Motor Fan's YEAR 2016

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待ってろ、テスラ!ポルシェ初のEV、年間販売目標2万台!?

ポルシェがフランクフルト・モーターショー15で公開した「ミッションE」。

このモデルは2020年末の市販化を目指す同社初のピュアEVで、テスラの「モデルS」などに対抗する4ドアスポーツサルーンとなっています。

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独自動車誌の情報によると、ポルシェでは同モデルの販売目標台数を2万台/年に置いているそうで、昨年の全世界におけるポルシェ911の販売台数が3万台強だったことを考えると、かなり強気の数字と言えそうです。

メカニズム的には、ル・マン24時間レースで優勝した「919ハイブリッド」の電動パワートレイン技術を応用しているそうで、最高出力は600ps超と強力。

0-100km/h加速を3.5秒以下でこなしながらも、満充電で500km以上の航続距離(欧州試験モード)を達成しているそうです。

ちなみにテスラの急速充電システム「スーパーチャージャー」の場合、30分の充電で約270km走行できるのに対して、「ミッションE」では専用開発のチャージャーシステム(800V)により15分間で80%の充電が可能で、約400km走行できるとか。

ポルシェによると、「ミッションE」のプラットフォームは様々なモデルに活用できるとしており、718系ボクスターのEVやPHVを計画しているとの噂もあるようです。

VWをはじめ、BMW、メルセデスベンツなどが電動化に舵をきるなか、VWグループのポルシェにおいても、EVがバリエーションに加わることは確実とみてよさそうです。

Avanti Yasunori・画像:Porsche)

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充電要らずのEV「日産ノートe‐POWER」、3週間で受注2万台超!
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2025年にEV販売100万台で首位狙う!VWが新戦略を発表
http://clicccar.com/2016/11/28/421115/

トヨタが少数精鋭の「社内ベンチャー」でEV開発を加速!
http://clicccar.com/2016/11/24/418416/

メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!
http://clicccar.com/2016/10/19/409118/

BMWがEV、電動化による新戦略「ナンバーワン・ネクスト」を発表!
http://clicccar.com/2016/03/28/362878/

【関連リンク】

Porsche Concept Study Mission E.
http://www.porsche.com/microsite/mission-e/international.aspx

ジャガー初の電気自動車「I-PACE」コンセプトをワールドプレミア

世界中で燃費規制が高まっており、燃費規制を達成できないなら罰金を支払う、という時代になると新車を売って稼ぐという商売すらできなくなるかもしれません。そこで今後必須となるのが車両の電動化。

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欧州勢がPHV(PHEV)に注力し、さらにEV化を推し進めているのは、走行車両からのCO2削減、つまり燃費規制をクリアするためで、どんなメーカーでもPHVやEVはラインナップに欠かせない存在になりはず。

さて、今回初披露されたジャガー初の電気自動車の「I-PACE」は、2018年の市販化を見据えたコンセプトカー。

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EVの「I-PACE」は「F-PACE」同様、車名に「PACE」が付くことからも分かるように、5人が乗れるスポーツカーでありながら、ハイパフォーマンスSUVという位置づけになっています。

最新世代の電気モーターと90kWhのリチウムイオン・バッテリーパックを搭載する「I-PACE」は、ジャガー・ランドローバーが設計、開発。一晩充電すれば、世界でも平均的な通勤距離である約50km以上を走行することが可能。

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もちろん、急速充電にも対応。50kW直流充電器を使用した場合、90分で80%の充電が可能で、追加2時間で満充電となります。NEDCサイクル(New European Driving Cycle)での想定航続距離は500km以上、EPA米環境保護庁のモードでは220マイル以上に達します。

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「I-PACE」コンセプトは、走りの面でもジャガーらしい力強さを発揮するとしています。前後アクスルに電気モーターを搭載し、その総パワーは400ps、トルクは「F-TYPE SVR」にも匹敵する700Nmを生み出すということからも、その実力の一端がうかがえます。駆動方式はAWDで、0-60mph加速は約4秒という俊足ぶり。

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また、世界初の「ソーシャルVR」発表イベントとして披露されたのも、ジャガー・ランドローバーらしいユニークな試み。この種のVRイベントとしては最大規模を誇り、1日を通して300名以上がバーチャルリアリティを体験しました。「I-PACE」コンセプトのために特別に用意された仮想空間では、開発に携わったイアン・カラム氏とイアン・ホーバン氏がホストを務めています。

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I-PACEが登場すれば、EV化しやすいSUVの世界もさらに競争が激しくなることは必至。2020年に向けてこうしたハイパフォーマンス電気自動車SUVが定番になりそうです。

(塚田勝弘)

メルセデス・ベンツ初のピックアップトラック、「Xクラス」コンセプト公開

メルセデス・ベンツといえば、とりわけ日本では高級車ブランドとして有名ですが、実は海外ではトラックなども手掛けています。日本でもスリーポインテッドスターを掲げる大型トラックを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

そのメルセデス・ベンツが新たなコンセプトモデル「Xクラス」を発表しました。この「Xクラス」は、日産の「NP300ナバラ」とフレームを共有するピックアップトラックです。

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アメリカではポピュラーなクルマの車種ですが、リリースによるとピックアップトラックはプライベート用としての注目も高まっていることから、そこに「Xクラス」を投入することでプレミアムピックアップトラックという市場の開拓を狙っていると言います。

今回の発表では白いボディの“stylish explorer”と黄色いボディの“powerful adventurer”という二種類の異なるテイストの「Xクラス」が姿を現しました。

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“stylish explorer”は温かみ溢れる居心地の良さを表現するための素材や色遣いなのに対し、“powerful adventurer”は助手席前に消火器を置くためのスペースを設けるなど武骨な印象で差別化が図られています。

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両車ともデザインは異なりますが、プライベート用としての需要の高まりを受けて快適性と実用性への配慮は抜かりなく、5人が乗れる居住空間には人間工学を採り入れたシートや、車内のネット環境などが揃っているとのこと。もちろん、カメラやレーダーを使った安全装備も充実しています。

「Xクラス」の詳細なスペックは明かされていませんが、V型6気筒ディーゼルが搭載されると言います。また、電子制御トラクションシステムと2つのデフロックを組み合わせた4WDシステムを搭載し、極限の悪路でも安心して進める実力を誇るそうです。

Mercedes-Benz Concept X-CLASS – Erster Ausblick auf den neuen Pickup mit Stern

気になる発売時期は2017年中を予定しており、価格は未定。主要なマーケットはヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、オーストラリアとのことです。

(今 総一郎)

タイヤに新機能を搭載!レクサスとグッドイヤーがコラボレーション【パリモーターショー16】

10月1日に開幕したパリモーターショー16で、レクサスのコンパクトSUVの将来像を示すコンセプトカー「UX Concept」がワールドプレミアされました。

Goodyear

現行モデルのレクサス「NX」よりも230mm短く、55mm広く、125mm低い、走りを予感させるクーペライクなプロポーションを採用しています。

中でも、スクエアなオーバーフェンダー内に収まる21インチのアロイホイールや、見慣れないタイヤが目を引きます。

Goodyear

サイドウォール部に彫刻的なデザインが施され、オフロードでの高いグリップ性能をイメージさせると共に、アロイホイールのスポーク部との連続感を出すことで、ホイールがより大きく見えます。

このタイヤは「Goodyear」が同モデル用に専用開発したもので、「アーバン・クロスオーバー」のイメージを表現しているそうです。

走行時のタイヤ空洞共鳴音のピークを減衰(タイヤ内面にポリウレタンフォームを装着)し、ロードノイズ低減に寄与する「サウンド・コンフォート・テクノロジー」や、タイヤ内に埋め込んだセンサーにより、タイヤ内のエア圧や発熱温度などを車載コンピュータに送信する「チップ・イン・タイヤ・テクノロジー」を採用。Goodyear

また、パンク等で完全にエアが抜けた状態でも、強化したサイドウォールにより、最高で80km/hの走行が可能な「ランオンフラット・テクノロジー」を採用しています。

レクサスは昨年3月のジュネーブショーに出展したコンセプトモデル「LF-SA」にもGoodyear製の新機能を持たせたタイヤを装着していました。

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「Triple Tube(トリプルチューブ)」と称するこのタイヤでは、トレッドに3本のチューブを備えており、走行中の速度などのシチュエーションにあわせて内側/中央/外側の空気圧を自動調整し、タイヤを変形させることが可能になっています。

例えば全てのチューブの空気圧を高めれば、転がり抵抗が低減されて燃費が向上。

また雨天時には左右チューブを減圧。中央部のみが接地することで極細タイヤのようになり、ハイドロプレーニング現象を起き難くすることが可能というもの。

また一昨年のパリモーターショーに出展したトヨタ「C-HR Concept」にも、やはりGoodyear社が提案する発電するタイヤ「BH‐03」が装着されていました。

こちらは、走行中に発生する路面との摩擦熱や、駐車時に吸収した太陽熱を電力に変換したり、走行中のタイヤ変形エネルギーを利用してカーカス層に張り巡らせた圧電素子で発電、その際の電力で駆動用2次バッテリーを充電する仕組み。

このようにトヨタ自動車は今回を含め、3度に渡って新機能を持たせたコンセプトタイヤを披露しており、将来の市販車への採用を示唆している可能性が高そうです。

「発電するタイヤ」が実現した際には、自動車業界に大きなインパクトを与えそうで、今後の技術開発が期待されます。

Avanti Yasunori・画像:Lexus、Goodyear)

【関連記事】

トヨタ次期プリウスベースのコンセプトカーに「発電タイヤ」を搭載していた!
http://clicccar.com/2015/07/24/319046/

【関連リンク】

Lexus UX コンセプト
http://www.lexus-int.com/motorshow/2016-paris-motor-show/?contents=ux

Goodyear
https://corporate.goodyear.com/en-US/media/news/goodyear_presents_th.html

コンパクトSUVのデザインと快適性を提案する、レクサス「UX Concept」【パリモーターショー16】

パリモーターショーの開幕前にフォトデビューしていたレクサスのコンパクトクロスオーバーSUV「UX Concept」が披露されました。

全長4400×全幅1900×全高1520mm、ホイールベース2640mmというサイズは、レクサスNXの全長4630×全幅1845×全高1645mm、ホイールベース2660mmよりも230mm短く、55mmワイドで、125mm低くなっています。

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「UX Concept」はあくまでデザインスタディのショーモデルですから、全幅が強調され、全高も低くなるのは必然でしょう。もし市販されれば、レクサスNXよりもひとクラスコンパクトなSUVということになるのでしょうか。

見どころは、将来のコンパクトクロスオーバーの将来像を示したとするデザインだけでなく、快適性も確保することで、先進的な都市生活者の期待に応えている点。

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ひと目で分かるクロスオーバーらしい力強いエクステリアに、低めの車高とクーペのようなドライビングポジションが、コンパクトでありながらダイナミックな走りを予感させる革新的なパッケージを採用。

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外観を上から眺めるとエクステリアとインテリアがキャビンを中心にした「X線状」でつながり、強い相乗効果を生み出す「インサイド・アウト」と呼ぶコンセプトが具現化されています。

また、ホイールアーチやルーフバー、電子ミラーを同じ素材感で仕上げることで、キャビン内側との一体感や連続性を演出。

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レクサスの顔つきといえば、スピンドルグリル。フロントグリルを取り囲むボリューム感ある造形が同ブランドのアイデンティティを強調するだけでなく、三次元的な立体効果を狙っているそうです。

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彫り深く、繊細な面の造形がクラシックスポーツカーを彷彿とさせるとともに、全体を貫く力強さが最新のレクサス・デザインらしさとなっています。

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一方のインテリアは、前後席それぞれが異なった雰囲気が醸し出されています。

フロントは人間工学に基づきドライバーが主役のデザインで、ホログラムなどのヒューマンマシンインターフェイス技術を採用。三次元による先進的なドライビング体験を提供するとしています。

逆にリヤは、寛ぎの快適空間を演出。また、キャビン中心を縦に貫くコンソールや室内配色で、前後席空間の違いを際立たせているのも特徴です。

(塚田勝弘)

新型C3やコンセプトカー「CXPERIENCE」などを披露【パリモーターショー16】

お膝元で開催されるだけに、パリモーターショーで披露される新型C3や、コンセプトカーの「CXPERIENCE」、「E-Mehari」、「Space Trouser」、マイナーチェンジ版のC4ピカソなど、多彩なモデルを出展するシトロエン。

Copyright William Crozes @ Continental Produtions

新開発となるEVのビーチカー「E-Mehari」、MPVの「Space Trouser」、そして新型C3がワールドプレミアされるモデルで、こちらは「C4 Cactus」を想起させる外観のディテールが目を惹きますし、インパネも従来のシトロエンとは異なる新しいテイストでまとめられています。

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新型C3のほか、もう1台ワールドプレミアされる「CXPERIENCE」は、4ドアクーペフォルムで、従来のデザインと快適性の常識を覆したコンセプトカーという位置づけ。

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ほかにも、シトロエンにとって新たなスポーツ・アドベンチャーの始まりを象徴する2つ目のコンセプトカーも用意されるそうで、こちらは近日詳細が発表されます。

(塚田勝弘)

メルセデスがEVの新ブランド「EQ」を発表。第一弾は最長500km走行可能なコンセプトカー【パリモーターショー16】

年々厳しくなる燃費規制をクリアするためには、内燃機関の改良やハイブリッドだけでは厳しく、欧州勢は電気自動車(EV)に軸足を移しています。

今後は官民で充電スタンドを整備させ、普及への課題もクリアしてくるでしょう。

Mercedes-Benz auf der „Mondial de l’Automobile 2016“

ドイツのダイムラー(メルセデス・ベンツ)がパリモーターショーで披露した「ジェネレーションEQ」は、2つのモーターにより300kWという最高出力、最大トルク700Nmのアウトプットを得て0-100km/h加速は5秒以内、最長500kmの航続が可能なEVコンセプトです。

「Electric Intelligence」から命名されたという「EQ」ブランドは、EVシリーズの新ブランドという位置づけになります。

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「EQ」シリーズは、機能拡張や規模の拡大に対応できるのが見どころで、バッテリー、電気モデルのために特別に開発されたアーキテクチャーを使用。

ホイールベースや全幅だけでなく、バッテリーなどすべてのシステムコンポーネントがモジュラーブロックシステムにより、SUV、セダン、クーペなどEVであれば対応できるのが特徴です。

充電は誘導システムまたはウォールボックスを使ったコードレス充電システムに対応しています。

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今回の「ジェネレーションEQ」は、ダイナミックなクーペフォルムで、SUVのテイストを盛り込んだクロスオーバーコンセプトです。ドアミラーやアウターハンドルなどを廃止することで空気抵抗を削減。

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インテリアはドライバー中心の設計で、左右非対称のインパネにフローティング式の24インチワイドスクリーンディスプレイが採用されています。速度などのメーターや地図画面などが表示され、コンテンツの表示も選択可能です。

(塚田勝弘)

フォルクスワーゲン「I.D.」は最長600km走行可能な次世代EV【パリモーターショー16】

フォルクスワーゲンがパリモーターショーで初めて披露した「I.D.」は、125kWの電気モーターを搭載し、400〜600km走行可能なコンパクトEV。

2025年以降に実用化を目指しているという完全自動運転の技術を備えたコンセプトカーでもあります。

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しかも、単なるコンセプトモデルではなく、今回同時に発表された「e-Golf」などとともに2020年にコンパクトEVとして市販化することも見据えているそうですから、中身が気になるところです。

Volkswagen Showcar I.D. I.D. ? die Revolution. Der erste Volkswagen auf der vlig neuen Elektrofahrzeug-Plattform. Der erste Volkswagen, der f・ das automatisierte Fahren vorbereitet ist.

フォルクスワーゲン「I.D.」は、EVであることが視覚的に分かるように「Iconic Design(アイコニックデザイン)」を採用。

さらに注目は、新しい「MEB」車両アーキテクチャーに基づいたVW初のコンパクトコンセプトカーであること。

MEBは「Modular Electric Drive Kit/モジュラー エレクトリック ドライブキット」」の略で、ピュアEVのために新たに考案されています。

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インテリアは「オープンスペース」コンセプトと命名され、ラウンジにいるようなくつろいだ雰囲気を演出。

電気モーターを含めて駆動系をリヤアクスルと一体化し、高電圧バッテリーを床下に収めた車両レイアウトによって実現したもので、全長わずか4m程度でも広くて明るく、そして柔軟に使えるスペースとなっています。

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「I.D.」は既存のポロやゴルフ、パサートなどと同様に量産車としてラインナップを拡充していくコンパクトEVというポジションになるようです。

(塚田勝弘)

レクサスUX Conceptは次世代クロスオーバーSUVか!?

2016年9月29日から開催される「パリモーターショー2016」に、次世代レクサスのデザインの方向性を示すというレクサス「UX Concept」が出展されます。

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レクサスのSUVは、LX、RX、NXと「●X」という車名が与えられていて、あくまでデザインスタディのコンセプトカーなので分からないものの、UXは欧州勢を中心に流行しているクロスオーバーSUVというカテゴリーになるのでしょうか。

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いかにもコンセプトカーらしい大胆なデザインが目を引く「UX Concept」。デザインを手がけたのは、フランスのニースに拠点を置く「ED2(EDスクエア)」が担当。

写真を見る限り、フロントドアパネルとリヤドアパネルの間にアウタードアハンドルがまたぐように配置されているように見えます。観音開き式の5ドアモデルなのか少し気になりますが、そこはコンセプトカー。実際に、どういったフォルムやディテールが市販車に反映されるかが気になるところ。

見どころは、クーペのように天地に薄いキャビン、力強いフェンダーまわりやワイド感のあるリヤテールランプなどの大胆な外観だけでなく、伝統の匠と先進技術を融合させたインテリアも合わせた独自の価値観を提案しているそうです。

今年のパリモーターショーには、ほかにもマイナーチェンジしたレクサスIS、2017年春登場予定のラグジュアリークーペのレクサスLCなどの展示が予定されています。

(塚田勝弘)

世界一のラグジュアリーカーの座を取り戻す!「キャデラック エスカーラ コンセプト」が公開

2016年8月21日にアメリカのカリフォルニアで開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」に先立ち、8月18日にキャデラックのコンセプトカー「Cadillac Escala Concept(キャデラック エスカーラ コンセプト)」が初公開されました。

なお、ペブルビーチで発表されたキャデラックのコンセプトカーは、「シエル コンバーチブル(2011年)」と「エルミラージ クーペ(2013年)」に続き、このエスカーラが3台目となります。

The Escala Concept introduces the next evolution of Cadillac design.

「キャデラック エスカーラ コンセプト」は、今後のキャデラックのデザイン像およびテクノロジーを明確に示唆するというモデル。

「スケール」を意味するスペイン語から命名された「エスカーラ」は、最近発表された2016年モデルのキャデラックCT6よりも大きく、より格上の存在感を持ち合わせた最高級セダンという位置づけ。

大胆なリフトバックデザインが特徴の外観は、圧倒的なスケール感と使い勝手の良さが強調されています。全長5347×全幅1948×全高1455mmに達し、全長はキャデラックCT6よりも約160mmも長くなっています。

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1948年から受け継がれているキャデラック独自の縦型ライトに、新たなアレンジが加えられているのも見どころ。

有機LED(OLED)が採用されたヘッドライトは、よりスリムで奥行きのある設計で、昼夜を問わずワイルドなルックスを演出。

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インテリアで目を惹くのは、曲線を描く3つのOLED式ディスプレイで、インパネの大きな特徴にもなっています。

今後登場するキャデラックのモデル向けに開発されたもので、ドライバーの正面には非常に薄い曲線状のディスプレイが重ねられていて、「Cadillac」の文字があしらわれたエンボス加工済みのハンドステッチ加工のレザーで覆われています。

なお、メーターパネルを構成する複数のディスプレイは、ひとつのユニットとして統合されています。

さらに、コネクティビティコントロールの新機能も用意。開発途中のプロトタイプだそうで、こちらも将来的に市販車に採用される予定だそうです。センターコントロールモジュールが備わっていて、タッチ操作はもちろん、声やジェスチャーでも一連の通信機能の操作が可能。

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ドアトリムとシートには、特別仕様のファブリック素材が幅広く採用されていて、この素材はスーツ素材をヒントにしたものだそうで、新次元のクラフトマンシップやカラーを提案するとした力作。

駆動方式はもちろんFRで、新型キャデラックCT6に初めて導入されたボディは、各種素材が組み合わされ、かつてない俊敏性と効率性が実現しているそうです。

エンジンは今後キャデラックの製品モデルに採用される予定のプロトタイプで、新開発の4.2L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載。

「アクティブ・フューエル・マネージメントテクノロジー」によって4気筒に切り替わることでの燃料消費量を抑えることが可能になるなど、キャデラックといえども環境面への配慮も当然ながら徹底されています。

(塚田勝弘)

日産が米国でインフィニティのフラグシップセダンを公開!

日産自動車が米カリフォルニア州で開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、「インフィニティ Q80インスピレーション」を公開すると発表しました。

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クーペのようなエレガントさを備えたインフィニティのフラッグシップモデルで、米国では初公開となります。

全長5,060mm、全幅2,010mm、全高1,340mmと、同社の現行「シーマ」に迫る堂々としたボディサイズを持つ4ドアセダンとなっており、カーボンファイバーやアルミ、レザーなどの素材を使用するなど、最高の品質を追求したといいます。

ハイブリッドシステムを採用しており、新型「Q60」や「Q50」改良新型に搭載された3.0L V6ツインターボエンジンを搭載、モーターとの組み合わせによるシステム出力は550hpに達しています。

駆動方式はFRと4WDを切り替えられる仕組みになっており、燃費性能は、欧州複合モードで18.2km/L。

インテリアは、独立4シーターとなっており、運転席や助手席にHUD(ヘッドアップディスプレイ)が装備されています。

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ルノー出身で現在はインフィニティ副社長のフランソワ・バンコン氏によれば、「同モデルはプレミアムセダンの新境地を開拓するもので、これまでの伝統的な高級セダンではない」とした上で、「製品化の意図を持ったインフィニティの野望を示唆するモデル」と説明。

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また「インフィニティ・ブランドのプレミアムカーにとって、自動運転機能は不可欠」としており、日産がセレナ以降、各車種に展開中のドライバー支援システムにも注目が集まりそうです。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

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「ニッサン ブレードグライダー」の最新版がオリンピックの開催地ブラジルで公開

2013年の東京モーターショーで披露されたEVコンセプトカーの「ニッサン ブレードグライダー」。2016年8月4日に、オリンピックが開催されるブラジルのリオデジャネイロで最新のプロトタイプが公開されました。

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車名からも想像できるように「滑走するように走るクルマ」がテーマ。何といっても外観で目を惹くのは、超ナローのフロントトレッドと、高い空力性能と安定したハンドリングを実現するというワイドなリヤトレッド。

矢先形状の車体部分に設置された運転席には、広々としたレッグルームが広がり、コックピットは継ぎ目のないウィンドスクリーンを採用。3シーターのどこに座ってもパノラミックな景色が楽しめるそうです。

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また、同車専用のステアリングコントローラーには、バッテリー残量、速度、回生モード、トルクマップなどを表示する最新型ディスプレイを搭載。

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さらに、センターディスプレーの左右に配された2つのスクリーンには、フロントホイール後方に搭載したカメラにより、斜め後ろの映像が映し出されます。カメラはドアミラーの役割も果たすだけでなく、空力性能の向上にも貢献します。

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技術面のトピックスは、英国のWilliams Advanced Engineering(ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング)が開発したバッテリー(5個の電池モジュールから構成する220kWのリチウムイオンバッテリー)、モーター技術を動力源としている点で、左右のタイヤに設置された130kWの電気モーターにより後輪を駆動。

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「滑走するように走るクルマ」を掲げるだけに、プロトタイプの最高時速は190km/hに達し、0-100km/h(62mph)加速は5秒を切るそうです。なお、同コンセプトカーの1台はオリンピック・パーク内に常設展示され、もう1台をメディアやVIPの試乗に使用する予定となっています。

(塚田勝弘)

ブランド初のコンセプトカー「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100」は完全自動運転車

いままでコンセプトカーがなかったのは意外な気もしますが、純然たるコンセプトカーとしてはブランド初となる「ロールス・ロイス ビジョン・ネクスト100」がロンドンで発表されました。

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以下の4つのビジョンを提案し、未来の個人向け輸送手段は実用的かつ機能的なものとなるという一般的な考えを拒否しています。

パーソナル・ビジョン(個人の好みを反映)
エフォートレス・ジャーニー(平易な旅程)
グランド・サンクチュアリ(豪奢なる聖域)
グランド・アライバル(威厳のある到着)

2030年以降と想定されている「完全自動運転(レベル4)」が実現すると、運転する喜びはもちろん、クルマの「走り」や「乗り味」などのフィーリングが問われることもなくなり、自分で愛車を所有することもほとんどなくなるのでは? といった予想する向きも確かにあります。

そこでロールス・ロイスは、自分の所有するクルマに対して感情的なつながり(所有する喜びなど)を求めるオーナーに対し、全自動運転車でありながら一切妥協することなく、オーダーメイドによる独自仕様のビジョンを提案。

これが上記した第1の基本原則「パーソナル・ビジョン」です。

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ふたつ目の「エフォートレス・ジャーニー(平易な旅程) 」は、同モデルに搭載されている「エレノア」がオーナーのライフスタイルとクルマ周囲の環境をデジタルで接続。

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バーチャルなアシスタント兼運転手を務め、オーナーの負担を解放し、乗車する人の出発準備が整うとその人の待っている場所までクルマを「移動」させ、次の目的地に向かうそうです。

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3つ目の「グランド・サンクチュアリ(豪奢なる聖域)」は、同ブランドならではのラグジュアリーな室内空間を示したもので、同ブランド史上最も居心地の良いシートを用意。未来的でも手作業で仕上げられた「ラウンジ」に仕立てられています。

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最後の「グランド・アライバル(威厳のある到着) 」は、国賓などが目的地に到着した際の、「威厳のある到着」を約束する堂々たるスタイリングを有していることで、「スプリット・オブ・エクスタシー」、「パンテオングリル」、「ロングボンネット」、車両全体の象徴的なプロポーションはロールス・ロイスそのまま。

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ロールス・ロイス初のコンセプトカーがどんなモデルかのぞいて見たい人は、下記の動画(YouTube 360°)をチェックしてはいかがでしょうか。

(塚田勝弘)

【東京おもちゃショー16】トヨタが出展する「カマッテ」の新作は「夢カプセル」!

東京ビッグサイトで6月9日から4日間に渡って開催される「東京おもちゃショー16」に、トヨタ自動車が親子で車内の空間をカスタマイズできるトレーラー「Camatte Capsule(カマッテ カプセル)」を出展すると発表しました。

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同社はクルマが持つ「夢」や「楽しさ」を次世代へと伝えていきたい、クルマをもっと身近なものとして感じてもらいたいという想いのもと、昨年出展した「Camatte Vision(カマッテ ビジョン)」をはじめ、これまでも数回に渡って親子で楽しめる「カマッテ」シリーズを同ショーに出展しています。

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今回出展する「Camatte Capsule」では、子供が自ら「クルマの中でしたいこと」、「クルマの中に置きたいもの」を自由にイメージし、車内に配置された3面スクリーンに自分好みの空間を映し出すことができるような仕組みを備えているそうです。

専用アプリをインストールしたタブレット端末で6種類の色パターンから自分の好きな色を選択した後、日常生活に関わる24アイテム(家具、電化製品、楽器など)から最大8アイテムを任意に選択して配置。

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「Camatte Capsule」内の3面スクリーンに投影された、自らが選択した色やアイテムで構成されるバーチャルな空間を体感しながら、親子でその空間(世界)について語り合うというコンセプトになっています。

ブースには「Camatte Capsule」を牽引するクルマとして、これまでに出展した「Camatte そら」(2012年)、「Camatte 57s」(2013年)、「Camatte はじめ」(2015年)を展示、様々なタイプの「Camatte」を体感することができます。

今年も東京おもちゃショーにご家族でお出掛けの際は、トヨタブースに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車)

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新プラットフォームを採用する、ボルボ・新型40シリーズのコンセプトカー

最上級SUVの新型ボルボXC90により、新しいステージに上がったことを感じさせるボルボ。新鮮味のある内・外装をはじめ、走りや環境性能の進化も見逃せません。

Volvo Concept 40.1 front seven-eights

もちろん手綱を緩める気配はなく、今回新たに2台のコンセプトカーが発表されました。

フォトデビューしたセダン系クロスオーバーとSUVモデルの新型「40シリーズ」のコンセプトカーは、ボルボのプレミアムコンパクト戦略の全容を示すというモデル。

Volvo Concept 40.2 rear quarter low新40シリーズのポイントは、目を惹く内・外装デザインはもちろん、最先端を行くコネクティビティ、車両の電動化、自動運転技術を兼ね備えたコンパクトカーという点。

市場が大きく、収益性も見込めるプレミアムコンパクトカーのグローバル市場に投入されるとのこと。

Volvo Concept 40.2 rear quarter high

T5 Twin Engine on CMA and T8 Twin Engine AWD on SPA

ボルボの「コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)」から生み出される初のモデルで、小型車用の新開発プラットフォーム「CMA」により、大胆で斬新なデザインと設計を追求することが可能になったそうです。

今後4年以内に世界的な高級車メーカーと互角に競えるブランドに成長することを目指しているボルボにとって、数が期待できて利益率も高いプレミアムコンパクトは欠かせないピースなのでしょう。

また、ボルボは電動化車両を2025年までに累計100万台販売する目標を掲げています。

新型コンパクトカーには、EV、PHV(ボルボはTwin Engineと呼ぶ)モデルが含まれ、すべてのプロダクトラインナップで電動化を目指すというこのコミットメントに沿ったものになっています。

Drive-E 3 cylinder Petrol - interior

エンジンは「Drive-E」戦略に基づいて4気筒までとしていて、現状は4気筒のみですが、直列3気筒も登場する予定。

T5 Twin Engine - Regenerative braking

新型T5ツインエンジンは、自社の新型3気筒ガソリンエンジンとモーターに連結した新型7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)をベースにしたもので、既存の「ツインエンジンAWD」のアプローチをコンパクトカー用の手頃なFFベースのシステム向けとしたものになっています。

Volvo Concept 40.2 front

このコンセプトカーのまま市販化されるわけではないでしょうが、2017年にも新しい「40シリーズ」モデルの生産が開始される予定だそうです。

(塚田勝弘)

トヨタが米大学と共同でコンセプトEV「uBox」を開発!

トヨタ自動車が4月12日、米サウスカロライナ州のクレムゾン大学と共同で若者向けのEVコンセプトカー「uBox」を開発したと発表しました。

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同大学の「Deep Orange」と呼ばれる国際自動車研究センターの大学院生が主体となってコンセプトカーを製作。市場調査に始まり、デザイン、設計、製造までの車両開発全体を2年間に渡って経験したそうです。

TOYOTA_USA_uBox(出展 米国トヨタ)

“ジェネレーションZ”と呼ばれるインターネット世代にアピールできるクルマづくりがテーマで、普段は仕事での移動手段に加えてオフィス代わりにクルマを利用、週末にはレジャーに利用する若手企業家がターゲットとか。

車体にはカーボンファイバーやアルミなどの軽量素材を使用しており、車内を低床化、サイドドアを観音開きにするなど、乗降性に配慮すると共に嵩張る荷物の出し入れや、ビジネス作業を容易にするなどの工夫がなされています。

TOYOTA_USA_uBox(出展 米国トヨタ)

インテリアは3Dプリンターで製作したパーツでカスタマイズが可能。EVならではの利点を活かし、110Vの電源ソケットを設置、電気製品も使用できます。

Clemson_Deep_Orange(出展 クレムゾン大学)

今回の学生とのコラボはトヨタにとっても、将来の若い世代がどのようなクルマの使い方をするのか参考になるとともに、学生側も自動車開発全体の流れを習得する良い機会になったようです。

こうした取組みはエンジニアの育成に繋がることから、日本の大学でもカーメーカーと共同でクルマ作りを経験できる機会があると良いかもしれません。

Avanti Yasunori

木と金属への徹底したこだわり ─ トヨタ「SETSUNA」画像ギャラリー

木製コンセプトカー・トヨタ「SETSUNA」の木へのこだわりは、前回も紹介しましたが、今回はもう少し細かい部分を紹介します。

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「SETSUNA」のボディサイズは、全長3030×全幅1480×全高970mm。ホイールベースは1700mmで、見たとおり2シーターで、パワートレーンは電動モーターと公表されています。

ホンダS660が全長3395×全幅1475×全高1180mmですから、衝突安全や居住性などを加味しないでいいコンセプトカーとはいえ、かなり短め。

さて、取り替え可能な外板に杉、フレームに樺(かば)、フロアに欅(けやき)、シートに栓(せん)など、用途に応じた木材を使い、日本古来の伝統技法により組み付けられている「SETSUNA」ですが、細部にまでこだわりが貫かれています。

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まず、木を使っているのに滑らかさを感じさせるサイドビューが象徴的ですが、材料の木は、時間をかけゆっくりとしならせることで、ボディラインは船のような美しいカーブを、フロントからの眺めは七角形を、側面や上方からでは紡錘形を描いています。

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人が手間暇を掛けて塗った漆である「拭き漆」という技法もそのひとつで、木目を生かすため、ドアミラーやシート、ステアリングホイール、ボディの帯状のラインなどに拭き漆を採用。

一般的に知られている「塗って重ねていく」本漆ではなく、塗っては表面を拭くことを繰り返し、木目に沿って漆が定着し、木目と漆のコンビネーションが際立つ技法だそう。

「拭き漆」により、初期の美しさもさることながら、時を経て使い込まれることで濃淡や色合いが変わり、世界にひとつだけの味わいを醸し出すそうですから、年月を経た「SETSUNA」を見てみたいところ。

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見た目も印象的なシートは、木で作られた公園のベンチのように「誰をも優しく迎え、包み込むような、そんな柔らかな表情を持つシートを」という想いを具現化。「栓(せん)」の木に漆が塗られていて、身体が主に触れるところには革が貼られています。

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こだわりは「木」だけではありません。アルミ製メーターは、アルミケースの中の短針は時間(1周=24時間)、長針は月日(1周=365日)を表し、「年」を刻む設計となっています。「家族と時を刻む100年メーター」という想いが込められているそうですが、まさに同コンセプトカーに合っています。

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エンブレムは「刹那エンブレム」と命名され、「刹那の積み重ね」を円と放射状のデザインにより表現されていて、一秒一秒を刻む時計のようでもあり、刹那に咲く花のようでもあるデザインを採用。

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アルミはメーターだけでなく、木と木の間に効果的に配置されています。ホイールキャップやステアリングホイール、シートなどにアルミニウムが使用されていて、木々との調和を図り、美しいコントラストを表現しているそうです。

さらに、「様々な材料とその組み合わせから創出される美しさ、それらが変わることを愛でる経年美を味わえる」と、木や革だけではなく、金属も傷がつき愛着を持てる材料ではないか、ということから金属も採用されているそうです。

(塚田勝弘)

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■「木のクルマ」トヨタ「SETSUNA」のこだわりとは?
http://clicccar.com/?p=363655

日産自動車が中国で目指す「ゼロ・フェイタリティ」とは?

日産自動車の中国現地子会社である日産(中国)投資有限公司(以下、NCIC)は、北京モーターショー2016に、日産の将来ビジョンを具現化したコンセプトカー「ニッサンIDSコンセプト」を出展します。

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昨年の東京モーターショーにサプライズ出展された「ニッサンIDSコンセプト」は、日産の将来ビジョンである「インテリジェント・モビリティ」を具現化したモデルとして、「ゼロ・エミッション」、「ゼロ・フェイタリティ」を目指しています。

「ゼロ・エミッション」は汚染なしですが、「ゼロ・フェイタリティ」の意味をご存知でしょうか?

「フェイタリティ(fatality)」とは、辞書によると不幸・事故による死亡という意味。つまり、「ゼロ・フェイタリティ」とは事故死ゼロということ。

「ニッサンIDSコンセプト」のテーマである電動化と自動運転で事故死ゼロ、つまりNCICは安全性の高さを強調しているのです。

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さらに、同モーターショーでは「マキシマ」も展示します。

「マキシマ」は2015年の広州国際モーターショーで中国初公開されました。中国のヤングエリートから注目を集めており、若者をターゲットにした東風日産の「Young Nissan」戦略を強化するモデルとして、販売を強化するねらいがあるようです。

北京モーターショー2016は、チャイナ・インターナショナル・エキシビジョン・センターで4月25日〜5月4日に開催されます。

(山内 博・画像:日産自動車)

次期日産リーフ?「ニッサンIDSコンセプト」を中国初披露

昨年の東京モーターショーにサプライズで出展された日産の「IDSコンセプト」が4月25日から5月4日まで開催される「北京モーターショー2016」で初披露されるほか、プレミアムスポーツセダンを標榜するマキシマも出展されます。

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「IDSコンセプト」は次期リーフか? という噂や見方も一部であるようですが、どう見てもその名のとおり、フルカーボン製ボディを使った外装など、「コンセプト」然とした内・外装になっています。

簡単におさらいすると、完全自動運転と部分自動運転の切り替えが可能など、自動運転を見据えた技術、そして60kWhというリチウムイオン電池は、最新リーフの倍。

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日産では「ゼロ・エミッション」、究極的には死亡事故ゼロを目指す「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けた将来ビジョン「日産インテリジェント・モビリティ」を体現するコンセプトカーとして中国でも提案するとしています。

The all-new 2016 Nissan Maxima, which goes on sale in summer 2015, sets a new standard for style, performance and technology in the mid-size sedan segment.

また、最新のプレミアムスポーツという位置づけのマキシマは、「高品質かつエキサイティングな商品を中国市場にもたらす」という日産のコミットメントを体現する商品として出展。

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2015年の広州国際モーターショーで中国初公開されたマキシマは、洗練されたスポーツカーのようなスタイリングや高い走行性能、 セグメントをリードする先進技術の搭載により、とくに中国のヤングエリートから注目を集めているそうです。

2016 Nissan Maxima

同車には、セーフティ機能が多数搭載されていて、ラグジュアリーモデルにふさわしい高級感あるインテリアが特徴。

8代目マキシマは、 2015年に米国でのデビュー以来、高い評価を得ているそうで、中国でも、若者をターゲットにした東風日産の「Young Nissan」戦略を強化するモデルとして、販売に寄与するものと期待されています。

(塚田勝弘)

「木のクルマ」トヨタ・SETSUNAのこだわりとは?

4月11日のプレスプレビューを皮切りに4月17日まで、イタリアで開催される「ミラノデザインウィーク2016」。トヨタ「SETSUNA」が「木のクルマ」として注目を集めていますが、ショーを前にその全容が明らかにされました。

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最大の疑問は「なぜ木なの?」という点ではないでしょうか。

トヨタ「SETSUNA」のコンセプトは「歳月を経て変わることを愛でる」だそうで、確かに金属などでも年月を経れば味わいも出そうです。

このコンセプトを具現化するため、

「木は、手を掛けいたわることで色や風合いが変化し、愛情を注いだ分だけ家族へ応えてくれる。これを積み重ね幾世代も受け継いでいくことで、その家族だけのクルマへと変化する。その変化は家族との絆そのものであり、あらゆる思い出を封じ込めたものでもある」

と開発責任者である辻 賢治氏達の思いが木に込められています。

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しかし、単に木を切り貼りし、積み木のように組み立てた1/1スケールの玩具ではなく、トヨタがコンセプトカーとして作ったわけですから、こだわりが詰まっています。

その心は「走る・曲がる・止まる」といった性能を装備し、構成部品でもある木材も適材適所の樹種の選択。

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木目の鮮やかさや趣き、材質の柔らかさから、外板は「杉」が採用されているほか、フレームは高い剛性を保つ「樺(かば)」、フロアは強度が高く耐久性に優れた「欅(けやき)」、シートには木肌がなめらかな「栓(せん)」が使用されています。

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さらに木目の美しさまで表現されています。

「杉」の外板は、丸太の中心に向かって切断した柾目(まさめ)、丸太の中心から適度にずらして切断した板目 (いため)の2パターンを製作。

柾目はほぼ平行に、木目が均等にはっきりと並ぶフォーマルな印象を演出する一方で、板目は木目が柔らかで、1本の木でも同じ木目はなく、趣きのあるフレンドリーな印象を狙っているそう。

また、木の接合には、釘やネジを使用しない日本古来の伝統技法である「送り蟻」「くさび」などが採用されています。

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外板の着脱は、釘などを使わずにできる「送り蟻」を活用。まるで宮大工による伝統的な建築物のようですが、接合部の強度を高めるだけでなく、締結部がすり減ったとしても「蟻ほぞ」、「ほぞ穴」を部分的に取り換えることが可能で、本体を加工することなく使い続けることができます。

ほかにも、フレームの接合部には部品と部品を貫通させた「通しほぞ」に「割りくさび」を用いて締結。このように手間を掛けて木と木だけで組付ける「匠の技」も魅力。

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取り替え可能な外板はダイハツ・コペンのようですが、86枚のパネルで構成されたボディは、どうしても修理しなければならなくなった時には全体を交換するのではなく、1枚だけを交換することができるなど、今までのコンセプトカーになかったこだわりが満載されています。

(塚田勝弘)