Motor Fan's YEAR 2016

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新型プリウスPHVの「EVモード」は一度経験するとやみつきになる楽しさ!

トヨタ自動車が12月17日(土)、千葉県の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで、来年2月中旬発売予定とされる「新型プリウスPHV 先行特別試乗会」を開催しました。

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同試乗会には約3,800名の応募があったそうで、抽選で選ばれた48組の幸運な参加者がサーキットに集合。インストラクターから事前に試乗に関する説明を受けた後、ズラリと用意された試乗車に向かいます。

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各試乗車にはそれぞれインストラクターが付いており、車両の操作方法やサーキットコースのライン取り、走行速度等に関するアドバイスを受けながら、参加者自身がステアリングを握り、同車の走りを確認します。

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今回の試乗会では日産のEV「リーフ」が参考車両として用意され、同車と乗り比べる形がとられました。

と言うのも、今回のプリウスPHVは駆動用バッテリーの搭載量が増え、モーターによる航続距離が拡大されたことで、よりEVに近付いていることが背景にあるようです。

まず1周目は、高負荷時にエンジンを併用する「HVモード」で走行。続いて2周目はエンジンや減速時の回生エネルギーで充電しながら走行する「チャージモード」、3・4周目はモーターのみで走行する「EVモード」と、周回ごとに順次走行モードを切替え、フィーリングの違いを体感します。

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ちなみに筆者が最も印象に残ったのは、新型のウリでもある「EVモード」でした。

カタログ値で60km以上(現行モデルは26.4km)のEV走行が可能で、エンジンを使わずにモーターのみで走行出来るというのが謳い文句ですが、それよりも驚いたのは発進時や巡航状態からの加速性能が予想を上回っていたこと。

アクセルを踏んだ瞬間から高トルクが発生するモーター車特有の加速感は実に痛快で、アクセルの踏み込み量に合わせてリニアにクルマが反応します。

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ガソリン車やHVに乗り慣れた人でも、長く力強く続く加速感に驚かされるのではないでしょうか。 実際、それだけの実力を有しています。

また「EVモード」では、アクセルを全開にした際もエンジンがかかることが無く、ジェネレーター(発電機)を活用した「デュアルモータードライブ」システムにより、トルクフルで胸のすく加速感が得られます。

サーキット走行における高速コーナリングや、パイロン・スラロームにおいても、車両姿勢が安定しており、「TNGA」開発で造り込まれたプラットフォームの素性の良さを窺がわせます。

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駆動用バッテリーを車両後部に搭載することで、前後の荷重バランスがとれているからか、ブレーキング時のノーズダイブが穏やかで前のめりにならず、全体に沈み込むようなイメージでした。

そして最終5周目は、助手席でインストラクターのドライブによる結構攻めた走りを体感しましたが、エコタイヤにもかかわらず、ほとんどスキール音が発生する場面はありませんでした。それが何よりも、新型「プリウスPHV」のポテンシャルを物語っているかもしれません。

低重心とダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションに裏付けられた新型「プリウスPHV」の走りは一度経験するとやみつきになりそうです。

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新型「プリウスPHV」に、TRD/モデリスタ仕様が登場!
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大盛況のイベントで明かされた、新型「プリウスPHV」の開発秘話とは?
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新型「トヨタ プリウスPHV」次世代環境車のスタンダードへ!
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新型トヨタプリウスPHV
http://toyota.jp/new_priusphv/

いよいよ最終決戦。モバオク!日本レースクイーン大賞2016政見放送を見てきた。

12月19日よりファイナルステージの投票が始まった「モバオク!日本レースクイーン大賞2016」。

ファイナルステージに駒を進めたファイナリスト20名が、19日からの投票に先立つ17日、ニコニコ生放送のAUTOSPORTチャンネルで政見放送を行いました。

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その中継現場に潜入し、一部始終を見届けてまいりました。

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進行は昨年度のレースクイーン大賞2015のグランプリ、荒井つかさちゃん。

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オープニングではファイナリスト20名のお披露目。この20名がモバオク!日本レースクイーン大賞2016の大賞、そしてグランプリを賭けて戦います。

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「モバオク!日本レースクイーン大賞2016」の対象者はSUPER GT、スーパーフォーミュラー、スーパー耐久、D1GP、全日本ロードレースなどのレースクイーン、総勢400名以上。

その中から100名がノミネートされ、12月11日までのファーストステージを勝ち上がってファイナリストとして選ばれたのが、今回の20名。それだけでも大きな価値があるということで、ファイナリストにはメダルが授与されます。

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そしてレースクイーンそれぞれが一人ずつ演説を始めます。一人ずつ名前が呼ばれると、まずはニコ生のカメラに向かってお決まりのポージングから。

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ポージングの後に演説となるのですが、レースクイーンの皆さんの想いは熱い!皆さんがそれぞれの想いを演説に乗せて語ってくれました。「20人のファイナリストになれただけで胸がいっぱいになる」と言って涙ぐんでしまう方もいらっしゃいました。

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12日に発表されたファイナリストですが、その時点でどうしても仕事の都合で参加できないレースクイーンもいらっしゃいます。そういう方々はテレビ電話での出演。進行の荒井つかさちゃんも昨年はテレビ電話での出演でしたから「その気持ちわかる!」と励ます姿が印象的でした。

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そしてニコ生上での投票となるのですが、その前に1月13日の授与式で司会をするというナベジュンこと渡辺順子ちゃんも登場!MCの実績多数だけあって軽妙にトークを進めます。

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今回のニコ生投票TOP3はAbema TVで密着取材がなされるということで、その紹介もされました。レポーターはゲスマジシャンとして一部に絶大な人気を誇る中村愛さん。

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投票直前にインタビューしまくる中村愛さん。緊張感が漲っていた会場が一気に爆笑の渦へ。

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そして「この中でライバルは?」という禁断の質問を清瀬まちちゃんへ。

まちちゃんはかなり考えながら「同じA Classの早瀬あやちゃん!」と答えると、場内は「おーっ!」というどよめきとともに、またも爆笑。

そんな和んだ雰囲気がまた緊張感を取り戻す瞬間が訪れます。

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システムの都合で急遽投票方法が変更となり、一人ずつに投票するかしないかを入れるという方式となったニコ生投票。この緊張感はとんでもない!

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そのとんでもない緊張感の中で行われたニコ生投票。そのTOP3は清瀬まちちゃん、藤木由貴ちゃん、藤井みのりちゃんとなりました。

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ファイナリストのメダルも誇らしげに、まずはニコ生投票でTOP3となった清瀬まちちゃん、藤木由貴ちゃん、藤井みのりちゃん。メダルの裏面にはファイナリストの文字が!

この後、政見放送一般観覧者の投票、そしてギャルズパラダイス携帯サイト、モバオク!サイト、モバオク!日本レースクイーン大賞2017の公式サイトでの投票ポイントが合計されてグランプリや各賞が決定します。栄冠は誰の手に?

発表は、幕張メッセで開催される東京オートサロン2017の期間中である1月13日に行われる「モバオク!日本レースクイーン大賞2017」授賞式となります。

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さらに、この「モバオク!日本レースクイーン大賞2017」のファイナリストを対象に、「日本レースクイーン大賞2016 TOP20アンケート投票」を行い、その得票数を大きく参考に決定するというclicccar賞の投票も始まっています。皆様の熱い一票をお待ちしております。

(会場写真・文:松永和浩)【関連リンク】

モバオク!日本レースクイーン大賞2017公式サイト
http://rq-award.jp/

【関連記事】

「モバオク!日本レースクイーン大賞2016」のファイナリストから選ばれるclicccar賞の投票スタート
http://clicccar.com/2016/12/18/427226/

日本レースクイーン大賞2016 TOP20アンケート投票
http://clicccar.com/qr2016_top20/

大盛況のイベントで明かされた、新型「プリウスPHV」の開発秘話とは?

トヨタ自動車が来年2月中旬とされる正式発売を前に、新型「プリウスPHV」の先行受注を開始しました。

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12月17日(土)には千葉県の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで、「新型プリウスPHV 先行特別試乗会」が催され、48組が参加できるこのイベントに、なんと倍率約80倍となる3,800名からの応募があったそうです。

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同イベントでは試乗に先立ち、MCを務めるモータージャーナリストの五味康隆氏と、初代に続き新型プリウスPHVの開発を担当した金子将一主査によるトークセッションが開催され、興味深い開発エピソードが披露されました。

現行のプリウスに比べて、車両後部に駆動用バッテリーを大量に積むPHVは、軽量化を目的に、レクサス「LFA」トヨタ「MIRAI」「86GRMN」 などで採用実績がある軽量なカーボン素材「CFRP」(カーボン・ファイバー・リィンフォースド・プラスティック)をバックドアパネルに採用。

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これまで少量生産車への採用実績は有るものの、量産車であるプリウスに生産時に手間暇のかかる「CFRP」材を採用するとあって、製造部門においては相当大きなインパクトがあったそうです。

ちなみに、プリウス「PHV」にこの素材を使うことになった背景には、LFAやMIRAIなどで培った先進的な軽量化技術を活かせる開発車両を探す中で、同車がイメージに適しているとの判断があったとか。

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ただ、形状の複雑さや製品の大きさ等から、当初の想定以上の苦労が伴ったようで、現在も発売に向けて24時間体制で生産を続けている模様。

こうした製造面での難しさに加え、現行モデルがそうであるように、販売面においてもベースとなっているプリウス(HV)との違いや優位性など、顧客への商品説明が難しいのがこのクルマの特徴だといいます。

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トヨタではEV開発にも力を入れるとして、12月1日に「EV事業企画室」を社内に設置するなど、電動化への動きが一気に加速しています。

主力市場である米国の「ZEV(Zero Emission Vehicle)」規制強化を踏まえ、すでに「MIRAI」で量産化を果たしたFCV(燃料電池車)の普及にも力を入れている状況。

そこで気になるのが、同社における今後の「PHV」の位置付け。

これに対して、金子主査はトヨタが目指している方向を次のように説明しています。

・トヨタでは限りあるエネルギーを節約して使う「省石油」技術と、
石油資源が枯渇した際の代替となる「脱石油」技術の2系統で開発

・PHVは「省石油」を担う技術で、将来FCVやEVが主流になる
までの間、よりエネルギー密度が高いガソリンを節約しながら使用

・PHVの最大の特徴は、普段遠出をしないユーザーにとってはEV
として使え、ガソリンの併用により充電切れの心配が無いという
「いいとこ取り」の技術

新型では公称値で60km以上のEV走行が可能(現行モデルは26.4km)としており、最高速度は135km/h(現行モデルは100km/h)の実力を保有。

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ジェネレーター(発電機)をモーターとして活用することで、加速性能の向上に寄与しており、2モーターによるトルクフルで胸のすく加速感が得られるのが特徴。

航続距離は、走り方によって大きく変動するものの、公称値比で6〜7割程度の実力が確保されているようです。

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その他にも駆動用バッテリーを充電するためのソーラールーフや、屋外での外部給電機能、T-Connect対応11.6インチの縦長モニターを装備するなど、盛り沢山のアイテムを搭載。

展示車両ゾーンでは、インストラクター・柴田 愛さんによる同車の充電デモに続き、開発を担当したエンジニア達が新機能・装備に対する来場者からの質問に答える姿が見受けられました。

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次回は引き続き、新型プリウスPHVのインプレッションや、当日お披露目されたTRD/モデリスタ仕様車に関するレポートをお届けしたいと思います。

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【関連リンク】

新型トヨタプリウスPHV
http://toyota.jp/new_priusphv/

新型プリウスPHVには電力会社からお得なポイントサービスが付いてくる!!

今冬発売とアナウンスされている新型トヨタ・プリウスPHVには、「つながるクルマ」として多様なサービスが用意されます。

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新サービスの「PHVつながるでんきサービス」もその一例で、車両のEVモード走行距離や自宅での充電量によって、様々な特典を受けることができる新サービス。同サービスは、東北電力、東京電力エナジーパートナー、中部電力、関西電力、四国電力の5社とそれぞれ共同で実施されるものです。

新型プリウスPHVのユーザーに、より長い距離をEVモード走ってもらうことで、クルマが環境に与える負荷を低減したいとの思いで企画されたサービスとのこと。

「PHVつながるでんきサービス」は、トヨタのコネクティッド戦略の柱であるモビリティサービスプラットフォームを活用。異業種企業との連携のひとつの形になります。

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新型プリウスPHVに装着される車載通信機(DCM:データ・コミュニケーション・モジュール)を介して、EVモード走行距離や自宅充電量などの情報をトヨタからユーザーが申込みをしている電力会社に提供。

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提供された内容は、ユーザーがWEBサイトを通じて確認できるほか、内容に応じて電力会社からユーザーにポイントとして還元されます。そのポイントを利用することで電力料金の支払いや、商品との交換を行うことができます。

なお同サービスは、新型プリウスPHVの発売と同時に専用WEBサイトにてユーザーに案内を開始し、販売店でも各電力会社のサービス内容を紹介するチラシが用意されるそうです。

こんなサービスがあれば、「積極的に家で充電してEV走行しよう!」という新型プリウスPHVユーザーがさらに増えそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

トヨタがPHV/FCVに加えて、「EV」開発にも本腰を入れる理由とは?

トヨタ自動車が2016年度上期(4〜9月)の決算発表で、今後のパワートレーン戦略について明らかにしました。

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それによると、短期的には重点的に投資している従来車の燃費向上や、排ガスのクリーン化促進、HVのバリエーション拡充に取り組む予定で、中期的にはPHV、FCVに加え、EVの開発にも力を入れる方針といいます。

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同社はこれまで日産などに比べ、バッテリー容量に起因する航続距離の課題から、EV開発には積極的ではありませんでした。しかし昨今、バッテリー性能が向上しつつあることや、欧州勢の電動化推進状況を踏まえ、EV開発にも力を入れることにしたもの。

FCV開発からの方向転換という訳では無く、当初からの計画に則ったものであり、構造的に難易度が高い燃料電池車から優先的に実現したというスタンス。

FCVは水素の充填時間や一充填あたりの航続距離など、ほぼ現行車と同様に扱えるメリットが大きく、排ガスを一切出さないため、「究極のエコカー」とされています。

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FCVもモーターで走行する一種のEVであり、外部充電する代わりに、水素燃料を使ってFCスタック(燃料電池)で自車発電する構造で、技術的にはHV/PHV/FCVからEVへの移行は同社にとって比較的容易なもの。(その逆は難易度大)

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同社は2017年初めに新型「プリウスPHV」の発売を予定しており、2018年には「カローラレビン」のPHV投入を予定するなど、PHVの展開を加速する構えのようですが、主力市場の米国では、カリフォルニア州で「ZEV(Zero Emission Vehicle)」規制強化が待ち受けています。

2018年以降、排出ガスを一切出さない電動車(EV、FCV)の販売比率が、現状の14%から16%に引き上げられる見通し。

同州以外でもZEV普及に積極的なことや、欧米勢がEVの開発に余念が無いことから、トヨタとしても持ち前の開発力と資金力を活かし、「EV」の品揃えを充実させ、フルライン体制で米国の規制強化を乗り切る考えのようです。

Avanti Yasunori

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新型プリウスPHVで始まるクルマの「つながる化」。トヨタのConnected戦略とは?

トヨタ自動車は「グローバル通信プラットフォーム」の構築を、クルマの「つながる化」に向けた重要技術に位置付けています。

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2002年にはいち早く一部の高級モデルに「DCM(車載通信機)」を搭載。

今年1月には、ビッグデータの集約と活用を図るためにマイクロソフト社と共同で北米に新会社「Toyota Connected」を設立、4月にはコネクティッドカンパニーを設置しています。

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続く6月にはKDDIと共同で「グローバル通信プラットフォーム」の構築を推進すると発表しました。

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クルマをネットワークに常時接続するためのDCM/クラウド間の通信を高品質、かつ安定的に供給すべく、国や地域で仕様が異なっているDCMを2019年までにグローバルで共通化していくとしています。

そして今回、11月1日に同社のコネクティッドカンパニーの友山茂樹プレジデントが「トヨタのConnected戦略」を発表しました。

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トヨタスマートセンターにおいて、DCM搭載車の情報をビッグデータとして吸い上げ、運転中のドライバーに故障やメンテナンスの必要性を通知したり、車載カメラの情報から道路の混雑状況や障害物の情報をドライバーに伝えることも可能になる模様。

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また、新型プリウスPHVに標準搭載される「DCM」関連のサービス「ポケットPHV」では、スマホ向けの専用アプリにより、車両の充電状況や充電ステーションの検索、エアコンのリモート制御などができるそうです。

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スマホによる操作や指示は、トヨタスマートセンターのクラウドを経由して車両のDCMに指令を送るシステムになっており、セキュリティにも配慮されています。

同サービスは新車契約から3年間無償で通信サービスが利用できるとともに、4年目以降も年額1万2000円(1000円/月)で継続利用できます。

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トヨタは今後、KDDIと共同で2020年までに日米の市場で販売されるほぼ全ての乗用車にDCMを標準搭載する計画で、その他の主要市場においても順次搭載を進めていくそうです。

国内タクシー事業者向けの新サービス開発や、次世代タクシーへの活用なども予定しているようで、今後の同社の「つながるクルマ」に向けた動きが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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レーシングドライバーも魅了する「トヨタ プリウスPHV」の走りとは?

1997年に初代モデルがデビューして以降、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドによる低燃費でその人気を高め、いまではエコカーの代名詞ともいえる「トヨタ・プリウス」。

2015年に登場した現行型である4代目は、クルマづくりの新しいコンセプトであるトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)のもとで新プラットフォームを採用したほか、パワートレーンにも徹底した改良が施された結果、燃費は最良で40.8km/Lという前人未到の領域に足を踏み入れました。

トヨタでは現代のエコカーである「プリウス」をはじめ、燃料電池車「MIRAI」のようにもっと先の時代を見据えたモデルも販売しています。そして、2016年末にはこのギャップを埋めるモデルとして「プリウスPHV」の発売を予定しており、これによって今後のエコカーの発展への道筋が確立されると言います。

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とはいえ、ハイブリッドをはじめ、いわゆるエコカーにありがちなのが薄味のドライビングフィールです。従来のエコカーではアクセルとブレーキさらにはハンドリングの反応がいずれも希薄でした。しかし、現行型「プリウス」ではその点を煮詰めて、走りの気持ち良さも一つのウリとなっています。

だからこそ、それをベースにつくられたプラグインハイブリッド「プリウスPHV」も走りは期待できるのではないでしょうか? その実力をアジアF3で活躍したレーシングドライバーである三浦 健光さんがサーキットで試しました。

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「プリウスPHV」の特徴は、ケータイを充電するように内蔵するリチウムイオンバッテリーへ充電できる点(200V<16A>で約2時間20分)であります。また、バッテリーは約2倍の総エネルギー量を実現しており、モーターだけでの航続は約60km(目標値)。さらに、モーターとジェネレーターを駆動に使用できるデュアルモータードライブの採用で最高速度135km/h(社内測定値)までの力強いEV走行を可能にしています。

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試乗ではその力強さはアクセルを踏んだ瞬間から体感できるほどで、滑らかに40km/hへ。そのままアクセルを踏み込み、90km/hへ達してもエンジンはかからないため、街中から高速までエンジンの出番は滅多になさそう。モーターだけで気持ち良さを追求しようというのが良く分かる感じだと言います。

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コーナーでは、新プラットフォームが実現した低重心とダブルウィッシュボーン式サスペンションががっちりと路面を捉え、姿勢変化の少ないコーナリングを披露。4本のタイヤの接地感が強く、ハンドリングの手応えはしっかりしており、安心感が非常に強いそうです。

さらにバッテリーなどによる重量増はどっしりとした重厚感に繋がっており、モーター駆動による静粛性と瞬発力と相まって、乗り心地は上質。その印象は『今までになかったクルマ』と語っています。

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高速域もモーターだけで走れるほか、防音材を増やしたことで静粛性もアップし、その走りの上質感も持ち味となった「プリウスPHV」。となると、気になるのが、そもそもエンジンとは?といったことではないでしょうか。

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「プリウスPHV」にとってエンジンは、燃費をさらに良くするための補助であり、走行状況に合わせてモードを変更することで恩恵を受けられます。

例えば、パワーモードでは坂道や多人数乗車などで出足にもたつきが感じられる場面で有効。また、バッテリーの残量が少ない時にはバッテリーチャージモードを選べば駆動と充電が同時に行なわれるため、それこそ充電設備がなくてもガソリンを給油するだけでも十分なのです。

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モーターが駆動のメインとなる点やバッテリーへの充電など、プラグインハイブリッド(PHV)はこれまでのクルマとは一線を画する次世代環境車と言われていますが、今すぐにでも乗ってほしいほど違和感のないクルマだそうです。

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(今 総一郎)

新型プリウスPHVに3年間無償で提供される「ポケットPHV」とは?

今冬に登場するトヨタ・プリウスPHVの新型モデルは、プラグインハイブリッド(PHV)の本格的な普及に大きく貢献しそうなモデル。

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欧州勢が急速に進めているPHV(PHEV)は、日本市場では500万円以上の高級車が中心で、三菱アウトランダーPHEVも459万円ですから、なかなか手が出ないという方も多いかもしれません。

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350万円を大きく下回る価格設定が期待される新型プリウスPHVは、急速充電も対応するなど、価格だけでなく使い勝手での面もニーズにマッチするようになっています。

そこで、欠かせないのがトヨタ コネクティッドカンパニーによる「Connected戦略」で紹介された「クルマとスマホ」や、「クルマとトヨタスマートセンター」が「つながる」サービス。

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新型プリウスPHVには、一部グレードをのぞき車載通信器のDCMが標準装備され、3年間無償で通信サービスが利用できます。なお、4年目以降は年額1万2000円(月1000円)で継続利用もできます。

「ポケットPHV」と命名された同サービスは、スマホでプリウスPHVのエアコンを操作する「リモートエアコン」、充電情報の表示、充電ステーションの検索などが可能。

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さらに、「Connected戦略」では「eケアサービス」も紹介されました。車両の警告灯が点灯するとトヨタスマートセンターでデータの解析を行い、異常要因の推定、走行可否判断などが自動的に生成されるもの。オペレーターによる対応だけでなく、担当販売店への連絡などのリアルタイムで万全のバックアップが用意されます。

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ほかにも、「故障予知サービス」を用意。こちらはビッグデータを活用し、車両のトラブルを予知してメールや点検入庫を促すサービス。ユーザーの利便性を向上はもちろん、販売店側にとっては入庫につながるサービスとして期待が高まります。

(文/写真 塚田勝弘)

軽量で燃えにくい新構造の太陽電池モジュールが登場。車載用に期待

産業技術総合研究所(産総研)の太陽光発電研究センター:モジュール信頼性チームの原 浩二郎 上級主任研究員らは、信越化学工業(信越化学)と共同で、燃えにくくて軽量な、新構造の太陽電池モジュールを開発したと発表しました。

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新開発の太陽電池モジュールの構造は、アルミ合金板の裏面材の上にシリコーンゴムでできたシート状の封止材を載せ、この封止材の中に結晶シリコン太陽電池セルを封入し、表面を高分子フィルムで覆った形になっています。

新開発の太陽電池モジュールでは、従来型の太陽電池モジュールに必要だった重いガラス基板や可燃性の有機部材が不要になるという特徴があり、長期にわたる高い信頼性や、高い難燃性や、軽量化、割れない、設置し易いなどのメリットを備えています。

新構造と従来構造の太陽電池モジュールに鋼球を落下させる試験を行って、試験後の発電能力を比べたところ、下図に示すように、従来構造では出力が87%に低下するのに、新構造では99%の出力を発揮できることが確認されました。

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これらの新太陽電池モジュールのメリットは、車載用に最適なもので、今後車載用の太陽電池モジュールとして開発が進むことが期待されています。

発売開始が近づいている新型プリウスPHVでは、ルーフ上に太陽電池パネルを設置して、太陽電池パネルで発電した電力を走行用バッテリーの充電に利用するという新しい車載太陽電池の活用法が採用されているようで、今後EV・PHVに太陽電池パネルの搭載が拡大することが予想されます。

(山内 博・画像:産総研)

新型プリウスPHVが現行プリウスよりも全長が105mm長いワケ

新型プリウスPHVは、現行プリウスよりも全長が105mm延ばされ、専用のフロントマスク、バックドアが用意されています。

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上質な内・外装と洗練された走りがテーマですから全長の延長も理解できます。しかし、全長が延ばされたのは何よりも「専用デザインを付加したいから」ではありません。むしろ、ほかの理由により延長することになった、というのが真相のようです。

トヨタ自動車 MSデザイン部 第2デザイン室長の児玉修作氏にうかがうと、新型プリウスPHV開発の途中にEV走行距離の見直しの議論が起こり、結果60kmというターゲット距離の延長が決定。

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これにより、PHVの開発が1年間休止となり(デザインやパッケージングなど。電池などの分野は開発を続行)、その後、新しいパッケージではリヤオーバーハングが80mm延長されました。

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EVによる航続可能距離60kmを実現するため、駆動用バッテリー(リチウムイオン)の強化に対応する新しいパッケージをもらった時に、プリウスとプリウスPHVのデザイン面での差別化がより決定付けられたそう。

児玉氏が試作車に試乗して「圧倒的なEVパワーと、重量が重いこともあって路面に吸いつくような走り」を実感し、この感覚をユーザーの方にも伝えたいと、外観は「水平基調で前後に伸びやかな意匠」とされています。

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さらに、現行プリウスPHVは、先代プリウスとの見かけ上の差も少ないという声も上がっていたそうで、新型プリウスPHVが素のプリウスよりもアグレッシブなデザインになった理由のひとつになっているとのこと。

リヤオーバーハングが80mm延長されたことで、全体の重量が増え、フロントの衝突要件と意匠のクオリティ向上を目的としてフロントも25mm延長。

それらの結果、現行プリウスから105mmの全長の延長になっています。PHVの大きな魅力であるEV航続距離の見直しが、ボディサイズや外観デザインの変更にも及んだことになります。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

プリウスPHV発売延期の原因?噂のパーツをトヨタが公開!

先頃、新型「プリウスPHV」の国内発売時期を当初予定の今秋から、今冬に延期すると発表したトヨタ自動車。

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9月に受注開始、10月26日頃に発売されると予想されていましたが、発売延期の理由について「より良いクルマを着実にお届けするため」として、その後も具体的な理由は明らかにしていません。

一部では、新採用したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製バックドアの量産品質が安定しないことが発売延期の理由との噂も流れています。

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そうしたなか、同社は袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催した「プリウスPHV」の国内試乗会の様子を公開しました。

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公開情報の中で最も注目されるのは、同車の発売延期の理由と噂される、軽量化目的で採用した樹脂製バックドアの構造がわかる画像。

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バックドアインナー(内板)の複雑極まる構造やCFRP特有のカーボン柄が窺えます。

これほどまでに大きな一枚物の樹脂パネルを成形するには、成型機の規模はもちろんのこと、製品形状を安定させるための成形条件設定の難しさが伝わってきます。

以前にトヨタ自動車の元町工場で「86GRMN」のCFRP製フードインナーの生産工程を視察した際にも感じましたが、大量生産に向いている構造とは言い難いのも事実。

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トヨタ自動車では今冬の「プリウスPHV」国内発売に向けて、CFRP製バックドアの安定生産に心血を注いでいる様子が目に浮かぶようですが、是非とも車体の軽量化実現に向けた果敢なチャレンジを成功させて欲しいものです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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新型プリウスPHVに何が起きた? トヨタが異例の「国内」発売延期を表明!

トヨタ自動車が8月3日、「プリウスPHV」の国内発売時期を当初予定していた今秋から今冬に延期するという、異例の発表を行いました。

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これまでは9月に受注開始、10月26日頃に発売されると予想されていましたが、今回の発売延期に際し、同社は「より良いクルマを着実にお届けするため」との説明に留めており、具体的な理由を明らかにしていません。

産経新聞によると、国内発売延期の理由として「生産が遅れ、販売に必要な台数が確保できない見通しとなったため」としており、加えて「当初計画よりも立ち上がりの生産台数を抑えることになった」としています。

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また、朝日新聞によれば、軽量化を目的に採用したCFRP(強化プラスチック)製バックドアの品質が量産段階で安定しないことによる生産遅れとの情報も有ります。

ちなみに現行プリウスは先代モデル同様、米国でワールドプレミアするなど、米国市場を強く意識したモデルとなっています。

しかしながら米国では、ZEVによる環境規制強化にともなって充電機能を持たない現行プリウスがZEVの範疇から外れたこと、PHVのライバルとも言えるテスラが比較的廉価なEV「モデル3」投入に向けて世界中で受注を開始していることなどから、トヨタとしては米国で「電動車」と認められるPHVモデルの早期投入&拡販が急務の状況。

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そうした事情から、当初の計画どおりに台数が出せなくなった場合に考えられるのが、PHVの投入を急ぎたい米国向けを優先するケース。

噂によると、国内市場には新車効果の維持を目的に、現行プリウスの装備を充実させた特別仕様車をまもなく投入する計画があるようで、PHVモデルとのバッティングを避けたいとの思いが今回の決断を後押しした可能性もあります。

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今回トヨタが発表したプリウスPHV発売延期に関する文面の表題をよく見ると「国内」と明記されていることからも、国内市場に限った対応を匂わせます。

今冬の発売となればプリウス派生のSUV「C-HR」の発売とも重なる訳ですが、ジャンル違いということで、こちらについては許容しているのかもしれません。

いずれにせよ、新型プリウスの本命モデルとも囁かれる同車の発売が待たれます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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新型トヨタ・プリウスPHVの発売延期が決定。その理由とは?

トヨタ・プリウスPHVの新型モデルは、国内では2016年6月に開催された「スマートコミュニティJapan 2016」において初めて日本仕様が披露されました。

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新型プリウスPHVは、モーターだけで60kmと、現行型(26.4km)の2倍超となる走行距離を目標値に掲げ、さらに、EV走行時の最高速度も100km/hから時速135kmまで引き上げられています。

気になる燃費(JC08モード走行ハイブリッド燃費)も従来型の31.6km/Lから37km/Lに向上。なお、素の新型プリウスは燃費スペシャルのS(2WD)が37.2km/L、4WDのE-Four「S」が34.0km/Lとなっています。

ほかにも、ソーラー充電システム(日本、欧州仕様のみ)を搭載しているほか、急速充電機能(日本仕様のみ)や、11.6インチ大型ディスプレイを備えるなど、トヨタMIRAIには手が届かない、インフラ面からも現実的ではないけれど、気になる存在という方も多いはず。

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見どころ満載の新型プリウスPHVの発売は、今秋頃の予定とされていましたが、今冬に少しずれ込んだそうで、ティザーサイトの表示も今冬と変更されています。

発売延期の理由は、部品供給などの生産面なのか、市販車での性能達成までもう少し時間が掛かるのかなど技術面なのか、いくつか考えられます。詳細は明らかにされていませんが、後者は少し考えにくいですね。

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なお、プレスリリースによると、

「今回モデルチェンジ予定の新型車は、4代目プリウスをベースとしながら、EV走行距離の大幅拡大や先進的なデザインの採用など、お客様がPHVに求められる要望に応えることで、電気を活用した新しいカーライフスタイルを提案できるクルマを目指し開発に取り組んでまいりました。今回、お客様により良いクルマを着実にお届けするため、発売時期を延期することを決定しました。何卒ご理解賜りますようお願いいたします」

とアナウンスされており、さらに性能を上げるのか、先述したように目標値に達していないのか明確には分かりません。

「着実にお届けする」という言葉から、生産上の都合であり、新型プリウスPHVに殺到するであろうオーダーに対応する体制強化であることを願いたいものです。

(文/写真 塚田勝弘)

プリウスPHVの燃費・電費・充電時間、そして伸びたEV走行距離はどう評価される?

ハイブリッド燃費の目標値を37.0km/L(JC08モード燃費)に据えた新型プリウスPHV。

ノーマル・プリウスの最高値37.2km/L(Eグレードは40.2km/L)と比較すると、「あまり変わらない?」と思うかもしれません。

が、こちらはPHVですから充電が可能で、充電による航続可能距離は60km以上(等価EVレンジのこと、EV走行換算距離ともいう)と、従来型PHVの26.4kmから大幅に延びる模様です。

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また、新型プリウスPHVの「JC08モード走行ハイブリッド燃費」とは「ハイブリッド燃料消費率」のこと。

具体的には、外部充電した電力を使わずに走行する際の燃費である「ハイブリッド走行時(Charge Sustaining走行/エンジン駆動によるハイブリッド走行の領域のこと)」の燃費です。

従来型プリウスPHVの「JC08モード走行ハイブリッド燃費」は31.6km/Lでしたから、新型は6km/L以上延びる見込みとなっています。

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燃費で気になるのは、新型プリウスPHVは、アグレッシブな外観デザインを採用したためか、あるいは全長が105mm延長(全幅、全高は同値)されるためか、Cd値が0.24から0.25に若干悪化している点でしょうか。

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とはいえ、EV走行時の航続可能距離は60km超が目標値となっているほか、メルセデス・ベンツやBMWなど輸入車のPHVに多いように、EV走行での最高速度も135km/h(テストコースなどでの計測)に達しているそうですから、バッテリーの残量があれば、強めにアクセルを踏み込まなければEVとして日常ユースはまかなえそう。

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旧型プリウスPHVは、EVとしての走行可能距離の短さが泣き所で「プリウスと変わらないのでは?」というユーザーの判断もありましたが、航続可能距離が伸びたことで、新型プリウスPHVの評価がどう変わるかが気になります。

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PHVに必要かどうかの議論はありますが、新型プリウスPHVは急速充電にも対応しています。その充電時間は、80%までなら約20分とアナウンスされています。

(文/写真 塚田勝弘)

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新しいプリウスPHVは4人乗り ─ トヨタ「プリウスPHV」画像ギャラリー

デザインの好き嫌いは人により差があるでしょうが、新しいプリウスPHV、個人的にはノーマルのプリウスよりもカッコよく見えました。

タブレットのようなサイズの11.6インチ大型ディスプレイを備えた内装の先進性の高さも魅力的に思えます。

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居住性で気になるのは、後席が2人掛けになることで乗車定員が4名になる点。

販売現場の声を聞くと、普段は5人乗車などほとんどしないのに「気になる人は気になる」ポイントだそうで、どう評価されるでしょうか。

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ボディサイズは、ノーマルのプリウスよりも全長が105mm長い、全長4645×全幅1760×全高1470mm。ホイールベースは2700mmで同値になっています。車両重量は1510kgで150kg重くなっています。

重量増がハイブリッド走行時の実燃費にどう影響するかも気になるところ。

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エンジンは素のプリウスと同じ「2ZR-FXE」型の1.8L直列4気筒DOHCで、98ps/142Nm、トランスミッションも同じ電気式無段変速機。

モーターは駆動用に加えて発電用モーターも駆動時に使われるようになり、モーター形式は「1NM」に「1SM」が加わり、「1NM/1SM」となっています。

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駆動用モーターの最高出力は53kW(72ps)、最大トルクは163Nmとノーマルのプリウスと変わっていませんが、発電用モーターの「1SM」が駆動にも使われることで23kW(31ps)、40Nmという出力とトルクを得ています。

ただし、システム最高出力は90kW(122ps)でプリウスと同値で、先代プリウスPHVの100kW(136ps)よりも若干下がっています。

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すでにテストコースでの走行試験はもちろん、販売店関係者によると営業担当者のトレーニングも実施されているそうですから、ほぼこのまま市販化されるのは間違いなく、あとは値付けがどうなるかが最大の注目ポイントになりそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

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プリウスPHVを「見て座って」分かった、プリウスとの違いは?

日刊工業新聞などの一部報道によると、9月後半から生産を開始する新型プリウスPHVの生産台数は年間5〜6万台規模だそう。

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新型プリウスPHVは「素のプリウスで十分じゃない?」といわれないように、内・外装のデザインや装備を一部変更するなど、「売る気満々」というのが「スマートコミュニティJapan 2016」で公開された実車からも伝わってきます。

専用の4眼LEDヘッドライトやブラックアウト化されたフロントグリルなど、顔つきからも違いを感じさせますが、見た目での最大の違いはオプションのソーラーパネル、インパネの11.6インチ「T-Connect SDナビゲーション」でしょう。

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ソーラーパネル発電で走行できる距離は、当然ながら地域や日照などの条件により異なりますが、豊田市で充電させたところ、JC08モード換算で5km程度の走行が可能という数値が出たそう。なお、発売時には一定の参考値が公表されるはず、とのことです。

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11.6インチの「T-Connect SDナビゲーション」の完成度も非常に高く、タッチコントロールの反応も、たとえばテスラ・モデルSや三菱電機製パネルを採用するボルボXC90(こちらは手袋をしたままでも操作できるのがウリ)と比較しても申し分ないという印象。

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機能としては最新の「T-Connectナビ」と変わらないですが、充電状態や充電スケジュールなどPHVならではのメニューが追加されているほか、ソーラーパネルを含めたエネルギーフローも当然表示されます。

また、PHV化で気になるのがバッテリーによる居住性、積載性への影響ですが、ノーマルのプリウスは後席下にバッテリーが積まれていますが、プリウスPHVは荷室下に配置が換えられていて、荷室フロアが77mm高くなっていますが、ゴルフバッグ2セットが積載できるとのこと。

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なお、荷室フロアボードの下をのぞこうとしたり、後席背もたれを倒して段差ができるか確認したりしましたが、この2つはNGが出ました。

後席の座り心地は、新型プリウスって「こんなに低かったかな?」という低い位置に座らせるのも印象的ですが、中央の大型コンソールはアームレストとしても機能するうえに、座面、背もたれともに後席としてはまずまずのフィット感を抱かせるのも朗報といえそう。

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そのほか、バックドアの一部にカーボンを採用しているプリウスPHVですが、その開閉感は軽く、ボディの軽量化以外にも力を入れずに開閉できるという利点も感じさせてくれます。

(文/写真 塚田勝弘)

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トヨタ自動車が「スマートコミュニティJapan 2016」(6月15日-17日)で、新型プリウスPHV(国内仕様)を初公開しました。

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現行モデルの2倍の大容量リチウムイオンバッテリー(8.8kWh)を搭載しており、モーターによる航続距離を現行の26.4kmから60km以上にまで引き上げています。

エンジンとモーターを併用するHVモードでの燃費は37.0km/L(JC08モード)。日本仕様には世界初となる最大出力180Wのソーラーパネルをルーフ上に装備。

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日中に発電した電力を一旦、12Vニッケル水素バッテリーに蓄電、その後まとめて駆動用二次バッテリーに電力を供給することで、バッテリーの電力消費を補いながら、モーター走行距離や燃費の向上に貢献します。

ちなみにソーラーパネルのみによる発電で1日あたり最大5kmの走行が可能とか。

現行モデルとは異なり、ベース車のプリウス(HV)と車体の前後意匠を大きく変えることで、一目で判別できるとともに、よりスポーティなイメージになっており、海外でも広く受け入れられそうな雰囲気を漂わせています。

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新型プリウスPHVは日米欧向けを中心に今秋の発売を予定しており、愛知県豊田市の堤工場で9月後半より月間4,000台から5,000台ペース(6万台/年)で生産する計画になっているそうです。

今回、トヨタがPHVに力を入れている背景には、海外の主力市場である米国で、2018年モデルからHVがZEV(ゼロエミッションビークル)の対象外となるためで、同様に中国市場においてもHVが補助金支給の対象(PHV・EV)外という実情があります。

新型では200V/16Aに加えて、100V/6Aの家庭用電源を利用して充電できるという改善が盛り込まれています。CHAdeMO規格の急速充電にも対応しており、約20分でバッテリー容量の80%まで充電可能。

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外部への給電も可能で、AC100Vのコンセントを車内2カ所に備えており、同時に最大1500Wまで家電などを利用できるそうです。

同社の説明によると、新型では日常走行なら、ほぼエンジンを使わずにモーターのみで走れるようになっているそうなので、事実上のEVとして使えそう。

バッテリー増量によるリヤの重量増に対応するため、バックドアには軽量なCFRP(カーボン樹脂)を採用。これにより、造形の自由度が増したことから、空力に寄与する2つの膨らみを持った「ダブルバブルバックドアウインドゥ」を採用。

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リヤ周りの大きな特徴になっており、左右方向の後方視界も拡大しています。

車両価格は未発表ですが、現行モデルはHV比で約60万円高の設定になっており、販売が伸び悩む一因になっているだけに、新型ではどこまで価格差を抑えられるかが、大いに注目されます。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車)

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トヨタ自動車が、東京ビッグサイトで開催される「スマートコミュニティJapan 2016」(6月15日-17日)に、新型プリウスPHV(国内仕様)を出展するそうです。

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日本初公開となる同車は今秋発売予定で、ルーフにソーラー充電システムを搭載、急速充電(CHAdeMO)にも対応しています。

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今回の展示会では、燃費・環境性能面でさらに進化したPHVシステムや、ソーラー充電システムの仕組み、急速充電機能、11.6インチ大型ディスプレイを使ったT-Connect SDナビゲーションシステム等を紹介する模様。

トヨタ初となる11.6インチ大型ディスプレイには、ナビやオーディオ、空調などの様々な情報を集約。

フルHDによる高精細表示で視認性を追求したほか、スマートフォン感覚の直感的な操作が可能。

ナビ機能は縦長画面により、進行方向遠方まで見通せるとともに、オーディオやエアコンなど、他の機能と2画面を同時に表示することができます。

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リアルな3Dグラフィックを使ったエネルギーモニターには走行中のエネルギーの流れがリニアに表現され、タイマー充電の設定や1週間分の充電スケジュール予約状況を見ながら予約の設定・変更が可能。

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また日本モデルではルーフの大型ソーラーパネルで発電、駐車中に駆動用バッテリーを充電したり、走行中には駆動用バッテリーの消費を抑え、モーター走行距離を拡大、燃費の向上に貢献します。

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今秋の発売を前に、日本で初公開される新型プリウスPHVをこの機会にいち早くチェックしてみてはいかがでしょうか。

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Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車、CleanMPG)

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ソーラー充電システムを搭載した新型プリウスPHV日本仕様を初公開

次のプリウスはPHV(プラグインハイブリッド)にしよう! とお考えの方もいるかもしれません。ニューヨークオートショーで披露された新型プリウスPHV(プリウス・プライム)の日本仕様は、2016年秋にも発売予定とアナウンスされています。

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先日開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」では、新型プリウスのカットモデルや試乗体験が可能でしたが、残念ながら新型プリウスPHVの出展はありませんでした。

急速充電に対応するという(約20分で80%まで充電可能)新型プリウスPHV。いよいよ注目の日本仕様が公開されます。

お披露目の場は6月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイトで開催される「スマートコミュニティJapan 2016」。

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展示されるプリウスPHVには、先進装備として車両のルーフにソーラー充電システム(日本、欧州仕様のみ)が搭載されているほか、進化されたPHVシステムによる燃費・環境性能に加え、ソーラー充電システムの仕組みや急速充電機能(日本仕様のみ)、11.6インチ大型ディスプレイを備えたナビゲーションシステムなどが紹介されます。

同ナビゲーションには、「先読み減速支援機能」などの最新のドライバーサポート機能も搭載されます。

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ほかにも、燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」の主要ユニットの大きさや配置の様子が分かるカットボディの展示に加えて、燃料電池の発電する仕組みが分かる「燃料電池教室」も同ブース内で開催。

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さらに、進化の著しいテレマティクスサービスについては、走行するクルマから得られる様々な情報を「ビッグデータ」として利用する現行サービスや今後の可能性が紹介されるそう。

個人的には、あとはトヨタが後ろ向きと思われているピュアEVの先行開発(電池)、たとえば東京工業大学とトヨタ、高エネルギー加速器研究機構などによる全固体セラミック電池(過去最高のリチウムイオン伝導率をもつ超イオン伝導体だそうで、開発された全固体電池は数分でフル充電が可能)などの一端でも披露される日が待ち遠しく感じます。

※プリウスPHV(プライム)の写真は北米仕様です。

(塚田勝弘)

トヨタのHVモデル世界販売、年内にも1,000万台到達か?

トヨタ自動車によると、1997年以来、約19年間に渡って世界で販売してきたハイブリッド車の累計販売台数が4月末に900万台を突破したそうです。

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地域別の内訳では日本が438万台と最多で、北米が299万台、欧州が111万台、その他が53万台の状況。

現在、約90以上の国・地域でHV 33モデル、PHV 1モデルを販売しており、これまでに販売したハイブリッド車の累計販売台数は901.4万台に達しています。

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昨年7月末に800万台を突破した後、約9か月でさらに100万台上積みしており、これまでの販売推移をグラフで「見える化」してみると、3代目「プリウス」や「アクア」がハイブリッド車の普及拡大に大きく寄与していることがわかります。

北米ではガソリン安の影響で2014年以降、ハイブリッド車の販売が下降気味となっていますが、欧州では逆にジワジワと販売を伸ばしている様子が窺えます。

ちなみに車種別に見た場合の世界販売台数TOP20は以下となっています。

TOYOTA_HV

米国で販売台数が多いハイブリッド車はプリウス(168万台)、カムリ(38万台)、アクア(18万台)、Lexus RX(16.7万台)、プリウスα(16万台)、ハイランダー(14.6万台)など。

また欧州ではオーリス(29.6万台)、プリウス(28.7万台)、ヤリス(23.1万台)、Lexus RX(9.8万台)などが販売を伸ばしています。

TOYOTA_AQUA

トヨタでは地球環境の問題に対してクルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけ、持続可能な社会の実現を目指す「トヨタ環境チャレンジ2050」に基づき、2020年までに150万台/年、累計で1,500万台のハイブリッド車を販売する計画。

同社はこれまでに約6,700万トンに上るCO2排出量を抑制、約2,500万kLのガソリン消費を抑制したとしています。

今年も4月末時点で既に47万台を販売しており、今秋には新型プリウスPHVや新型プリウスの派生SUV「C-HR」を投入する見込みで、このペースで行けば年内にも1,000万台到達の可能性もありそうです。

また、今後はトヨタにおいても米国ZEV規制への対応に伴い、これまでのHVに代わってPHVの開発が活発化すると予想され、トヨタが培ってきたハイブリッド技術はFCVやEVを含めた全ての電動車の基盤となるだけに、いっそう重要性を増して行くものと予想されます。

Avanti Yasunori

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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【メカニズム編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する情報の中から、今回は同車の“メカニズム”について触れてみたいと思います。

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新型プリウスPHVの最大の特徴は、モーターによるEV走行距離が倍増したこと、そしてEV走行時の加速性能が向上したことの2点が挙げられます。

現行モデル比で約2倍の総電力量(8.8kwh)を誇る大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、満充電からの航続距離が60km以上と飛躍的に向上しています。

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これにより、日常走行ならほとんど“EV”としての利用が可能になっています。

バッテリーのサイズアップを最小限に抑えることでラゲージルーム下に収め、十分な広さを持つ荷室容量を確保。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

発進から加速、高速の巡航時に至るまで、ほとんどの場合モーターだけの走行が可能で、エンジンが止まっている時間が長いため、優れた静粛性を実現しています。

一方、EV走行時の加速性能向上に関しては、強い駆動力と加速性能を生む「デュアルモータードライブ」システムを新たに採用。

動力分割機構に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加、これまでの駆動用モーターに加えて、ジェネレーター(発電機)をモーターとして活用できるようにしたことで、あたかも“電気ターボ”のような力強い駆動力が得られます。

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また“バッテリーチャージモード”ではEV走行でバッテリーの電力を使いきった後でもエンジンで発電して充電、夜間に静かなEV走行が必要な場合などに重宝します。

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充電機能では100V 6Aの充電機能付充電ケーブルにより、家庭用100Vコンセントからの充電を可能にしており、急速充電器にも対応。約20分で80%の充電が可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

さらには駐車時、ソーラールーフパネルによる駆動用バッテリーの充電にも対応、走行時にはバッテリー消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献しています。

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このように新型プリウス「PHV」では、充電に伴う煩わしさを解消するため、充電の機会を増やす工夫もなされているのです。

今回、“エクステリア”、“インテリア”、そして“メカニズム”と、3編に渡って新型プリウス「PHV」の特徴について触れてきましたが、いかがだったでしょうか。

新型は全てにおいて魅力を増しており、今秋の発売が大いに待たれます。

Avanti Yasunori

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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【エクステリア編】
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【インテリア編】
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経産省がEV・PHVの普及促進で「ロードマップ」を公表!
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新型「プリウスPHV」米国デビュー!EV走行距離が60km超に倍増
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トヨタ「プリウス」が快走、国内販売で3ヶ月連続首位!
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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【メカニズム編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する情報の中から、今回は同車の“メカニズム”について触れてみたいと思います。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

新型プリウスPHVの最大の特徴は、モーターによるEV走行距離が倍増したこと、そしてEV走行時の加速性能が向上したことの2点が挙げられます。

現行モデル比で約2倍の総電力量(8.8kwh)を誇る大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、満充電からの航続距離が60km以上と飛躍的に向上しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

これにより、日常走行ならほとんど“EV”としての利用が可能になっています。

バッテリーのサイズアップを最小限に抑えることでラゲージルーム下に収め、十分な広さを持つ荷室容量を確保。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

発進から加速、高速の巡航時に至るまで、ほとんどの場合モーターだけの走行が可能で、エンジンが止まっている時間が長いため、優れた静粛性を実現しています。

一方、EV走行時の加速性能向上に関しては、強い駆動力と加速性能を生む「デュアルモータードライブ」システムを新たに採用。

動力分割機構に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを追加、これまでの駆動用モーターに加えて、ジェネレーター(発電機)をモーターとして活用できるようにしたことで、あたかも“電気ターボ”のような力強い駆動力が得られます。

TOYOTA_PRIUS_PHV

また“バッテリーチャージモード”ではEV走行でバッテリーの電力を使いきった後でもエンジンで発電して充電、夜間に静かなEV走行が必要な場合などに重宝します。

TOYOTA_PRIUS_PHV

充電機能では100V 6Aの充電機能付充電ケーブルにより、家庭用100Vコンセントからの充電を可能にしており、急速充電器にも対応。約20分で80%の充電が可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 トヨタ自動車)

さらには駐車時、ソーラールーフパネルによる駆動用バッテリーの充電にも対応、走行時にはバッテリー消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV

このように新型プリウス「PHV」では、充電に伴う煩わしさを解消するため、充電の機会を増やす工夫もなされているのです。

今回、“エクステリア”、“インテリア”、そして“メカニズム”と、3編に渡って新型プリウス「PHV」の特徴について触れてきましたが、いかがだったでしょうか。

新型は全てにおいて魅力を増しており、今秋の発売が大いに待たれます。

Avanti Yasunori

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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細情報が判明!【インテリア編】

トヨタ自動車が先頃公開した新型プリウスPHVに関する詳細情報、前回の“エクステリア編” に続き、今回はインテリアについて触れてみたいと思います。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)インテリアでまず目に飛び込んで来るのはインパネ中央に設置された、“テスラ車”を連想させる11.6インチの大型ディスプレイ。ナビゲーション利用時に進行方向の先まで地図が見渡せるように縦型配置となっています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)さらに、燃料電池車「MIRAI」のインパネを彷彿させる、サテンメッキ加飾を施したクラスターモールがセンター部の造形を強調。

静電式タッチパネルの採用により、スマホ感覚でフリックやピンチイン/アウト操作が可能で、ナビ画面を表示しながらオーディオやエアコンなどの機能を2画面で表示できます。

TOYOTA_PRIUS_PHV

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)また、新型プリウスPHVでは後席が2人がけになっており、シートバック側への連続性を持たせたセンターコンソールによりセパレートすることで、ゆったりとくつろげるパーソナル感とプレミアム感を演出しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)ラッゲージスペースは従来の約2倍の総エネルギー量(8.8kWh)を実現した大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しながらも、荷室床面の上昇を77mmに抑えられており、荷室側面を深く凹ませることで、ゴルフバッグ2個を積載可能。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA)そのほか、緊急時やアウトドアに使えるAC100Vのコンセントが車内2カ所に設置されており、非常時にもパソコンなどの家電用品が使用できます。

また新型プリウスPHVでは電力消費を低減するガスインジェクション機能付電動インバーターコンプレッサーを搭載。(量産車で世界初)冬場でもエンジンを作動させずにヒートポンプだけで暖房性能が得られるようになったことで、EV走行の静かな走りをより長く楽しむことが可能になっています。

このように細部まで改良が施された新型プリウス「PHV」。次項ではいよいよ新しくなったPHVシステムについて触れてみたいと思います。

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今秋発売の新型プリウス「PHV」詳細仕様が判明!【エクステリア編】

トヨタ自動車が2016年秋の発売を予定している新型「プリウスPHV」を3月のニューヨーク国際オートショー16でワールドプレミアしたのは記憶に新しいところ。

TOYOTA_PRIUS(出展 TOYOTA )ハイブリッドモデルに比べてリヤオーバーハングが80mm延長されており、それに伴って全長も4,645mmと+105mm長くなっています。

また、フードやフェンダー、バックドアを専用化するなど、従来モデルに比べてHVとPHVの区別がより明確化されました。

トヨタはニューヨーク国際オートショーの後、同車の詳細情報を公表。本稿ではエクステリアを中心にその内容について見ていきたいと思います。

まずフロント周りでは8眼LEDヘッドランプと、ダイナミックな意匠の大型アクリルグリルの採用により、かなり精悍な顔立ちになっています。

TOYOTA_PRIUS(出展 TOYOTA )各ランプの機能についてはヘッドランプの車両内側4灯がポジション&ハイビーム、外側4灯がロービーム、バンパーの両サイドに縦長のターンランプ&アクセサリーランプ、その内側にフォグランプを配置。(全てLED)TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA )ヘッドランプにはハイビーム走行を基本に、先行車や対向車に光が当たる部分だけを自動的に遮光する「AHS」(アダプティブハイビームシステム)を採用しています。

またリヤ周りではバックドアにCFRP材を採用、軽量化と左右方向の後方視界拡大を実現しており、空力に寄与する2つの膨らみを持った“ダブルバブルバックドアウインドゥ”の採用と相まって、かなり印象的なリヤビューを構成しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA )ランプ類についてはテールランプとハイマウントストップランプがサブウインドゥを取り囲む構成になっており、リヤバンパーの両サイドには縦長のターンランプとバックアップランプを配置。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA )こちらも全てLED式で、PHVモデルとして省電力に配慮されています。

極め付けはルーフに仕込まれた大型ソーラーパネルによる太陽光発電で、駐車中は駆動用バッテリーを充電し、走行中は駆動用バッテリーの消費を抑えることで、EV走行距離や燃費の向上に貢献しています。

TOYOTA_PRIUS_PHV(出展 TOYOTA )このように新型プリウス「PHV」は一目でソレと判る外観を得ており、ベースモデルに対していっそう高級感の有る仕上がりになっているようです。

次稿では引き続き、インテリアについて見ていきたいと思います。

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プリウスPHV世界初公開。11.6インチの大画面や独自エクステリアで差別化

ニューヨークオートショーにて、新型プリウスPHVが世界初公開されています。

北米では「プリウス プライム」という名前を与えられた、2代目のPHV(プラグインハイブリッド)モデルは、初代PHVとは異なり『アイコニックヒューマンテック』をコンセプトに、4連LEDヘッドライトやカーボンファイバー製バックドアなど、フロントやリヤを専用アピアランスとしているのが特徴です。

PRPHV_MY17_0002_V008

初代PHVと同様に、通常のハイブリッド仕様と同じ1.8リッターエンジンを積んでいますが、2つのモーターを同時に駆動力として使える『デュアルモータードライブシステム』を採用するなど、EVモードでの力強さを増しているのが大きな進化ポイント。リチウムイオンバッテリーもサイズアップされ、EV走行モードも60km(日本仕様の初代プリウスPHVは26.4km)と大きく伸びています。

プラグインハイブリッドの特徴となる充電は、普通充電のほか日本仕様では急速充電にも対応。さらに太陽光発電による充電機能も持っているというから驚きです。

エンジンを(あまり)使わない電動車両では空調の効きが課題といわれていますが、新型プリウスPHVには、世界初となるガスインジェクション機能付きヒートポンプオートエアコンを装備。暖房性能のアップが期待できます。

インパネにはトヨタ初となる11.6インチのフルHDディスプレイを装備、未来的なコクピットとしています。ナビゲーションモードでは、先読み減速支援機能を採用し、エネルギー回生を積極的に燃費向上に利用するというのも注目でしょう。

PRPHV_MY17_0002_V005

ハイブリッド燃料消費率は37.0km/Lと、初代モデルの31.6km/Lから性能アップしています。前述した『デュアルモータードライブシステム』は、エンジンと発電用モーターの間にワンウェイクラッチを新設することで、発電用モーターを駆動に利用するもの。2つのモーターを合わせて100馬力を超える走りがEVモードで味わえるというわけです。

日米欧で発売されるという新型プリウスPHV。日本での発売は2016年秋とアナウンスされました。

●プリウス プライム主要スペック
全長:4645mm
全幅:1760mm
全高:1470mm
ホイールベース:2700mm
エンジン形式:直列4気筒
総排気量:1797cc
エンジン最高出力:72kW/5200rpm
エンジン最大トルク:142Nm/3600rpm
第一モーター最高出力:53kW
第一モーター最大トルク:163Nm
第二モーター最高出力:23kW
第二モーター最大トルク:40Nm
バッテリー:リチウムイオン

(山本晋也)