Motor Fan's YEAR 2016

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モトチャンプ

新型セレナのアラウンドビュー映像をナビ画面で確認できる、データシステムのRCA075N

データシステムから、新型セレナ用のリアカメラ接続アダプター RCA075Nが発売されました。

セレナでは通常、アラウンドビュー映像をメーター左側のマルチインフォメーションディスプレイに映し出します。

しかし、このアダプターを装着することにより、ナビゲーションのモニター画面へ出力することができるようになります。

これによって、より大きく手元に近い場所にあることの多いナビ画面で、周辺状況の確認が可能となり、一層安全に運転することができます。

早速取り付けたいっ!というセレナオーナーが多いと思いますが、ご注意。RCA075Nは、接続するナビやモニターによって、必要な製品が異なるそう。

写真はRCA075N。

たとえばディーラーオプションナビMM516D-Lに接続する場合、RCA075Nに加えてリアカメラ入力ハーネスRCH012Nが必要となります。

また、リアカメラ入力端子、ビデオ入力端子、あるいは両方に接続するなど接続方法によっても装着製品が異なるとのこと。

取り付けに際し、リアカメラ入力ハーネスのRCH012Nなどが必要になることも。詳しくはデータシステムのWEBサイトや専門店などで、ご確認ください。

価格
・リアカメラ接続アダプター RCA075N 標準価格:6,000円(税抜)
・リアカメラ入力ハーネス RCH012N 税別定価:2,858円(税抜)

(ドレナビ編集部)

日産・セレナの25周年限定車には、選べる3つのスペシャルセットと5万円オプション券が付いてくる!

発売から約1カ月で2万784台を受注し、2016年10月の新車(登録車)販売ランキングにおいて1万2408台で3位にランクインした日産セレナ。前年同月比はじつに331.5%増を記録し、新型の登場がどれだけ待望されていたかが伺えます。

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11月30日から発売されている「セレナ・25thスペシャルセレクション」は、初代バネット・セレナ誕生から25周年を記念した特別仕様車。

新型セレナには、部分自動運転技術の「プロパイロット」をはじめ、「スマート・ルームミラー」などが設定されています。同限定車には、これらの装備に加えてLEDヘッドランプやアラウンドビューモニターなどを組み合わせた期間限定車(2017年3月末までの販売)。

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さらに、同限定車で利用できるディーラーオプション券5万円のプレゼントキャンペーンも同時に実施されています。日産オリジナルナビゲーションなどのオプション購入に使えるほか、「25thスペシャルセレクション」のみで選択可能な3つのスペシャルオプションセットなどにも利用できます。

気になるスペシャルオプションセットは下記の3つ。

●スペシャルセット1:UV&IRカットフィルムとクリーンフィルタープレミアムのセット。通常価格6万7010円が5万円の特別価格。

●スペシャルセット2:ETC2.0本体とリバース連動下向きドアミラー(助手席側)のセット。通常価格6万5996円が5万円の特別価格。

●スペシャルセット3:ミシュランスタッドレスタイヤ(195/65R15)の4本セット。通常価格9万3744円が5万円の特別価格。

セレナ25周年記念車は、ハイウェイスター、Xの2WD/4WDに設定され、さらに、スペシャルセレクションAとスペシャルセレクションBが用意されています。なお「プロパイロット」と「スマート・ルームミラー」はスペシャルセレクションBに設定。

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日産セレナ・25thスペシャルセレクションの価格帯は、284万7960円〜346万7880円となっています。

(塚田勝弘)

ついにトヨタのトップ3が崩れた!2016年10月の登録車セールスランキングはミニバンに注目

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年10月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されました。

しばらく、プリウス、アクア、シエンタというトヨタのハイブリッドカーによるトップ3独占状態が続いていた登録車セールスランキングですが、ついにその牙城が崩れました。

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自動運転技術「プロパイロット」を初搭載した日産セレナがアクアに迫る3位となったのです。さらに5位にはホンダ・フリードが登場。先進安全性能や環境性能、そして利便性で話題を集める新型ミニバンが市場に元気を与えています。

セレナとフリード、いずれも前年比300%を超える数字で、新車効果はもちろんですが、新機能が市場に評価されていることも数字が示しています。

●2016年10月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 トヨタ プリウス 14,053台
2位 トヨタ アクア 12,480台
3位 日産 セレナ 12,408台
4位 トヨタ シエンタ 10,778台
5位 ホンダ フリード 9,153台
6位 トヨタ ヴォクシー 7,936台
7位 ホンダ フィット 7,585台
8位 トヨタ カローラ 6,663台
9位 トヨタ パッソ 5,868台
10位 トヨタ ノア 5,769台

そのほかの注目は、トヨタ・ヴォクシーとノアというMクラスミニバンの躍進。とくにノアは前年比112.6%と伸びています。新型モデルの登場により、ミニバン市場が活気を取り戻したといえそうです。

ちなみに、トヨタのMクラスミニバンといえばエスクァイア(10月のセールスは3,457台)を含めた3兄弟モデルとなっていますが、3モデルの合計は17,162台。モデルライフでいえばライバルよりも長くなっていますが、まだまだ高い評価を受けているといえそうです。

【関連記事】

9月の新車販売、プリウスが10ヶ月連続首位、ムーヴキャンバス9位に初登場!
http://clicccar.com/2016/10/10/405669/

2016年9月の登録車販売ランキング、相乗効果でミニバンが伸長傾向か?
http://clicccar.com/2016/10/07/405477/

日産セレナが「2016年度グッドデザイン賞」を受賞した理由とは?

自動運転技術「プロパイロット」や「ハンズフリーオートスライドドア」、「デュアルバックドア」など装備面が話題の新型セレナ。発売から約1カ月で2万台強を受注し、待望の新型モデルにふさわしいスタートダッシュを切っています。

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装備以外にも、グローバルで展開されている新世代の日産デザイン言語が適用され、歴代からのセレナらしさを継承しつつも次世代ミニバンとしての新しさが表現されているほか、2トーンカラーを含めた13色のボディカラーなど見どころ満載。

そのセレナが「2016年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

今回の「2016年度グッドデザイン賞」の受賞は、

「5ナンバーサイズ(一部グレードは3ナンバー枠)ながら、広大な室内空間を実現することに注力している。サイドのシュプールラインをより強調するとともに、クラス初の2トーンカラーを採用し、一目でセレナとわかる個性を実現した」

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「前方視界やインテリアの質感も大幅に改善。死角を減らすピラーのスリム化や、狭い場所でも分割して開閉ができるデュアルバックドアの採用など実用面にも配慮が行き届いている。先進運転支援技術であるプロパイロットをいち早く採用」

という点が高く評価されたそうです。

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セレナに限らず、5ナンバー枠でしかも空間効率を極限まで高めようとすると、箱型になるのは必然で、衝突安全や空力性能などの面からもデザイン性を高めるのは難しいはず。

モデルライフを通してヴォクシー/ノア/エスクァイア、ステップワゴンとの競争をどう勝ち抜いていくのか、デザインの力も試されています。

(塚田勝弘)

新型・セレナの販売が絶好調! 発売約1カ月の受注台数は?

部分自動運転技術の「プロパイロット」をはじめとして、「デュアルバックドア」、「ハンズフリーオートスライドドア」など、フルモデルチェンジにふさわしい最新装備、そして目を惹く2トーンカラーなど気合いを感じさせる充実ぶりが目を惹く新型セレナ。

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日産の販売現場にとっては久しぶりのフルモデルチェンジモデルですから、販売にも力が入っていそうで、8月24日からの発売約1カ月の受注台数が公表されました。

9月26日時点の受注台数は2万784台で、8000台に設定されている月間目標販売台数の約2.5倍。

冒頭で紹介したように、同一車線に限定した部分自動運転技術「プロパイロット」などが好評だそうで、非常に好調な立ち上がりと日産では分析。

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「プロパイロット」の装着率は約7割に達するそうで、同技術に対する期待の高さが感じられます。

また、キーを携行していればスライドドア下に足を抜き差しするような操作で開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」も全体の7割以上が装着。その便利な機能が幅広い年代の方から好評を得ています。

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新規設定されたボディカラーの2トーンカラーは、全体の約2割が選択しているそうで、こちらは当初計画の約2倍になるそう。

購入している人の年齢層は、30〜40代が6割以上でミニバンらしい結果になっています。

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グレード別では、2WDのハイウェイスターが24.0%、2WDのハイウェイスター Gが18.0%、ハイウェイスター プロパイロットエディションが16.2%、Xが12.9%と続いていて、ハイウェイスター人気は新型も同様のようです。

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新型に移行した日産セレナ。まずは順調な滑り出しと言えそうです。

ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴンとの競争がこれからモデルサイクルを通じて繰り広げられることになりますが、フルハイブリッド仕様の設定など強烈なカンフル剤が必要な時期も来るかもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史、塚田勝弘)

新型セレナのエンジンにはGT-Rのエンジンコーティング技術が採用されている!

■先代から継承したプラットホームをきめ細かく熟成

新型セレナは、先代から評価の高いプラットホームを熟成させることで、基本性能を向上させています。

ボディでは高張力鋼板の利用を拡大するとともに、結合部構造の最適化とサス取り付け部等の補強により、剛性アップと軽量化を両立しました。

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サスペンションも、フロントはストラット、リアはFFがトーションビームで4WDがマルチリンク式を継承。リアダンパーをサイズアップして、安定感のある乗り心地に改善しています。

またデュアルバックドアでは、上半分のバックドアを樹脂製して、大幅な軽量化を実現しています。

■GT-R譲りのシリンダーコーティング技術

新型セレナのエンジンは型番こそ変わりませんが、中身は大幅に改良されました。

一番のポイントは、圧縮比を11.2から12.5に大幅に高めたこと。高圧縮比による効率向上を実現するために、日産は様々な技術を投入してきました。

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中でも注目なのが、エンジン冷却効果を高めるためにシリンダー内の鋳鉄ライナーを廃止して、低炭素鋼の薄膜コーティングを採用したこと。

これはGT-Rのエンジンに使われている先進技術で、新型セレナでは更にシリンダー研磨まで実施。この「ミラーボアコーティング」によって、冷却効果に加え、大幅なフリクションの低減を実現しました。

このように1000万円のスーパースポーツカーの技術が、ファミリー向けのミニバンに採用されることこそ、技術の進歩であり醍醐味だと思います。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

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(拓波幸 としひろ)

新型セレナは、広くて使える快適空間が魅力!

■パノラマ感がある見晴らしの良いフロントシート

新型セレナのドアを開けて運転席に乗り込むと、低いインパネと見晴らしの良さに気づきます。またAピラーが細く左右のフロントドアのガラス面が大きいので、前方のパノラマ感がとても素晴らしく印象的です。

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デジタルスピードメーターと並んで配置される7インチ液晶ディスプレイでは、タコメーターや燃費、走行距離等を表示。またインパネ中央には9インチの大型ディスプレイ(オプション)が鎮座して、存在感をアピール。ステアリングは下面を真っ直ぐにして、ゆったり感や乗降性を向上させました。

■すべてのシートが使える広くて快適な空間を実現

2列目シートは、前に大きくスライドしてフロントシートの肘掛にもなるスマートマルチセンターシートが自慢。上級グレードでは、左右にスライドする機能も備えています。またシートベルトを背もたれから出して、3列目乗降の邪魔にならないようにしました。

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3列目シートでは、座面と幅に十分なサイズを確保するとともに、スライド機能を持たせて足元空間を確保できるようにしています。またUSB電源ソケットを最大で6か所設置できるので、どの席でもバッテリー残量を気にすることなく、スマホやゲームを楽しむことができます。

■使い勝手に優れたデュアルバックドアと新型スマートルームミラー

新開発のデュアルバックドアは、上半分とバックドア全体が開く優れもの。これまで大きくて重いバックドアを開けるのが面倒で、2列目シートの足元に荷物を置く人が多かったそうです。特に上半分のバックドアは、樹脂製で軽く作られていますから、手軽に使えますネ。

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カメラ映像で後方を映し出すスマートルームミラーも、新型セレナ用では、カメラとデジタル処理の向上でより鮮明な表示に進化しました。

ミニバンの場合、通常のルームミラーでは、人や荷物を満載すると後方が見えにくくなりますが、スマートルームミラーなら安心です。日産は、駐車時のアラウンドビュー機能をはじめ、視界のスマート化について先進的に取り組んでいます。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら) 

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(拓波幸 としひろ)

日産デザインをもう一歩先に! ─ 新型セレナのチャレンジ(後編)

スタイリングを一新した新型セレナのデザイン・インタビュー。後半はボディサイドからインテリアに迫ります。

[語る人]
日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部
プログラム・デザイン・ダイレクター
入江 慎一郎

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──  ボディサイドの話を続けます。屋根を浮かす『フローティングルーフ』は比較的コンパクトなクルマで有効とされますが、このサイズであっても必要ですか?

「これは日産車のグローバル・デザイン言語ですが、今回は国内専用であるセレナでも同等の表現にしたかった。また、新型は重厚さやボクシーさよりも、スポーティさや開放感を優先させたかったと」

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──  ブラックアウトしたAピラーについて2点。まず、ピラーはすべて黒いのではなく、ルーフの手前からボディ色になっていて、若干中途半端に見えますが

「たとえば、GT-Rのようにルーフラインでスッと色を切ってしまうと、ボディとルーフが完全に断絶してしまって弱さを感じてしまう。ミニバンはモノフォルムに近くノーズも短いので、それが強調されてしまうのです。その点を試行錯誤し、ここに落ち着きました」

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──  もう1点はAピラーの付け根で、フェンダーとの段差が大きく、クルマとしては異例に強い鋭角表現になってしまいました

「はい、機能的な制約もありそうなっていますね。ただ、それよりもフロントランプからショルダーへの流れを強調したかった。そのためにピラーの下端はわざわざ別パーツとして作って横へのラインを入れているんです。本来はひとつのパーツでも可能なんですが」

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──  途中で止まったリアピラーと縦長のリアランプの組み合わせですが、リアガラスが上下に広く、支えるパネル面がないので少々不安定に見えます

「リアガラスは、後方の広い視界を表現するためにこれ以上ボディパネルで狭くしたくない。不安定さについては、リアピラーをしっかり太くすることで支えられていると認識しています」

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──  次にボディカラーです。先代までは水色などソリッドな表現が特徴でしたが、一転メタリック基調になりました

「デザイン自体が品格を上げ、より上質な方向に振っていますので、カラーもリッチな表現にしています。とくに『カシミアグレージュ』というベージュは角度によって色が変化し、質感を上げています」

──  青系と茶系が2色ずつありますが、その分もっと他の色は考えなかった?

「青のうち濃い方は、先代までの紫に近い青を引き継ぐという位置づけです。もうひとつの青は、実は若干グリーンを加えているんですよ。茶系はデザインテーマの上質感とともに、暖かみや親しみも同時に感じる色として2色を用意しました」

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──  インテリアに移ります。インパネは翼を表現し『グライディングウィング』と呼ばれていますが、それにしてはドライバー側が大きく凹んでいますね

「最初は左右とも真っ直ぐだったんですが、実はステアリン越しに平行線ばかりが見えると鬱陶しいんです(笑) また、視認性の面でも、横方向だけでなく前方への開放感が必要なんですね」

──  パッド調のセンターパネルはマーチやノートと似ていますが、これは日産車の決めごとなんですか?

「それはないですね。セレナでやりたかったのはフローティング感です。シルバー加飾で囲み、インパネに埋め込まれない独立した面で、同時に視認性も上げたかった」

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──  そのシルバー加飾は一種の流行で、本当に金属のようなメッキから安っぽいものまで各社で多用されていますが、セレナではどのように考えましたか?

「セレナというよりブランドで考えていて、日産は『マットクローム』を全車で展開したいと。メッキもあまりピカピカしているとかえって安っぽくなるし、逆にプラスティッキーなものじゃいけません。下地のクロームを大切にしつつマット感を出したい」

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──  インテリアカラーでも茶系をプッシュしているのは、ボディカラーとの絡みですか?

「ボディと同様上質感を狙っていますが、濃い茶色のプレミアムカラーは社内でもかなり評判がいいんです。また、ハイコントラストの淡いグレージュは欧州ハッチバックなどで見られる表現ですが、ミニバンでは例がない試みだと思います。これもチャレンジですね」

──  なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもと たかよし)

新型セレナのベースデザインは、押しの強いハイウェイスターだった!

■グローバルな新世代デザインと「BIG,EASY,FUN」のセレナらしさの融合

新型セレナのスタイリングは、日産のグローバルデザインである「エモーショナル・ジオメトリー」と、ファミリーを象徴するセレナのコンセプトである「BIG,EASY,FUN」をいかに融合させるかが、大きな課題でした。

言うなれば、「革新と保守の融合」という難しいデザイン・チャレンジだったのです。

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開発初期デザインでは、日産の最新トレンドであるVモーショングリルやフローティングルーフ、ブーメランランプで構成。さらに彫りの深いサイドのシュプールラインやリアサイドラインのキックバックを織り込み、革新の塊のようなデザインが採用されました。

一方でカプセルキャビンをイメージして、居住空間を最大限確保しているところが、セレナらしさだといえるでしょう。

■デザイン開発のベースは、押しの強いハイウェイスターの方だった!

デザイン開発が進むにつれて、強烈な印象のブーメランランプは無くなりましたが、その他のデザイン要素はしっかりとスタイルに反映されました。

またフロントマスクでは、Vモーショングリルが重厚なデザインとなって進化。標準車でも、堂々たるグリルを備えています。

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ちなみに一般的には、大人しい標準車が先にベースとしてデザイン開発されます。

ところが新型セレナでは、押しの強いエアロパーツで武装したハイウェイスターを優先して開発したとのこと。確かに初期デザインのアグレッシブ振りを見れば、納得ですよね。

また、ボディカラーでは、ルーフとボディを塗り分けたバリエーションも4タイプから選べるので、様々な印象のセレナを楽しむことができます。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

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(拓波幸 としひろ)

日産デザインをもう一歩先に! ─ 新型セレナのチャレンジ(前編)

先進の自動運転支援技術「プロパイロット」を搭載した新型セレナは、スタイリングもまた一新されての登場となりました。

そのアグレッシブなスタイルの秘密について、早速チーフデザイナーにインタビューを試みました。前半は、コンセプトからボディサイドについてを紐解きます。

[語る人]
日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部
プログラム・デザイン・ダイレクター
入江 慎一郎 氏

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──  まずは全体的なところからお聞きします。歴代セレナは日産のヒット作となりましたが、デザイン面から見たヒットの理由はどこにあったと分析していますか?

「セレナは先々代にあたる3代目までで、ほぼセレナらしさが確立されたと言えますが、それは『誠実さ』だと考えます。ユーザーが接することで得られる安心感や親しみやすさ、あるいは優しさですね」

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──  それは具体的にはどんなところでしょう?

「たとえば、セレナの特長であるボディサイドのシュプールライン。ミニバンであってもスポーティでスピード感のある表現としつつ、機能的には視界の確保と開放感を与えている。単なるスタイル優先に走らない姿勢が誠実さを生んでいると思います」

──  新型は、いま日産車が展開する『エモーショナル・ジオメトリー』と呼ばれるデザイン・フィロソフィを反映していますが、そもそもこの発想はどのように生まれたのですか?

「他社と日産との表現の違いを考えたとき、インフィニティブランドはエモーショナルオンリーに特化させ、一方で日産ブランドはジオメトリー(幾何学的)な要素を加えました。さらに、そこへリッチなテイストを加えたのが特徴です」

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──  かつて、V字回復時の日産車は非常にプレーンな表現でしたが、いまなぜエモーショナルなのでしょう?

「いや、ベースはあくまでも当時のモダンな造形が基本なんです。そこに面の抑揚や豊かなサーフェスを加えた。それによって、もう一歩先の新しい日産テイストが表現できるだろうと。変わったのではなく、進化ですね!」

──  新型セレナ独自の造形コンセプト、あるいはキーワードのようなものは設定しましたか?

「チャレンジです。歴代のよさは残しつつ、次のステップへ進むために私たち自身の殻を破りたかった。当初はキープコンセプトな案もありましたが、結局もうひとつのアグレッシブ案を採ったわけです」

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──  では、フロントから各パートを見ます。先代後期に準じた二段構造のランプとしましたが、これはそれほど重要な要素なんですか?

「いえ、これは単純な二段構造ではなく、上下で別モノと考えています。上はシュプールラインにつながるサイド面のスタート地点で、下はグリルの一部なんです。それぞれがまったく別の要素になっている」

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──  Vモーションの表現を標準車で2段、ハイウェイスターで3段と多層にしたのは? また、メッキ部分をボディ色にする案はなかった?

「当初はマーチなどと同じ1段だったのですが、ボディサイズに対してちょっと弱かった。ただ、あくまでも最下段がメインの表現です。色については、ボディカラーを挟んでしまうとグリルが煩雑になるし、そもそもVモーションはメッキによる表現が日産での定説なので」

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──  では、ボディサイドに移ります。見せ場の大きなキャラクターラインですが、本来張りのある広い面にあえて強い線を流した必然性は?

「まず今回のチャレンジング案では、当初からプレーンな面は作らないと決めていました。ショルダーの張り出した面をこのラインで一旦大きくエグって、もう一度下で膨らませる変化を見せたかった。もうひとつは、ミニバンの宿命であるスライドドアレールへの対応で、機能としてのレール部分を、今回はキャラクターの一部にしてしまおうと。実際には、直線のレールと曲線のラインをつなげるのは至難の業でしたげど(笑)」

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──  このラインは、少し上のシュプールラインとは逆方向で、いわば2本が泣き別れの流れになっていますね

「サイド面では、フロントがキャラクターラインより下のフェンダー部に張り出しを持たせているのに対し、リアへ向けては次第にラインの上の部分が張り出して来る。そうした、交差する彫刻美のような表現にすることで見せ場を作っているんです」

──  なるほど。では続きは後編で。

(すぎもと たかよし)

新型でもミニバン販売No.1へ 新型セレナの王道を行く進化が凄い!

クルマのグローバル化が進む中、今やミニバンは日本における独自かつ専用のカテゴリーになってきました。

NA2000cc級のパワーと全幅1700mm程度のサイズでCVTを搭載し、両側スライドドアと7〜8人が乗れる広い居住空間を備え、FFと4WDが選べる設定が定番となっています。

ファミリー世代にとってこんなに便利で快適な乗り物が、なぜもっと世界に広まっていかないのか本当に不思議なくらいです.

そんな中で新型日産セレナは、単一車種としては国内販売台数No.1を誇ってきました。

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今回のフルモデルチェンジでは、従来の「BIG・EASY・FUN」のコンセプトを更に進化。そしてマーケットの王道を突き進むべく、スタイリッシュなデザインとより便利な使い勝手を実現するとともに、日産の戦略的商品である自動運転技術「プロパイロット」を搭載して登場したのです。

■王道を行く進化と最新の自動運転技術「プロ・パイロット」

新型セレナは、従来どおり標準車とハイウェイスターの2タイプをラインナップ。

日産デザインの最新トレンド「Vモーショングリル」と彫りの深いウエーブしたサイドラインで、躍動感のあるスタイリッシュなデザインを実現しています。

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室内はメーターを低くして広々感を演出。また3列目シートにスライド機能を付けて、居住性も向上させました。バックドアでは、上半分が開くデュアル式を採用して、使い勝手も進化させています。

パワーユニットは、直4のNA2000ccエンジンにCVTを組み合わせたFF仕様と、エンジン+モーターにCVTを組み合わせたスマートハイブリッドにFFと4WD仕様が設定されています。

燃費は、スマートハイブリッドのFF仕様が17.2km/l、4WDでも15.8km/lで優秀です。

「プロパイロット」と命名された自動運転機能は、車線中央走行と先行車追従走行機能等を駆使して、高速道路での巡航と渋滞時の自動運転を実現しています。一定条件の元ではクルマがアクセル・ブレーキ・ステアリングを制御してくれますが、現時点ではTV-CMのような完全自動運転には届いておらず、ドライバーがコントロールすることを前提とした仕組みとなっております。

■お買い得なグレードは「G」

新型セレナの車両本体価格は、約231.6万〜約313.5万円。パワーユニットはNAエンジンを搭載したFFと、NAエンジンにモーターを組み合わせたスマートハイブリッドにFFと4WDを用意。

スポーティと豪華さで人気のハイウェイスターは、後者に設定されています。なおスマートハイブリッドは、ジェネレーターをアシストモーターとして活用する仕組みで、アイドリングストップ等による燃費向上を実現しています。

お買い得グレードは、標準車ではスマートハイブリッド仕様で、LEDヘッドライトや3列目スライドシート、両側オートスライドドアやアルミホイールを装備したGがお勧めです。

また自動運転の「プロパイロット」はオプションですが、エアロパーツで武装したハイウェイスターでは、期間限定オプションの「プロパイロットエディション」がお勧め。価格帯は291.6万〜318.7万で、贅沢仕様のGは装備以上にお買い得です。

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■第539弾新型セレナのすべて (電子本はこちら)

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(拓波幸としひろ)

ミニバン販売No.1の実績とプライド。新型セレナの揺るぎないコンセプトとは!?

日本の5ナンバーミニバン市場は、セレナ、ヴォクシー/ノア、ステップワゴンの3車種が中心となってしのぎを削ってきました。

ライバル他車が様々なパッケージや付加機能、パワーユニットにトライする中、セレナはいささかもぶれることなく進化を続け、先々代と先代の過去11年間においてミニバン販売No.1の王座を維持してきました。

セレナの原点は「モノより思い出」というキャッチコピーです。これは1999年からのCMですが、17年経っても全く色褪せないのは、この言葉がセレナの本質とユーザーの本音を言い当てているからなのでしょう。

そして新型セレナは、変わらぬコンセプトをベースにして、最新のアイディアと技術を織り込んで開発されたのです。

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■揺るがない「BIG,EASY,FUN」の基本コンセプト

新型セレナ開発責任者の遠藤RPM(リージョナルプロダクトマネージャー)は、歴代セレナの人気の秘密を「BIG,EASY,FUN」の価値が受け入れられたからだと語ります。

それはまさしく「室内が広く、使いやすく、家族みんなが楽しめる」ということ。歴代セレナは、「クルマで家族、友人、知人をもてなしたい」「クルマはみんなで乗った方が楽しい」という子育て世代のニーズに合致していたのです。

また最近では、子育て世代と親が1時間以内に住む「近居率」が増加しており、更に「家族の範囲」が、祖父母や兄弟姉妹の家族にまで拡大傾向にあるとのこと。そのため3列目シートの利用頻度が、これまで以上に増えてきているのだそうです。

そこで新型セレナでは、3列目のスライド化やバックドアのデュアル化をはかり、居住性や乗降性、使い勝手のおもてなし度を大幅に向上させました。

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■ワクワクする新たなユーティリティも大量投入

開発陣は新たなユーティリティにもこだわりました。足をスライドドア下にかざすと自動開閉する「ハンズフリーパワースライドドア」や6個のUSBソケット設定は、開発陣から商品企画に逆提案したもの。

また3列目への乗降の動線を確保するために2列目のシートベルトを背もたれ内蔵式に変更したり、ママのネイルを傷つけないようにキャップレス給油口を採用する等、なるほどアイディアを機能に盛り込みました。

自動運転「プロパイロット」も、新型セレナで初搭載された新機能です。日産の世界戦略技術ですが、最初から世界市場に出すのではなく、国内でしっかり熟成させる方針とのこと。ファミリー世代がドライブに出かけた場合、月曜の子どもの学校を考えると、渋滞とわかっていても帰路につかざるを得ません。だからこそミニバンのセレナにプロパイロットが必要との判断は、本当にそのとおりだと思います。

ただですネ、「セレナは国内市場で横綱相撲ができている、日産では数少ない車種です。」なんて言わないでくださいまし。いつだって多くの日産ファンが、新型セレナのように開発陣の魂がこもった魅力的でリーズナブルなクルマの登場を心待ちにしてるんですから!

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■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

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(拓波幸 としひろ)

「自動運転」の国際基準作りで政府が国連会議を主導か?

日産自動車が8月24日、国産車で初となる運転支援機能「プロパイロット」を搭載した5代目「セレナ」を発売しました。

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高速道路における渋滞走行時や長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作の全てを自動的に制御するもので、政府が策定した自動運転技術ロードマップによると「レベル2(準自動走行システム)」に相当します。

「レベル2」では、システムはあくまで「ドライバーの補助」としての位置付けで、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作のうち、複数の操作をクルマが自動で行うものを指します。

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欧米では既にテスラやメルセデス・ベンツが実用化しており、トヨタ、ホンダも2020年には「レベル2」の車両を市販する予定になっているようです。

そうした中、政府(国土交通省)は今年5月24日、官民からなる連携組織「自動運転基準化研究所」を設立しました。

国交省をはじめ、経産省、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、自動車技術会、JASICなどが参画しており、政府としては日本の技術を背景とする国際基準を「世界標準」とすることで、国際競争力を高めたい考え。

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自動運転は、自動ブレーキなどの「レベル1」から人が運転に関与しない「レベル4」まで、難易度に応じて4段階に分類されています。

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今回、国交省が策定する基準は、「レベル2」に対応するもの。

新聞報道などによると、国連の専門家会議で2018年にも基準が確定する見通しの中、国交省は「日本案」をベースに国連の議論を主導したい考えのようで、2017年度予算の概算要求において、自動運転関連で3億4,100万円を要求するそうです。

政府は2020年を目処に、高速道路上での車線変更や追い越しを伴う自動運転「レベル2」を実用化させる方針。

人的要因が大半とされる交通事故撲滅に向け、日本が得意とする技術力を活かし、「自動運転」の国際基準作りで世界をリードしたい考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:総務省、日産自動車)

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新型「セレナ」のキャップレス給油口のサプライヤーはトヨタ系部品会社だった!

トヨタ系の自動車部品大手・豊田合成は、同社製の「キャップレス給油口」が日産の新型「セレナ」に採用されたと発表しました。

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「キャップレス給油口」は、日本国内で生産・販売される車種として初めて新型「セレナ」に採用されたもので、セルフ式が増えているGSでの給油時に燃料キャップの開閉操作が不要になります。

新型「セレナ」の「キャップレス給油口」は、給油キャップに触れずに済む、給油キャップの閉め忘れをなくすなど、自動車の利便性の向上に貢献する新装備として注目されています。

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同時に、その「キャップレス給油口」のサプライヤーがライバルのトヨタ系部品会社の豊田合成であることが今回の発表で明らかになったわけで、系列の壁を越えた新装備の部品供給が業界で話題になりそうです。

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自動車部品の供給に関しては従来から系列外からの取引が行われていましたが、外観からは分からない機能部品が主で、今回の「キャップレス給油口」のようにユーザーの目に触れる部品、しかも話題になる国産車で初めての新装備に系列外の部品が採用されるのは稀な出来事です。

豊田合成では「キャップレス給油口」とともに、給油口とタンクをつなぐ燃料配管である「樹脂フューエルフィラーパイプ」も軽量化した同社の製品が新型「セレナ」に採用されており、従来の燃料キャップと金属製配管の組み合わせと比べて約40%の軽量化を達成。車両の燃費性能を向上させる効果があるとしています。

豊田合成は「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」をトヨタ系だけに限らず、全メーカーに拡販することを狙っているようで、今後「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」がトヨタ系を含めた他のメーカーにどれだけ広がるかが注目されます。

(山内 博・画像:豊田合成、日産自動車)

日産が新型セレナで実現した自動運転「レベル2」って何?

日産自動車から8月24日に登場した5代目となる新型「セレナ」。

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同社が独自に開発した国産車初、ミニバンクラスでは世界初となる運転支援機能「プロパイロット(ProPILOT)」をOPT設定しています。

これは高速道路における渋滞走行時や長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリングの全てを自動的に制御するもの。

政府が策定した自動運転技術ロードマップによると、難易度を初期段階の「レベル1 」から完全自動運転の「レベル4」まで4段階に分けており、今回日産が実現した「プロパイロット」は「レベル2」に相当します。

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「レベル2」では、システムはあくまで「ドライバーの補助」としての位置付けで、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作のうち、複数の操作をクルマが自動で行います。

欧米では既にテスラやメルセデス・ベンツが実用化しており、トヨタ、ホンダも2020年には「レベル2」の車両を市販する予定になっているようです。

新型セレナでは、高速道路の単一車線内において、常に前走車との車間距離を保持しながら追従走行可能となっており、ドライバーが設定した車速(約30〜100km/h)を上限に、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援します。

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一方、「レベル3」ではアクセル、ブレーキ、ハンドルの全ての操作が自動で行われ、事故時の運転責任は原則としてシステム側が負うことになります。

基本的にドライバーが運転操作に関わる必要が無くなる訳ですが、システムに異常が発生した場合など、緊急時に操作する義務は残るため、ドライバーの責任が無くなるわけでは無さそうです。

いずれにしても、実用化のハードルがいっそう高くなるのは間違いありません。

日産は今後、2018年に自律走行の適用範囲を高速道路の複数車線に、さらに2020年には一般道路に広げるとしており、ドライバーの介入無しで市街地での交差点・信号停止・自動合流・自動分岐・インターチェンジ走行を可能にするそうです。

国内メーカーでは同技術において一日の長がある日産の今後の展開が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

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【関連リンク】

日産セレナ
http://www.nissan.co.jp/SERENA/

総務省
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/jidousoukou_5/5_jidousoukou_siryou_4.pdf

日常的に役に立つアレ!? 新型セレナに採用された「日産初」の装備

2016年8月24日にフルモデルチェンジして5代目となった日産セレナ。

ミニバン・ナンバーワンの座を狙う新型セレナには、同一車線における自動運転技術「プロパイロット」など魅力的な新技術が搭載されていますが、誰もが恩恵をあずかることのできる、とある日産初の装備が採用されているのはご存知でしょうか。

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その装備は、外観からは見えませんがインテリアでもありません。そして、プロパイロットのような目に見えない機能でもありません。誰でもひと目で、従来との違いがわかるアイテムです。

ヒントは「セルフ給油」での利便性アップ。これで何が変わったのかわかるでしょうか。

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そうです、給油キャップを外す手間がなくなったのです。

給油口にそのままノズルを差し込むことができる「キャップレス給油口」を日産として初めて採用しています。

昔からセルフ給油の多いアメリカではキャップレス給油口は珍しくありませんが、日産としてはグローバルでもキャップレスの採用例はなく、このセレナが初採用になるといいます。

その理由は、給油キャップを外すという手間が、ユーザーによっては想像以上に負担となっているから。

とくに、ネイルアートを楽しんでいるユーザーは給油キャップを回して外すという作業を嫌がるという話もあったといいます。

そこでノズルを差し込むだけのキャップレス給油口が採用されたわけです。もちろん、キャップの付け忘れ、締め忘れといったケアレスミスを起こしようのない構造なのも嬉しいところ。

スプリングを利用したキャップレス給油口、そのシンプルな印象からゴミの混入などが心配されるかもしれませんが、ダブルフラップ構造とすることにより、ダストや水の侵入を防ぎ、一方で燃料漏れも防ぐ設計になっているといいますから、安心です。

(写真:冨士井明史 文:山本晋也)

新型セレナの初期受注で7割が部分自動運転技術「プロパイロット」を選択

8月24日に発売された5代目の新型セレナ。最大の目玉である部分自動運転技術「プロパイロット」は、ミニバンでは世界初となる同一車線内での部分自動運転技術。

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同装備は「プロパイロットエディション」として2017年3月末までの期間限定生産される特別仕様車、またはカタログモデルにメーカーオプションとして用意されています。

なお、メーカーオプションで選ぶ際は、3種類の「セーフティパックA、B、C」の中から選択する必要があります。

[nextpage title=”初期受注で7割が「プロパイロット」を選択”]

「プロパイロットエディション」をおさらいすると、単眼カメラのみで前方の車両や白線などを検知し、車間距離と車線維持(車線中央を維持)を行うもので、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御。高速道路での使用を前提としています。

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約30〜100km/h(実際はメーター読みでACCの作動範囲である約114km/hか?)の速度内で作動。操作は、プロパイロットの青いボタンを押してスタンバイ状態になった後、セットスイッチで車速を設定し、プロパイロットがオンになります。

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そのため、作動には30km/hを超える必要があります。プロパイロットが作動すれば、前走車に追従して新型セレナも自動的に停止し、3秒以内の停止であれば自動的に再発進しますから、ダラダラとした渋滞中にも威力を発揮します。3秒を過ぎるとアクセルやスイッチの操作が必要になります。

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新型セレナのプロパイロット装着車は予約受注の段階で装着率が7割に達したそうで、これは日産が想定していた4割という予測を大きく超えるもので、手応えを得ているそう。

なお、販売、納車時などの現場では、「自動運転技術」を謳うプロパイロットの作動条件や使い方などの周知を徹底するとしています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史、塚田勝弘)

新世代デザインに移行した新型セレナ「ライダー」のデザインは?

新型セレナにもオーテックジャパンによる「ライダー」がもちろん用意されています。

「クラスを超えた存在感」という「ライダー」のこだわりはもちろん貫かれていて、さらに「ニュージェネレーション・ライダー」を謳う進化を遂げています。

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もはやベース車とは「別モノ」といえる圧倒的な存在感は新型セレナでも十分に発揮していて、専用エアロパーツによる迫力はかなりのもの。

外観では、フロントグリルやバンパーグリルに独特の輝きを放つメタル調塗装が施されているのをはじめ、シャープな印象を受けるフロントバンパー下側には、奥行きを表現した深いブルーの「ブルーホールLED」が配置されています。

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内装は、インパネに専用表皮を施したうえに、シートやステアリングと合わせたブルーステッチでコーディネイト。バンパー下のブルーホイールLEDとの組み合わせももちろん意識されています。

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ほかにも、メタル調塗装のエクステリアパーツや専用マフラーなどを「ライダーダイナミックエクステリアパッケージ」としてオプションで用意されていて、さらに迫力あるスタイリングの構築が可能。

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ボディカラーは、特別塗装色の「ブリリアントホワイトパール」や「ダイヤモンドブラックパール」などのほか、ベース車同様に2トーンカラーも用意。新型セレナ「ライダー」の価格帯は、294万9480円〜385万200円となっています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

新型セレナの広さ、燃費、注目装備は?

1991年の初代登場以来、5代目にスイッチした日産セレナ。モデルチェンジのたびに台数を増加させ、国内の軽自動車をのぞく日産の登録車でエース級の存在となっています。

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ここでは、プロパイロットをのぞいた新型セレナのポイントについてお届けします。

ボディサイズはベース車が全長4690×全幅1695×全高1865mm、ハイウェイスター系は全長4770×全幅1740×全高1865mm、ホイールベースは2860mm。

先代のベース車は、全長4685×全幅1695×全高1865mm。ハイウェイスター系は全長4770×全幅1735mm×全高1865mm。ホイールベースは2860mmで同値。

ベース車は先代よりも全長が5mm、ハイウェイスター系は全幅が5mmワイドになっています。ハイウェイスターこそデザイン面から5ナンバー枠を突破していますが、基本的にボディサイズの制約があるため、ほとんど変わっていません。

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新型セレナは室内長が180mmも長くなり(サードシートスライド付車が180mmで、それ以外は110mm延長)、室内幅は65mmワイドに、室内高は20mm高くなっています。

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なお、新型セレナはクラスナンバー1の室内長、室内幅としています(日産調べ。全高1.8m以上の1.5L〜2.0Lクラスの8人乗りミニバンで、3列目シートスライド装着車との比較)。

さらに、室内の広さだけでなく、Aピラーのスリム化やメーターデザインを工夫することで前方、左右の見晴らしの良さを確保したとしていますが、確かに前方視界はパノラマビューのようで開放感は抜群。

ただし、ボンネット前やAピラー下側付近の視界など、見切りのしやすさはもう少しという印象なのは、カウルトップ高がやや高いためかもしれません。

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使い勝手で新しいのは、SUVなどでお馴染みのガラスハッチをリヤゲートに追加した「デュアルバックドア」の採用で、車両後方にスペースがない場合でもガラスハッチのみを開閉することで荷物の出し入れが可能になっています。

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また、スライドドアの自動開閉機能に加わったのが「ハンズフリースライドドア」。

インテリジェントキーをバッグやポケットなどに入れておけばスライドドアの下に足先を入れて引くことで、自動でオープンまたはクローズします。リヤドアのアウターハンドル下側にセンサーがあり、一度操作できれば慣れそう。子どもを抱っこしていたり、荷物で両手がふさがっていたりする際に重宝しそうです。

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ほかにも、シートスライド時の操作力を大きく軽減したり、3列目の乗降性の向上、690mmに達する2列目の超ロングスライドシートを設定したりすることで、乗降性、居住性を向上させるなどの工夫が凝らされています。

2列目と3列目の広さは、上記のような工夫で確実にアップされているのは朗報ですが、フロアから座面までの高さ(ヒール段差)が身長171cmの私には少し不足気味に感じました。

それでも先代よりも数cm高くなっていますし、3列目はとくに座面の前後長もかなり余裕がありますが、少しシートの高さが低く感じるのは、跳ね上げ時の操作性、斜め後方視界の配慮によるものでしょう。

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エンジンは先代と同じMR20DD型ではあるものの、高圧縮化(11.2から12.5)や徹底した効率化などにより、新ベルトテンショナー構造などによりモーターと組み合わせた燃費は17.2km/Lと、先代のSハイブリッドよりも2km/L向上。

さらに、新型には4WDにもSハイブリッドを設定し、最高で15.8km/Lというカタログ燃費を得ています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

新型セレナが発売!価格は231万6600円〜、部分自動運転仕様は291万6000円〜

待望の新型セレナが8月24日に発売されました。

先に発表されていた同一車線自動運転技術「プロパイロット」が最大の目玉で、気になる価格帯は2WDが231万6600円〜318万7080円、4WDが260万3880円〜317万6280円。

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「プロパイロット」搭載車で、ローンチエディション(2017年3月末までの期間限定)である特別仕様車「プロパイロットエディション」は、2WDの「ハイウェイスター プロパイロットエディション」が291万6000円、同じくFFの「ハイウェイスターG プロパイロットエディション」が318万7080円。4WDの「ハイウェイスター プロパイロットエディション」は317万6280円です。

これらの特別仕様車には、プロパイロットのほか、踏み間違い防止アシスト、キーを携帯していればスライドドア下付近で足を動かすだけで開閉できる世界初の「ハンズフリーオートスライドドア」、16インチアルミホイール(2WD車)も用意された買い得感の高い仕様。

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なお、メーカーオプションのプロパイロットは単体でのオーダーはできず、「セーフティパックA、B、C」の3つのパッケージ+プロパイロットのセットとして設定されています。セーフティパックが3つ展開されているのは、グレードにより基本となる装備が異なるため。

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セーフティパックの中身は3タイプで異なり、たとえば、セーフティパックBは、SRSカーテンエアバッグシステム(前席)、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントパーキングアシスト、進入禁止標識検知、アラウンドビューモニター(MOD/移動物検知機能付)、ふらつき警報、フロント&バックソナー、スマートループミラー、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、プロパイロット、LDP(車線逸脱防止支援システム)、ステアリングスイッチ(プロパイロット、オーディオ)などがセットで用意されています。

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なお、セーフティパックの価格は24万3000円で、特別仕様車のプロパイロットエディションの方が5400円安くなっています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

新型・セレナは「プロパイロット」搭載でドライブがココまで変わる!

日産自動車の国内中核モデルとして長年ファミリー層を中心に多くのユーザーに支持され、1991年の初代モデル発売以来、累計150万台以上を販売して来た「セレナ」。

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8月下旬にフルモデルチェンジを予定している5代目では、日産が独自に開発した国産車初、ミニバンでは世界初となる運転支援機能「プロパイロット(ProPILOT)」を装備しています。

高速道路の単一車線内で、カーブ走行を含め、常に前走車との車間距離を保持しながら、追従走行することが可能となっています。

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設定した車速(約30〜100km/h)を上限に、アクセル、ブレーキ操作はもちろん、車線中央を走行するようにステアリング操作をアシスト。特に発進・停止を繰り返すような渋滞発生時にはドライバーの疲労低減に大きく寄与しそうです。

なお、「プロパイロット」作動中にステアリングから手を離した際には、2段階でワーニングが発せられ、従わない場合には最終的にシステムを解除する仕組みになっています。

今回搭載されるのは「プロパイロット1.0」ですが、2018年には「プロパイロット2.0」へバージョンアップ。車線変更を含む、複数レーンでの自律走行が可能になるようです。

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さらに2020年には「プロパイロット3.0」に進化、ドライバーの介入無しで市街地での交差点・信号停止・自動合流・自動分岐・インターチェンジ走行が可能になる模様。

一方、2017年初頭には、次期「ノート」で採用が予想される、発電用小型エンジンを搭載したレンジエクステンダー方式のEV(e-POWER)もラインナップされるとの噂もあり、同車の今後の展開が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

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初代モデルの発売以来、累計150万台以上を販売して来た日産自動車のミニバン「セレナ(SERENA)」ですが、いよいよ8月下旬に5代目が登場しようとしています。

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同車は国内ミニバン市場において、2013年に販売台数No.1の座を獲得(9.6万台)。

その後、2014年にはトヨタ「ヴォクシー」のフルモデルチェンジに伴い、2位(7.7万台)に、2015年にはトヨタ「シエンタ」の登場で3位(6.2万台)へと後退したものの、一貫して上位をキープし続けている人気モデル。

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そこで5代目ではミニバン販売TOPの座奪還に向けて、国内初となる先進の運転支援機能「プロパイロット」を搭載、一気に巻き返しに出ようとしています。

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新型セレナに搭載されるこの「プロパイロット」は同社が2016年、2018年、2020年と段階を踏んで実用化を目指している自動運転システムの第一弾となるもの。

設定した車速を上限に車間距離を保ち、車線中央を維持するようにステアリングを制御、渋滞時のステアリング、アクセル、ブレーキの全てを自動化しており、ドライブにおける疲労感軽減に大きな威力を発揮しそう。

新型セレナではプラットフォームを現行モデルからキャリーオーバーしており、乗り込み易さでは超低床フロアを採用しているトヨタ「ヴォクシー」に軍配が上がりそうですが、先進の運転支援システム「プロパイロット」搭載による商品力の向上により、ライバルに対して大きなアドバンテージを持つことになります。

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おりしもマツダのミニバン販売が他社に押されて低迷しており、今年の2月末には、2017年を目処にSUV開発に専念するとの情報が新聞報道で伝えられるなど、今後のミニバン販売競争はトヨタ、日産、ホンダの3強で繰り広げられる様相となっています。

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そうした中、スッキリとしたエクステリア・デザインを継承、日本初となる高度運転支援システム搭載モデルを300万円以下の車両価格に抑え、8月24日に発売するとみられる「新型セレナ」に大きな注目が集まります。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

日産の2月度グローバル販売、42万台で2ヶ月ぶり増へ!

日産自動車と自販連(日本自動車販売協会連合会)の発表によると、2月度の国内登録車の販売台数は4.1万台(前年同月比+2.4%)。

うち、乗用車については上位30車種中、4位の「ノート」が9,800台(-6.6%)、7位の「エクストレイル」が7,367台(+34.8%)、10位の「セレナ」が6,569台(-3.7%)、28位の「リーフ」が2,819台(+74.9%)となっています。

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また軽自動車の国内販売については2.2万台(-11.5%)で、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)によると、上位15車中、デイズが1.6万台(-12.7%)で3位にランクインしています。

一方、海外販売では北米が16.9万台(+11.1%)と好調な反面、ロシアが9,378台(-26.8%)、中国が6.1万台(-13%)と伸び悩んでいるものの、グローバルでは41.9万台(+0.5%)と、2ヵ月ぶりに前年実績を上回っています。

他社でも言えることですが、国内市場(特に軽自動車)や新興国での販売不振を北米市場(カナダ、メキシコを含む)の販売好調で補完している構図と言えそうです。

Avanti Yasunori

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