定性、直進ブレーキスタビリティを大きく改善させたというホンダの主張を十分に感じ取ることができます。

コーナーが続く首都高速でもボディの動きは比較的フラットに保たれていて、短めの全長に高めの全高というディメンションの割にロールの制御も好ましく感じます。

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一方で課題に感じられるのは、かなり軽めのパワステのセッティング。こちらは希薄な接地感にもつながっている印象を受けます。街中でも高速道路でももう少し手応えのある操舵感が欲しいところ。

ステアリング関連では、レシオのクイック化(10%)、ロックtoロックは従来の3.33から2.9回転に減らしているそうで、取り回しのしやすさは向上しているでしょうが、ライバルのシエンタの方がパワステと接地感の手応えがあります。

もう少しダイレクト感のある電動パワステのセッティング、そして後席の乗り心地も前席に近づけば走りの完成度が高まりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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新型ホンダ・フリードを買うならハイブリッドかガソリン仕様、どちらがベスト?

待望のフルモデルチェンジを受けたホンダ・フリード。発売前の「先行予約」も含めた発売1カ月での受注台数は2万7000台。10月単体での登録では9153台となっています。

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ライバルであるトヨタ・シエンタが先代から大胆なデザイン変更を受けたのに対し、フリードは新しさを感じさせながらもひと目でフリードと分かるもので、デザイン面ではキープコンセプトに写ります。こうした戦略がどう出るかはこれからの販売台数で答えが出るでしょう。

フリードには、1.5L直噴DOHCのNAエンジン車、1.5LアトキンソンサイクルのDOHCエンジンを積むハイブリッドの「i-DCD」があります。ハイブリッドにも4WDが設定されたことで選択肢が広がったのも朗報。

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ガソリン仕様とハイブリッド車は、同じ名称のグレードで見ると単純に40万円の差がありますが、同じグレード同士の比較でもハイブリッドの方が装備は充実しています。

たとえば、「G ホンダ・センシング」で比べると、ハイブリッドはLEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライト、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETCが標準装備で、ガソリンはオプション。ほかにもハイブリッド専用エクステリアで先進感が強調されているのもハイブリッドの特徴です。

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さらに、ハイブリッドはエコカー減税が「免税」になり、税制面の差も見逃せません。装備差と税制面を考慮すると40万円の差が少なくても25万円程度にはなりそう。

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燃費だけで元を取るのは難しいかもしれませんが、ハイブリッドの利点である滑らかな走りや静粛性の高さも魅力に感じる人も多そうです。

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ただし、ハイブリッド仕様はタウンユースが中心で、毎日の通勤などある程度距離も乗る人こそお得感が強まるのも事実。サンデードライバーで近所に出かける程度であればガソリン仕様で十分といえます。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

もう箱とは言わせない! ─ 新型フリードのダイナミック・デザインとは?(後編)

ダイナミックさを追求した2代目フリードのデザイン・インタビュー。後半はリアボディからインテリアについて聞きます。

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[語る人]
株式会社本田技術研究所
四輪R&Dセンター デザイン室 1スタジオ
主任研究員 田中幸一
研究員 八木橋慎吾

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── ボディの後ろに移ります。リアドアからのラインはリアパネルまでつなりますが、ここまで目立たせる理由は?

「まずは足周りをしっかり見せて安定感を出したい。また、リアまでラインを回すことによってサイド面とリア面が連続して、箱のイメージが薄くなるんですね。とくに、サイド面はリアに向けてあまり絞っていないので、そのままだと箱そのものになってしまう」

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── リアランプは、シャープなボディの中でかなりボリュームがあり、ちょっと異質です

「それは意図的です。先代が比較的小さいランプで商用車っぽく見えてしまったのに対し、今回は乗用車らしさを狙った。また、ランプの面積が小さくなくなるとリアパネルが重く感じてしまうこともあります」

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── 左右に大きく張り出したリアバンパーは、ちょっと後付け感があってビジーです

「ボディ上部にボリュームがあるので、それに負けない踏ん張り感が欲しかった。もちろん、空力の処理にも効いています。リア正面から見ると、ボディにちゃんと溶け込んでいるのも分かってもらえると思いますが(笑)」

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── ボディカラーは青と黄色だけが明るい色ですが、全体的に明るいイメージで統一しなかったのは?

「先代はボディカラーやインテリアなどで若干質感が足りないとの指摘があった。今回はその点全体的に質感向上を意識し、ベーシックカラーでその部分を支え、その上で世界観を築く2つの訴求色を与えました」

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── インテリアです。ダイナミックな外観に対し、インテリアを水平基調にしたのは?

「初期には流麗な案もありましたが、質感や爽快感をシンメトリーデザインで表現し、断面やタッチで抑揚を付けようと考えました。今回リゾートをコンセプトに、木目を使ったのもその考えからです」

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── 外はダイナミック、中はリゾートというのは一見関係がないように思えますが

「一般的にエクステリアとインテリアでテーマが違うことは珍しくありません。外観と日常である室内とでは目的が異なる。また、ホンダ車のインテリアはいま、構成をシンプルにしつつ質感を上げようという動きがあるんです」

── 最近はやたらとシルバー加飾が目立ちますが、フリードではあまり感じません

「そこは派手にならないよう、意識して素材の構成を考えました。近頃のドイツメーカーもその辺は考えているようですが、今回はメッキは入れても細いラインにするなど、華美な表現は避けています」

── 最後に。ダイナミックな表現としてボディに多くのラインを入れる傾向にありますが、デザインの時間的な耐久性を考えた場合、よりシンプルにという考えもあります

「時代の変化の中でシンプルをどう考えるか、私たちも常に議論をしています。その中で、走るモノの本質的な表現を外さないことが重要だと考えています。先代もかなりラインが入った造形でしたが、ユーザーの評価は高かった。つまり、現在のシンプルさにミートすることも重要だと考えています」

── なるほど、本日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

もう「箱」とは言わせない! ─ 新型フリードのダイナミック・デザインとは?(前編)

ちょうどいいサイズとして「小さな箱」を表現した初代フリード。「Dynamism and Functionality」を掲げた2代目はそこから何を引き継いだのか、担当デザイナーに話を聞きました。前半はコンセプトからサイドボディまでを語っていただきます。

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[語る人]
株式会社本田技術研究所
四輪R&Dセンター デザイン室 1スタジオ
主任研究員 田中幸一
研究員 八木橋慎吾

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── はじめに、造形上のコンセプトから教えてください

「コンパクト、スポーティ、パーソナルの3つをキーワードとして、機能の詰まった躍動感、つまりダイナミックさの中に広いパッケージを凝縮するイメージとしました」

── 先代は△+□という表現でコンパクトな箱を打ち出しましたが、今回は少し違う?

「はい、箱という考えはないですね。フィットとステップワゴンの間を埋める商品として、誰にでも使いやすいコンパクトさと、同時に広いキャビンも訴求したい。そうした相反する要件の中で、今回はよりスポーティな躍動感を前面に出しています」

── では前から見て行きます。フリードは最近のホンダ車に準じた顔ですが、『ソリッド・ウイングフェイス』とはこの表現に限定されるのでしょうか?

「いえ、あくまでも機能を集約する見せ方であって、表現の幅は広いと考えます。たとえば、極端な話N-ONEも展開のひとつです。現行フィット以降、何となくライトとグリルのセットがソリッドウイングなんでしょ、と思われがちですが、それは違うんですね(笑)」

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── アンダーグリルですが、中央の台形グリルと外側に広げた逆台形ラインの関係性が少し分かりにくいですが…

「他社さんも含め、両サイドにガーニッシュを入れてワイド感を強調する例が多い。ただ、今回はそれをやってしまうとフロントの要素が増えて塊感が薄れてしまうと考えました。もちろん、ワイド感は欲しいですし、サイドビューでノーズを短く見せる役割も兼ねています」

── フロントのコーナー部はいろいろなラインが集まって少々複雑です。とくに、バンパーラインとボディサイドからのラインは衝突しているでは?

「裏事情として、フロントはバンパービームを覆いつつ、同時にコーナー部は歩行者保護として大きくカットする必要があった。その折り合いが非常に難しかったのは事実です。実際、空力も含め、モデリングではかなりいろいろな検討を繰り返しましたので」

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── サイドからのラインは、ホイールに合わせてそのままクルッと下ろしてはダメ?

「それをやるとフロントが重くなってしまうんですね。今回はそれを避けたかった。たしかにラインが集まってはいますが、最終的にはコントロールできたと考えています」

── サイドに移ります。先代のキャラクターラインはフロントホイール部からリアに向けて上り基調でしたが、今回はほぼ平行ですね。

「まずはダイナミックさ、前後への伸びやかさです。また、歩行者保護によりノーズが高くなっていますので、あまり低い位置からラインが始まると前のめりなイメージになってしまうんです」

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── サイドグラフィックは、もっとシンプルな形状にはできなかったのでしょうか?

「初期には単純なアーチ型やリアに抜けた案もありましたが、伸びやかさのために強いベクトル感を出したかった。ちょうど矢印が前後に向かうようなイメージですね。なので、リアクオーターガラスも、とくに先代を意識したわけではないんです」

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── ボディ下部の「切り欠き」はよく見られる手法ですが、上側にフレアを付けてまで強調するのは珍しいですね

「ミニバンの縦横比の中でも、より走りの印象を出すためにキースケッチからあった表現ですね。もちろん5ナンバーの制約は大きかったのですが、ボディのピークから下りてきた面を、ここでもう一度出すことで巧く処理できたと思います」

── なるほど。では続きは後半でお聞きします。

(すぎもとたかよし)

ついにトヨタのトップ3が崩れた!2016年10月の登録車セールスランキングはミニバンに注目

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年10月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されました。

しばらく、プリウス、アクア、シエンタというトヨタのハイブリッドカーによるトップ3独占状態が続いていた登録車セールスランキングですが、ついにその牙城が崩れました。

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自動運転技術「プロパイロット」を初搭載した日産セレナがアクアに迫る3位となったのです。さらに5位にはホンダ・フリードが登場。先進安全性能や環境性能、そして利便性で話題を集める新型ミニバンが市場に元気を与えています。

セレナとフリード、いずれも前年比300%を超える数字で、新車効果はもちろんですが、新機能が市場に評価されていることも数字が示しています。

●2016年10月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 14,053台
2位 トヨタ アクア 12,480台
3位 日産 セレナ 12,408台
4位 トヨタ シエンタ 10,778台
5位 ホンダ フリード 9,153台
6位 トヨタ ヴォクシー 7,936台
7位 ホンダ フィット 7,585台
8位 トヨタ カローラ 6,663台
9位 トヨタ パッソ 5,868台
10位 トヨタ ノア 5,769台

そのほかの注目は、トヨタ・ヴォクシーとノアというMクラスミニバンの躍進。とくにノアは前年比112.6%と伸びています。新型モデルの登場により、ミニバン市場が活気を取り戻したといえそうです。

ちなみに、トヨタのMクラスミニバンといえばエスクァイア(10月のセールスは3,457台)を含めた3兄弟モデルとなっていますが、3モデルの合計は17,162台。モデルライフでいえばライバルよりも長くなっていますが、まだまだ高い評価を受けているといえそうです。

【関連記事】

9月の新車販売、プリウスが10ヶ月連続首位、ムーヴキャンバス9位に初登場!
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2016年9月の登録車販売ランキング、相乗効果でミニバンが伸長傾向か?
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ホンダ・フリードはハイブリッドよりガソリン車の方が速い!?

発売1か月で2万7000台ものオーダーを集めたというホンダのコンパクトミニバン「フリード」に、横浜みなとみらいの街中で試乗することができました。

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初期受注では、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った先進安全技術「ホンダセンシング」の装着率が82%を超えているというのも注目ですが、それだけ安全・安心を求めているユーザーが選んでいるということでしょう。

実際、運転してみても市街地走行であっても、リヤタイヤがどっしりと落ち着いた印象があり、車高の高いミニバンにありがちな不安は感じません。それでいて、ハンドル操作への反応がダルというわけではなく、むしろリニアに向きを変え始めるという印象。

1.5リッターのハイブリッドとガソリン直噴のパワーユニットを積むことから同社のコンパクトカー「フィット」派生のミニバンと思われているフリードですが、今回のフルモデルチェンジでは実質的に専用設計といえるプラットフォームを与えられているのです。その成果は、安心感のあるシャシー性能につながっているといえるでしょう。

ところで、ハイブリッドとガソリンエンジンが設定されるクルマでは、モーターによるひと押しがある分だけハイブリッドのほうがパフォーマンスに有利という印象もありますが、意外にもフリードについてはガソリン車のほうが速いのだとか。

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環境負荷も抑えるレアアースフリーのネオジム磁石を世界で初めて使ったハイブリッドパワートレインは、ファイナルギヤだけでなく7速DCTの変速比もフリード専用に仕立てるほど力の入ったものですが、その変更は燃費と加速性能をバランスさせるというのが大きな狙い。

そのため、1.5リッターエンジンは、ヴェゼルハイブリッドなどが使う直噴タイプではなく、効率重視のアトキンソンサイクル(ポート噴射)仕様となっています。

一方、ガソリン車に与えられたi-VTECガソリン直噴エンジンは、最高出力131馬力もあるパフォーマンス重視のキャラクター。

実際、アクセルを踏んでみてもグッと出ていく印象が強いものとなっています。また最高出力発生回転が6600rpmという、いまどきのエンジンとしては高回転寄りなキャラクターも、CVTならではの伸びやかな加速とも相性がいいのかもしれません。

その辺りの印象について開発者に理由を訊くと、「ガソリン仕様のほうがハイブリッドよりも少しだけ加速は鋭いのは事実です。社内測定による0-100km/h加速ではコンマ数秒ほどガソリン車が速くなっています」と言います。

とはいえ、パワートレインの性格差だけではなく「車重が違う(ハイブリッドのほうが60kgほど重い)のが一番効いているかもしれません」と物理的な違いが大きいことも、エンジニア氏は教えてくれたのでした。

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●ホンダ・フリード ハイブリッドB(FWD)
車両型式:DAA-GB7
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1400kg
乗車定員:6名
エンジン型式:LEB
エンジン形式:直列4気筒DOHC(アトキンソンサイクル)
総排気量:1496cc
最高出力:81kW(110PS)/6000rpm
最大トルク:134Nm(13.7kg-m)/5000rpm
変速装置:7速DCT
モーター型式:H1
モーター形式:交流同期発電機
モーター最高出力:22kW(29.5PS)/1313-2000rpm
最大トルク:160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm
燃料消費率:27.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):227万6000円

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●ホンダ・フリードB(FWD)
車両型式:DBA-GB5
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1340kg
乗車定員:6名
エンジン型式:L15B
エンジン形式:直列4気筒ガソリン直噴
総排気量:1496cc
最高出力:96kW(131PS)/6600rpm
最大トルク:155Nm(15.8kg-m)/4600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:19.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):190万円

(写真:門真 俊 文:山本晋也)

ホンダ フリード/フリード+が好調。発売1ヵ月で販売計画の4倍以上を受注

9月16日に発売された新型ミニバン「ホンダ・フリード」の販売が、1ヵ月で累計受注台数2.7万台と、好調に推移しています。

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販売計画である6,000台/月の4倍超を受注しており、「フリード」(3列シート/6〜7人乗り)は子育て層、「フリード+」(2列シート/5人乗り)は独身や子離れ層の顧客が多くを占めているそうです。

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同社によると、好評点として以下を挙げています。

・先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」
・エクステリアデザイン
・多彩なシートアレンジと広い室内空間
・車中泊が可能なフラット空間、超低床下収納
・力強い走りと低燃費を両立したパワートレイン

2代目となったフリードシリーズでは、兄弟車の「フリードスパイク」が「フリード+」に改名され、HV用の駆動モーターには大同特殊鋼と共同開発したレアアースを使わない世界初のネオジム磁石が採用されています。

ガソリンモデルには1.5L直4エンジン(131ps/15.8kgm)を搭載。ハイブリッドモデルには1.5L直4エンジン(110ps/13.7kgm)に駆動用モーター(29.5ps/16.3kgm)が組合わせられます。

販売台数の構成比は、フリードが36%、同HVが38%、フリード+が11%、同HVが15%と、いずれもハイブリッドモデルがガソリンモデルを上回っており、全体ではハイブリッドモデルが半数を超えている状況となっています。

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グレード別で見ると、ガソリンモデルでは「G Honda SENSING」(70%超)、ハイブリッドモデルでは「HYBRID G Honda SENSING」(50%-60%超)がそれぞれ売れているようです。

メーカーオプションでは「Honda SENSING」の装着率が80%を超えています。

気になる燃費は、ガソリンモデルが19.0km/L(4WDは17.6km/L)、ハイブリッドモデルが26.6-27.2km/L(4WDは25.2km/L)となっており、ハイブリッドモデルの燃費がトヨタ シエンタと同一であることから、ホンダが同車をライバル視していることが読みとれます。

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車両価格はフリードが188万円〜(HVは225.6万円〜)、フリード+が190万円〜(HVは227.6万円〜)となっており、4WD仕様はさらに22〜23万円高の設定。

新型は内外装のデザインも洗練されており、販売が好調なのも頷けます。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!
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【関連リンク】

ホンダ フリード/フリード+
http://www.honda.co.jp/FREED/

新型フリード/フリード+の個性と利便性を両立するドレスアップはこちら!

■新型フリード/フリード+の個性と利便性を両立する「モデューロ」

新型フリード/フリード+のスタイルは、男女を問わないユニセックスなデザインを備えています。しかし売れっ子ライバルのシエンタは、歌舞伎役者のような隈取りフェイスで個性を発散していますから、新型フリード/フリード+のプレーンなノーマルデザインでは、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

そんな声に応えるべく、ホンダは2種類の純正アクセサリー&エアロパーツを用意してきました。

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ひとつはホンダアクセスが提供する「モデューロ」。銀の羽を広げたようなグリルや両サイドに張り出したフロントバンパーは、新型フリードに力強い個性と存在感を与えてくれます。

また新型フリード+用のラゲッジ活用アクセサリーでは、快適な車中泊を約束するラゲッジクッションマットや収納性を向上するラゲッジマルチボード等、広大な超低床ラゲッジ空間の利便性をより一層高めてくれます。

■ホンダのスポーティカスタマイズ・ブランド「無限」

2つ目は、ホンダ車のスポーティカスタマイズで知られる「無限」。アグレッシブなグリルやバンパーに加え、専用マフラーまでラインナップ。また5本のツインスポーク・アルミホイールなどで、ドレスアップが楽しめます。

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インテリアでは、赤く縁取られた黒いフロアマットを設定。車種とパワーユニット毎に、ジャストフィットサイズを用意しています。またハイブリット用のカーボンセレクトノブはリアルカーボン製で、ドライブ気分を高めてくれます。

新型フリード/フリード+の個性と利便性を両立する「モデューロ&無限」で、自分なりのドレスアップをエンジョイしてみてはいかがでしょう!?

■第541弾 新型フリード/フリード+のすべて (電子版はこちら

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星崎 俊浩

5ナンバー枠でよくぞ! 新型フリード/フリード+は、ダイナミックなフォルムに機能を満載!

■「ダイナミズム&ファンクショナリティ」が共通スタイルのテーマ

先代フリード&フリードスパイクでは、乗員数やラゲッジスペースの機能面だけでなく、スタイルでも異なるデザインを採用。機能とスタイルの両面から、差別化をはかっていました。

しかしスタイルの市場調査を行ったところ、スパイク・ユーザーはフリードとの差別化よりも、クルマとしてのカッコ良さを重視していることが判明。

そこで今回の新型フリードと新型フリード+では、あえてボディデザインを分けずに統一することにしたのです。

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デザインテーマは「ダイナミズム&ファンクショナリティ」。

デザイン開発では、パーソナルでダイナミックなA案とビックキャビンで機能的なB案を選抜。そして双方の良いところを融合して、両車共通のデザインを練り上げました。

■デザインポイントは、A案のアンダーボディとB案のキャビンの融合

デザインのイイトコ取りポイントは、A案の彫りの深いアンダーボディと、B案の伸びやかなキャビンの融合です。

実車を見ると狭い5ナンバー枠でよくぞというくらい、A案の彫りの深いボディサイドが、ダイナミックな立体感を訴求。またスライドドアのレールがリアランプに刺さるように伸びているのも特徴的で、個性的な造型を実現しています。

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一方B案からは、広いフロントウィンドウと、伸びやかなルーフライン、更に切れ上がったリアサイドウィンドウを採用しました。

またフロントウィンドウの上端中央では、ルーフが凸面形状になっています。これはグリル形状を反復したデザインで、新型フリード/フリード+の新しいワンポイントアクセントになっています。

■第541弾 新型フリード/フリード+のすべて (電子版はこちら

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星崎 俊浩

新型フリード/フリード+で、家族構成や世代、趣味にマッチしたカーライフをエンジョイ!

■新型フリード/フリード++は、居住性も視界も広いのが自慢!

新型フリード/フリード++の運転席に乗り込むと、ステアリング越しのデジタルメーターが目に入ってきます。インパネは、センターのカーナビ画面から木目調パネルが水平に広がり、爽やかな印象を演出しています。

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またデジタルメーターを薄型化して前方の見通しを改善するとともに、フロントウィンドウも頭上近くまで拡大。視界はより明るくより広く、上方の信号も見えやすいのが特徴です。

■新型フリードは、まさしくファミリーにちょうどいい!

新型フリードはコンパクトなサイズながらも3列シートを備え、多人数が無理なく乗れる居住空間を確保しています。2列目シートは、2座のキャプテンシートとタンブル収納式の3人乗りベンチシートから選択。

3列目シートは跳ね上げ収納式。背もたれが小振りながら縦長のヘッドレストが備わりますし、座面クッションもしっかりしており、実用的な仕立てとなっています。
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新型フリードは、街乗りや小旅行が中心で、時々に祖父母や友人家族を乗せるようなファミリーにピッタリ。まさに日本の家族事情にマッチした「ちょうどいい」クルマだと思います。

■新型フリード+をトコトン使い倒してみたい!

新型フリード+は、2列シートの5人乗り仕様。圧巻なのは、底が抜けたような超低床がもたらす広大なラゲッジ空間。福祉用車イス仕様と共通構造なので、外観からは想像できないほどの容量を備えています。

また2列目シートの背もたれを倒してラゲッジにユーティリティボードを被せると、173cmの筆者が縦に寝れるフラットなスペースが出来上がります。
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例えば新型フリード+なら、ヤングファミリーが装備のかさ張るアクティブレジャーに出掛けても、大抵の荷物を飲み込んでくれるでしょう。また夜討ち朝駆けの釣り紀行であれば、ユーティリティボードでラゲッジを寝床仕様にしたままでも、ボード下部のラゲッジ空間にクーラーや釣竿などを収納できるので大変便利。

新型フリード/フリード++なら、家族構成や世代、目的や趣味に合ったカーライフを、存分に堪能できると思います。

■第541弾 新型フリード/フリード++のすべて (電子版はこちら

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星崎 俊浩

新型フリード+の超低床ラゲッジに、人に優しいMM思想の真髄を見た!

■ちょうどいいサイズのまま居住性向上、ハイブリッドではレアアースレス・モーターを開発

新型フリード/フリード+開発責任者の田辺LPL(ラージプロジェクトリーダー)は、歴代フリードの全長である4.2〜4.3m枠が、まさしくコンパクトミニバンの「ちょうどいいサイズ」だと判断。

その枠内で全長を50mm伸ばしつつ、1〜3列目のヒップポイント間距離を90mm拡大して、居住性を改善しました。

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また新型フリード/フリード+では、コンパクトミニバンとしては初めて、4WDにハイブリッドを設定しました。

さらに、資源として希少で高価なレアアース(重希土類)を使わないハイブリッド用モーターを新たに開発。磁石の配置や冷却方法等の様々な創意工夫を組み合せて、世界初のレアアースレス技術の実用化を達成したのです。

■フリード+の超低床ラゲッジ空間は、目から鱗のワクワク大発見!

新型フリード+は、先代フリードスパイクのエンジョイ・コンセプトを引き継ぎました。

リアのハッチバックを開けると、眼前に底が抜けたような広大な超低床ラゲッジ空間が展開されるのですから、ビックリ仰天! この今まで見たことのない空間が、アクティブレジャーから車中泊まで、ワクワクするようなカーライフの可能性を予感させてくれるのです。

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例えばユーティリティボードを使ってラゲッジをフラットにすると、快適な寝床とともに、ボード下部に大きなラゲッジ空間が確保できるのですね。そのため従来は、雨降りでも車外に置くしかなかった荷物や道具を、ラゲッジ内に収納することができます。

この超低床ラゲッジは、いかにもホンダらしい目から鱗の大発見だと思います。

■福祉用車イス仕様とエンジョイ仕様の統合に、MM思想の真髄を見た!

この超低床ラゲッジのきっかけは、福祉用車イス仕様の検討でした。

「高齢化が進行する中、車イスの搭乗はもはや特別ではない」というシビアな議論から「車イスを載せるための超低床をラゲッジとして使うことで、新しいカーライフを提案できる」とポジティブな発想に思い当たったというのですから素晴らしい!

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ただ、開発では様々な難問があったそう。

最大の難関はボディ剛性の確保が困難なこと。リアハッチバックの大開口部と超低床の大空間はボディ剛性には不利な要素ばかりなのですね。そこで新型フリード+では、福祉用車イス仕様を統合。同一ボディとして開発したことで設計の共通化がはかれ、コストを抑えたボディ開発が可能になったのです。

筆者は、福祉とエンジョイ仕様を両立する新型フルード+のコンセプトに、人に優しいホンダのMM思想の真髄を見た思いがしました!

 ■第541弾 新型フリード/フリード+のすべて (電子版はこちら)

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(星崎 俊浩)

新型フリードが「プラス」した、広大な超低床ラゲッジ空間とは!?

■新型フリードは、広大な底抜けラゲッジをもつ「フリード+」をプラス

新型フリードのフルモデルチェンジは実に8年振り。

一足先にモデルチェンジして大ヒットをかっ飛ばしているトヨタ・シエンタを追撃すべく、3列シートのフリードと2列シートのフリード+の2種類のボディで登場しました。

2つのボディといっても外側のスタイルはほぼ共通で、フィットファミリーに準じたユニセックス風デザインを採用。その分実利本位で内側のラゲッジ構造を大幅に変更し、それぞれ全く異なる機能や使い勝手を実現しています。

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3列シートの新型フリードは、従来どおり多人数ミニバンながらコンパクトなサイズを継承。2列目がキャプテンシートの6人乗りと、ベンチシートの7人乗りを設定しています。

注目は、スパイク後継車である2列シート5人乗りの新型フリード+。

人が座ったままの車イスを乗せられる程、床底をごっそりとくり抜いた「超低床ラゲッジ空間」を出現させました。

この広大さは本当に見事で、シートやユーティリティボードのアレンジによって、装備がかさばるアウトドアから車中泊まで様々なカーライフシーンが目に浮かんでくるようです。

■パワーユニットは、ハイブリッドにも4WDを設定

新型フリード/フリード+ともにパワーユニットは、直4・1.5Lガソリンエンジン+CVTと直4・1.5L+モーター内蔵7速DCTのハイブリッド仕様の2種類。

更にエンジン仕様だけでなく、ハイブリッド仕様にも4WD(フリードは6人乗りのみ)を設定。燃費はエンジン仕様が17.6〜19km/l、ハイブリッド仕様が25.2〜27.2km/lと優秀です。

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このように新型フリードは、先行するシエンタを追撃するべく、従来の多人数仕様に磨きをかけるとともに、新型フリード+で今までにない超低床ラゲッジを提案。

更にコンパクトミニバンでは初となるハイブリッド4WDを設定し、充実したラインナップで攻勢をかけてきたのです。

■ホンダセンシングが付いた上級グレードがお買い得

新型フリード/フリード+の価格帯は、190万〜約273万円。

フリードとフリード+の価格差は、6人乗りフリードより5人乗りフリード+の方が2万円高く、7人乗りフリードが更に数千円高くなっています。またハイブリッドは約38万円高、4WDは約23万円高の価格設定になっています。

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新型フリード/フルード+では、家族構成やカーライフ、予算等に応じて、本当に幅広い選択肢が用意されています。

お買い得なのは上級グレードに運転支援機能が付いた「G Honda SENSING」で、価格以上の機能と装備が魅力。ただ同じグレードでも、フリードとフリード+、またガソリンとハイブリッド仕様で装備が微妙に異なりますから、ご注意ください。

■第541弾 新型フルード/フルード+のすべて (電子版はこちら

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(星崎 俊浩)

新型ホンダ・フリードとライバルのトヨタ・シエンタを徹底比較【安全装備、価格編】

好調トヨタ・シエンタと期待の新型フリードは、燃費もボディサイズも大差なく、あとは積載性やシートアレンジの差、そして安全装備と価格の差が気になるところ。

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ここでは、安全面と価格について比較していきたいと思います。

まず、衝突被害軽減ブレーキは、フリードが約5km/h以上〜約80km/h以下で作動。シエンタは、約30km/h〜80km/hの領域ではプリクラッシュブレーキアシストが作動となっていて(自動ブレーキは約10km/h〜80km/hの車速域で作動)、対歩行者も謳うのはホンダのCMBSとなっています。

さらに新型フリードは、約10km/h〜約40km/hでの走行中に路側帯などの歩行者と衝突しそうになると警告するだけでなく、ステアリングを制御。約50km/h以上で車線逸脱警報のみとなるシエンタに差をつけています。

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安全装備では、シエンタよりも後発だけに新型フリードの装備が若干リードしていて、価格面にも一部現れています。シエンタが160万円台〜、フリードが190万円近いエントリーグレードという設定。

siet1507_01_sハイブリッドは225万円前後からという価格設定ですからほぼ互角。ただし、シエンタ(ハイブリッド)は5万4000円の「トヨタ・セーフティ・センスC」を付けても223万円台〜。

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一方、フリード(ハイブリッド/6人乗り)は「ホンダ・センシング」装着車が250万円近い設定となっていて、安全装備の差があるとはいえ少し高めの価格となっています。

(塚田勝弘)

【関連記事】

新型ホンダ・フリードと好調トヨタ・シエンタを比べて見ると?【燃費、ボディサイズ編】
http://clicccar.com/2016/09/20/400067/

新型ホンダ・フリードをライバルのトヨタ・シエンタと徹底比較【燃費、ボディサイズ編】

ホンダ・フリードがフルモデルチェンジを受けました。

以前から2015年秋くらいという噂もありましたが、フィットやヴェゼルなどのリコール問題の影響により当初の予定よりも遅くなったのでしょう。

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ライバルのトヨタ・シエンタは2015年7月に発売されて以来、ハイブリッドはミニバントップクラスの27.2km/L、1.5Lガソリンでも20.6km/Lという燃費を武器に月1万台ペースで売れまくっています。登録車販売台数ではプリウス、アクアに続いて3位が定位置。この3台で表彰台独占状態が続いています。

シエンタが好調なのは、燃費やパッケージングだけではないでしょう。インパクトのあるエクステリアをはじめ、デザインのさじ加減が絶妙。コストを抑制しながらも安っぽく見えない内・外装の質感もヒットの要因といえそう。

siet1507_03_s一方の新型フリードは、ひと目でフリードと分かる正常進化といえるもので、初代発売から8年近くを経て登場しただけに、先代ユーザーの買い替えも促したいという意図が感じられます。

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さて、気になる燃費は、アトキンソンサイクルの1.5Lガソリンに、重希土類完全不使用のネオジウム磁石を使ったモーターを組み合わせたハイブリッドが最高値で27.2km/L。また、シエンタにはないハイブリッドの4WDを用意し、25.2km/Lという燃費を達成。

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なお、1.5LガソリンはFFが19.0km/L、4WDが17.6km/Lとなっています。ハイブリッドの燃費はシエンタに並んだものの、ガソリン車では僅かに追いつけなかったというところ。

ただし、実燃費ではなくカタログ値であり、またこの程度の差なら走らせ方次第で挽回できるはずなので燃費はほぼ互角ではないでしょうか。

次に気になるのは、ボディサイズ。

シエンタは全長4235×全幅1695×全高1675mmで、ホイールベースは2750mm。最小回転半径は5.2mとなっています。新型フリードは、全長4265×全幅1695×全高1710mmでホイールベースは2740mm。最小回転半径は5.2m。

フリードの方が全長が30mm長く、全高も15mm高くなっていますが、大差はありません。

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シートは、5人乗りの2列シート、6人もしくは7人乗りの3列シートを用意するのも両車同じ。

ただし、フリード・スパイクの流れも組むフリードは、2列シート車と3列シート車でより明確な作り分けがされています。荷室フロアやリヤバンパー下側の専用設計、またセカンドシートも2列シート車と3列シート車では異なった作りになっていて、前者は訴求点であるシートのフラット化に対応する設計となっています。

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居住性の違いは、シエンタの2列目、3列目がかなり高めの位置に座らせるのに対し、フリードはそれほど高い位置に陣取る感じではありません。それでも2列目は、前方視界もよく圧迫感を抱かせません。

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また、3列目の乗降時も足元、頭上ともに広めのスペースが確保されています。3列目のフットスペースは短時間なら許容できそうな広さにとどまりますが、頭上には身長171cmの私で10cm強の余裕が確認できました。

ただし、とくに3列目はフロアから座面までの高さが低めなので、座り心地はもう少し。子どもなら常用できそうですが、身長170cmを超える人は短時間用の域を出ないでしょう。

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燃費とボディサイズ、取り回しに大きな差はなく、パッケージングやシートアレンジ、2列シート車と3列シート車の作り込みなどがシエンタとフリードの違いのひとつといえそうです。

(塚田勝弘)

新型フリードの進化とスマホの進化に共通するものとは?

先日、AppleからiPhone7とiPhone7 Plusが発売されました。

新型では防水機能や電子マネーでの支払い機能も加わり、さらにiPhone7 Plusには2つのカメラが備わって綺麗な写真を撮ることができると言います。

この数日間、いま持っている「iPhone5S」から変えるかどうかで頭を悩ませています。

すでに型落ちとなって久しく、例えばカメラの性能が上がればもっとクルマを綺麗に撮影できますし、たまにアプリが落ちることにイライラ、そしてバッテリーの消耗が激しいなどの細かな不満があるのも事実。

とりあえず日常生活に支障はないものの、スマホの役割は日々大きく広がっており、このままでは時代に取り残されることは明らか。

だからこそ、暮らしをより豊かにするには、その時代に“ちょうどいい”ものを持つことが大切だと思う次第であります。

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これが「フリード」に繋がります。

初代モデルが登場した頃は、依然として室内の広いミニバンの人気が高かった一方で、ただ大きくなるだけではかえって運転が難しくなるため、両方を上手く掛けあわせたモデルのニーズが高まっており、ホンダが提案した「フリード」は市場から評価され、大ヒットしました。

しかし、その登場は2008年。数回の改良が行なわれているものの、新しいレジャーが増えるなど使われ方の幅が広がり、いつしか痒いところに手が届かなくなりつつありました。

そこで新型「フリード/フリード+」では、実際の使い方に近いかたちで検証が入念に行ない、いまのニーズにしっかり応えられるようにしていると言います。

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「フリード」そして「フリード+」の名前で販売がスタートしたわけですが、両者の決定的な違いは2列目シートから後ろの空間にあります。

3列目シートを備えて6人または7人乗りが可能な「フリード」は、3列目シートの位置を先代モデルから後ろに下げたことで足元の空間を広げて、より快適に。

その一方、「フリード+」では3列目シートがないため乗車定員は5人。その代わりにボディ下端まで伸ばしたテールゲートにより荷室の広さと積載性がアップしています。

さらに、荷室を上下二段に分割するユーティリティボードのおかげで、車中泊も可能なほど広大でフラットな空間をつくることもできます。

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そんな荷室をさらに便利にするための純正アクセサリーも多数用意しているのもポイント。開発のハードルは当然高くなりますが、DIYではできない領域まで踏み込んだ機能性を有しています。

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機能性では「フリード」および「フリード+」の両者の違いは明確ですが、その一方でデザインの違いは少なく、見分けるポイントはテールゲートの長さくらいのものです。

先代の「フリード」および「フリードスパイク」では外観でも違いを表現していましたが、見た目を変えるということは大きな投資が必要になります。当然、開発時も議論があったわけですが、ユーザーへの聞き取りで“見た目より中身が大切だ”ということに気付いたそうです。

しかし、それは見た目を妥協することではありません。

新型では「ダイナミズム&ファンクショナリティ」として機能性と躍動感をどう表現するか?さらには表情も男性的もしくは女性的ではなく中性的を狙ったと言います。

ボディサイドにある力強いラインと大きな抉り、さらにリヤフェンダーの張り出しが目を引く下半身に伸びやかなグラスエリアで室内の広さを表現した上半身を合体させて、それを実現。誰が乗ってもしっくりくるポイントの狙い撃ちを完遂しています。

クルマがあることで得られる便利さを徹底的にアップデートした新型「フリード」。新規の方も、乗り換えの方も検討してみては?

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

表紙

先代フリードのオーナーは新型フリードに買い替えるべきか?

初代ホンダ・フリードの登場から8年近く経って、新型に移行した2代目フリード。

すでに先行予約で1万2000台(発売日前日の9月15日時点)受注しているそうですから、絶好のスタートを切ったといえそうです。

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先代フリードは50万台以上のオーナーがいるそうで、こうしたお客さんに買い替えを促すのが、まずは新型フリードの役割とのこと。

では、新型に買い替えるべきでしょうか?

先代フリードの4WD(ガソリン車のみ)に乗っていた方で、ハイブリッドの4WDが欲しかったのなら「買い」でしょう。シエンタにもハイブリッドの4WDはありませんから、25.2km/hという燃費は、先代フリードの4WD(13.2km/L)から倍近くになっています。

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さらに、出力の面でも118ps/144Nm(1.5Lガソリン、4WD)から、新型ハイブリッドはガソリンが110ps/134Nm、モーターが22kW(29.5ps)/160Nmという数値で、モーターによる力強い発進、加速が期待できます。

先代フリードの「IMA」ハイブリッドシステムに乗っていた人はどうでしょうか。

燃費は21.6km/Lから27.2km/Lに改善し、エンジンは88ps/132Nmの1.5LのSOHCから新型は直噴の1.5L DOHCになり、ハイブリッド用のLEB型は110ps/134Nmに引き上げられています。

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モーターも先代の10kW(14ps)/78Nmから、新型フリードでは22kW(29.5ps)/160Nmに引き上げられています。走りの面でも先述したように、発進や加速時に恩恵を感じられるはず。

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一方、先代フリードの1.5Lガソリン(FF)に乗っている場合は、16.0km/Lから19.0km/Lと燃費だけ見ると微妙なところですが、ポート噴射から直噴化された新型は出力でも131ps/155Nmと、先代の118ps/144Nmから着実に増強されています。

燃費や出力だけでクルマを買い替える人は少ないでしょうが、ガソリン車に関してはエンジンの数値上では「圧倒的な」強みは感じられません。

パッケージングの面ではどうでしょうか?

確かにシートの座り心地をはじめ、シート間の前後距離(タンデム)やシート左右間の距離、頭上空間、荷室の広さや使い勝手など着実な進化を遂げているようですが、5ナンバーコンパクトミニバンという制約の中、某ビフォーアフターのような「劇的」な変化は最初から望むのは酷というもの。

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とはいえ、居住性・積載性に関してはオーナーならすぐに新型の利点を理解できるでしょうから、ディーラーで念入りにチェックしたいところです。

では、先代オーナーが買い替えるべき最大のポイントはというと、ずばり「安全面」でしょう。

「ホンダ・センシング」搭載車は初期受注でその割合が高めとはいえ、7〜8割くらいに達しているそうです。

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先代フリードからの買い替えであれば駆動方式や2列の3列シート配列を問わず「ホンダ・センシング」搭載車をチョイスすべきで、安全面は当然のこと、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(車線維持支援システム)、先行車発進お知らせ機能などのドライバーサポート機能といった最新装備も「買ってよかった」と実感できると思います。

(塚田勝弘)

ホンダ・フリードは、3列シートより2列シートのほうが「重い」!?

ホンダのコンパクトミニバン「フリード」がフルモデルチェンジ。

3列シートのフリードは6名乗車と7名乗車を設定、旧型ではスパイクのサブネームが付いていた2列シートは、新たに「フリード+(プラス)」という名前に生まれ変わっています。

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それにしても、3列シートの「フリード」に対して、シートが減っている2列シート車に『プラス』という名前が選ばれたのは、ちょっと不思議な感じもします。

そうした疑問を開発責任者である田辺 正さんにぶつけると「3列目シートがなくなっているのでフリード『マイナス』のほうがわかりやすいという冗談めいた話もありました」と言いながら、興味深いことを教えてくれたのです。

「じつはシートが減っていても、フリードプラスのほうが重量がプラスになっています」。

たしかにカタログで確認すると同等グレードでの比較でフリードプラス(5人乗り)はフリード(6人乗り)に対して10〜20kgほど重くなっています。

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基本構造は共通ながら、低床フロアパネルを採用するなどモノコックボディから別物となっているフリードプラス。

その低床フロアは、車いす仕様車でも使えるよう十分な強度が与えられています。つまり、補強が入っているためにフロアがかなり重くなっており、結果的に重量増につながっているというわけです。

また、フロア構造が異なるために、フリードプラスのリヤサスは、フリードに対してストロークが短くなっているともいいます。だからといって乗り心地に影響があるほどではないのですが、一人乗車でのコーナリングを比べると、フリードプラスのほうが早めにリヤがバンプタッチする感触があり、フロア構造の違いによるサスペンションの差を感じることもできます。

ちなみに、重量差はそれほど大きくないためバネレート自体はフリード、フリードプラスともに共通になっているということです。

(山本晋也)

ホンダ・フリードがフルモデルチェンジ。超低床ラゲッジの「フリード+(プラス)」を新設定

ついにホンダ・フリードがフルモデルチェンジです。

そのルーツといえる「モビリオ」の誕生によってコンパクトサイズのスライドドア・ミニバンというカテゴリーを確立したフリードが2代目へと進化しました。

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「ちょうどいい」というキャッチコピーが話題を集めた先代モデルのコンセプトを、さらに一歩進めた新型フリードのコンセプトワードは、『セブンデイズ・ワンダフル・モビリティ』。1周間通じて「ダントツにちょうどいい」を目指しています。

3列シートの「フリード」を基本に、2列シートの「フリード+(プラス)」をラインナップ。

従来は「スパイク」のサブネームだった2列シート仕様ですが、新型では専用の低床フロアを与えられ、テールゲートも長くなるなど、よりラゲッジの使い勝手を進化させています。

パワートレインは1.5リッターのガソリン直噴エンジンとスポーツハイブリッドi-DCDを用意。ライバルとなるトヨタ・シエンタの場合、ハイブリッドはFFだけの設定ですが、フリードはハイブリッドにも4WDが設定されているのがアドバンテージです。

なお、ハイブリッド車のJC08モード燃費はFFで27.2km/L、4WDは25.2km/Lとなっています。

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乗車定員は3列シートが6人乗りと7人乗り(FFのみ)、フリード+は5人乗りとなります。

さらに6人乗りの助手席リフトアップシート車、4人乗りの後席サイドリフトアップシート車、全部で6人乗車が可能な車いす仕様と、シートレイアウトと駆動方式により全16通りのバリエーションを誇ります。

メーカー希望小売価格は、フリードが188万円〜272万800円、フリード+は190万円〜274万8000円。

車いす仕様は244万円〜272万2000円、助手席リフトアップシート車は240万円、サイドリフトアップシート車は238万円〜266万2000円となっています。

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●フリード ハイブリッドG(6人乗り・FF) 主要スペック
車両型式:DAA-GB7
全長:4265mm
全幅:1695mm
全高:1710mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:1410kg
乗車定員:6名
エンジン型式:LEB
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1496cc
最高出力:81kW(110PS)/6000rpm
最大トルク:134Nm(13.7kg-m)/5000rpm
モーター型式:H1
モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:22kW(29.5PS)/1313-2000pm
モーター最大トルク:160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm
変速装置:7速DCT
燃料消費率:27.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/65R15
メーカー希望小売価格(税込):2,376,000円

(山本晋也)

「ちょうどいいミニバン」新型ホンダ フリードが発売へ!

ホンダがフルモデルチェンジを予定している「ちょうどいい」サイズのコンパクトミニバン「FREED(フリード)」。

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同社は6月24日に次期モデルに関する情報を一部公開、既に先行受注を開始しており、9月16日(金)とされる正式発売を前に、かなり好調に受注が推移している模様。

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公開されたフロントマスクは「フィット」や「ステップ ワゴン」に近くなっており、全長4,265mm(+50mm)×全幅1,695mm(±0)×全高1,715mm(±0)と、従来同様、小回りが利くサイズを踏襲。

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コンパクトなボディに3列シートを装備しており、新型では1列目と3列目のシート間距離を90mm拡大、2列目シートの前後スライド量を+120mm増すなど、室内の居住性をさらに向上させています。

ガソリン/ハイブリッドの両仕様を用意、前者は1.5L直噴 i-VTECエンジン(132ps/15.8kgm)とCVTの組み合わせ、後者は1.5Lアトキンソンサイクルi-VTECエンジン(110ps/13.7kgm)+モーター(29.5ps/16.3kgm)に7速DCTを組合わせた「Sport HYBRID i-DCD」仕様となっている模様。

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なかでも注目は、ハイブリッドモデルに搭載されている駆動用モーターにおいて、脱レアアース化を実現している点。

通常、モーターに使われるネオジム磁石はエンジンルームなど高温下での性能維持のため、ジスプロシウムやテルビウムといったレアアースの添加が不可欠となっています。

このレアアースが中国への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスクを伴うため、ホンダは大同特殊鋼と共同で高耐熱性と高磁力を兼ね備えたレアアースを使わないネオジム磁石を世界で初めて実用化、 新型「フリード」に搭載。

また、ミリ波レーダーと単眼カメラを融合した精度の高い検知機能で安全運転を支援する「Honda SENSING」を新たに搭載。

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さらに、ハイブリッド車にも4WDモデルをラインナップするなど、バリエーションを充実させています。

車両価格はガソリンモデル(FF)が188万円から、ハイブリッドモデル(FF)が225.6万円から(4WDモデルは各22〜23万円高)となる模様。

6人乗りと7人乗り(FFモデルのみ)が用意されており、2列シート仕様で5人乗りの兄弟車、フリード スパイクについては車名が「フリード+(プラス)」に改められるそうです。

同車の恰好のライバルとなりそうなトヨタ「シエンタ ハイブリッド(27.2km/L)」に対して、新型ホンダ「フリード ハイブリッド」が燃費でどこまで迫るのかが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

【関連記事】

発売直前!新型・ホンダ フリードをチェック
http://clicccar.com/2016/08/20/393558/

ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!
http://clicccar.com/2016/07/18/385856/

【関連リンク】

新型ホンダ フリード http://www.honda.co.jp/FREED/new/

発売直前!新型・ホンダ フリードをチェック

人と荷物が十分乗るスペースを持ちながらもボディサイズをコンパクトにまとめた「フリード」。「ちょうどいい」のフレーズでもお馴染みの同車が9月16日に満を持して新型へと生まれ変わります。

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すでにホームページ上では、その姿カタチをはじめとした様々な情報が明らかにされていますが、もうチェックしましたか?「まだ」という方は、是非その魅力をチェックしてみてください。

まず、全長は4215mmから4265mmへと若干拡大しているとはいえ、最大で7人乗れるミニバンとしては異例のコンパクトさは健在。

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その一方で、室内空間は1〜3列目のシート間の距離で9cm、さらに2列目シートスライド量を12cmアップしたことで居住性が向上しているとのこと。

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さらに安全面でも大幅な進化を遂げています。フロントウィンドウに備わる単眼カメラとフロントバンパーに仕込んだミリ波レーダーによる高い検知機能がウリの先進安全運転システム「Honda SENSING」を一部グレードに設定。

衝突軽減ブレーキをはじめ、前走車を追従するアダプティブ・クルーズ・コントロールや車線維持支援システムといった機能が盛り込まれています。

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パワートレーンは従来型と同じくガソリンエンジンとハイブリッドの二本立てですが、ハイブリッドは「フィット」を筆頭に数多くのモデルに搭載し実績を積んでいる「SPORT HYBRID i-DCD」を採用。

燃費は明らかにされていませんが、このユニットの実力は「フィット」で36.4km/Lを達成しているだけに期待は高まります。ちなみに、4WDの設定もあるとのこと。

hybrid エンジン

公開されている動画では、キビキビと回る姿や、広い室内空間をテンポよく紹介。最後には「すべての人にちょうどいいHonda」とお馴染みのセリフも。登場は秒読みですが、その登場が待ち望まれている1台です。

(今 総一郎)

新型ホンダ・フリードのモーターにレアアースフリー磁石を世界で初めて採用

大同特殊鋼とホンダは、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、重希土類完全フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化し(大同特殊鋼、ホンダ調べ)、今秋発表予定の新型「フリード」に採用すると発表しました。

なお、重希土類とは、希土類(レアアース)の区分の一つで、軽希土類、中希土類、重希土類の3つに分類されているうちの一種類です。

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ハイブリッド車など電動車の駆動モーターには、世界最強の磁力を持つネオジム磁石が使用されており、今後、急激な需要拡大が見込まれています。

ハイブリッド車用駆動モーター用のネオジム磁石は高温環境下で使用されるため、高い耐熱性が要求されます。その耐熱性を確保するために、従来は重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されてきました。

しかし、重希土類元素は世界的に有力鉱床が偏在し、希少金属(レアメタル)にも分類されるため、安定調達・材料コストの観点でリスクを抱えています。

重希土類元素の使用量を低減することが、ハイブリッド車駆動モーター用にネオジム磁石を使用する上で大きな課題の一つでした。

大同特殊鋼の完全子会社であるダイドー電子では、ネオジム磁石を一般的な製造工法である焼結工法とは異なる熱間加工法により、量産しています。熱間加工法は、ナノレベルの結晶粒を高度に配向させることができる技術で、一般的な焼結磁石の10分の1程度の微細な結晶粒組織を得ることで、より耐熱性が高い磁石を製造可能としています。

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今回、大同特殊鋼が熱間加工法の技術をさらに進化させるとともに、ホンダが駆動モーター開発の経験を活かして磁石形状を見直すなど、共同で開発を進めた結果、重希土類元素を全く使用せずに、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性・高磁力を実現したネオジム磁石を世界で初めて実用化しました。

さらにホンダは、この磁石に対応した新しいモーターを設計し、磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁石にかかる磁束の流れを最適化することで、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石をハイブリッド車用駆動モーターに採用することができました。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成しているということです。

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本技術の採用により、ネオジム磁石の適用を拡大しても、課題であった重希土類元素の制約が無くなり、その資源リスクを回避して調達ルートの多様化も図ることが可能になりました。

ホンダでは、今秋発表予定の新型フリードに搭載するハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド) i-DCD」に、今回の重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石を採用するとともに、順次、新型車に適用を拡大していきたい、としています。

また、大同特殊鋼では、従来、焼結ネオジム磁石の独占状態であったハイブリッド車駆動モーター用磁石市場に、熱間加工ネオジム磁石で新規参入します。

ダイドー電子本社工場(岐阜県中津川市)が、経済産業省の補助金を受け建設した新製造ラインで、来月から量産、出荷を開始し、重希土類完全フリーを維持しながら、さらなる高特性化に向けた磁石の開発も引き続き推進します。

磁石の原料となる磁粉は、カナダ・オンタリオ州トロント のマグネクエンチ社(Magnequench International, Inc.)から調達しており、マグネクエンチ社と原料磁粉の開発を続けるということです。

(山内 博・画像:ホンダ)

ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!

ハイブリッド車(HV、PHV)をはじめとする電動車では、駆動用モーターに使用する磁石の脱レアアース(希土類)が大きな課題とされています。

駆動用モーターの「ネオジム磁石」は、エンジンルームなど高温下での性能維持のため、ジスプロシウムやテルビウムといったレアアースの添加が不可欠の状況。

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ただ、レアアースは中国への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスク面から、使用量を減らすことが喫緊の課題となっています。

そうしたなか、ホンダと大同特殊鋼が7月12日、HV用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、レアアースを使わないネオジム磁石を共同開発、世界で初めて実用化したと発表しました。

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大同特殊鋼の子会社であるダイドー電子が、ネオジム磁石の製造工法として採用している「熱間加工法」(ナノレベルの結晶粒を配向させる技術)をさらに進化させた上で、ホンダが磁石形状やローター形状を工夫することにより、磁束の流れを最適化。

一般的なネオジム磁石は、比較的大きな磁石粉末を金型に充てん後、高温下で焼結するのに対し、開発品では磁石結晶の粒径を1/10まで微細化、加熱した金型から押出す工法を採用。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成、生産コストの低減も併せて実現したとしています。

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ホンダは今秋発表予定の新型HVミニバン「フリード」にこの技術を適用しており、順次、新型車への拡大を目指す模様。

また、磁石の原料となる磁粉についても、カナダのマグネクエンチ社とさらなる高特性化に向けた開発を行うそうです。

トヨタも電動車用モーターの「脱レアアース」を進めており、要(かなめ)となる駆動用モーターの生産リスク解消に、ホンダが一足先に目処を付けたことになります。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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ホンダが新型フリード ハイブリッドに採用する「重希土類フリー」ネオジム磁石の利点とは?

2016年秋にホンダがフルモデルチェンジを予定している新型フリード ハイブリッド。

技術面で注目を集めているのが、重希土類完全フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化する点です。

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「重希土類=レアアース」とされることが多いですが、あくまで希土類(レアアース)の区分のひとつであり、レアアース17元素は軽希土類、中希土類、重希土類の3つに分類されるそうです。

ホンダが大同特殊鋼とともに、重希土類フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を開発したのは、ハイブリッド車など電動車の駆動モーターに使用されているネオジム磁石は、今後、急激な需要拡大が見込まれているから。

ハイブリッド車用駆動モーターにおいて、ネオジム磁石は高温環境下で使用されるため、高い耐熱性が要求されます。耐熱性を確保するために、従来は重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されていました。

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レアアースというと、「中国にしかないのでは?」と誤解している方も多いと思いますが、重希土類元素は世界的に有力鉱床が偏在しているそうです。しかし、生産量の約97%が中国算ということで、価格の変動はもちろん、地政学的なリスクを抱えているという面もあります。

ホンダも重希土類完全フリーの熱間加工ネオジム磁石を開発した背景として、重希土類は希少金属(レアメタル)にも分類されるため、安定調達、材料コストの観点でリスクを抱えていると認めており、重希土類元素の使用量を低減することが、ハイブリッド車駆動モーター用にネオジム磁石を使用する上で、大きな課題のひとつでした。

新型フリード ハイブリッド向けに生産を受け持つのは、大同特殊鋼の完全子会社であるダイドー電子。ネオジム磁石を一般的な製造工法である焼結工法とは異なる熱間加工法によって量産するそうです。

なお、熱間加工法とは、ナノレベルの結晶粒を高度に配向させることができる技術で、一般的な焼結磁石の10分の1程度の微細な結晶粒組織を得ることで、より耐熱性が高い磁石が製造可能。

今回、大同特殊鋼が熱間加工法の技術をさらに進化させるとともに、ホンダによる駆動モーター開発の経験を活かし、磁石形状を見直すなどして共同で開発を推進。

そして、重希土類元素をまったく使用せずに、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性、高磁力を実現したネオジム磁石を世界で初めて実用化することができたそうです。

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さらに、ホンダはこの磁石に対応した新しいモーターを設計。

磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁石にかかる磁束の流れを最適化することで、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石をハイブリッド車用駆動モーターに採用が可能に。

気になる性能面ですが、トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成しているそうです。また、同技術の利点は、ネオジム磁石の適用拡大に際して課題であった重希土類元素の制約から脱却したことで、先述したように資源リスクを回避、調達ルートの多様化も図ることが可能になった点です。

今後の重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石の採用は、今秋発表予定の新型フリードに搭載するハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド) i-DCD」を皮切りとして、順次、新型車に適用を拡大していくとのこと。

多くの台数そして車種に採用されれば、コスト削減が実現し、さらにハイブリッドが身近な存在になるかもしれません。

(塚田勝弘)

新型ホンダ・フリード投入でトヨタ・シエンタを追撃!!

当初の予定よりも遅れているという噂もある次期ホンダ・フリード。

ミニ・ミニバンの定番モデルでありかなりの台数の代替えも期待できますが、トヨタ・シエンタがフルモデルチェンジを受けて「大」を付けてもいいヒットモデルになったことで、ホンダの心中は穏やかでないはず。

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ようやく? なのか分かりませんが、新型ホンダ・フリードのティザーサイトと写真が公開されました。

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モビリオの後継モデルであるホンダ・フリードは、2008年の発売以来、ジョン レノンの息子であるショーン レノンCMでもお馴染みになった「ちょうどいい」をコンセプトとして掲げ、5ナンバー枠に収まるコンパクトボディでありながら、広々とした室内空間や使い勝手を実現。

大ヒットとはならなかったモビリオから打って変わってファミリー層を中心に幅広く支持されてきました。

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2016年の秋には、その「ちょうどいい」フリードが新型にスイッチ。居住性、燃費性能、走行性能などさらに進化させて登場させるだけに、トヨタ・シエンタとのコンパクトミニバン争いは激化しそうです。

写真を見る限り、現行モデルよりもスタイリッシュなフォルムで、サイドウインドウをはじめとした大きな窓による、視界の良さなどもうかがわせます。

(塚田勝弘)

【関連サイト】

新型ホンダ・フリード先行公開ページ
http://www.honda.co.jp/FREED/new/