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ジャガー初のEVクロスオーバー「I PACE」、2018発売に向け市街地でテスト走行!

ジャガーが2016年11月のロサンゼルスモーターショーで初公開した、量産EVクロスオーバーSUV「I PACE」コンセプトの市販モデルプロトタイプをカメラが捉えました。

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「I PACE」はこれまでのSUV概念にとらわれない、流線型の美しいシルエットを持ったスタイルを特徴としています。

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今回捕捉したプロトタイプは、兄貴分「F-Pace」のボディを使用したミュールですが、ホイールベースが切り詰められるなど、コンパクトなボディを予測させます。

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ボディサイズは、「F-Pace」より全長が50mm、全幅が40mm、全高は90mm短縮され、車重は2,100kgと噂されています。

予想される市販モデルのスペックは、発表されている数値と若干異なり、前後に搭載されるモーターは、合計で395ps、700Nmを発揮します。充電時間は80%を90分、100%を120分で完了します。

また一回の充電で約450kmの航続距離を実現するといい、0-100km/h加速を4秒で駆け抜けるパフォーマンスも魅力です。

(APOLLO)

世界限定9台!現代に復活した伝説の名車、ジャガー「XKSS」のお値段は?

ジャガー・ランドローバー社には、スペシャル・オペレーションズに属するジャガー・ランドローバー・クラシックという部門があります。同部門では、世界中のジャガーとランドローバーのクラシックモデルのオーナーやファン向けに、車両をはじめサービスやパーツなどの提供を行っています。

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11月18日、ジャガーは米国ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館で、「NEW ORIGINAL(新しくありながらオリジナルに忠実)」なジャガー「XKSS」を世界初披露しました。

jaguar_xkss_202シータースポーツのジャガーXKSSは、1954年から1956年にかけて、ル・マン24時間耐久レースで優勝した「D-TYPE」の公道仕様バージョンとしてラインオフされましたが、1957年に発生した英国ミッドランドにあるブラウンズレーン工場の火災により、北米へ輸出される予定だった9台が焼失し、結果的にわずか16台しか製造されなかった幻のモデル。

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今回、ジャガー・クラシックの手により、約60年の年月を経て製造を再開した「XKSS」を、米国ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館で初披露しました。

ジャガー・クラシックのエンジニアリング・チームによって手作業で仕上げられた「シアーウッド・グリーン」の塗装をまとった美しいXKSSは、世界限定わずか9台で、2017年に納車される予定とのこと。かつてオリジナルモデルが9台消失した台数と同じです。

新しいワンオフモデルのXKSSは、約18か月におよぶ研究を経て作られたもので、1957年型「XKSS」をスキャンして、ボディからシャシーなど全パーツを完全なデジタルイメージで再構築。

2016 World Endurance Championship Round Five, 6 Hours of Mexico 5th - 7th April 2016 Mexico City, Mexico Photo: Nick Dungan / Drew Gibson Photography

ボディは、1957年当時と同じマグネシウム合金を採用。オリジナルの金型が現存しないため、ジャガー・クラシックが1950年代のオリジナルボディをもとに、新たに型を製作したそうです。ボディはこの型をもとに、ハンド・ホイーリングと呼ばれる伝統的な手法で成形。

熟練のエンジニアが原型となるフレームを製作し、それをもとにシャシー構築のためのCAD図面を作成しました。そして、フレームメーカーであり531チューブで有名なレイノルズ社と連携しながら、メトリック法ではなく帝国測定法を用いて新しいパーツを製作。また、当時の「XKSS」のシャシー・チューブと同様、フレームは銅溶接されます。

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気になるエンジンは、「D-TYPE」と同じ262hpを発生する3.4Lの直列6気筒を搭載。今回新たに鋳鉄ブロック、鋳造シリンダーヘッド、3つのウェーバー社製DC03キャブレターが採用されています。

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インテリアは、オリジナルのスミス社製ゲージがもたらす遊び心までも再現されていて、木製のステアリングホイールから、レザーシートのシボ、そしてダッシュボードの真鍮ノブに至るまで、1957年当時のまま再現されています。

現代に蘇った9台のXKSSは、全く新しいモデルでありながら、シャシー番号は往年の番号に続く数字となるなど粋な計らいも。

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なお、販売価格は100万ポンド(約1億4100万円)を超える見込みだそうですが、手作業のため、1台当たり、1万時間がかかる予定だそうですし、世界初のスーパーカーと表現されることもある同モデルにふさわしい設定といえそうです。

(塚田勝弘)

注目の5台をピックアップ!新型SUVがロサンゼルスショーに大集結【ロサンゼルスオートショー16】

11月18日‐27日の会期で開幕したロサンゼルスオートショー16では、各社が新型車やコンセプトモデルを披露しています。今回は、その中でも注目度が高い5台をご紹介したいと思います。まずは日本勢による出展車から。

スバル VIZIV-7 SUV コンセプト

今回スバルがワールドプレミアしたのは、3列シートを装備した7人乗りのミッドサイズSUVで、ゆとりの有るキャビン空間が確保されています。

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車体のスリーサイズは、全長5,200mm×全幅2,030mm×全高1,860mmで、ホイールベースが2,990mmと、現行のフォレスターより一回り大きく、同社のラインナップ中、最大サイズとなります。

同社はこのミッドサイズSUVを2018年に北米市場に導入する予定としています。

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このモデルは、2014年まで米国など海外で販売されていたクロスオーバーSUV「スバル・トライベッカ」の後継車とみられます。

マツダ CX‐5

こちらのSUVはマツダが来年2月に国内発売予定の新型「CX-5」。

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SUVでありながら、品格や成熟さを感じさせるデザインを目指しており、ボディカラーには新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」を採用。

従来の「ソウルレッドプレミアムメタリック」よりも彩度を約2割、深みを約5割増しているそうで、艶やかな透明感を実現しています。

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スリーサイズは全長4,545mm×全幅1,840mm×全高1,690mm、ホイールベースが2,700mmと、現行モデル比で5mm長く、15mm低くなっています。

ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0」「SKYACTIV-G 2.5」、ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」をラインナップしており、「SKYACTIV-D 2.2」には同社が独自に開発したノッキング音を抑える技術「ナチュラル・サウンド・スムーザー」や「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用。

高回転域まで軽快に伸びるパフォーマンスやトルクフルな走り、クラストップレベルの優れた燃費性能を両立しているといいます。

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車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第1弾、「G-Vectoring Control」を搭載。

トヨタ C‐HR 米国仕様

日本国内でもWebによる先行受注が開始されている「C‐HR」ですが、こちらの出展車は米国仕様となっており、前後ランプ類の仕様が国内向けとは異なっています。

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またフロントバンパー意匠も専用で、国内仕様よりも突出量が大きい分、よりスポーティな印象を与えます。

トヨタ自動車の発表によると、対米向けには146ps/190Nmを発生する2.0Lの4気筒エンジンが搭載されているようです。

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本場ザックス(SACHS)製のダンパーが走安性と乗り心地の両立に大きく貢献しているとの評判。また欧州向け等にはオーリス用のマニュアル・トランスミッションをベースに、シフトフィールを改良した6MT仕様車が存在しており、欧州における先行試乗会でも評判が良いようです。

「C-HR」はTNGA採用車が海外で生産される初のモデルで、欧州のトルコ工場で既に生産を開始しており、北米、カナダなどに輸出される計画になっています。

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スリーサイズ(国内仕様)は全長4,360mm×全幅1,795mm×全高1,550mmと堂々としており、ホイールベースは2,640mm。

国内向けについてはトヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される模様で、1.8LのFFハイブリッドモデルにはプリウス用、1.2Lの4WDターボモデルにはオーリス120T用のエンジンをそれぞれ搭載。車両価格帯は250‐290万円との予想。

ジャガー I-PACE

ジャガーカーズは同社初となるリチウムイオンバッテリー(90kWh)とモーターを搭載したEV仕様の5人乗りSUVコンセプト「I-PACE」を発表しました。

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車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅1,890mm×全高1,560mmで、搭載モーターは400ps/700Nmを発生。0-100km/h加速が約4秒と、スーパースポーツモデル並みのパフォーマンスと、SUVのユーティリティを兼ね備えた一台となっています。

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一充電当たりの航続可能距離は約500km。

一際美しいエクステリアデザインが映える「I-PACE」は2018年後半の市販を予定しているそうです。

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アルファロメオ ステルヴィオ

世界的なトレンドにのってアルファロメオもSUV市場への参入を予定しており、今回のショーでアルファ ロメオブランド初のSUV「ステルヴィオ」を披露しました。

新型ジュリアと同じプラットフォームを採用しており、外観についもヘッドランプやフロントグリルなどに、同系統のデザインが施されています。

車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅2,160mm×全高1,650mm。

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最上級グレードに4WDの「クアドリフォリオ」が設定されており、同モデルに搭載されるフェラーリ・チューンの直噴2.9L V6ツインターボエンジンは、512ps/600Nmを発生。0-100km/h加速3.9秒、最高速284km/hを誇る高性能SUVとなっています。

その他にも、284ps/400Nmを発生する4気筒2.0Lターボエンジンに、8速ATを組み合わせたモデルもラインナップされるようです。

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以上、注目車種について見て来ましたが、各社ともにSUVの出展が主で、セダンが苦戦するなか、SUVやピックアップトラック系が人気の米国市場にジャストミートさせた出展内容になっていることが判ります。

Avanti Yasunori

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【関連サイト】

ロサンゼルス オートショー2016
http://laautoshow.com/

ジャガー初の電気自動車「I-PACE」コンセプトをワールドプレミア

世界中で燃費規制が高まっており、燃費規制を達成できないなら罰金を支払う、という時代になると新車を売って稼ぐという商売すらできなくなるかもしれません。そこで今後必須となるのが車両の電動化。

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欧州勢がPHV(PHEV)に注力し、さらにEV化を推し進めているのは、走行車両からのCO2削減、つまり燃費規制をクリアするためで、どんなメーカーでもPHVやEVはラインナップに欠かせない存在になりはず。

さて、今回初披露されたジャガー初の電気自動車の「I-PACE」は、2018年の市販化を見据えたコンセプトカー。

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EVの「I-PACE」は「F-PACE」同様、車名に「PACE」が付くことからも分かるように、5人が乗れるスポーツカーでありながら、ハイパフォーマンスSUVという位置づけになっています。

最新世代の電気モーターと90kWhのリチウムイオン・バッテリーパックを搭載する「I-PACE」は、ジャガー・ランドローバーが設計、開発。一晩充電すれば、世界でも平均的な通勤距離である約50km以上を走行することが可能。

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もちろん、急速充電にも対応。50kW直流充電器を使用した場合、90分で80%の充電が可能で、追加2時間で満充電となります。NEDCサイクル(New European Driving Cycle)での想定航続距離は500km以上、EPA米環境保護庁のモードでは220マイル以上に達します。

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「I-PACE」コンセプトは、走りの面でもジャガーらしい力強さを発揮するとしています。前後アクスルに電気モーターを搭載し、その総パワーは400ps、トルクは「F-TYPE SVR」にも匹敵する700Nmを生み出すということからも、その実力の一端がうかがえます。駆動方式はAWDで、0-60mph加速は約4秒という俊足ぶり。

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また、世界初の「ソーシャルVR」発表イベントとして披露されたのも、ジャガー・ランドローバーらしいユニークな試み。この種のVRイベントとしては最大規模を誇り、1日を通して300名以上がバーチャルリアリティを体験しました。「I-PACE」コンセプトのために特別に用意された仮想空間では、開発に携わったイアン・カラム氏とイアン・ホーバン氏がホストを務めています。

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I-PACEが登場すれば、EV化しやすいSUVの世界もさらに競争が激しくなることは必至。2020年に向けてこうしたハイパフォーマンス電気自動車SUVが定番になりそうです。

(塚田勝弘)

日本導入もあるぞ!ジャガーXFスポーツブレーク、ニュルで高速テスト

ジャガーは2016年パリモーターショーで、新型『XF』にワゴンモデル『XF スポーツブレーク』の投入をアナウンスしていますが、その市販プロトタイプがニュルで高速テストを開始しました。

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パワートレインは、XFサルーン同様の2リットル直列4気筒ターボ、及び340psまたは380psを発揮する3リットルV型6気筒スーパーチャージャーがラインナップされる予定です。

アルミ素材を多数使用し、200kg近い軽量化を図り、スポーツ性を高めると共に、ブートスペースは600L、後席折りたためば1700リットルのクラス最大級の容量を持ちます。

ワールドプレミアは2017年。日本でも徐々に人気復活の気配を見せているジャガーですが、スポーツブレークが日本に初導入される可能性も高いようです。

(APOLLO)

好調ジャガーを支えるXEとXFに、スポーティな限定車「JET DIESEL EDITION」を設定

新型にスイッチしたDセグメントのジャガーXE、EセグメントのXFは、サルーンが中核モデルであるジャガー・ブランドを牽引する存在です。両モデルともにドイツ勢が強さを発揮していますが、「ゲームチェンジャー」になりえる実力の持ち主なのは間違いないでしょう。

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そのXEとXFに台数限定の特別仕様車が設定され、2016年11月1日から受注を開始しました。「XE JET DIESEL EDITION」が100台限定、「XF JET DIESEL EDITION」が30台限定の販売です。

両モデルとも、「INGENIUM(インジニウム)」と呼ばれる2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボを搭載。ベース車は「XE PRESTIGE」、「XF PRESTIGE」(2017年モデル)で。最高出力180ps、最大トルク430Nmというエンジンスペックに加えて、スムーズな変速を披露する8速ATが組み合わされています。

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「XE JET DIESEL EDITION」は、グロスブラック仕上げのサラウンド、ラジエーターグリル、サイドウィンドウ・サラウンド、サイドパワーベントからなる「ブラックパック」や18インチMatrix 7ツインスポークのグロスブラックフィニッシュのアルミホイールなどによりスポーティな外観に仕立てられています。

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内装は、ジェット/モルジヌ・ヘッドライニング、グロスフィギュアド・エボニーウッドパネルにより高い質感を実現。

もちろん装備も充実しています。ステアリングホイールヒーター、電動サンルーフ、電動式トランクリッドなど人気の高いオプションを用意し、デザインや快適性、上質感がさらに高められています。

インテリアカラーには「ジェット」、エクステリアカラーには「イタリアンレーシングレッド」と「アンモナイトグレー」の2色を用意。「XE JET DIESEL EDITION」の価格は590万円です。

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「XF JET DIESEL EDITION」も「ブラックパック」をはじめ、19インチの「Blade 5スポーク・グロスブラック・フィニッシュ・アロイホイール」、LEDヘッドライトを用意。

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装備では、ブラインドスポットモニター(クロージングビークルモニター、リバーストラフィックディテクション付)、電動式トランクリッド、ステアリングホイールヒーター、電動チルト/スライド式サンルーフが用意され、こちらも充実の装備となっています。「XF JET DIESEL EDITION」の価格は790万円です。

(塚田勝弘)

ジャガーの旗艦クロスオーバー「Jペース」誕生へ…ディーゼル・ハイブリッド搭載か?

ジャガー初のクロスオーバーSUV『Fペース』に続く新型SUV、『Jペース』のプロトタイプをカメラが捉えました。

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「Jペース」は、「Fペース」より大きなボディを持ち、ポルシェ『カイエン』やアウディ『Q7』をライバルとする、ジャガーのフラッグシップSUVとなります。

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このプロトタイプは、まだ「Fペース」のミュールを纏っていますが、その心臓部には2リットル直列4気筒ディーゼル・ハイブリッド、及びプラグインハイブリッドが搭載される可能性が高いようです。

また、公開間近の新型ランドローバー・ディスカバリーと多くのコンポーネントを共有すると見られています。

ワールドプレミアは2018年秋と予想されています。

(APOLLO)

ジャガーXJに2017年モデルが登場。車載インフォテイメントシステムを標準化、新グレードも追加

DセグメントのXE、EセグメントのXF、スポーツカーのFタイプ、SUVのF-PACEが新生ジャガーといえる最新モデルになっていて、2010年に発表された最上級サルーンのジャガーXJは、日本でのラインナップの中で最古参になります。

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最上級サルーンにふさわしい堂々たるボディサイズ、特徴的なリヤテールランプによる印象的なルックスは年月ほどの古さを感じさせません。

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また、クラス最軽量を誇るオールアルミボディによるモノコック車体構造を採用し、ジャガーのフラッグシップサルーンらしい快適性と機能性を提供しています。

ジャガーXJの2017年モデルでは、スポーティなスタイリングが目を引く「R-SPORT」を新たなグレードとして追加。

さらに、ジャガーが順次標準化しているインフォテインメントシステム 「InControl Touch Pro」に、通信機能「InControl コネクトプロ」がオプションとして初めて導入されるのもポイントです。

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まず、3.0LのV6スーパーチャージャーエンジンを積む「R-SPORT」は、スポーツシートや「R」スタイルサイドシル、リヤスポイラーなどを装備し、スポーティな個性をより強調したモデル。

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さらに、「グロスブラック・ラジエーターグリル・サラウンド」、「グロスブラック・ロワーグリル」、「グロスブラック・フロントバンパー・サイドエアインテイク」を含む、「R-SPORT」専用のブラックパックもオプション設定されています。

「InControl Touch Pro」は、12.3インチTFTインストルメント・クラスターと直感的なタッチ操作、ホーム画面を自由にカスタマイズできる8インチ静電式タッチスクリーンの最新インフォテインメントシステムで、全グレードに標準装備。

さらに、オプションの通信機能を選択すれば、緊急時のサポート、スマホを介して車内の温度調整などが可能になります。

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2017年モデルのジャガーXJの価格帯は、「XJ LUXURY (2.0L)」の997万円〜「XJ AUTOBIOGRAPHY LONG WHEELBASE、5.0L V型8気筒スーパーチャージャー」2042万円。

新グレードの「XJ R-SPORT(3.0L V型6気筒スーパーチャージャー)」は1404万円です。

(塚田勝弘)

最新ジャガーをドライブできる「THE ART OF PERFORMANCE TOUR」がお台場で開催!

セダンのXEやXF、SUVのF-PACEなど立て続けに新型車を投入しているジャガー。

ワインディングを気持ちよくクリアできるスポーティな走りに加えて、伝統の乗り心地の良さなど、最新のジャガーは従来のブランド像を超えた魅力を商品として具現化している印象を受けます。

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そんなジャガーの最新モデルに「一度乗ってみたい!」という方にとって絶好の機会といえるのが、グローバルで展開されている試乗体験イベント「THE ART OF PERFORMANCE TOUR(ザ・アート・オブ・パフォーマンス・ツアー)」。

日本でも2016月9月21日(水)から23日(金)の間、東京・お台場特設コースにて(東京都江東区青海2丁目1)で初開催されます。

上記の最新モデルに加えて、ピュアスポーツカーのFタイプ、フラッグシップサルーンのXJがすべて揃うイベント。

「THE ART OF PERFORMANCE TOUR」では、自動車業界初となるスマートコーン・システムを活用した試乗プログラム「スマートコーン・チャレンジ」が用意されます。

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スマートコーン・システムは、コース上に置かれたコーンの上部にライトがセットされており、このライトが進行方向を示します。ドライバーはランダムに点灯する2つのコーンの間を車両が通過すると、スピード、走行距離、走行にかかった時間、走行ラインの正確性を計測し、独自のアルゴリズムを使ってドライビング・パフォーマンスを得点化。

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このシステムを活用することで、ドライバーはジャガー車の能力を安全かつスリリングに体験でき、自身のスキルを知ることが可能。さらに、インストラクターが同乗する「公道ドライビング・エクスペリエンス」がセットになっています。

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ジャガーのブランド・アンバサダーを務める錦織 圭選手も最新ジャガーで「スマートコーン・チャレンジ」に日本人として初めて挑戦することになっています。

また、「スマートコーン・チャレンジ」で錦織圭選手の得点を上回った一般参加者の中から抽選で1組2名様に、2017年ウィンブルドン選手権観戦ツアーをプレゼントするキャンペーンも実施されます。

【THE ART OF PERFORMANCE TOUR 開催概要】

開催日時:2016年9月21日(水)、22日(祝・木)、23日(金)

セッション1:10:00〜12:00 (各日共通)
セッション2:13:00〜15:00 (各日共通)
セッション3:15:00〜17:00 (各日共通)

開催場所:臨海副都心J地区(東京都江東区青海2丁目1)

参加方法:特設ウェブサイト内のエントリーフォームに必要事項を記入の上、応募。抽選で200名に「THE ART OF PERFORMANCE TOUR」試乗体験をプレゼント

応募期間:2016年9月19日(祝・月)23:59まで

費用:無料

試乗内容:スマートコーン・チャレンジ、公道ドライビング・エクスペリエンス

(塚田勝弘)

【関連サイト】

THE ART OF PERFORMANCE TOUR
http://www.jaguar.co.jp/campaign/event/theartofperformancetour.html

ジャガー・F-PACE、ライバルSUVの違いとは?

ジャガー初のSUV「F-PACE」は、ジャガーXE、XFというDセグメント、Eセグメントのセダンをベースに仕立てられています。

駆動方式はAWDで、前後駆動配分をデフォルトで「前1:後9」としたFRベースのAWD。なお、ドライ路面での通常走行なら0:100の後輪駆動になります。

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F-PACEのボディサイズは、全長4740×全幅1935×全高1665mm。ライバルのポルシェ・マカンは全長4680×全幅1925×全高1625mm、BMW X3は全長4665×全幅1880×全高1675mm、アウディQ5は全長4630×全幅1900×全高1660mm。

ロングノーズ&ショートデッキのスポーツカーのようなフォルムが特徴のF-PACEだけに全長はライバルよりも約50〜100mm長く、全幅も最もワイドになっています。

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クラス最長のホイールベースと大きなボディの恩恵は、ダイナミックな外観だけでなく、とくに後席のフットスペースの広さに直結。上記のライバルよりも余裕は明らか。全高の余裕を活かして後席の頭上空間も十分に取られています。

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荷室容量は通常時508L(本国仕様はパンク修理キットにより650L)で、SPACE(スペース)からも由来する車名の「F-PACE」の名に恥じない広さを確保。

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エンジンは、180ps/430Nmの2.0Lディーゼルターボと、340ps版と380ps版を用意する3.0L V6スーパーチャージャーを用意し、8ATとの組み合わせになっています。

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ライバルは、2.0Lガソリン(184ps版、245ps版)、2.0Lディーゼル、3.0L直列6気筒を揃えるBMW X3のエンジンラインナップが最も充実していますが、F-PACEのディーゼル、ガソリンはスペックもフィーリングもトップクラスの魅力を備えているといえそう。

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最後発のF-PACEがライバルに挑むため、性能面も使い勝手などの面でもリードするのは当然でしょう。もし物足りない点を探すなら、インパネの質感がもう少しに感じるのと、10.2インチタッチ式ディスプレイの操作感の熟成不足あたりくらいでしょうか。

(文/写真 塚田勝弘)

ジャガー・F-PACE、買うならガソリンかディーゼルか?

前後のトルク配分をデフォルトで「前1:後9」としているジャガーF-PACE。

リヤが力強く蹴り出す走りの姿勢と、舵角、速度域を問わず違和感を抱かせない電動パワステの仕上がりの良さ、走りと乗り心地の高いバランスなどが際立っています。

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ボディの80%にアルミを使った軽量ボディ、サスペンションもアルミ化した恩恵を感じさせる点で、そこに完成度の高さを感じさせるパワートレーンも加わりますから、走りの面では短時間の試乗だと大きな欠点を察しさせない完成度になっています。

試乗したのは、340ps/450Nmの3.0L V6スーパーチャージャー搭載車と、「INGENIUM(インジニウム)」と呼ばれる2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボで、いずれもZF製8ATとの組み合わせ。

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ほかに、380ps/450Nmを誇る3.0LガソリンのV6スーパーチャージャーも控えていますが、今回は乗る機会がありませんでした。

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最量販として期待されるのは、2.0Lのディーゼルターボでしょう。

輸入車を中心に日本でもディーゼルが根付きつつあるいま、しかもその傾向が強いSUVですから639万〜728万円という価格面も含めてディーゼル仕様を指名する人が多いはず。

なお、3.0LのV6スーパーチャージャー搭載車は849万〜981万円(カタログ。導入限定車のぞく)。

430Nmもの最大トルクを誇るだけあって、大柄なF-PACEでも不足は全く感じさせません。最大トルクを発揮する4000rpmまで濃密なトルク感をもって車速を引き上げていきますし、勾配でも力強さを堪能できます。

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8ATのスムーズさはもちろん、シフトアップ、ダウンを感じさせない黒子役であるのも好ましく感じますし、必要があればパドルシフトで操作すればストレスのない変速も可能。

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一方の3.0L V6スーパーチャージャー搭載車は、340ps仕様(最大トルクはいずれも450Nm)であっても痛快な加速フィールを味わえます。

軽快なフットワークとの相性の良さ、走りの楽しさではディーゼルを上回っている印象を受けました。

スーパーチャージャーらしく低速域からの力強さに加え、高速域の伸びも、再加速する際のパンチ力も強烈そのもの。ディーゼルよりも約200万円高い理由は、ガソリンとディーゼルを乗り比べてみるとまさに実感させられます。

もし、予算が許せばガソリンを指名したいところ。しかし、ディーゼルでもフロントの重さをほとんど意識させない、F-PACEらしい切れ味のあるハンドリングを堪能できますからご安心を。

(文/塚田勝弘 写真/ジャガー・ランドローバー・ジャパン、塚田勝弘)

新生ジャガーらしい走りを味わえる初のSUV「F-PACE」

ジャガー初のSUVである「F-PACE(エフ・ペイス)」のデリバリーが7月下旬から開始されています。

ランドローバー部門を擁するジャガー・ランドローバーだけに、ランドローバーとの違いはどうなんだろう? といったあたりが気になるところです。

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レンジローバー・イヴォーク、ランドローバー・ディスカバリー スポーツがエンジン横置きのFFベースとなっているのに対し、ジャガーF-PACEはFRベースで、プラットフォームはセダンのXE、XFのそれをベースとしたものとなっています。

同じ4WDといってもFF系とFR系の違いがあるわけですが、駆動方式はもちろん、それ以上にF-PACEはスポーティな走りで驚かされます。

とくに、ZF製のラックを採用している電動パワーステアリングの手応えがナチュラルで、直進安定性とフットワークを見事に両立しています。

回頭性の高さもFR的な挙動で運転しやすく、着座位置が高めでロングノーズであることを少し意識させられること以外、SUVという形をしたスポーツカーに乗っている感じがします。

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F-PACEの開発陣は、ポルシェ・マカンをベンチマークとしたそうですが、中低速域から高速域までハンドリングを楽しめるのは甲乙付けがたいところ。

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よりスポーティな味付けという意味で「わかりやすい」のは、マカンのような気がしますが、ジャガーF-PACEも十分にホットな走りが楽しめますし、乗り心地の良さも試乗車の19インチ、20インチであっても納得させられる仕上がりとなっています。

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ハンドリングと適度に引き締まっていながら乗り心地が良い点などは、最近のジャガー各モデルに共通するもので、SUVのF-PACEはそのバランスがさらにブラッシュアップされています。

(文/塚田勝弘 写真/ジャガー・ランドローバー・ジャパン、塚田勝弘)

ジャガー・XFの2017年モデルは装備とボディカラーがさらに充実

ジャガーXFが2017年モデルに移行し、8月5日から受注を開始しました。

かつてのジャガーといえば「猫足」と例えられるほどソフトな乗り味を示すモデルもありましたが、XFを含めた最新ジャガーは、足まわりも適度に引き締まっていて「スポーティかつしなやか」という乗り心地になっています。

Jaguar_XF_17MY_01こうしたテイストを実現しているのは、ボディの75%にアルミニウムを使った軽量モノコック車体構造をはじめ、ダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンション、インテグラルリンク式リヤサスペンション、「50:50」の前後重量配分バランスなどによるもので、弟分のXEとともにジャガー・サルーンらしい走りを堪能できるわけです。

ジャガーXFの2017年モデルでは、エントリーグレードの「PURE」に前席シートヒーターが標準装備されたほか、ボディカラーのラインアップも見直されています。新たに「シージアムブルー」、「コスミックブラック」、「ガリウムシルバー」が追加され、計19色に拡充。

Jaguar_XF_17MY_03なお、ガソリンエンジンは240ps/340Nmというスペックの2.0L直列4気筒ターボ、340ps/450Nmの3.0L V6スーパーチャージャー、同じく3.0L V6スーパーチャージャーで380ps/450Nmまで高められた3種類のガソリンを設定。

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「INGENIUM(インジニウム)」と呼ばれるディーゼルエンジンは、180ps/430Nmの2.0L直列4気筒ターボを用意。ガソリン、ディーゼル仕様ともにトランスミッションは全車8ATです。

価格帯はガソリン車が604万〜1120万円、ディーゼル車が614万〜693万円となっています。

(塚田勝弘)

【ジャガーF-Pace試乗2】ディーゼル版のINGINIUMエンジンの秀逸は何より静粛性だろう

日本仕様の搭載エンジンは、「INGINIUM(インジニウム)」と呼ばれる最新の2L直4ディーゼルターボと、3Lスパーチャージャー付V6ガソリンの2種。

パワースペックは、前者が180PS/4000r.p.mと43.8kgm/1750~2500r.p.m、後者には340PS/6500r.p.mと45.9kgm/3500r.p.mの標準型と、380ps/6500r.p.mと46.9kgm/3500r.p.mのHP版がある。

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トランスミットは、全車8速ATにIDD(インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス)採用のトルクオンディマンド式AWDを組み合わせている。

これ、通常は後輪へ90%の駆動トルクを送るが、走行状況に応じて、それを最大90%以上前輪に移行できる4駆システム。

で、今回試せたは“普通のV6“とインジニウム仕様の搭載モデルでありました。

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V6ガソリン版の試乗車は、255/50R20インチタイヤを履く35t R-Sport。L4ディーゼルは255/55R19を履いた20d Prestigeのご指定であります。

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80%のアルミ材と2%のマグネシューム部材、残り18%が各種鋼板という構成のハイブリッドボディは、走り出した瞬間に判るほどボディコアにガッシリとした剛性感が漲ってる。おまけに、前後の軸荷重配分が50:50というスポーツカー並のバランスも効いているんだろう。

2t近い車重を全く意識させることなく、軸ブレしない滑らかさで走り出せる感触が、実に印象的だ。躾けの好い電動パワステの感触はもとより、シャーシにはトルクベクタリング・バイ・ブレーキング、インテリジェント・ドライブイン・ダイナミクス等、安定して止まる、曲がるを支援するための「寿限無の黒子」が緻密に配備されていて、それらが巧みに連携し合う事により、F-PACEに爽快な走りと弛まないフィット感をもたらしている。

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脚の動きには、柔軟な関節に抑制感一杯の張りある筋肉が躍動している如きイメージが常にある。けれど、古典的なジャガーの猫脚とは最早次元の違うボディ体幹の強さが、無駄な多々良踏みを尽く吸収して不快や不安を操者に与えないのが、今様だな。

操作に呼応するインフォメーションが実に適切で、挙動を即座に掴めるから、とにかく積極的に走り込めるし、穏やかに走りたい時にも生きた路面の突然の変化に脅かされることが少ない。

試乗を通じて、「御者に極め付け忠実性の高い乗り物」という印象に終始した。

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3Lの340PSと45.9kgm仕様エンジンは、スーパーチャージャーの奏でる勇ましいサウンドはさておき、全域に滑らかで応答性も素早い部類といった印象。力感自体も、走行状況に応じた緻密なパワー制御に加え、2t近いボディ重量もあってか、持て余すほどのものではない。

8ATの制御に委ね右足の感触で操る範囲なら、万事安心感に満ちた過不足ない心臓だ。もちろんダイナミック・モードやマニュアル・セレクトで、美味しいパワーやトルクの波を目一杯たぐり出せば、御望みの「豹変」も可能ではある。

そういう時も、件の黒子軍団が必死にあちこちで働いていてくれるから、いわゆる「意のままの運転」のまま、ハイアベレージのペイスを稼ぎ出すことができる。

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方や、ディーゼル版のINGINIUMエンジンの秀逸は何より静粛性だろう。直噴のノイズレベルはオープンボンネット状態でも同等排気量のガソリン直噴に劣らない。

ディーゼルとしては異例に静かなアイドリングだ。走り出してスロットルを開けていく過程も、ノイズというより寧ろ心地よい部類のサウンドと表現できる類で、ネガなイメージに一切触らない。素敵だねぇ、これは。

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惜しむらくは3点あり。

常用性面で感じる発進トルクの、やや薄い点。加えて、日本の一般道の常用域(40〜60Km/h範囲)において、パーシャルから加速体制に入る場合などに示される、ATシフトモードの不適応感、かな。

それに、試乗車に装着の19インチタイヤの感触がやや、粗い…。

20in
20inch
19in
19inch

先ず、アイドルから踏み込んだ時に感じさせるトルクの薄さは、2Lキャパのシングルターボ・ディーゼルのポテンシャルとしては未だ払拭しにくい宿命だろうから、このタメは覚悟して堪えられる範疇ではある。

走り出してしまえば加速は驚くほど滑らかで、文字通り広いトルクバンドを掴んでしまえば、寧ろ十分に力強く感じるから。

だけど、要するに1500rpm+の巡行領域からアクセルを踏み込んで加速を所望する場合などは、もう少々積極的に、かつ滑らかにAT側がトルクのボトムを補う制御をして欲しい、って感じ。

まぁ、そういう時はマニュアルでギヤを落とすか、市街地では燃費効率に目を瞑ってATモードを予め「ダイナミック」にして走ればいいって話ではあるけれど。

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V6ガソリンに比べINGINIUMディーゼル搭載車、乗り比べると鼻先が軽く感じ、ワインディングでは身のこなしに優位性を感じさせる。のは魅力なのだけれど、19インチタイヤ装着の試乗車は若干だが、タイヤの縦バネ感が強い印象。舗装路面の状況によって、共振の収まりが悪かった点が惜しまれるところだ。

18インチや22インチ仕様は比較試乗出来なかったけれど、これだけ多彩なタイヤチョイスを可能としているわけだから、全方位に万全とは仲々いかないのかもしれない、けどね。

22in
22inch
18in
18inch

(鈴木誠男)

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【ジャガーF-Pace試乗 序章】Jaguarの歴史では英国の「いつかはクラウン」だった!?
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【ジャガーF-Pace試乗1】20世紀のジャガーと決別したイアン・カラム ジャガー
http://clicccar.com/2016/08/03/389990/

【ジャガーF-Pace試乗1】20世紀のジャガーと決別したイアン・カラム ジャガー

F-PACEのボディは、ほぼ同時期に開発されたEセグ・サルーン「二代目XF」のD7aアルミニューム骨格を基本にする。が、その81%は独自性を与えるため、専用にアレンジされたものだという。

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スタイリングはXF&XF Mk2と同じジャガーの現デザイン・デレクター、イアン・カラムの担当だ。

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99年に先任のジェフ・ローソンからジャガースタイリングの重いバトンを渡されたカラムだが、それまでの60年代を意識下とする懐古調のジャガーの造形エッセンスを、08年の初代XFを機に大幅に切り替えている。

シンプルな塊に観せながらも、広範囲に巧みなプレスラインの彫塑処理を図ることで途切れぬ緊張感を全身に保たせた、張りのあるカラム調のボディ造形は圧巻だ。中でも、ロングボンネットの先に収斂する短いオーバーハングに刻み込まれた開口の大きい3ピースグリルと、睨みの利いた切れ長のヘッドライトが相まって魅せる、躍動的で力感ある野獣の表情は見事だ。

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このカラム・ジャガーの趣には、それまでのどの世代のジャガーとも異なるモダーン、かつクールな佇まいがある。Grace、Pace、Spaceの押えるべき3点の基本も、カラムはモデルを追うごとに確実なステップアップを果たしつつある。

09年発表のトップレンジXJ(SWB)を、15年生まれのXF-Mk2は居住性の基本となるSpace面で明らかに抜き去っているからだ。

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そのXFの派生形となるF-PACEは、サルーンが主体だったジャガーの体系を、間違いなく打開する次代への意欲作だろう。

カジュアルでスポーティかつモダーンな新世代ジャガーは、おそらく今後その主軸をXE&XFのサルーン系と、F-PACEを切り口として計画され、今後順次登場する幾つかのSUV系による二本立てで構築されるものになる、と予想できる。

2座スポーツのF-typeの行方は読みにくいが、その上でトップレンジのXJは一段とラグジャリーなハイクラス・スポーツサルーンへと発展することになるだろう。

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F-PACEの基礎造形を大雑把に言ってしまえば、XFサルーンの屋根を延した上で、Dピラーをキックアップさせてハッチバック化し、SUVならではの嵩高いアピアランスを持たせたものだ。

この技法の応用により、シューティングブレーク的なミドルレンジワゴンの誕生も、近い将来十分に予想できる。

対XF比で言うと、F-PACEのサイズは全長-234mm、ホイールベースで-86mmそれぞれ短いが、全幅は+56mm拡く、全高も+212mm高い。乗員の着座ポジションをボディ高の増加を活かして見直したおかげで、キャビンは内側に喰い込ませたリアドアの厚みにも関わらず、特に長手方向に結構なゆとりがある。

ホイールベースの短縮にも関わらず508L(左右後席を畳めば最大1598L)のブートスペースが確保でき、かつオフロード走行を見越したオーバーハング長の最適化も合わせて実現している点は、流石だ。

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ボディ側面は、側突耐性を確保するストロークを、膨張では無く内側に飲み込ませる技法を基本に構築したために、ドアは相応に厚い。

けれど、ピラーを悪戯に内側へ絞り込んでいないため、側面をスクエアに切り立てたそれは、ショート・ボブの髪型みたいにスリークで涼し気だ。車幅をつかみ易い気遣いを感じさせるまとめが、好い。

ボリューミーなカイエンやマカンのそれとは実に対照的だ。

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惜しむらくは、リアエンド周辺の処理で、些か実用面での纏りを無視した感が残り、運転席から確認させる後方が遠方視点寄りにして視野が狭い点が難、だと感じた。

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XFに似たインテリアの印象は、正しく20世紀のジャガーと決別した風情。これぞカラムの描くクールの具象なのだろう。

が反面、「古典的なジャガーの世界」を些かなりとも身を置く空間に望みたい向きには、モダーンがドライに過ぎて、「色気や艶、湿り」等が思いっきり排除されている感は、如何にも惜しい。

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VWとアウディ、レンジローバーとランドローバーの持分を参考に想えば、独行ゆえに新世代ジャガーブランドの居住空間の設えに関する試行錯誤、まだ最適解に到ってはいないような気がするのだが、いかがなものだろう

(鈴木誠男)

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【ジャガーF-Pace試乗 序章】Jaguarの歴史では英国の「いつかはクラウン」だった!?
http://clicccar.com/2016/08/03/389819/

【ジャガーF-Pace試乗 序章】Jaguarの歴史では英国の「いつかはクラウン」だった!?

ジャガー・カーズの前身は、今から94年前に創業の側車(オートバイのサイドカー)屋まで遡れる。けど、そこまで振り返ると物語が壮大に過ぎて、今のジャガーとの脈絡図り難くなる。

XJ12
XJ12

クルマの側から眺めて今のジャガーの基礎体系を固めたモデルは、いささか乱暴な言い方だけど1968年に発表されたXJ6(&12)シリーズじゃないか。

歴代ジャガー・モデルに共通するコンセプトはGrace(優雅さ)、Pace(速さ)、Space(広さ)って事だが、XJはまさに何処を切っても、そつなくそれ等の持ち味を備えていた。ただしそれは、70年代以前の価値観に照らしてだけれど。

此奴ぁ86年まで18年間もシリーズを重ねて作り込まれたんもんだが、同時にそれはイギリスの経済不況の只中で築かれた足跡だから、輝きだけで無く多くの時代の影も背負いこんだ作品て事も言える。

まぁ工業製品として診ると、電気系統の脆弱さとか、日本の気候ではオーバヒート例もかなりあって、全般に信頼性は褒められたものでは無かったなぁ。でも、WW2を境に徐々に失われて行った幾つかの「英国製高級車ならではの風情」を、比較的身近に感じさせる存在として初代XJは、大きな役割を果たした。同時代のR.Rやベントレーも「信頼性の内実は大差ないレベル」なんだけど、価格は一層高かったから。

XJ6&12シリーズこそ70〜80年代のイギリスを代表できる「現実的な高級車?!」だった点は、おそらくは誰も否定できないと思うけれど。

XJ40
XJ40

このXJに、機械的信頼性がもたらされるのは86年発表のXJ40かな。これが実質的に創業者ライオンズの承認した最後のジャガーだね。その後XJは、94年のX300系を経て、2003年にフルアルミモノコックボディのX350に発展する。

XJ8(X350系)
XJ8(X350系)

で、ここまでのXJジャガーの立ち位置、日本車でいうところの「いつかはクラウン」に近いかも。

まず違う点から言うと、ジャガーはドライバーズカーの性格が強く、クラウンは概ねリヤパッセンジャーサイドのクルマという感じ。搭載エンジンや装備によって価格差はかなり幅が大きく、上級モデルは専ら個人所有車に、ベーシックから中級モデルはジャガーの場合、カンパニーカーって呼ばれる「企業の管理職級に貸与される社用車」需要に生産が支えられていた。

クラウン等が、その頃の日本を代表する高級車だった一方、タクシーやハイヤー等の特定需要に支えられていたのに似ているだろう。

現行XJ(X351系)
現行XJ(X351系)

以上のベクトルが明確に変化し始めたのは、比較的最近のこと。

XJ系で眺めれば09年に発表された現行X351系からだけれど、それはむしろ、その前年に発表された一回り小さいX250(初代XF)の方に、より意味が大きかった。

経営母体がいくつも変転したジャガーだけど、フォードに時代を経て現在のタタ・モータース傘下に収まったのを機に、以降ジャガーのモデルコンセプトはかなり大きな方向転換を図ってる。

一言で言えば、それまでのオフィシャルやビジネスライクなスタイル重視とは趣が違う、プライベートカーとしてのカジュアルでスポーティなスタイリスト、とでも言おうか。初代XFは、まさにその先鞭を打ったモデルだろうな。

勿論、ドライバーズカーである事の軸足は何一つ外さない。のだけど、ジャガー全体のイメージがそれ以前よりモダーンで軽快、かつ様々なステージにマッチできるクルマへと柔軟に変貌を遂げたわけだ。

その一環として、より広いフィールドでジャガーならではの持ち味を満喫させる、舗装路から踏み出せるジャガー初のクロスオーバーモデルが、「F-PACE=エフ-ペイス」として生まれ出たって話だ。

勿論そこには、Grace、Pace、Spaceという、ジャガーの基本理念が、新しい時代と多様な環境にマッチできる形としてアレンジされ、確と受け継がれている。

F-pace
F-pace

(鈴木誠男)

ジャガー・ランドローバーが100台以上のコネクテッド自律運転車両を投入して目指す世界とは?

オンロードだけでなく、オフロードでの自動運転技術の開発を推進しているジャガー・ランドローバー。

今後4年間、「コネクテッド自律運転車両(CAV:Connected Autonomous Vehicle)」の技術開発とテストに、100台を超える研究用車両を活用する計画を明らかにしました。

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2016年後半にも本社コベントリーとソリハル周辺の高速道路と市街地に設けられた41マイル(約65km)の新しいテスト用ルートを、研究用車両で走行させる予定だそうです。

初期段階では、車車間通信と、車両とインフラ間の路車間通信を使い、車両間の相互通信はもちろん、道路沿いの標識、道路情報掲示板、信号との通信を可能にするというもの。

将来的には車両間のデータを共有し、複数のコネクテッド・カーが連携し合うことで、車線変更や交差点の通行をより容易に、安全にするとしています。

具体的な技術として「ROADWORK ASSIST(ロードワーク・アシスト)」を搭載。

前向きに設置されたステレオカメラを使い、前方道路の3Dビューを生成し、高度な画像処理ソフトウエアと連携させることで、コーンや障害物を認識することが可能。

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同システムにより、車両が道路工事の開始地点に接近していることを検知し、込み入った建設現場や一方通行道路があることを知らせます。わずかな力でステアリング操作をアシストし、ドライバーが車線中央を走行し続けることができるようにサポートするものです。

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また、無線信号を使用し、車両間で関連データを送受信するデバイスをテストする研究プロジェクトの一環である「OVER THE HORIZON WARNING(視野外警告)」も実施されます。

車両が独立して通信し、ドライバーと自律運転車両に見通しが悪く、目視できない場所にある危険や障害物を警告。

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ほかにも、車両を減速か停止させることで、ほかの車両に危険が生じる場合、付近の車両に「Hazard Ahead(前方危険)」警告を送信する機能も搭載されます。

また、コネクテッド技術を搭載した緊急車両が周囲の車両と通信し、ドライバーが警告灯やサイレンに気が付くよりも先に、緊急車両に搭載されたデバイスがその接近を配信する機能なども開発項目に入っています。

これらが実現すると完全自動運転車両も現実味を帯びてくるように感じさせますが、手動運転車両、部分自動運転車両、完全自動運転車両の混在期間をどう運用していくかなど、課題は山積しているのは間違いないでしょう。

(塚田勝弘)

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ジャガー・ランドローバーはあらゆるオフロードを走破できる「オールテレイン自律運転技術」を目指す
http://clicccar.com/?p=389415

あらゆるオフロードを走破できる「オールテレイン自律運転技術」を目指すジャガー・ランドローバー

メルセデス・ベンツが最新のEクラスに一歩進んだ部分自動運転技術を投入するなど、まだ一部とはいえ市販車に自動運転技術が採用され始めています。

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先日、ジャガー・ランドローバーが「オールテレイン自律運転技術」のデモンストレーションを実施しました。

世界初のオフロードのデモンストレーションとして、2台のレンジローバー・スポーツを使用し、専用狭域通信技術(DSRC:Dedicated Short Range Communications)で接続される「OFF-ROAD CONNECTED CONVOY(オフロード・コネクテッド・コンボイ)」が行われました。

2台のレンジローバー・スポーツは、「無線車両間(V2V:vehicle-to-vehicle)通信システム」を活用し、車両位置、空転などの情報に加えて、すでに実用化されている「オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)」と「テレイン・レスポンス」の設定を2台で瞬時に共有するそうです。

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数百万ポンド(約数億円)規模の予算を投じた「AUTONOMOUS ALL-TERRAIN DRIVING(オールテレイン自律運転)」研究プロジェクトは、あらゆるオンロードやオフロード環境、どんな天候条件においても車両が自動的に走行可能となることを目指しているプロジェクトで、ランドローバーを抱える同社らしい試み。

ジャガー・ランドローバー社では、高度な自律運転技術や完全自動運転技術の適用を舗装路のみに限定するのではなく、オフロードなどの脇道に入ったとしても、継続的にサポートしていきたいと考えているそうです。

日本の道路環境だとあまり必要性を感じさせませんが、世界には多様な「道」がありますし、ドライバーをサポートするという意味では悪路や悪天候下でこそ大切な技術ともいえそう。

目指しているのはオフロードなどの悪路だけでなく、コーンや一方通行表示のある工事中の道路をはじめ、雪で覆われた山道、ぬかるんだ林道でも、ドライバーと自律運転車両の両方がこの先進技術を使用できるようになると想定。

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もし、ドライバーが前方の障害物や危険にどのように対処すればよいかわからない場合でも、車両に制御させることが可能になるそうです。

オールテレイン自律運転能力を実現するため、同社では未来の自律運転車両の「目」として機能する次世代のセンシング技術を開発。

ドライバーよりも優れた視覚を有するセンサーは常時作動し、どのような路面でも車両が車両自身で考え、最適なルート選択をする高度な人工知能を車両にもたせることができるようになるとのことです。

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自律走行などの技術は、軍事を含むロボットなどで採用されていますが、同社が開発している「SURFACE IDENTIFICATION AND 3D PATH SENSING(路面識別および3D道路センシング)」研究では、カメラ、超音波、レーダーおよびLIDAR(ライダー)センサーを組み合わせ、車両に360度の視界を提供。非常に高精度なセンサーを搭載し、雨天時や降雪時でも路面特性からタイヤ幅まで判断し、ルート設定をすることができます。

(塚田勝弘)

ジャガー・ランドローバーがクラシックカーの試乗、購入が可能な拠点を設置へ

2015年4月〜2016年3月期に、初めて世界販売台数50万台を突破したジャガー・ランドローバー。現在はインドのタタ傘下とはいえ、英国を代表する伝統ある自動車ブランドだけに数多くの名車を世に送り出してきました。

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好調なセールスを支えているのは、F-PACEなどの新車ラッシュによるものが大きいでしょうが、一方で近年、注力しているのはクラシックカー・ビジネス。

750万ポンド(約10億4,250万円)を投じて、クラシックカーの販売をはじめ、レストア、パーツの供給、ドライビング・エクスペリエンスの提供を担うジャガー・ランドローバー・クラシックのための土地を英国コベントリーに取得し、新たに本部を開設するそうです。

オープンは2017年初頭の予定で、場所は2,000万ポンド(約27億8,000万円)を投資してコベントリーに新設された「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)」のテクニカル・センターの近く。

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なお、「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)」は、ビスポークオーダーをはじめ、「SVR」などのハイパフォーマンスモデルなどを生み出すジャガー・ランドローバーのスペシャリティ軍団。

ハイパフォーマンスモデルを生み出す部門とクラシックカーを扱う部門が隣接するとは、現在の同社を象徴する戦略と言えそうです。

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拡張されたジャガー・ランドローバー・クラシックの拠点では、ジャガーとランドローバーの2ブランドの貴重な歴史的モデルのコレクションの保管およびメンテナンスを担います。

またユーザーは、製造された当時を再現、レストアされたジャガーおよびランドローバーのクラシックカーを見たり、購入したりできるだけでなく、実際に走行体験することができるようになるそうです。

(塚田勝弘)

ナビがDVDから最新のSSD式に劇的進化した2017年モデルのジャガーXE

XEによりDセグメントに再挑戦を果たし、さらに、新型XF、初のSUVであるF-PACEを発売と、怒濤のニューモデル攻勢をかけているジャガー。

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2016年7月19日、2017年モデルのジャガーXEの受注を開始しました。

大きな変更点は、XFやF-PACE同様に、タッチ操作やホーム画面を自由にカスタマイズできる10.2インチ静電式タッチスクリーンの「InControl Touch Pro」を標準装備した点で、新型XE登場時に古さを感じさせたDVDナビとついに決別。

さらに、ジャガーのコアバリューといえる「走り」の間口を広げるべく、新たなエントリーグレードである「SE」を追加し、 439万円〜というラインナップに変更されています。

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ほかにも、3年間の無料メンテナンスパッケージ「JAGUAR PREMIUM CARE(ジャガー・プレミアムケア)」も全グレードに付加され、新車登録日から3年間、走行距離無制限の保証、ロードサイドアシスタンス、定期点検(2 回)と指定交換部品および一部の消耗部品の交換を含むメンテナンスが無料で受けられます。

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エンジンは、ガソリン搭載モデルが5機種、ジャガー・ランドローバーが設計から生産までを手がけた「INGENIUM(インジニウム)」と呼ばれるディーゼルエンジン搭載モデル3機種で、計8機種にラインアップを拡大。

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ボディカラーは「ポラリスホワイト」、「エボニーブラック」、「アルティメットブラック」、「ダークサファイヤ」、「グレイシャーホワイト」、「オデッセイレッド」、「クォーツァイト」、「ロジウムシルバー」、「アンモナイトグレー」、「ブリティッシュレーシンググリーン」、「イタリアンレーシングレッド」、「インゴット」、「ストームグレイ」、「テンペストグレイ」、「コスミックブラック」、「ガリウムシルバー」、「シージアムブルー」の計17色を設定しています。

ガソリン仕様の価格は、2.0L 直列4気筒ターボチャージド(200ps/320Nm)を積む「XE」が439万円、「XE PURE」が489万円、「XE PRESTIGE」が521万円。

同じ2.0Lの直列4気筒ターボチャージド(240ps/340Nm)を搭載する「XE PORTFOLIO」が648万円。3.0L V6スーパーチャージド(340ps/450Nm)を積む「XE S」が793万円。

2.0Lの直列4気筒ターボチャージド クリーンディーゼル(180PS・430Nm)搭載車は、「XE PURE」が507万円、「XE PRESTIGE」が541万円、「XE R-SPORT」が555万円です。

(塚田勝弘)

SUVに「Fタイプ」の要素を採り入れたスポーツへのこだわり ─「F-PACE」画像ギャラリー

ジャガーXE、XFとプラットフォームを共有し、ボディの約80%にアルミニウムを使用したジャガー初のSUV「F-PACE」。

全長4740×全幅1935×全高1665mmというサイズは、全長4610×全幅1895×全高1725mmというディスカバリー・スポーツよりも全長と全幅はひと回り大きく、全高は60mmも低い「ロング&ワイド&ロー」といったフォルムになっています。

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外観の見どころは、ジャガーが誇るピュアスポーツのFタイプの要素を採り入れている点。

ボンネットのV字に近いライン、ボンネットからリヤまで連なる複数の連続的なサイドラインなどのプレス技術により、シンプルで力強い印象を演出したとしています。

足まわりは、ジャガーXE、XF同様にフロントにダブルウィッシュボーン、リヤにインテグラル式サスペンションを採用して、ハンドリングと乗り心地の両立が図られているほか、電動パワステやトルクベクタリングを採用。

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ほかにも、トルクオンデマンド式4WDを補完するインテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(IDD)がトラクションと車両安定性に寄与するほか、滑りやすい路面でも一定速度(3.6km/hから30km/h)で走破できるオール・サーフェイス・プログレス・コントロール(ASPC)などが搭載されています。

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インテリアでは、XF同様に10.2インチ静電式タッチスクリーンのインフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」などが見どころ。

ジャガー初の装備では、自動緊急ブレーキ(AEB)に待望の歩行者検知機能を追加。乗降を助けるディプロイアブル・サイドステップ、リストバンド型アクティビティキーをオプションで設定。

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なお、このウェアラブル技術を活用したキーはウォータープルーフ仕様になっていて、マリンスポーツなどのアウトドアシーンで濡れても車両の施錠/解錠が可能となっています。

(文/写真 塚田勝弘)

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ポルシェ・マカンをターゲットに据えたジャガー初のSUV「F-PACE」が登場
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ポルシェ・マカンをターゲットに据えたジャガー初のSUV「F-PACE」が登場

2016年1月から5月までの5か月間で、前年同月比2.6倍というセールスを記録しているという絶好調のジャガー。

牽引役はXEやフルモデルチェンジを受けたXFなどでしょうが、6月13日にジャガー初のSUV「F-PACE」が発表されました。

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プレス発表は荒天のため翌14日に延期され、晴天下で開催されました。発表会が延期になったのは、特設の円形バンクをグルグルと回るパフォーマンスを披露するためもあったのでしょう。雨で濡れた中、強風では確かに危険だったかもしれません。

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また、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン社長が海外出張のため不在になってしまい、前日、暴風雨の中で撮影されたビデオでの出演となりました。当日は、マーケティング・広報部ディレクターの若林敬市氏がプレゼンを行いました。

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すでに受注が開始されていたローンチ記念限定車の「F-PACE FIRST Edition」は、インポーターとしては売り切れ状態。正規販売店に在庫があれば買えるかも、という状況のようですから気になっていた方は急いだ方が良さそうです。

ジャガーF-PACEの開発途中にポルシェ・カイエンが発売され、ジャガー・ランドローバーの開発陣は一層開発に熱が入ったそうですが、「ジャガー」ブランドで出すだけに単なるSUVではなく、「パフォーマンスSUV」を謳っています。

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見どころは、ボディのじつに80%にアルミニウムを使った軽量モノコックボディ。

エンジンも180ps/430Nmを誇る2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボをはじめ、3.0Lガソリンスーパーチャージャーは340ps版と380ps版(最大トルクはともに450Nm)の3つを設定するなど、抜かりのない布陣。トランスミッションは全車8ATとなっています。

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ライバルと意識しているポルシェ・マカンはSUV離れした切れ味鋭いハンドリングが魅力ですが、マカンは1830kg〜1980kgという車両重量で、F-PACEは1920kg〜1980kgという重量。

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F-PACEには、先述したように430Nmという最大トルクを誇るディーゼルがありますから価格も含めてマカンにするかF-PACEにするか悩む方もいるかもしれません。

なお、価格は2.0Lディーゼルターボ搭載車が639万〜728万円、3.0L V6スーパーチャージャー搭載車が849万〜981万円で、限定モデルの「F-PACE FIRST Edition」は1108万9000円です。

(文/写真 塚田勝弘)

ジャガー、Fタイプ改良新型に超高性能4気筒エンジン搭載か!?

ジャガーの2ドア・スポーツクーペ『F-タイプ』の改良新型プロトタイプを、カメラがキャッチしました。

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フロント&リアバンパーをはじめ、ラジエーターグリル、フルLEDヘッドライトなどに新デザインが採用され、エキゾーストパイプはセンター2本出しになっているのが分かります。

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パワートレインはキャリーオーバーされる、3リットルV型6気筒エンジンのほか、注目は2リットル4気筒ターボディーゼルエンジン、「インジニウム」搭載モデルが追加される可能性が高いです。

4気筒の「インジニウム」はジャガー史上、最も効率性に優れたディーゼルエンジンであり、現在弟分の「XE」にも搭載されています。

ワールドプレミは2017年3月のジュネーブモーターショーと見られています。

(APOLLO)

575ps/700Nm!! ジャガー史上最速を誇るF-TYPE SVRが6月1日から受注開始

ジャガーFタイプについに加えられた最速モデルの「SVR」。

「SVR」は、ジャガー・ランドローバーの「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)」が設計、開発を手掛けるハイパフォーマンス仕様に使用される名称で、すでにレンジローバー・スポーツに導入されています。

ジャガーでは2シータースポーツのFタイプに初めて設定され、6月1日から受注が開始されます。

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パワートレーンは5.0LのV8スーパーチャージャーに8ATという組み合わせで、最高出力575ps、最大トルク700Nmという圧倒的なアウトプットを実現。0-100km/h加速は3.7秒と、レクサスLFAと同タイム。

これだけのパワーですから、駆動方式はもちろん4WDで(従来からFタイプに4WDモデルは設定されていますが)、トルクオンデマンド式のAWDシステムである「インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(IDD)」が最適化されています。

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前後アクスル間と左右後輪へのトルク配分、専用セッティングの「ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)」により、路面状況や天候に左右されないトラクションとダイナミクスを実現しているとのこと。

ノーマルモデル同様に走行モードも選択可能で、「ダイナミック」を選んで「デプロイヤブル・エアロダイナミック・ウイング」というスイッチを3 秒間押し続けると「V-Max」モードに切り替わり、最高速(リミッター作動)に到達。

なお、最高速度は「F-TYPE SVR COUPE」が322km/h、「F-TYPE SVR CONVERTIBLE」が314km/hとなっています。

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また、最高速に達すると空気抵抗を低減するためウィングが格納され、フロントスポイラーなどほかのエアロダイナミクス機能と連動し、空気抵抗係数を2.5%向上、揚力係数が45%低減されます。

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ほかにも空気抵抗低減のため大型化したフロント・エアインテークと専用設計のスプリッター、エンジンベイへの空気流を最大化する独特な形状のボンネット・ルーバー、ホイールカバーから流入する空気を放出するサイド・パワーベントなどが採用されています。

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さらに、mg単位での重量削減による軽量化、そして剛性強化が図られていています。

新設計となるサスペンションシステムを作用し、従来と比べてナックルの重量を0.6kg軽量化。そして、最大37%剛性を高めた大型リヤベアリングを採用し、コーナリング時の強力な横方向の重力をコントロール、チタニウムと「Inconel(インコネル)」合金を使用し、16kgの軽量化を実現した新しい軽量エグゾーストシステムを搭載。

丸形4本出しのテールパイプから「SVR」の名にふさわしいパワフルなサウンドが奏でられ、エグゾースト内のバイパスバルブをマニュアル操作することで、ドラマチックなサウンドを生み出すという「スイッチャブル・アクティブ・エグゾースト・システム」も標準装備となっています。

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そのほかにも、高いホールド性とラグジュアリーな雰囲気を演出するSVRバッジ付のキルティング加工のパフォーマンスシートや、SVRバッジが配されたレザー・ステアリングホイール(アルミニウム・コーティングのシフトパドル装備)など随所に専用装備を用意。

価格は「F-TYPE SVR COUPE」が1779万円、「F-TYPE SVR CONVERTIBLE」が1936万円です。

(塚田勝弘)

ディスカバリー・スポーツに「忘れ物を防止する」新機能が追加!

クルマに乗ろうとしたら、スマホや財布などの身の回りの品を忘れたことに気づいて、家やオフィスに戻ったことありませんか?

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ランドローバーが採用するユニークな装備は、身の回りの品の置き忘れを防ぐというサービス。

プレミアムコンパクトSUVの「ディスカバリー・スポーツ」の2017年モデルに、Tile社の最先端トラッキング・アプリを世界で初めて搭載する機能で、残念ながら日本導入は未定だそうですが、同車のオーナーは身の回り品の置き忘れなどが今後なくなるそうですからどんな装備なのか気になるところです。

この新機能は、身の回り品の場所を追跡できる小さなBluetoothトラッカー、Tileタグを取り付けて使用します。これにより、財布の置き忘れやバッグが見つからないといったことがなくなるそうです。

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先日、試乗会後にカメラを試乗車に置き忘れて、電話をいただくという失態を犯した私もこのアプリをインストールした同車に乗っていれば、会場を後にする前に駐車場で気がつき防げたかも。

「人は1日のうち平均15分を身の回り品の探し物に時間を費やしている」という英国での調査結果があるそうですが、このユニークな車載アプリにより、その時間の無駄をなくすことができます。

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使い方は、中央のタッチスクリーンを使ってアプリを起動、特定のアイテムが車内にないことがわかるとアラートが通知され、最後にあった場所を画面上で確認することもできます。

また、車両のタッチスクリーンを利用して「必須アイテム」のリストを作成し、アプリを起動するたびに、これらのアイテムを確認することができます。

さらに、車内でアイテムを紛失してしまった場合は、Tileタグの90デシベルのアラーム音を鳴らすことで、探しやすくすることもできます。

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ジャガー・ランドローバーと提携したTile社の最初の製品は、社名と同じ「Tile(タイル)」と呼ばれる製品で、置き忘れや紛失してしまったアイテムを見つけるのに役立つ小型のBluetoothトラッカーおよびコンパニオン・アプリをリリースしています。

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消費者向けにつくられたTileは、大切な身の回り品(例えば鍵、カバン、貴重品、車など)の追跡方法を提供し、世界中のコミュニティに対して個人レベルでの検索を助けているそう。

すでに200以上の国や地域のメンバーからなるグローバル・コミュニティがサポートしています。

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■360度の動画でバーチャル試乗ができるアプリ「ジャガー・ランドローバー・バーチャル・ドライブ」
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INGENUIMモデルとは異なる印象をみせるジャガー・XFのガソリンモデル

フルモデルチェンジを果たしたジャガーXFに乗って参りました。三重県は伊勢志摩を基点に、プレス試乗会が開かれたのです。

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2007年以来のニューモデルとなった2代目XFは、そのルックス通り名実ともに(!?)XEの兄貴分。ボディの75%にアルミニウムを使用したモノコックボディを、XEより125mm長い2960mmのホイールベースに載せています。

メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズをライバルとするXE、同じくEクラス、5シリーズに対抗するXF、というわけです。

初代XFの時代は、まだXEが登場していませんでしたから、先代は、Eクラス/5シリーズの顧客を睨みながら、Cクラス/3シリーズのお客様もフォローしなければいけないという厳しい闘いを強いられました。

今回、ようやく体勢が整い、ジャーマンプレミアムにジャーマンスープレックスをかけられるようになりました……って、なんのこっちゃ。

新型XFのスタイリングはXEそっくり。さらに言うと、フラッグシップたるXJのデザインにもつながっています。

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現行XJがデビューしてすでに8年が経ちますが、世界的にジャガーというと丸目4灯のクラシカルなイメージが未だに根強く残っています(特に日本市場ではその傾向が強いそうです)。

ガラリと装いを変えた新生ジャガーの姿を認識してもらうため、3つのモデルが一丸となって、消費者にアピール必要があるのでしょう。

ニューXFはボディサイズの大きさをほぼ変えず、というか、全長は旧型から10mm短い4965mmとした一方、ホイールベースを50mm延ばして後席の居住性を向上させました。

サイドのウィンドウグラフィックも、リアドアの後ろに小窓を設けたシックスライトとして、スポーティなフォルムを維持しつつ、全体にちょっぴりフォーマルな印象にしています。

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車種構成は、2リッター直4ターボ(240ps/598万円〜)、同ディーゼルターボ(180ps/635万円〜)、3リッターV6スーパーチャージド(340ps/969万円〜)、そのハイチューン版(380ps/1105万円)に大別されます。トランスミッションは、いずれも8速ATが組み合わされます。

「INGENUIM(インジニウム)」と名づけられた2リッター直4ディーゼルターボ搭載車については、こちらの記事ですでに報告しましたが、わずか1750rpmで430Nmの最大トルクを発生する使いやすいエンジンで、回さなくても速い。

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最新世代のディーゼルらしく、シリンダー内に精緻に燃料を噴射する直噴機構を備え、排ガスに尿素水を噴き付けて、有害な窒素酸化物(NOx)を無害化するAdBlue(アドブルー)システムを採用しています。

試乗会初日は、ジャガー・ランドローバー・グループがリリースした最新ディーゼルに大いに感心させられました。

翌日の試乗車は、スーパーチャージャーで過給される3リッターV6ペトロ(ガソリン)エンジンを搭載したクルマでした。

前述の通り、340psと380psモデルが用意されるのですが、どちらも素晴らしい。試乗したのは、前者がXF R-SPORT(969万円)、後者がXF S(1105万円)でした。

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ディーゼルモデルと比較すると価格が300万円以上違うので、これはもう違うクルマと言っていいでしょう。

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堅実な走りを見せるXFディーゼルに対し、6気筒を積んだXFのドライブフィールは、実に華やかなもの。

タコメーターの針が回るのに従って排気音が高まり、クルマの速度がのっていく。積極的にエンジンを回すのが楽しくて、頭の中で「もしやこの感覚は古臭いのでは?」と思いながらも、頬が緩むのを止められません。

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この3リッターV6は、ジャガー自慢のスポーツカー、Fタイプにも使われています。どおりでスポーティなはずですね!

V6を積んだXFでもうひとつ印象的だったのは、乗り心地のよさ。

サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式です。XFディーゼルでも十分フラットな乗り心地でしたが、ことに電子制御式アクティブダンピングシステムを採用したXFで高速道路を巡航していると、運転者の視線がほとんど上下しません。

これには本当にビックリです。ホイールポジションを1秒間に500回、ボディの揺れを同じく100回チェックして、ダンピング具合を調整しているのだとか。

新しいジャガーXFは、乗り心地の面でも順当に次世代に移行しているようです。「“フラットライド”といえばドイツ車!」と思っている方、一度、XFを試してみてはいかがでしょう?

(文と写真:ダン・アオキ/Office Henschel)

360度の動画でバーチャル試乗ができるスマホアプリ「ジャガー・ランドローバー・バーチャル・ドライブ」

ジャガーの正規ディーラーで展開されている「ジャガー・バーチャル・ドライブ」は、アンバサダーの錦織 圭選手が運転するジャガーXEのドライビング体験などができます。

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こうしたバーチャル・ドライブを積極的に提供しているジャガー・ランドローバーから、iOS向けのアプリ「ジャガー・ランドローバー・バーチャル・ドライブ」の提供が開始されました。

冒頭で紹介したように、ジャガー・ランドローバー・ジャパンでは、昨年6月から、ヘッドマウントディスプレイを活用した日本初(同社調べ)のバーチャル試乗体験システム「ジャガー・バーチャル・ドライブ」、「ランドローバー・バーチャル・ドライブ」を全国の正規販売ディーラーネットワークに導入済み。

今回、提供が開始されたiOSアプリ「ジャガー・ランドローバー・バーチャル・ドライブ」により、店頭でしか体感することができなかったコンテンツが、iOSデバイス(iPhone、iPad 、iPod touch)でも楽しむことが可能になりました。

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アプリをインストールすると、臨場感あふれる360度全方位の走行動画も追従して視点が変わり、あらゆる場所で臨場感溢れる試乗体験ができます。

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リリース時に用意されているコンテンツは、先述した錦織圭選手とのバーチャル・ドライブが体験できるジャガーXEをはじめ、オフロードコースを舞台にインストラクターの解説付きで、深い水溜りや急勾配の坂道といった悪路を走行する最上級SUVランドローバーのコンテンツなど計4車種。

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ほかにも、限定コンテンツとして、昨年9月にフルモデルチェンジを受けた新型ジャガーXFと、映画『007スペクター』に登場していたジャガーのコンセプト・モデル「C-X75」もあります。

この限定コンテンツは、全国のジャガー・ランドローバー・ジャパン正規販売ディーラーネットワークに来店すると入手できるシリアルナンバーを入力するとダウンロードが可能になります。

今後も対応車種や限定コンテンツを拡充していくそうですが、モノは試しで迫力満点のバーチャル・ドライブをスマホなどで体感してみてはいかがでしょうか?

[アプリ概要]

アプリ名:ジャガー・ランドローバー・バーチャル・ドライブ
対応機種:iOS8.0以降
価格:無料
ダウンロードはこちら

(塚田勝弘)

ジャガー・ランドローバーが目指す「手動運転と自動運転が選択できること」は当たり前?

ジャガー・ランドローバーがオランダのアムステルダム市内において、ヨーロッパ各国の運輸大臣に「ハンズフリー」運転などを含む高度な自動運転車両技術を披露したそうです。

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同時に、28の加盟国が欧州閣僚理事会の会議に集い、自動運転車両に関連する試験、販売、義務の適法性について、法律および技術面での標準化と調和を図ることの重要性について会合がもたれ、自動運転車両技術の標準化と調和に関する欧州の計画への支持も表明しています。

ジャガー・ランドローバーのリサーチ&テクノロジー担当ディレクターであるウルフガング・エップル氏は「私たちは力を合わせてこの自動運転技術に取り組んでいます。これらの技術を実現させるには、業界全体で自動車メーカー、通信端末事業者、沿道インフラシステム事業者の間に共通したアプローチを定める必要があります」とコメント。

これは、ヨーロッパだけでなく自動運転を実現するには欠かせないアプローチですが、自動運転といってもすぐに完全手放しになるのではなく、いくつかの段階を踏んでいく必要があります。

「レベル1」や「フェーズ1」など官民含めた業界用語で言われていますが、手動運転車両(手動運転者)と自動運転車両(自動運転者)が混在するだけでなく、部分自動運転車と完全自動運転車、完全手動運転車が混在するのは間違いないでしょう。

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なお、ジャガー・ランドローバーのビジョンは、「手動運転と自動運転を選択可能にすること」。これは、運転することはこれからも楽しくあり続けるという、哲学ともいえるポリシーに基づくものです。当たり前といえば当たり前ですが、自動車メーカーはおそらくこうしたポリシーを貫きそうですが、GoogleなどのIT系がこうした思考を持っているか興味があります。

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さらに、同社では「ドライバーは車両による自動運転を選択するか、または調整可能なインテリジェントシステムを通じて、より積極的に運転に関わるかを選択できる」としています。

こうなると気になるのが、多様な運転状態にあるクルマが同じ道路環境下に混在することで、事故への備えも含めて事故の責任をどうするかなど、複雑な問題を解決する策を生み出せるかという点。

ジャガーランドローバーでは、自動運転を実現する多くのセンサーとADAS技術(先進運転支援システム)によってドライバーの管理のもとで車両はより安全な移動手段となりますとしていますが、自動運転と手動運転が混在する中で安全を確保できるのでしょうか。現在の公道実験は、まだまだサンプルとしては少なすぎるからです。

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なお、同社のインテリジェント車両は、ライバルと同じく今後10年の間に実用化される見込みとしていて、今年はこれらの技術を実際の道路環境でテストしていく予定とアナウンスしています。

(塚田勝弘)

INGENUIMディーゼルを搭載したジャガーXE/XFはシルキーでトルクフル

盛り上がりを見せていた日本市場のディーゼル車マーケットに、冷や水を浴びせるカタチとなった、フォルクスワーゲンの排ガス不正事件。

その余波で停滞するかに見えたわが国のディーゼル市場に、新たなモデルを投入したのは、意外なことに(!?)ジャガーでした。

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“知の力”を意味する「INGENUIM(インジニウム)」と名づけられた2リッター直4ディーゼルターボを搭載したモデルが、XF(白い車両)とXE(赤い車両)に用意されたのです。

その新しいディーゼルターボは、ツインカム4バルブのヘッドメカニズムを持つ、オールアルミユニット。ジャガーがこれまで使っていた2.2リッターの2.2dユニットと比較して、燃費は17.5%向上し(EU6)、20kgほど軽量化され、静かで振動も少ないとされます。ボア×ストロークは83.0×92.4mm。排気量は1999ccです。

最新のディーゼルらしく、ボッシュ第2世代のコモンレール式燃料噴射装置を採用。バランサーシャフトを備え、カムシャフトのタイミングは可変化されます。英国はじめ、欧州では、税制や保険に合わせて複数のアウトプットが用意されるはずですが、日本市場では、当面、最高出力180ps/4000rpm、最大トルク430Nm/1750〜2500rpmの1種類。このスペックは、XFとXEで共通です。

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ディーゼルエンジンで問題になる、排ガス中の窒素酸化物は、AdBlue(アドブルー)システムで対応。排気に尿素水を噴き付け、有害な窒素酸化物(NOx)を、最終的に無害な窒素に還元します。

XEのディーゼルモデルは、仕様によって497〜549万円。XFは635〜693万円。カタログ燃費(JC08モード)は、XEが17.1km/リッター、XFは16.7km/リッターで、いずれもラインナップ中、最良の値です。

INGENUIMユニットを搭載したXFとXEに乗ることができたので、簡単な印象を報告しましょう。

試乗したXEは、20d R-SPORT(549万円)。

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XEディーゼル中の最上級モデルで、試乗車はさらに18インチホイールを19インチ(12万3000円)、スポーツシートをレザー(31万2000円)、さらにMeridianプレミアムサラウンドサウンドシステム(36万4000円)を奢るなど、254万7000円分のオプション装備を装着した豪華版でした。

スターターボタンを押してエンジンをかけると、「明らかにディーゼル」という音と振動を発して、INGENUIMユニットは目覚めます。

もちろん、ひと昔前のディーゼルエンジンと比較すると、大幅に静かでスムーズですが、総額800万円を超える高級サルーンとして、ちょっと気になる人がいるかもしれません。

ことに、市街地ではアイドリングストップが働くので、再始動のたびに「ブルン!」という身震いとともに、「ディーゼルサルーンに乗っている」ことを再確認することになります。

一方、XEディーゼルのドライブフィールは力強くて、ことに低回転域からトルキーなのが、最大の美点。そのうえ8段という多段ATと組み合わされるので、走り始めると次々とギアが上がっていきます。街なかでは、使っても2000rpmくらいまででしょうか。普通に走っていても燃費はよさそうです。

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ちなみに、INGENUIMユニット搭載のジャガーXEは、エコカー減税の対象になります。

試乗車のR-Sportで約19万7000円。ベーシックな20d Pure(497万円)だと、約18万4000円の減税となります。ガソリン車のベースグレードXE Pureは477万円ですから、減税分でほぼ相殺される計算になります。

ジャガーXEの場合は、シンプルなPureグレードでディーゼルモデルに乗った方が、“らしい”かもしれませんね。ライバルは、BMW320d(506万円)になりましょうか。

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さて、上級モデルXFのディーゼルは、20d Prestige(693万円)でした。XFディーゼルの上級版ですね。こちらも、19インチホイール(20万1000円)、LEDヘッドランプ(25万9000円)など、120万7000円のオプション装備が付いていました。

前述の通り、INGENUIMユニットのアウトプットはXEと変わらないので、車重が重い分(サンルーフ付きのXE 20d R-SPORTが1680kg。XF 20d Prestigeが1760kg)不利なはずですが、低回転域からの厚いトルクの恩恵か、運転者(←自分です)の感覚が鈍いのか、動力性能の差はほとんど感じられません。

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XFのディーゼルモデルは、エンジンルームまわりに遮音・吸音材が贅沢に使われているので、走行中の車内はXEよりグッと静かです。100km/hでの巡航なら、トップギアで1400rpmほど。スロットルペダルに足を載せているだけで、豪華なブリティッシュサルーンは粛々と走ります。

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BMW523d(599万円から)とメルセデス・ベンツE220d(687万円)を価格帯が重なるジャガーXFディーゼル。おもしろい存在になりそうです。

ちなみに、XFディーゼルもエコカー減税の対象車となり、20d Ingenium Pure(635万円)が約21万8500円、同Prestige(693万円)が約23万3000円の減税となります。

(文と写真:ダン・アオキ/Office Henschel)

2016年3月に過去最高の822台を記録したジャガー・ランドローバー・ジャパンが正規ディーラーサイトを開設

世界的に絶好調といえる販売拡大を続けるジャガー・ランドローバー。

2014年の新車販売台数は46万2678台、昨年は48万7065台で、高級ブランドに関わらず年々規模を拡大しています。

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いまや、インドのタタ・グループの稼ぎ頭になっているという一部報道もありますから、フォード傘下をはずれてから独自性に磨きをかけ支持されているのは、価格帯こそ異なりますが、ボルボ、マツダなどとの共通点も感じさせます。

2016年3月に過去最高の822台を記録したジャガー・ランドローバー・ジャパン。

1カ月で822台というと少ないように思えますが、最廉価でも500万円を切る程度で、上は3000万円に迫る品揃えとなっているジャガー・ランドローバーの各モデルですから3月は最も売れる月とはいえ、かなりの台数。

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この台数は、2008年のジャガー・ランドローバー・ジャパン設立以来、3月単体としては過去最高となるもので、ジャガー車348台、ランドローバー車474 台という内訳。

そこで、今後のラインアップ拡大、そしてさらなる成長と飛躍を目指し、ジャガー・ランドローバー正規ディーラー採用サイトを新たに開設しました。

さらに、全国の44拠点で展開するジャガー・ランドローバー・ジャパン正規販売ディーラーネットワークの積極的な従業員募集が開始されています。

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このサイトでは、現場で活躍する社員インタビューを通じてディーラーでの仕事内容を知るコンテンツをはじめ、ブランドの歴史を紹介するコンテンツや、ジャガー・ランドローバー・アカデミーが実施している各種トレーニングプログラムなどがわかりやすく紹介されています。

ジャガー、ランドローバーそれぞれのホームページのトップ画面からリンクされた採用サイトでは、現在募集を行われている正規ディーラーの募集要項を確認し、直接定型フォームに必要事項を入力するだけで希望の職種にエントリーが可能だそうです。

公式サイト:ジャガー・ランドローバー・ジャパン正規販売ディーラーネットワーク

(塚田勝弘)